JEITAが2016年11月のデータを公開。
過去5ヶ月の内で9月を除く4ヶ月は前年比わずかなプラス。しかし、その前年が過去2年に渡りマイナスだったのだから良くなったとは言えない、という話を今回もする事になるのでしょうな。
年末の為か今回はJEITAの仕事が早かった。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちらの2016年。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/
JEITAコメントを引用。
11月は、金額は前年を若干下回ったものの、台数では2ヶ月連続で前年を上回った。
台数100.1%で金額は97.6%、昨年並と見て良さそう。
台数全体の前年比。
「はいはい浮上浮上」としか。
大手メディアの間抜けライターが「前年比復活!」とか書いていそう、と思い検索したけれど誰も書いていなかった。さすがに飽きたか。
カテゴリ別。
デスクトップ単体と普通のノートがプラス、モバイルノートとオールインワンはマイナスで、バランスが取られて前年並なのでしょう。
これ以上コメントを思いつかない。
やはり以前ほどの勢いは無い台数と金額
本年度はオレンジ、前年は緑。
過去2年以外は11月に低下しているところ、ここ2年は10月並。単に出荷時期がズレただけなのか、月間40万台が底なのか。
祭り期間を平均化。
全然回復とかしておりません。昨年と同様に低迷続行中。
低迷というか、もはやこのくらいの数値がPC市場の平常運転となりつつあるのかと思うレベル。
先月作った過去比なるグラフ。今回は金額も作ってみた。
XP終了祭りを避け、2011年と2012年を足して2で割り本年度と比較した図。
左の4月から右の11月までの平均の低下率は、台数がマイナス39%なので約4割、金額はマイナスの29%なので3割くらい過去より減っているご様子。
XP終了特需の反動、パソコンの性能向上、故障率がおそらく低下、Windowsがアレ、など色々な負の要素に絡まれているのでしょうな。
ノート7割以上なのでデスクトップはオワコン?(おまけ)
JEITAの数値を真に受けているのか、今時デスクトップPCなぞ誰も使っていないという極端なお便りをメールにて、私のデスクトップPCが受信。
11月のJEITAコメントを引用。
ノート型比率は72.5%であった。
JEITAがそう言うならそうなんだろうJEITAの中ではな、というやつであり、このメンバーで比率を語られても困ると過去に何度か申し上げております。
アップルジャパン(株)、NECパーソナルコンピュータ(株)、セイコーエプソン(株)、 東芝クライアントソリューション(株)、パナソニック(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、 (株)ユニットコム、レノボ・ジャパン(株) 計9社
ノート主力のメーカーばかりで、エプソンとユニットコム(パソコン工房)が両方やっており、おそらくこの2社だけデスクトップ主力と思われる状況。
DELLとHPはもちろん、ドスパラやマウスなども入っていないこの統計で国内PC出荷比率と言われても鵜呑み出来ないわけで。
例として、やや古いけれど東芝に並ぶほどの出荷シェアなDELLの場合。
デルの売上の8割を大・中小規模の法人のお客様、2割をSOHOおよびコンシューマーのお客様への販売が占めています。※なお、デル株式会社は財務諸表を一切公表しておりません。ご了承ください。
source:日本でのビジネス概況 | Dell 日本
JEITA統計に掲載のデスクトップ単体は主にNECや富士通による法人向けであり、ならばデルが売っているパソコンはデスクトップ主力と言えましょう。
売上が判るメーカーはMCJ(マウス)が上場企業なので公開中。2016年3月期の決算の数値を引用。
売上高 103,288百万円
1千億円規模。
少なめに見る為に半分はパソコン工房や関連事業の売上として500億円、12で割ると42億円/月くらい。JEITAの今年度4~11月の月間平均売上は467億円程度なので、マウスだけでも1割くらい抜けておりましょう。
そのマウスでさえMM総研の国内PC出荷シェアでは「その他」に分類されるほど小さいのだろうから、DELL、HPが抜け、確か年間売上300億円規模のドスパラも無い状態でノート7割超えとは言い切れない。
いつだったか何年か前に皮算用した時、ノートとデスクトップは半々くらいだろうという試算をした記憶もございます。スマホやタレットとかまだ無かったほど昔。
現在の家電量販店でノートを買うような人と通販でデスクトップを買うような人、どちらがスマホやタブレットで充分としてパソコン使わなくなった率が高いかは想像容易では。
JEITAの数値が落ちている原因はNEC、富士通、東芝が規模を縮小したから、ソニーが途中で抜けたから。家電店での個人向けノートも販売数が減り、XP終了祭りが終わり法人向けデスクトップも鈍っているから。この状況でノート72%と言われても「へえー」程度にしか思わないのは自然でしょう。
細かい事まで言えば、10年以上前から「自作PCは10年以上前に終わった」と言い続けられている割に、当サイトはBTOパソコン.jpな割に、自作PCユーザが多いのは何故なのか?という疑問を解き明かして欲しい。
ノートは完成品を買う。デスクトップはバラで買うし修理も簡単。出荷台数だけ見て「デスクトップとかオワコン」と宣うのは違うでしょう。
だいたい出荷台数は使われている数とは別モノ。
>デルが売っているパソコンはデスクトップ主力と言えましょう
確かに、DELLに関しては企業や役所を問わず、オフィスで使用しているDELLのPCは軒並みデスクトップでしたね。ノートはAppleを除けばソニー(VAIO)、富士通、東芝あたりを良く見かけたような。HPのノートPCも滅多に見かけませんでした。
>自作PCユーザが多いのは何故なのか?
1からパーツを選定して自作PCを作る気は無いけれど、部分的にパーツを交換することで、いま使っているPCを延命させるユーザはほとんど減らないから、も一因としてあるかと。
BTOパソコンを買った後、パーツを交換して半自作ユーザ、マザーボードやケースまで交換して自作ユーザ、という流れがある程度はあるのやも。