ノートパソコンの自作PCは何故進展が無いのか?

2014年12月11日

ノートのベアボーンの話。

ラップトップを自作するという話に懐かしさを感じる人ならば、進展という文字に苦笑してしまう所。進展では無く、ノートの自作は軽く6年以上前からラピュタしておりバルス。意味不明なら失礼。

なぜ進展が無いのか解説。

ノートパソコンの自作PCは何故進展が無いのか?

元ネタはこちら。ゲストブックにてネタ振り、有り難う御座います。 

ノートパソコンの自作ってなんで進展しないの? : PCパーツまとめ
http://blog.livedoor.jp/bluejay01-review/archives/42250250.html

浦島状態なのかと思ったけれど、文面からしておそらく若い人と思われ、昔は有ったと知らないのでしょうな。進展どころか廃退。

10年前の記事を発見したので参考に。

最近では、ノートブック型のベアボーンキットというものも登場してきており、アキバでも取り扱うショップが増えてきました。 

source:アキバ総研 ブレイクの予感?ノートPC型ベアボーンキット

逆の意味でブレイク。

何故かは後で書くとして、ベアボーンキットとは何かをWikipediaより。

ノートパソコンのベアボーンも数多く存在する。この場合、多くはCPU、メモリ、HDD程度を追加すればパソコンとして完成するが、それ以上のカスタマイズは難しい物が多い。

source:ベアボーンキット - Wikipedia

現代にベアボーンキット(以下、ベア)は存在しないのかと言えばそうでは無く、マウスやパソコン工房、ドスパラなどで販売しているノートはベアをメーカーが仕入れ、CPU、メモリ、HDD、その他OSなどは別ルートから仕入れて組み立てております。

NECなどはCPUの変更が出来なかったりするけれど、BTOパソコンやVAIOの一部の場合は可能な理由がベアを仕入れている為。

本当に販売していないか、ドスパラとソフマップが「ノート ベアボーン」で検索にヒットしたので紹介。

ドスパラはノート無し。

ドスパラでノートのベア検索

ソフマップもこの有り様。

ソフマップでノートのベア検索

なぜ廃れたか、ベア交換やベアの分解までして修理していた、元メーカー勤務の私がお教え致しましょう。久々にヒツジ先輩な気がする。

 

ノートのベア販売や自作が無くなってしまった理由

主に5つで。

1.数が出ないので単価が高くなってしまう

ベアボーンという物は、それ1種類で1つの機種(BTOなら1シリーズ)となり、生産は少なくとも数百台単位、普通は数千、大手なら数万単位で製造する物。

例として、仮に数千台と数百台の機種が有ったとするなら、前者がベア状態で単価5万円なら後者は8万円とか。

売れないと判っている物なら少数台となってしまい単価は上昇。2014年の今なら、おそらく数百程度では完成品を買うよりCPUなどの無いベアの方が高くなってしまう可能性も考えられるところ。

そのような無意味に高額な物がすぐに大量に売れるとは言えず、在庫を余らせ1~2年寝かせてしまうとパソコンとしてはゴミに近くなりましょう。仕入れる方も怖過ぎる。

2.メーカーがCPUを単品で売ってくれない

パソコン用のCPUはインテルかAMDの2択。

いずれもデスクトップ用は単品販売しているけれど、ノートのCPUはBGA(メイン基板へ直付け、溶接)が主流となっており、売るわけにも行かず、買えども一般PCユーザには取り着けがほぼ不可能。

ソケット形式としても、やはり販売数が問題。トレイから数個出してパッケージ(箱や保証書)を作る手間も有り、仕入れる方も売れない覚悟になる為、流通が難しい。

7年くらい前はLGA(CPUが外せる)が主流で、分解した物がヤフオクに出回っていたり、新品でも購入出来たけれど、今はそういう時代ではございません。

3.自作PCは流行りのデザインと逆行する

今の流行りと言えばウルトラブック。薄く軽いデザインが人気。

昔ベアボーンでノートを販売していた頃の製品は、高性能な物になると厚みが5cmを超え、デスクトップPCよりうるさい、ある意味凄いノートも存在。

デスクトップ用のCPUやメモリが挿さる物も有ったほど。しかし、そういう機種はやはり厚い、重い、そしてうるさい。

では低性能なら良いかと言えば、そのようなノートを自作する意味は無いでしょう。完成品でレノボやAcerが激安なのだから。

4.今やオンボード主流なので故障で詰む

では、CPUがオンボードの状態でベアを購入出来たとしたなら。

交換出来るパーツは、ストレージとメモリ。何が面白いのかという話となり、他にも無線LANカードや光学ドライブが交換出来るとしても、利点が不明。

マザー故障でCPUが巻き添えになり、メモリまでオンボードならメモリのエラーでCPUやマザーも巻き添え。

ベアのマザー交換作業は出来るとしても、私でさえ開けて閉じるまで1時間くらいかかるほど面倒。だいたいベアの製造メーカーが交換用マザーなど売ってくれないかと。使い捨てになってしまうわけですな。

5.ノートPCを自作するというメリットが無い

完成品を買った方が安い。


以上。

絶対に入手できないかと言えばそうでも無く、ヤフオクで中古を探すとか、気まぐれでドスパラやMSIなどがベア状態で販売をポロリしないとは限らない。しかし、サポートが困難なので単品売りには期待はしない方が良いでしょう。

 

2014年現在ノートパソコンは使い捨ての時代(まとめ)

2014年どころか軽く5年以上前からノートPCは余裕で10万円を切っており、私が所有するパソコン工房のレサンセノートを例にすると、3年前に税込OS入りで29,800円とか激安。

現在は円安や消費増税の影響で多少高くなったけれど、Windows 8.1のライセンスがメーカー宛に無料、またはそれに近いほど低価格でマイクロソフトから提供されており、やはり完成品の方が安い。

ノートが10万円以上していた頃は、マザーボードが故障し修理代に5万円とか皆さん平気で支払われていたけれど、今なら5万円有るなら新品が購入出来、数万円足せば充分な性能のノートがございましょう。

金を出しても面倒でもノートを自作したいという人が居るとしても、ベアやCPUを売ってくれるメーカーが無い為、やりようが無し。

進展は無く過去に廃(すた)れたわけで、今後もノートPCの自作は無いかと。

デスクトップPCの自作は何故廃れないのか?(おまけ)

主に3つでしょうな。

  1. ハードウェア遊びするマニアの存在
  2. パーツを流用出来るので安い
  3. 故障でハァハァする人が多い

ノートとは違い、CPUを単品購入で交換しオーバークロックで遊んでみたり、マザーとCPUのみ交換で安く最新の性能になってしまったり。

自作しない人には解らないと思う3は、自作ユーザはデータのバックアップは当たり前、メインPCが故障しても予備が有り当然なので、パーツの何が故障しようと困らない。

逆に数千円や数万円程度のパーツが故障したなら、新しい物へと交換せざるを得ず、性能アップするので喜んでしまうという。

一時期噂になっていた、CPUのBGAが現実になれども、マザーを単品販売するメーカーが存在する限り、特に2を重視する私のような貧乏人は一生自作し続ける為、デスクトップPCの自作は廃れない。

マザーの単品販売が今でも盛んな理由は、それだけデスクトップの自作ユーザが多いという証。この市場を捨てるにはメーカー側も勿体無いわけですな。

コメント(8)

>進展では無く、ノートの自作は軽く6年以上前からラピュタしており
まるでゴミのようだから仕方ないな(納得)

>逆の意味でブレイク
バルスしちゃったからな バッラバラですわ(適当)

>元メーカー勤務の私がお教え致しましょう。久々にヒツジ先輩な気がする
ある意味来年年男だけに本気出しとかなイカンしなw

>完成品を買った方が安い
今日の結論ココな

>主に3つでしょうな
GeForce必須だからが入ってない やり直し

>マザーとCPUのみ交換で
のみって言うかソレもう事実上の新調ですからw

>パーツの何が故障しようと困らない
旧GTXが逝ったか おマイの死は無駄にせんぞ(迫真)

>パーツが故障したなら、新しい物へと交換せざるを得ず、性能アップ
大義さえ手に入れば後はどうとでもなるのだ(確信)

>この市場を捨てるにはメーカー側も勿体無い
ASRock先生「思いのほか変態多いから困るw」

>ノートPCを自作するというメリットが無い
>完成品を買った方が安い。
これに尽きますね。ノートPCをカスタマイズするならBTOPCメーカーで買ったほうが早くて安いんちゃうとw

>デスクトップPCの自作は何故廃れないのか?
需要が少ない変態PCがほしい場合は自作に頼らざるを得ないってこともあるでしょうw

ノートにはベアボーンという縛りがありますから、あったとしても普及はしないでしょうな。
小ささと薄さを追求する代わりに拡張性を捨てる訳ですからそうなる物。端子類は一通り揃ってるはずですが、デスクと比べて劣るのは基盤の制約上仕方ない部分。
最近のノートは画面が小さいタイプはCPUとメモリが基盤に直付けされてるケースが増えてるように見えます。ますます使い捨て化が捗りそうです。

ノートと言えば先日Chromebookが店頭に出ておりました。実際に触ってみましたが、Google様謹製のサービスしか現状は使えないようです。Androidと競合する部分はどうするのでしょう。

ノートのべボーンなんて、ストレージとメモリを購入して組み立てるだけのユーザー組み立てキットにしかすぎません。PEN-Mの頃ならCPUも選べたでしょうけどね。
需要なんて思います。

デスクトップなら、CPU・グラボ等いろいろユーザーでアレンジ出来ますから自作の入口には良いかもしれませんけどノートではね。

仕事で95の時代から富士通の法人向けノートを長年使用してるけど
CPU変更のカスタマイズは常に有るけどあれはCPU半田付けしたマザーを
有る程度需要予測しといてストックしてるのか、それとも注文に応じて
ライン上で組み込めるようにしてるのか.....

分解した事はありますけれど、コレを自作で組み立てろと言われたら面倒すぎてやらないな、と心底から思うくらい、デスクトップPCよりノートPCはパーツが込み入っていましたね。またデスクトップPCと違い、ノートPCはメーカ毎に内部の構造が大きく異なっていたような。CPUの位置からして違いますし。

価格を補って余りある魅力があるならノートPCを自作する気にもなりますが、カスタマイズした所でメモリを足したりHDDをSSDに換装したり、という完成品でもできる程度のことしか出来ませんから、どうあがいてもノートPCの自作は流行らないでしょうね。

>故障でハァハァする人が多い
私は故障の原因を特定することで暇つぶしができるため、故障は大歓迎ですね。直らなかったらパーツ換装ですが、9割方は直ってしまうためチャンスは少なく。さすがに電源発火は修理不可、というか戦慄しましたけれど。

ジャンク買ってきては(犬柄と花柄をどうコーディネートするか悩みつつ)二個一を組む貧乏マカーの私。
これも痛・変態PCですよね?

Macについては詳しくありませんが、こういうのもありますよ。

カラフルなiMacをそのまま水槽にした「Macquarium」 - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20111101_macquarium/

もはやPCすらないですけどw

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

フロンティア

高性能: ★★★☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作したくない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。


※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

データ復旧のIUECを勝手に評価
あなたの街の~を勝手に評価
ESETセキュリティを勝手に評価

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プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。