ユニットコムのLesanceシリーズ、SSD搭載ウルトラブックが予約開始。
国内のBTOメーカーでは初。ウルトラブックとは、薄くて速いインテル入ってるノートPC。SSD搭載で約6万円は優秀、更にHDDまで入っております。デスクトップ、ノートに続くレサンセシリーズの販促と思われる第三弾。
どのような物か適当に見て参りましょう。
お約束で前置くと、パソコン工房から依頼されたり金を貰って書く提灯記事では無く、私が販売ページを見るだけで勝手に評価するいつものシリーズ。
今すぐ買えとか超お勧めとか言っているわけでは無い為、冷静な判断を。
レサンセUltrabook約6万円、3月24日発送開始
正確には59,980円。私が予約販売開始に気付いた日は3月14日で、いつから始まっていたのかは不明。
もちろん通販でも売り出し中。
他のサイトや店舗は見ていないけれど、UNITCOMになっている事からTWOTOPやfaith、実店舗でも販売するのでしょう。
標準構成の主な仕様を一覧。先に良いと思う箇所から。
- OS:Windows7 Home Premium 32/64bit(セレクタブルメディア付属)
- CPU:Core i5 2467M(1.6-2.3GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテルHD Graphics 3000 ※CPUに内蔵
- ストレージ1:SSD 64GB(起動ドライブ)
- ストレージ2:HDD 500GB
- 光学ドライブ:※無し
- モニタ:14型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- LAN:無線 IEEE802.11b/g/n、有線 1000BASE-T
- サイズ:幅333mmx奥230mmx高19mm ※突起含まず
- 重量:約1.64kg ※バッテリ含む
Windows7は普通にHomePremium。7もサポートが大幅に延長された為、Professionaの価値が下がり、無駄に金額3~4千円乗らない点はよろしいかと。
以前のレサンセ(ノートとデスクトップ)でも気になったけれど、DSP版が標準なパソコン工房の割に32と64bitのセレクタブルになっており、再インストールで選べる仕様はOEMという事でしょうか。入れ直してまで32bitにしたいなら利点、やらないなら意味無し。
CPUは4スレッドまで処理出来るCore i5で、他社も採用が多い2467Mを搭載。クロック周波数は高く無くやや低めな理由は、ネットブックという形状からモバイル用途、バッテリ駆動時間の為に性能がこの辺りなのでしょう。
個人的に気に入っている箇所がストレージで、薄型の割に2ドライブが標準。SSDは起動の高速化目的と思われ容量が小さいものの、速くしたいデータはSSD、保存用はHDDというユーザの使い分け次第。同期で簡易バックアップも。
ストレージ2つ構成の為かウルトラブックの定義の為か、光学ドライブは無し。空間が無いというより、モバイル用ノートで光学ドライブ非搭載が最近は標準のようなので外付にて。軽量化の意味でも無しでよろしいかと。
モニタ14型は普通、解像度のHDも普通。下手に大きくすると薄型ノートの特徴が薄れ、小さ過ぎると解像度まで落とさねば見づらく、普通と書いたけれどバランスの良いサイズと高めな解像度と言えましょう。この大きさでフルHDは価格が上がるのでその点でもバランス良し。
他は興味が無いのでさらりと書くと、無線LANは高速な「n」付、有線はデスクトップ並のギガ対応、高さ(厚み)はウルトラブックなので2cmを切っており薄く、重量1.64kgも持ち運びには適しておりましょう。
悪いとは言わないけれど、気にした方が良いと思う箇所は以下。
- メモリ:4GBx1(DDR3-1333)※空きスロット無し、最大4GB
- モニタ:14型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- 端子:USB2.0x3、D-Sub15pin など
- バッテリ駆動:約5時間 ※JEITA測定法準拠
メモリスロットは標準で1、そこに4GBメモリが1枚挿さっており物理的にも認識としても4GBが最大。この性能のノートで4GB超えが必要な用途を思い付かないけれど、気にするならやめておきましょう。
個人的に気に入らない箇所が液晶パネルの光沢。ノートPCなら本体を動かせば良いけれど、移動が前提とするなら画面の反射がきつく、特に太陽光の入る場所では難有り。なぜノングレアにしなかったのか、はベアボーン製造メーカーの都合でしょうな。
端子類はUSB3.0が無く外付けストレージ以外に高速通信を期待する何かを付けるなら不利。映像の外部出力にHDMIは無くアナログなので、そういう使い方をするならD-subのみは難点かと。
最後のバッテリ駆動時間は5時間と有るので長そうに見えるけれどJEITA測定なので、実用として無線LANを接続し続け音楽を聞きつつ2つくらいプログラムを起動すると3時間前後、下手するとそこまで持たないと推測。
バッテリは消耗品なので経年で劣化する為、数年後には内蔵型UPS(無停電電源装置)状態に近付く物。タブレットPCやスマートフォンのような長時間は期待せず。
以上、ノートPCとしての性能(中身)は良いと評価出来、使い方次第では外側に難有り。パソコンの購入は性能以外にどのような環境で何に使うかを考えましょう。
これで約6万円はコストパフォーマンス良好。どのくらいの物か、以前良いと評価したHPのウルトラブックと比較。
日本HPのウルトラブックと性能と価格を比較
ネタ切れで書いた記事では有りますがこちら。
HPが本物のインテル提唱ウルトラブック Folio13を発表
https://bto-pc.jp/select/hp-intel-ultrabook-aus.html
当時は発表のみで日本での発売は予定の状態。現在はHP公式の通販で売っているので、主な仕様を書き出し。
形式をパソコン工房のウルトラブック仕様一覧に合わせ、青はHP有利、橙はHP不利、黒太字は同等としております。
HP Folio13-1000(標準構成:79,800円)
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i5 2467M(1.6-2.3GHz、2コア/HT対応、3MB)
- メモリ:4GBx1(DDR3-1333)※空きスロット無し、最大4GB
- グラフィック:インテルHD Graphics 3000 ※CPUに内蔵
- ストレージ1:SSD 128GB(mSATA)
- ストレージ2:※無し
- 光学ドライブ:※無し
- モニタ:13.3型ウルトラクリアビュー(解像度:1366x768)
- LAN:無線 IEEE802.11b/g/n、有線 1000BASE-T
- 端子:USB2.0x1/3.0x1、HDMI、Bluetooth4.0 など
- サイズ:幅318.5x奥220.2x高18mm ※最厚部20.3mm
- バッテリ駆動:9時間 ※ベンチマーク使用(推測)
- 重量:約1.5kg ※バッテリ含む
青文字がやたら多くHPの方が良さそうに見えるけれど、細い青は大差無いと感じた部分。BluetoothはUSB接続の物が千円くらいで売っており、厚みは0.1mm差、重量は約100グラムの差。
モニタサイズは大小どちらが良いと思うかは利用者により、私が大きい画面が好きというだけで、0.7インチ差はどうでも良いレベルでしょう。その分、HPの方がノート本体サイズが若干小さく、ウルトラブックとしてはHP有利とも取れるかと。
パソコン工房のレサンセと比較すると大きな違いはストレージの構成で、HPは今のところ中~大容量と言える128GB全部がSSD。工房は64GBなので半分、その代わりに大容量かつ低速なHDDで補完。
これらの差が価格の差とすると、約2万円高いHPが良いかは、その他端子類を含め、やはり利用者の価値観や用途次第。
実際に購入するなら価格の差は更に広まる
本当に購入する際の価格を並べると
- PC工房・・59,980円+送料無料(普段630円)=59,980円(60,610円)
- 日本HP・・79,800円+送料3,150円=82,950円
差は約23千円まで広がり、私推奨の3年保証を付けると
- PC工房・・59,980円+3年持込:5,250円=65,230円
- 日本HP・・82,950円+3年引取:13,650円=96,600円
差は約31千円へ。
HPはセンドバックが無く仕方なく引取で比較。パソコン工房は修理時に店舗持込で無ければ送料が必要。
約6~8万円のノートなら使い捨てか保証を延長するか微妙な価格帯では有りますが、ノートで更に薄型となれば修理費用は高く付くので考えどころ。
今回のウルトラブックは完成品でカスタマイズ無し
パソコン工房は私のいう量産系BTOメーカーでは有りますが、レサンセシリーズかつ今回のウルトラブックはカスタマイズ無しの完成品販売。
しかしウルトラブックという見た目で購入するようなライトユーザには細かいカスタマイズは不要と思われ、代わりにオプションが見易く、しかも安め。
拡大画像は原寸(縦1700pix以上)注意。
マウス以外は選択肢1つなので選んだ状態で撮影。上から行くと
- 3年保証・・5250円
- キングソフトオフィス・・2000円
- 外付DVDドライブ・・3500円
- ノートン~セキュリティ・・2000円(15ヶ月/1ライセンス)
- Win7 Pro~アップグレード・・10800円
- イーモバイル抱き合わせ・・△4万円(2年縛り※総額約134千円)
- マウス各種・・770~1370円(7種類)
太字は上手いと思う提案。キングソフトは要らないと思うけれど必要なら2千円は安い。赤はどう見ても罠なのでスルー推奨。
延長保証の安さは先に書いた通りで、ノートを3年保証にしようと思うと延長料はパソコン工房が最安。(サイコムなどカスタマイズ系メーカーはノートそのものが無い)
DVDドライブは市場の相場で最安に近く、ノートンも手持ちライセンスが余っていなければ低価格で追加可。マウスもは下手に高級品が並んでいない辺りが好感持てる品揃え、しかし多過ぎて混乱のもと。ノートでマウスを接続する人は多いでしょう。
Windows7 Pro~がカスタマイズでは無くアップグレードな理由は、完成品PCなので購入者が勝手やって下さいメディア付属。低速なイーモバイルは電波の範囲内、値引き込で月額約4千円が妥当と思える人専用。
罠は経営方針と思われ見なかった事にすると、その他の提案は必要な物に絞っており、PC工房の中の人は使う側の事を良く考えたと推測。
増設やパーツ交換を考えるなら注意する事
カスタマイズ不可でも自分でパーツの交換は可。改造になるので自己責任や修理依頼の際は戻す事になるけれど、やるなら注意する点を3つ。
- メモリは公称で4GBx1枚が最大
- SSDが2.5''SATAでは無い可能性
- どこまで簡単に分解出来るか不明
仕様に書かれているのでメモリはSODIMMの4GB標準が最大。SSDはHPの仕様で付け足したようにmSATA(小型)かも知れず、一般的な2.5インチに交換出来るとは限らない。
8GBメモリを試そうと思ったりSSDを120GBにしようとしても、外観が正面以外ほぼ判らないので分解難易度が不明。いくら安めとは言え、改造は人柱待ちが正解でしょう。
パソコン工房の約6万円なウルトラブックまとめ
昨年発売のLesanceノートは1ヶ月以上予約状態が続き、今年出たデスクトップも受注後の発送は遅め。ウルトラブックなら更に、と予想したい所では有りますが、果たしてBTOメーカーでウルトラブックという物に需要が有るかは疑問。
出荷待ちの予約状態=人気が有る、とは言い切れず、パソコン工房が操作していないとは限らない煽りによる販促手段かも知れない。元から在庫が少ない事も考えられましょう。
今回の価格比較では日本HPがやたら高額に見えたかも知れないけれど、HPのノートは高性能なら有名メーカーの型落ちと勝る安さで高性能。Folio13-1000も性能の割に安い方。
ストレージ構成が変化球、端子類がやや貧弱なものの、パソコン工房のウルトラブックはBTOメーカー内のみならずPCメーカーとしておかしい安さなので、本気で薄々ノートが欲しいなら検討に入るノートPC。
今要らないなら他メーカーのウルトラブックが増え競合し値下がりする事に期待し、IvyBridgeリリース予定の4~6月頃過ぎを待った方が良いでしょう。
パソコンは待てば待つほど安くなり高性能、とは言え、国内の量産系BTOメーカーがノートで他社と勝負出来る物を出すとは思わず、驚いたという話でございました。
引っ掛かる事は、64GBのSSDと500GBの2.5インチHDDを載せるなら、なぜ120~128GBを1本にしなかったのか。
2012.09.07 22時頃追記:パソコン工房へメールでも問い合わせを送ったところ、旧モデル共にSSDはHalf-Slim SATAとの事。検索するとmSATAより大き目な基板丸出しのSSDでオンボードの模様。普通の市販SSDとの換装は無理だと思うのでご注意有れ。
2012.09.10 12時頃追記訂正:パソコン工房へ「これで合ってる?」メールを送信したところ、旧モデルはHalf-Slim SATA、新モデルはmSATAとの事。いずれにしても分解必至、やると無保証。2.5インチとは違うのでご注意有れ。
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