GeForce GTX 1080 Ti発売から約1ヶ月。
3月はFE(Founders Edition)と呼ばれるNVIDIA純正設計のみで売られていたところ、4月に入りメーカー独自の設計、通称オリファンと言われる1080 Tiが続々登場しておりゲーマーが本気出せる状態へ。
適当に見て参りましょう。
メーカー独自クーラ搭載のGTX 1080 Ti出揃う
価格はいずれも10万円前後という、ビデオカード(以下、グラボ)1枚で私のメインPCが一式買えてしまうレベル。今回は趣向を変えてデザインとか性能の差を見て行く事に。
メーカー別にて。以下、オーバークロックはOCと省略。
ASUS
source:価格.com - ASUS、3連ファンでOC対応のGeForce GTX 1080 Ti
3連ファン搭載で2.5スロット占有、ファンとその下1スロットの隙間を考慮すると4スロット占有と言えなくも無いと思うオリファン仕様。
迷ったらASUSと言われるかは知らないけれど鉄板な台湾のメーカーで正統派な作りのはず、などという文言は自作PCユーザにはどうでもよろしそうなので省略し、ここから出るオリファン設計はファンの数多め。
そしてASUSオリジナルがこちら。
GPUの温度に応じて色を変更することも可能だ。
グラボが手元とかモニタの上へ設置する構造ならばアリかも知れないけれど、そういうパソコンを私は見た事が無い。
ベースクロックが1569MHz、ブーストクロックが1683MHz
NVIDIA設計は1480-1582MHzなのでやや高めな微OCモデル。価格もやや高めながらASUSなら大丈夫と思い込めてしまう自作ユーザならアリでしょうな。
個人的には無い。なぜLEDとか付けた。欧米仕様?
MSI
source:ASCII.jp:MSI「TWIN FROZR VI」採用のGTX 1080 Ti搭載VGA
何年か前からMSIが自称しているツインフローザー設計、簡単に言うとファンが2個搭載な今や普通の高性能グラボとしか思えない製品。
斜め上空からの画像を見て来るとASUSと同じ2.5スロット仕様なので3スロット占有で真下に何か挿して大丈夫なのだろうか、ホコリ詰まりやすくならないだろうかと無駄に心配出来てしまう。
ベースクロック1544MHz、ブーストクロック1657MHz、メモリークロック10061MHz。さらにオーバークロックモードでは、ベースクロック1569MHz、ブーストクロック1683MHz、メモリークロック11016MHzに上昇する。
こちらも通常時はASUSと同じ処理速度。しかしMSIオリジナルなのか微OC状態でほんのり性能が上がるらしい公称値。
MSIはソフトウェア管理によるOCツールに力が入っているようなので、グラボでハードウェア遊びする人には良さそう。
GIGABYTE
source:GIGABYTEがオリデザGeForce GTX 1080 Tiを紹介 - AKIBA PC Hotline!
嫌な思い出しかないのであまり書きたくないGIGABYTEからももちろんオリファン仕様。
マザーボードのコイルが焼けたり見ていて不安になる製品を何度か拝見したので今後もGIGABYTEだけは無いのだけれども、サブPCの電源はGIGABYTE。なぜかは当時価格コム最安で評判悪くなかったからという、私の平常運転。5年以上正常動作中。
特徴は画像左下の銅製バックプレート。
これ、個人的には超気になる仕様で、なぜヒートシンクが付いていないのか、どうして主張するだけで何も装備しないのかに目を奪われた。
そのバックプレートに冷却性能があるのならヒートシンクなり載せたら良さそうなものの付けていないのか。もし付いていたとしても外して水冷のウォーターブロックを装着すると簡単にトランスフォーム可能なのだろうか。
GIGABYTEもMSI並にソフトウェアによる管理ツールがマニアックなので、グラボ遊びする人には楽しそう。
ZOTAC
source:エルミタージュ秋葉原 – ZOTAC、超OCモデル「AMP Extreme」など計3モデル
ZOTACもオリファン登場。
自作しない人にはピンと来ないメーカーだと思うので適当に説明すると、私のようなメーカー問わずなコスパ重視の自作ユーザでグラボ必要ならば選択肢に余裕でぶち込まれるブランドがこれ。
ZOTAC、玄人志向、Palit、この辺りが何故か安い。
無駄に妄想すると、ASUSはブランディングが上手く行っているので調子こいていそう、MSIとGIGABYTEはソフトウェアに金と時間がかかっていそうで、そういうツール使わない硬派なヒツジ先輩的には無い無いであり、コスパ。とにかくコスパ。
最安ならばEVGA製品を米Amazonなどから個人輸入、次は玄人志向だけれども価格コムの人柱の皆様を拝みつつ読む、次にPalitかZOTACか、と思っているのはおそらく私くらいだろうからアテにせず。
コアベースクロック1,645MHz、ブーストクロック1,759MHz、メモリクロック11,200MHz
無理しすぎていないだろうか。
Inno 3D
source:実売99,800円のGeForce GTX 1080 TiがInno3Dから - AKIBA PC Hotline!
ここ数年で時々目にする気がするメーカー。
保証期間2年と書かれているけれど、販売店へ言えば良いのか、国内代理店経由なのか、それともInno3Dなるメーカーへ直接問い合わせなのか解らない辺りが自作の醍醐味。
自作PCのグラボは故障したっぽいならば、捨てるか押し入れへ投げるかジャンクでヤフオクか、「もしかして故障は気のせいかも知れない、いつか使うかも知れない、寝かせたら復活するかも知れない」などの意味不明なメンタルスルーが常套手段であり、2年保証とか多くのPC変態に意味なしかと。
GPUクロックはベース1,480MHz/ブースト1,582MHz
リファレンス(Fouders~)と同じクロックで他社オリファンよりやや低めながら、税込10万円切りはコスパ重視な兄貴達にはアリかと。
Manli
source:ASCII.jp:とにかく安い! GTX 1080 Ti最安モデルがManliから発売
更に安い、Manliというメーカーが最安モデル。
「お前それリファレンスと同じ設計やろ」と突っ込んで良さそうな一つ目ファンで税込10万円ギリで切ると言われても困る感。性能もリファレンスと同じクロック。
最新のハイエンドビデオカードを安く使いたいという人は注目の製品だ。
税込10万円少々と9万7千円のグラボ。どちらを選ぶかは各人の判断や価値観だろうけれども、いくらコスパ重視な私でもこれは無いと思った。
理由はもう少し後で。
Palit
source:Palit unveils its GTX 1080 Ti 11GB Super JetStream
ラストはParit(パリット)。
リンク先が英語な理由は国内ではまだニュースが無い為で、なぜ国内まだな割に載せたかはドスパラがParitの国内代理店なのでほぼ確実に単品販売もあるだろうとして。
ドスパラのBTOパソコンにはこれが搭載されていると思われ、安い割に悪くは無いというか、何ら問題無い事は私が購入したGT430で証明されているかも知れない。
OCなどこれと言ったツール類は無いので性能いじって遊ぶなら向いていない、いじらないならコスパ良い印象。
簡易水冷またはハイブリッド設計がまだ出ない
CPUの場合は簡易水冷になると空冷は付かない水冷単体になるけれど、グラボの場合は水冷と空冷のハイブリッドが一般的なようで、例としてlaskyさんご購入の1070がこちら。ルマンドは別売り。
source:グラボ2枚とSSDのレーン全てを活かす自作PC紹介 - BTOパソコン.jp
一見するとFounders Editionのような単ファン設計だけれども、良く見ると上へホースが2本伸びておりラジエーターへ接続され、ここを液体が循環して水冷もするという仕組。
気になる事は、Pascal版Titan Xでは高熱になると性能を自動的に落とすサーマルスロットリングという機能が働き性能ダウンするらしいので、Titan Xのリネーム状態な1080 Tiでも似た症状が起こるはずという仮説。
本格水冷なら海外でASUSのGTX 1080 Tiが発表されており、どのくらい温度差があるかのプレゼンテーションのスライドがこれ。
source:Asus ROG GTX 1080 Ti Poseidon: 2,5-Slot-Hybrid-Kühlung erklärt
上の青が空冷、下の青が水冷。
空冷でも80度は超えていないようなのでサーマル~が発生しないギリな境界でセーフとしても、水冷とのハイブリッドでは50度を切っていると思われる素晴らしい冷却性能。
メーカー各社、元からグラボの水冷には力を入れておらず、日本でハイブリッドが発売される事はまれであり、やはりサーマル~が気になってしまう。
米Amazonでは、EVGAがGTX 1080無印まではハイブリッド完備。
source:Amazon.com: EVGA GeForce GTX 1080 FTW HYBRID GAMING
おそらくそう遠くない日に1080 Tiもハイブリッドが出ると思われるものの、日本国内で出るとは思えず、あるとしても個人輸入した転売屋がボッタクリ価格にする程度。
BTOパソコンは、マウスとサイコムがCPUとGPUのダブル水冷をしているけれど、現在サイコムは空冷のみ、マウスの水冷グラボはGTX 1080止まり。
しかし今のところ空冷しか出ていないという事は、もしかするとファンがダブルやトリプルならばサーマル~発生しないのか。
PC Watchとか大手メディアでオリファンの空冷とハイブリッドでのベンチ対決、空冷側はOC版でも良いのでやってほしいところ。
>1070がこちら。ルマンドは別売り。
ラジエターまでしっかり写るように撮っておくべきでしたか。
当然のようにピントをルマンドアイス(別売り)に合せております。
なんかごめん。
>ASUS、3連ファンでOC対応のGeForce GTX 1080 Ti
ゲーマーやオーバークロッカー向けのR.O.Gシリーズですから、マザーボードにR.O.Gシリーズを使用しているなら、是非とも揃えたいですね。R.O.Gシリーズのマザー、3万円以下でも買えますし。
>グラボが手元とかモニタの上へ設置する構造ならばアリかも知れないけれど
いっそPCケース内にWebカメラを設置して、内部が見たくなったらスマホからWebカメラにアクセスする、という方法を採ると良いやも。
>MSI
MSIと言えば、グラフィックボードそのものより、オーバークロックツールのAfterburnerで有名ですね。
AKIBA PC Hotline! - 大作PCゲームを快適に、性能100%超かつ暴走させない常用OCテクニック
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/726756.html
>ZOTAC
私の印象だと、ZOTAC=小型モデルに強い、ですね。基盤を短くして、ミニタワーでも空間に余裕を持って取り付けられるサイズを、よく提供しているイメージ。
>コアベースクロック1,645MHz、ブーストクロック1,759MHz
細かく言うと「11.12%」アップですか。経験からすると、冷却性能がアップしたオリジナルファンなら、15%アップくらいは問題なくOCできますね。3連ファンで11%アップなら、安全性や安定性を考えると良い塩梅、むしろ甘めな設定なのでは。
>最新のハイエンドビデオカードを安く使いたいという人は注目の製品だ。
だったらリファレンスの方を買うわ、と。ドスパラのPalitなら、税込みでも9万円を切りますし。
ドスパラ - Palit NEB108T019LC-PG611F
http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_parts.php?bg=1&ic=444753&lf=0