パソコン工房のLesance(レサンセ)ノートの実機評価その1。
昨年末より200万台販売記念モデルとしてユニットコムが販売していた激安ノート、送料込で29,800円。品切れかつ予約状態が続いておりましたが、レビュー用のPCを貸して貰えたので現物レビュー。
今回は開梱から軽めの分解までをやらかして参ります。
先に何故私がレサンセを借りているのか3行で表わすと
- 私「レサンセのノートとデスクトップ貸して」と駄目元でメール
- 工房「おk、この書類書いてFAX返信よろ」
- 私「え?」 工房「え?」
まさか本当に貸してくれると思っていなかった為こちらが驚いたという。
過去にドスパラや日本HPのPCを評価しておりますが、あれはメーカーからの評価依頼。今回は私から提案しておりパソコン工房が受けて立った次第。
条件は(送料以外は)いつも通り
- 良い事ばかり書かず、悪いと思う事はそのまんま書く
- レビュー記事に対する金銭や物品は受け取らない
- 私が言い出した話なので送料は折半で良い
パソコン工房に伝えていない、当サイトのオリジナル隠れ条件は
- 一度公開した記事は削除などしない
- 内容は100%私(ヒツジ先輩)1人の作文
- 修正が有った場合は元の内容が分かるように書く
この手のレビューは通常、公開前にメーカー側で確認させろと言われるものでは有りますが、確認しても私は他人の意見で内容を変えず確認に意味が無いので、パソコン工房は本当に内容を関知しておりません。公開後に見るかも知れないけれど。
また、貸してくれたからとは言え良い点を強調する気も無く、購入するユーザ側の視点+元BTOメーカー修理担当としての見方で参ります。
なお、冒頭で販売していたと過去形にしているように既に完売。この機種というピンポイントでは無く、パソコン工房の3万円ノートはどの程度の物かという見方でどうぞ。
レサンセ「LNB-7HP-P3533-SP」のノート実機と付属品
納品されたノートの箱を開ける所から。
そこからなのかよと思われるやも知れないけれど、修理現場に居た人間としてはここが重要。梱包や緩衝材の不足が有ると輸送時に故障する率が高く、初期不良の原因は半数以上が配送が原因。
パソコン工房には「新品では無くて良いけれどユーザが購入したと同じ状態で貸してくれ」と伝えたので、買った物と同様のはず。
外箱は覆われていただけなので取り外し中身を出した所。
私が見た事の有るデザインなので、ベアボーン(ノートPC本体部分)メーカーが使用している箱をそのまんま流用と推測。
ラベルを見ると右下にUNIT.COM INC.の文字が有り、ユニットコム(パソコン工房やfaithなど)用に製造したベアなのでしょう。
その他、CPUや無線LANどころか、HDDやメモリなども詳細が書かれているので、ベアボーン製造メーカーが初めからパーツ一式を搭載。
ラベルを見る限りではパソコン工房はノート本体部分には触っておらず、ノートの完成品で納品されている御様子。
中身を取り出し、本体など一式を撮影。
紙マニュアルは簡易な物で、中央の青いディスクが取扱説明書でPDFファイルになっておりWindows上から見る形式。
光学メディアは左から
- ベアボーン(ノート本体)のドライバディスク
- サイバーリンクのDVD再生や変換用ソフト
- Windows7リカバリ(再インストール)ディスク
- 電子説明書
ベアのドライバが有るという事は、メディア内に対応するドライバさえ有ればOSを入れ替えても機能を全て使用出来る可能性有り。
有名メーカーPCでは難しいけれど、自作PCのようにベアを購入する量産系BTOメーカーならではの利点。メーカー修理やサポートを捨てて改造するならの話。
ハードウェアのマニュアルを一部撮影。
ノート本体について書かれており、左上から右へ2枚有るように他のベアボーンと共用。右下のページには対応CPUなども載っているので、CPUを載せかえたりも出来ない事は無し。
上はベアボーンメーカーのマニュアルで、パソコン工房は電子マニュアル以外に簡単なスタートアップガイドなる紙が1枚入っております。
一式撮影の画像に載っていたオレンジ色のパッケージはWindows7 Home~のDVDと思われ、未開封なのでスルー。
こちらのディスクに注目してみましょう。
後日の記事でレサンセのデスクトップで試しておりますが、このDVDでWindows7の再インストールが可能。
ノート本体に戻り上空からトップケースを撮影。
拡大すると判るかも知れない、小さな模様が刻まれており、以前借りた日本HPのような重厚めなデザイン。指紋が付きにくく、汚れても目立ちにくい天板。
開いた所を撮影。歪んでいるのはデジカメが原因。
先程から目薬が登場しておりますが、もちろん付属しているわけでは無く大きさの比較用。スマイル40EXですが、ライオンから金を貰っているわけではございません。近くに有ったから。
下は、向かって右側面。
左から、音声入出力のミニプラグ、USB、そして光学ドライブ。
次は向かって左側面。
同じく左から、AC電源端子、D-sub15pin出力、LAN端子、HDMI出力、USBが2つ有り、右端の穴はSDカードスロット。
中央下に見える格子は奥にヒートシンクが有るので、定期的に掃除機で吸えばホコリ詰まりによる冷却不良を緩和出来る設計。
分かり難いけれど後方も一応。空間はバッテリの取付用。
裏返すと分解用のフタが2つ。
ラベルを拡大したところ。
ベアのメーカーは、ベアボーン製造元としては屈指のでかさな台湾のCLEVO(クレボ)で、MADE IN CHINAと書かれているので中国工場で生産されたのでしょう。
モデル名はW255HUとなっており、バッテリのおかわりなど追加や修理用パーツが必要ならこの型番で検索するとヒットするでしょう。知らないけれど。
以上。ここまでに判った情報をまとめると
- ベアボーンはCLEVO製、中国で生産
- パソコン工房はノートの完成品で仕入
- Windowsはパソコン工房がインストール
その他、質感などや大きさは画像を見たり心で感じましょう。
軽めに分解し内部の構造と搭載パーツの詳細を拝見
分解も了解を取っていたので軽めにバラバラへ。
やり過ぎても戻せない事は無いけれど、ノートはプラスチックが割れ易く、CLEVOはネジが多く無駄にネジ止め剤が多かったり封印シールも鬱陶しいので安全に参ります。
裏返してフタを2枚剥がした所。
左下はHDD(ハードディスク)、右のでかい基板はマザーボードで、左上は光学ドライブ(DVD)のスペースになっております。
HDDを取り外してメーカーを見るとサムスンの320GBで型番はHM321HI。
型番検索しても価格コムでは履歴が出ず、バルクなら過去に有ったけれど要するにOEM(製造販売メーカー用)モデルなのでしょう。性能は5400回転/秒、キャッシュ8MB。
メモリは撮り忘れたので拡大。
ラベルはASintと書かれており、チップもASintで両面8チップ。このメーカーそのものが中国のOEM専用らしく詳細は不明。メモリは1枚、スロットは下に挿されているので上にもう1枚取付可能。
光学ドライブも取り出し。
メーカーは東芝サムスン、型番はSN-208。検索するとAmazonで単品販売しており、価格は約3千円。DVDスリムの読み書きも安くなったものですな。
このノートを開ける際に注意する事は、マザーボード側のフタを開く際にクーラーがフタ側に取り付けて有りマザーに電源が繋がっている事。
写真上は半開きにした状態で、中央付近の赤黒配線コネクタがそれ。一気に開くと、運が悪ければ端子が壊れたり断線する可能性有り。私はVAIOやNECトラップを経験しているので何とか回避。
画像下はコネクタを外してフタを開いた状態。CPUとチップセットの上に位置しており、当然ながら冷却用というわけですな。
ここまでに判った情報をまとめると
- メモリ:2GBx1 [DDR3 PC3-10600](ASink SSZ302G08-GDJ1C1151)
- HDD:320GB [5400rpm、8MB](SAMSUNG HM321HI)
- DVD:スーパーマルチ(東芝サムスン SN-208)
ハードウェアについては以上。
パソコン工房のLesanceノートを評価・分解編(まとめ)
通常、昔ながらの考え方ならベアボーンはノート本体部分のみ。CPU、メモリ、HDDなどは入っておらず、有ってもグラフィックカードや無線LANカードのようなオンボード(マザーボードに直接搭載)される事も有る物程度。
このレサンセ ノートはネットブックのような形態で完成品をユニットコムが仕入れていると思われ、上でも書いたけれどそれにWindowsをインストールしているPC。
クレボは当ブログで過去に私が嫌っているような感じで書いた気がするけれど、駄目なメーカーというわけでは無く修理作業が非効率になる設計の為。
例としてASUSのベアと比較するとネジがやたら多く戻しにくい配線、分解跡が残り易く無駄に封印シールが施されていたり。
私のいう封印シールとは、メモリの写真で上部に見えていた「CUSTOMER CONSIGN」と書かれた白いシールで剥がそうとすると崩れるラベル。CPUを外す際は、マイナスドライバーでシールごとぶっ壊す事になり、下手すると破片の除去が面倒な事に。
他にクレボを使っているメーカーは、マウスコンピューターやフロンティア(KOUZIRO)でも見られるベアで、過去にはソニー製品などナショナルブランドでも採用されております。
安いから悪いと思う人は勝手にそう思えば良いけれど、ノートを安く製造する為に存在するようなメーカーなので、修理が面倒かつデザインがダサい辺りを気にしなければ普通のノート。
質感や大きさは心で感じろなどと無茶を申しておりますが、正直このノートを箱から出した時に思った事は、3万円の割に良さそう。
箱をのデザインを見てCLEVOかと予想はしたけれど、安物かつクレボかという負の感情から現物を見た為に良いと感じたのかも知れませんな。
まとめると、ハードウェアは3万円という安物とは思えない見た目や内容。しばらくまともな安物ノートの現物を見ていなかった為、クレボにしては上出来と思えた次第。
レサンセのノートをレビューするはずが、パソコン工房やユニットコムのパソコンというより、クレボのベアが良くなったと思った件。丸ごとクレボなのでそうなって当然では有ります。
ハードウェアの感想はここまでとし最後に仕様を一覧。
パソコン工房で掲載されていたスペックシートを参考に、実機を見たり分解で判った内容を追加し書き換え。
ベアボーンはチップセットへ追記。
- OS:Windows 7 Home Premium(32/64bitセレクタブル)
- CPU:Celeron B800(1.50GHz、2MB、2コア/HT無、TDP35W)
- チップセット:Intel HM65 Express ※CLEVO W255HU
- グラフィック:Intel HD Graphics(CPUに内蔵)
- メモリ:2GBx1枚(PC3-10600)最大8GB、空きスロットx1 ※ASink製
- HDD:320GB(5400rpm、8MB) ※SAMSUNG HM321HI
- DVD:スーパーマルチドライブ ※東芝サムスン SN-208
- モニタ:15.6型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- 有線:ギガ対応LAN、HDMI出力、D-Sub15pin、USB2.0x3 など
- 無線:IEEE 802.11b/g/n
この型番が完売したというだけで、レサンセ シリーズは引き続き出ているので、特定機種では無くレサンセのトップページへ。それでも消えていたらURLを削って飛んで行きましょう。
レサンセ:リーズナブルで抜群の高性能パソコン
http://www.pc-koubou.jp/pc/lesance.php
上のキャプチャは2012年4月現在のもの。未来から来た人なら更に変わっている可能性が有るので御注意有れ。
次回は、レサンセのノートでWindowsを使用したレビューを書いて参ります。
公開済の関連記事はこの下にリンクが出る仕掛なので、出ているならノートの末尾(2/4)へどうぞ。
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