JEITAが2018年2月の数値を公開。
先月に続き前年割れしている理由は、12月から3ヶ月連続なので春モデルの出荷をNECらが抑えたとしか思えない当然の流れと言えそうな空気を感じるのだけれども、一部大手メディアは安定の大騒ぎ。
いつも通りJEITAのコメントから。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちらの2017年。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/
当月のコメントより。
2月は、台数・金額共に3ヶ月連続で前年同月を下回った。
冒頭で感想文書いてしまった。
全体の前年比推移。
こうして見ると2017年もダメですな。
とは言うものの、2016年の後半から100%超えが多くなったのだから2017年はそれほどでも無くなった、と思えば前年割れしているからと騒ぐような状況では無く平常運転と思えば良さそう。
端末の種類別。
モバイルとデスクトップ単体がプラス、A4ノートが昨年ほどの勢いが無くオールインワンが激割れ。
という変動は、需要が低下したのではなくメーカー側が出荷台数を絞っているだけであり、割れたからと大きめノートが必要とされていないと考えるは早計。オールインワンは本当に需要ない気がしないでもない。
昨年の2月が出荷台数少し多かっただけ感
前年比ではなく実際の台数と金額の推移。
台数は昨年の2月がやや上向きになっていただけで、一昨年と本年度を比較するとだいたい同じくらい出ている模様。
金額はまた後で出る、平均単価で今何が起こっているのか割とあきれる経過となっているのでまた後で。
その平均単価がこちら。
2017年度は最初から最後まで頂点を維持するかのごとし。
この統計にはゲーミングPCに強いBTOメーカーはパソコン工房以外入っていないので、いかに最近のノートPCが無駄に高いかが良く判る。
グラフでは細かく分からないので、元の数値一覧を画像にて。
個人的には経理系の脳みそ持ちなのでこちらの方が分かりやすい。
平均単価が最も安かった推移の2012年は7万円台だったパソコンが5年後の現在は9万円台にまで価格が上昇。
4月から2月までを2017/2012年度で割り算すると120~141%となっており、1.2倍以上高くなった。平均値は129%、中央値130%なので1.3倍くらいと表現した方が当てはまりそう。
確かに、安かった頃は7万円のデスクトップが今はその構成ならば9万円くらい。SSDが値下がりしたり標準搭載もあるけれど、CPUを中心としたバランスで考えると高くなったのは間違いございません。
NECや富士通が幅を利かせた統計なので、10万円だったノートPCが今は13万円くらいと思えばだいたい合っていると思う。
パソコンがまだ売れまくっていた2011+2012年平均と今。
低調維持、これが現在の平常運転。逆に言えば、2011年頃は異様なほどパソコンが売れまくっていた時期とも言えるかと。
JEITAは本気で分母リセット考えた方が良いと思う
私が集計用に使用しているグラフではない一覧表。全体の出荷台数。
オレンジはXP終了前の祭り期間、青は2015年度から3年間で月単位の比較で最も悪い数値が濃い青、良い数値を薄い青としたもの。
全体的に良くはならないその原因は、国内大手の出荷台数が全体的に縮小傾向にあるためで、主観で言うと以下の通り。
- 縮小・・・VAIO、NEC、富士通、東芝
- 維持・・・パソコン工房、ドスパラ、パナソニック、エプダイ、アップル
- 拡大・・・マウス、DELL、日本HP
赤のVAIOはソニーが切り捨てたと同時にJEITA統計から離脱。太字は現在もJEITA統計に参加している企業やブランド、普通の文字は不参加。レノボ単体がどこにあたるか不明ながら拡大する気配は無いと思う。
となると、今後のJEITA統計は拡大組に押されて前年比は割れる傾向が強まるは当然となってしまい、前年割れたと騒ぐ価値は無くなって行くはず。
VAIO切り捨ては2014年5月からなのでJEITA離脱も一覧表の2014年度からになっていると思われ、2013年度のMM総研によるシェアがこちらでありソニーシェア4.3%が抜けた。
source:2013年度 国内パソコン出荷概要 | 株式会社MM総研
と言いたいけれど、MM総研の統計で1千万台超えの時にJEITAは700万台くらいしか数値取れていなかったので単純に7割とするならソニーの影響力は6.1%くらいとなり、2014年以降の6%減は確実なわけですな。
上の図を見ると、せめて追加でDELLとHPが無ければ国内PC出荷台数や金額とは言えないわけで、私の予想通りにDELL、HP、マウスの拡大が進めばJEITAの漏れも拡大してしまう。
拡大組はデスクトップPC単体に強い、逆に言うと拡大組無いならノートパソコンばかりになるので種類別の構成比もアテにならなくなって行く。
DELLとHP、そしてマウスとドスパラ、これら4つを入れて一旦リセットした方が良いと思うのだけれども、2018年度(4月~)はもう始まるので間に合いませんな。
1月末の報道の通り、東芝がシャープ(鴻海)へPC事業売り払ったならJEITAには載らなくなる、ならば国内半分くらいの統計しか取れなくなると気付いているのだろうか。
東芝事変の後、来年辺りでリセットして欲しいものの、JEITAの仕事はそこでは無い天下り公務員状態だろうから期待は全くしておりません。作業が目的で良い仕事する気は無いだろうから。
>全体の前年比推移。
PCメーカが毎年毎年おなじことを繰り返し、真新しい策を講じていない上、Microsoftも足を引っ張りこそすれ後押しはしていないのですから、下がり続けるのは当たり前といえば当たり前。いっそ
・販売ではなく年間でPCを有料レンタル
販売価格の10%で1年、20%で1年半、30%で2年レンタルの3コース。レンタル後の回収品は中古品として販売。レンタル終了後に延長可のオプションは+5%。10万円のPCなら1万円で1年間レンタル、延長可プランなら1.5万円。30万円のハイスペックゲームPCが3万円で1年間レンタル可、しかも毎年ずっと3万円でハイスペックに乗り換え可、と考えればゲーマーにとっては良さ気。金が無い学生からも搾り取れる点は強み。本当に金が無いなら月額1%(2年目から2%)のサブスクリプション形式でも可。故障時の対応をどうするか、が難点。
・販売価格の30%を支払えば、3年後に内部パーツを有料交換してくれるオプション
10万円のPCを購入(パーツ交換オプション3万円→計13万円)
↓
CPU・マザボ・グラボ・電源を入れ替えたい(パーツ代の総額6万円。交換工賃込)
↓
交換代6万円-オプション代金3万円=3万円でアップグレード
※交換対象のパーツはメーカが回収。また3年後の市場にあるパーツへの交換のみ対応。
こういう妙なサービスでもやらないよりまし、と思える状況。
>2012年は7万円台だったパソコンが5年後の現在は9万円台
現在は7万円のPC=Celeron搭載がデフォルトですね。BTOメーカならCore i3が載ります。構成によってはCore i5まで可。
>有料レンタル
それはリースの派生版とでも申しましょうか、私がまだ若かった頃、リースとか経費の内訳知らなかった頃に30万で売っていた複合機を75万で5年リース+再リース2年(75万とはもちろん別途)していた会社を思い出した。
最近のスマホ、特にiPhone Xとか見ていると思う事はパソコン高くなったとは言えども昔ほどでは無いし、では安いかと言えども用途に見合う生産性とか価値観に合っているなら高いとも安いとも言えないのがPCスマホなど端末に共通している気がする。
バラしたり組んでしまう私らのような人間は無視して買い替え需要の人らの目がどこへ向いているか、向かせるかでしょうな。そう思えば普通のパソコンを普通に売れば良いのだけれども、Windows 10しか無い時点で普通では無いと思ってしまう。
個人的にはWindows 7以前無しとなるならUbuntuが最良に感じるのだけれども、UbuntuはPCメーカーをサポートできる組織ではなく、PCメーカーがオリジナルでサポートできるわけもないのでWindowsから抜ける事ができない悪循環=マイクロジャイアンソフトの言いなりが続く。