JEITAが6月のPC出荷数や金額を発表。
日本式でいう平成27年度の第一四半期が6月にて終了し、今月からはXP祭りの影響から解放されたかと思いきや、今回も81.5%、マイナス18.5%。最近のあるある前年比となっております。
適当に見て参りましょう。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちら。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2015/
JEITAのコメントより。
四半期では、好調に推移した13年度第2四半期(2013年7~9月)から14年度第1四半期(14年4~6月)迄の需要増の反動により、4四半期連続で前年割れとなった。
その図がこちら。
どうでも良いけれど、今回からグラフの色を変更しております。
JEITAが言っている好調に推移した期間が上へ突き抜けている期間、需要増の反動は、そこから右全てで6月まで続いております。
最新の6月は過去1年間でかなり良い所まで上げており、来月以降は100%を上回る相対的な比較になるでしょう。おそらく。
カテゴリ別の前年比。
オールインワン(一体型PC)以外は先月から2連続で伸びており、モバイルノートは100%を突破しているので6月から元に戻ったと見てよろしいかと。モバイルノートの前年6月は70%まで落ちている為、105%は全然不思議では無いと同時に凄いとも言えない。
予想しづらい物はデスクトップPC単体。これはBTOパソコンはほぼ含まれておらず、主にNECや富士通の法人向けが主となっている為、両社がどうするかによりJEITAのデータに影響。
相対比較では分かり難いので、次は実績で。
実績値の推移
上が台数、下は金額。
台数より金額の差が小さい理由は、Windowsが8系になった頃から変形やタッチスクリーン搭載などでパソコンの製造原価が上がった為。追い打ちの円安により、更に何かと値上がりしたので単価が上がり出荷金額も上昇。
出荷台数は依然として低迷。若者のパソコン離れの嘘は総務省のデータが証明しており、タブレットが有るならパソコン不要の嘘も当サイトの調査で判明しているのでほぼ無関係。
明らかに今期の様子がおかしい点は、上のグラフは実績で有り前年比では無いにも関わらず、今期4~6月の台数と金額が過去5年間で最低を維持しているところ。
法人の影響とするなら、どう考えても特需の影響。
JEITAより広範囲なMM総研でさえ5割強が法人なので、NECや富士通が濃く出るJEITAでは6割どころでは無いやも知れず。
2013年にWindows XPなどから7へ移行。減価償却は4年。しかし、パソコンはリースが主流で5年が一般的とするならば終了は2018年。2020年1月で7もサポートが切れる予定なので、1~2年再リースしつつ次の手を考えるならば、2014年4月のタイミングでXPを終わらせたマイクロソフトは不運だったかも知れない。
8では無く7で行こうと判断し易いという意味。
もしそうした企業が多いのなら、PC市場の氷河期は今年どころで終わるはずも無く、次の波が近付くまで法人向けPC事業は厳しいと言えましょう。
XP祭り期間を平均化した前年比推移
特需と反動、これら2つの年を混ぜて薄めたグラフがこちら。
上が台数、下は金額。
紫は2013と2014年の各月の平均。単純に足して2で割っております。緑が最新となる2015年で、やはり平均した前&前々年どころか、更に過去の年にさえ追いついていない件。
スマホに客取られたのでしょう(投げやり)
PC出荷数の6月が3年連続の前年割れ
グラフを作成していた際、不思議に感じた数値が6月の列。
オレンジ色のセルは特需期間、青は過去最低を記録し続けた出荷数。
2014年度の6月は過去最低では無いので青にはならず、かと言えども最新の2015年を除く2011~2014年の中では最低なので特需セルとも言えず、色を入れられなかった。
こうすると解り易い。最初の前年比グラフへ3つ赤丸を追加。
左は2013年の6月で、前年比87.3、中央は86.8、右は81.5なので落ち続けております。2012年の6月は124%なので2013年の落ち込みは正常と言えるものの、2014年と2015年で落ち続けるのは不自然。
私の体感だけれども、この2年くらいはNECや富士通の夏モデル絨毯爆撃の弾数(機種数)が少ないと感じており、もしかすると夏のボーナスでパソコンを買う人が減っている、またはNEC富士通も以前よりは安くなって来た為、時期に関係無く売れる、言い換えると夏のボーナスで買うほどの物では無くなっているのかも知れませんな。どうでも良いけれど。
2015年7月からの前年比は割れ難いはず(まとめ)
年度毎の特徴。
- 2011年・・・Windows 7
- 2012年・・・前半Windows 7、後半は8仕様へ
- 2013年・・・XP特需スタート、前年比激高化
- 2014年・・・XP祭り特需終了、前年割れ必至
- 2015年・・・7月以降は特需反動との比較に
最初のグラフをもう一度。左が2012年度の後半。
左端の2012年10月から1年間は、前年がWindows 7なので8では太刀打ち出来なかったと思われる前年割れ。
次の10月からは前年比が8系同士となる上、XPサポート終了特需が始まり、翌年5月までの出荷台数は全員を上回り続ける状態へ。
その良かった数値と比較されていたのが昨年6月から今年5月の約1年間で、特需終了の反動も有り割れまくり。
今年の7月からはその特需終了反動との前年比になるので、以前より出荷台数などが少なくなっていようとも簡単に上回る事が可能なわけで、今度は前年割れする方がおかしい、上回って当然なのでこれまた1年間はアテにならない。
おそらく9月頃から、
- 「国内パソコン市場活性化の起爆剤となったWindows 10」
- 「Windows 10の影響でパソコン出荷台数の前年比復調」
など言い始める間抜けメディアが必ず出ると思うけれど、上記した通りなので華麗にスルーしてあげましょう。私はしないかも知れないけれど。
>夏のボーナスでパソコンを買う人が減っている
価格コムのリサーチによると、夏のボーナスで購入する商品のうち、パソコン関連の購入予定割合は以下。
ノートパソコンの購入者
2013年:11%
2014年;8.6%
2015年:8.0%
デスクトップパソコンの購入者
2013年:4.6%
2014年:2.9%
2015年:4.4%
タブレット端末の購入者
2013年:10.2%
2014年:7.7%
2015年:6.1%
携帯電話・スマートフォンの購入者(2014年からはスマホのみ)
2013年:7.0%
2014年:4.7%
2015年:7.4%
価格.comリサーチ:夏のボーナス2013 今夏のボーナスで購入する商品
http://kakaku.com/research/report/071/p03.html
価格.comリサーチ:夏のボーナス2014 今夏のボーナスで購入する商品
http://kakaku.com/research/report/078/p03.html
価格.comリサーチ:夏のボーナス2015 今夏のボーナスで購入する商品
http://kakaku.com/research/report/085/p02.html
ちなみに「支給されたボーナスのうち商品・サービスを購入する金額」の推移だと
2012年:67,465円
2013年:67,497円
2014年:65,732円
2015年:73,508円
という結果。確かにパソコンの購入予定割合は減少傾向にあるやも。ただしタブレットやスマホの影響ではなさ気。
>2014年4月のタイミングでXPを終わらせたマイクロソフトは不運だったかも知れない
8を出してしまった意味でも不運ですなw
>スマホに客取られたのでしょう(投げやり)
それは大変だー(棒)
>「国内パソコン市場活性化の起爆剤となったWindows 10」
>「Windows 10の影響でパソコン出荷台数の前年比復調」
そもそも無料アップグレードがあ時点で起爆剤にはなりませんしw