2011年11月1日前後を境にHDD(ハード・ディスク・ドライブ)が高騰中。
タイ洪水の影響によるもので、読売新聞によるとWDのHDD工場は復旧まで4~6ヶ月かかる見込。出荷数が1~2割減と有るものの既にHDD価格は3倍などに値上がり中。点で見ていると判らない事が時間とパーツ選択という複数にすると分り易い。
タイトルのみで何の事か判った方も居られましょう。
タイの洪水被害はWD以外のHDDも影響
読売新聞によるソースはこちら。読売は記事削除するのでリンクせず。
タイの大洪水、パソコン生産にも影響深刻 : YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111026-OYT1T00864.htm?from=main5
詳細はPCWatchの記事がお勧め。
【PC Watch】 メルコ、第2四半期の業績はほぼ横ばいで推移 ~タイ洪水によるHDD市場への影響も言及
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111101_487839.html
要点を箇条書くと。(1~6はWesternDigital、7~8は日本電産)
- WDのHDDのうちおよそ6割がタイの工場で生産
- WDは世界におけるHDD市場のおよそ3割のシェア
- 換算すると市場のうち16~17%に相当する台数が生産できない
- 現在WDは残りの工場で増産する方針
- 洪水被害以降WDは現在もなおHDDを一切出荷していない
- 出荷できない状況は12月までは変化しなさそう
- スピンドルモーターを製造している日本電産(Nidec)も被害
- Seagate、日立GST、東芝なども影響を受けるだろう
2番のWDがHDD市場3割シェアとはHDD全体と思われ、BTOパソコン(主にデスクトップ)に搭載される3.5インチでは更に率が上がると思われ、ノート用(2.5インチ)との比率が判らずこの部分は曖昧。
しかし5,6,4の順に見ると、現状ではWD製品は全く出荷されておらずそれは2011年末まで続くと。4で残りの工場で増産すると有るものの、5と6がWD全体の事とすると増産しても出荷は来年からという解釈へ。
更に7,8ではスピンドルモーター(ディスクを回転させるモーター)も洪水が影響しており、WD以外のHDDほぼ全てに影響している御様子。
少なくとも今後1ヶ月以上はHDDの出荷どころか製造まで減少という事ですな。売れなくなるまで値上がりするか、在庫が尽きるが先か。
ところでHGST(日立GST)の名前が挙がっておりますが、WDによる9月の事業買収はどうなったのでしょうか。
HDDとSSDの単品販売から見るBTOパソコン構成予想
価格.comのHDD売れ筋ランキングより、上位20件で最安価格を引かせてもらいます。データは11月5日16時頃。
テキストで一覧化した元データという意味なのでこれは見なくとも結構。
- WESTERN DIGITAL WD20EARX [2TB SATA600] ・・15,940円
- 0S03224 [2TB SATA600]・・15,174
- WESTERN DIGITAL WD30EZRX [3TB SATA600]・・15,990
- SEAGATE ST2000DL003 [2TB SATA600 5900]・・13,970
- 0S03191 [2TB SATA600 7200]・・13,836
- WD5000AAKX [500GB SATA600 7200]・・8,880
- WD25EZRX [2.5TB SATA600]・・13,280
- 0S02600 [500GB SATA300 7200]・・6,111
- 0S03229 [3TB SATA600]・・19,980
- HDS721010CLA332 (1TB SATA300 7200)・・12,800
- WD10EARX [1TB SATA600]・・14,680
- HDS721050CLA362 (500GB SATA300 7200)・・9,800
- WD10EALX [1TB SATA600 7200]・・14,780
- ST31000524AS [1TB SATA600 7200]・・13,980
- 0S03385 [1TB SATA600 7200]・・無し
- HD103SI (1TB SATA300)・・14,480
- WD2500AAJB (250GB U100 7200)・・3,797
- 0S02601 [1TB SATA300 7200]・・無し
- ST500DM002 [500GB SATA600 7200]・・9,980
- WD25EZRS [2.5TB SATA300]・・無し
20位以内にも関わらず「無し」としている販売されていない機種が3種類。完売したというより、後継が出た為にショップの取扱が無くなったと見るべきでしょう。
上の一覧を容量別に分け「無し」を除外。BTOパソコンでは2TBを超える容量や、一部メーカーを除き500GB未満が少ない為、500GB~2TBで3種類。
色分けの意味は
- 赤・・WesternDigital
- 青・・HGST(日立グローバル~略)
- 緑・・Seagate
- 黒・・Samsung
良く判らない場合は、とりあえず価格のみ何となくご覧有れ。2TBから。
- [2TB SATA600] WD20EARX・・15,940
- [2TB SATA600] 0S03224・・15,174
- [2TB SATA600] ST2000DL003・・13,970
- [2TB SATA600] 0S03191・・13,836
2TBの売れ筋は全てSATA3、価格は14~16千円。ここから更に値上がる可能性は有るでしょう。
- [1TB SATA300] HDS721010CLA332・・12,800
- [1TB SATA600] WD10EARX・・14,680
- [1TB SATA600] WD10EALX・・14,780
- [1TB SATA600] ST31000524AS・・13,980
- [1TB SATA300] HD103SI・・14,480
1TBはSATA2と3が有り、価格は13~15千円という2TBと大差無し。単品HDDは主に自作PCや録画ユーザが購入する為、1TBは2TBと比較し不利と見えます。
- [500GB SATA600] WD5000AAKX・・8,880
- [500GB SATA300] 0S02600・・6,111
- [500GB SATA300] HDS721050CLA362・・9,800
- [500GB SATA600] ST500DM002・・9,980
500GBもSATA2と3有り、価格は9千円前後。割高なので売れないと思いきや、20位以内に4機種有る事に驚いた。ちなみに2番目、6111円の日立製品はバリューモアのみ6111円で販売しており、その他パソコン工房系やBestDo通販は9千円以上となっております。
インテルSSDの単品価格と比較
BTOメーカーが好んで使うSSDはやはりインテル様。WD製品では無くスピンドルモーターも無いこれらの価格を二種類。
source:価格.com - インテル 320 Series SSDSA2CW120G310
上の通り120GBは約15千円。画像は取らないけれど80GBは約11.5千円。
市販単品とメーカー仕入の価格は違えど、HDDとSSD価格を相対的に見ると、例として標準構成価格7万円のBTOパソコンで消費者がこの2種類をどう思うか。
- インテルSSD 320シリーズ 120GB 標準
- HDD 1TB 7200rpm 標準
HDDは2TBでも良し。
用途によると思うけれど、私なら一般向けにはSSD搭載品が有利と見ており、HDDが今後入荷しづらく値上がりするなら、BTOメーカーはこのような売り方をして来るでしょう。
「SSD搭載モデルが安くなった」と見る人が居られそうですが、HDDが値上がりしているだけ。しかし来年まで品薄が続くとするならHDD高騰の代わりにSSDが量産により安くなるかも知れません。私は自分用SSDとしてそこに期待。
HDDが値上がりするとBTOパソコンでSSD標準が来る?
実はこのネタを思いついたニュースはパソコン工房の新製品。
価格は約7万円。標準構成を簡単に。
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i7 2600(3.4-3.8GHz、4C/8T、L3:8MB)
- グラフィック:Intel HD Graphics(CPU統合)
- マザー:インテル H61 Express
- ストレージ:120GB インテル SSD 320
- メモリ:2GB×2 DDR3 1333 (計4GB)
- DVD:スーパーマルチドライブ
私好みな偏ったオーバースペック構成。CPUはSandyBridge上から2番目くらい、グラボ無し、Z68を使わず安く、ストレージのSSDだけはインテル入ってる。
この機種は11月4日のニュースリリースで流れておりHDD値上がり直後。パソコン工房がそれを見てすぐに思いついたなら上手い売り方。
どう上手いかは競合他社を出し抜いている以外に、この機種を宣伝しSSD搭載モデルが売れるとインテル様が喜ぶ、と同時にHDDの在庫消費を抑えられるという。
今後、HDDの高騰が続くなら他社BTOメーカーでもこのようなSSD標準搭載がHDD搭載と並行して販売されると思われ、私のような自作崩れの貧乏人がハイエナの如くSSD値下がりを待っております。
一般的な自作ユーザやPC購入者にはHDD値上がりは痛いかも知れないけれど、2TBを無駄に2本も持っている私には朗報。これ以上は要らず、空き容量は3TB有る為。
マウスコンピューターもSSD搭載は有るけれど、Z68チップセットによるISRT仕様。SSDがスタンドでHDDが本体なので販売が厳しくなるかと。
いつまで上がるかは誰にも判らないけれど、年末まではほぼ確定していると言えましょう。ここでサムスンのターンかも知れませんな。
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