国内最大のPC事業グループになるレノボとNECの提携。
出資比率はLenovo51%との事でNECより先にタイトルへ入れましたが、日本かつ一般の人間ではNECは知っていても、レノボは何それうまいの状態かも知れません。6年前にIBMのパソコン丸ごと引き受けた中国の大企業です。
ニュースが出揃ったようなので、NECとレノボ合弁まとめ。
プレスリリースを探して当サイトに迷いこんでしまったならこちら。
NECとレノボが合弁会社を設立、国内最大のパソコン事業グループが誕生(2011年1月27日): プレスリリース | NEC
http://www.nec.co.jp/press/ja/1101/2702.html
文末に貼られているPDFファイルが分り易い。表紙含み11ページの日本語で図解入りとなっております。
NECは何がしたいのか?説明資料から勝手に解説
斜め下からの視点でNECのパソコン事業の歴史を辿ると。
- 1980年代・・PC88や98が日本市場を独占する暗黒時代真っ盛り
- 1990年代・・DOSからWindowsへ移行し独占権がマイクロソフトへ
- 2000年代・・NEC海外PC事業撤退(2005年にレノボがIBM PC事業買取)
- 2010年頃・・NECは依然国内PC出荷台数1位、但し富士通と僅差
流れで見るとマイクロソフトがIBMとNECの市場を潰したように見えます。
合弁の目的や今後どうなるのかNECの説明資料(PDF注意)より。
企業用(法人)PCを含めると、日本市場でギリギリ1位のNECと6位のレノボを合わせる事で余裕の最大化。スケールメリットとは大規模になる利点。
NECの資料は出典がIDCと有りますが、MM総研の調べでも同様の結果。下は2010年4月から9月の半年間より。数値は出してはならないらしく自粛。
NECの補足ページでは世界シェアも載っておりました。
CY(Calender Year)10はそのまんま2010年、3Qは第三四半期(7~9月)の意味。WW(World Wide)で世界市場。
約半年前の数値で、最近の話ではiPadを入れるとAppleがDELLを抜いて世界3位になったとか。iPadはでかいスマートフォンだろうと。それは良いとして。
グループ化で利点とする内容。
「グローバル調達力」に焼酎を噴きそうになりました。横文字多過ぎ。
左上から行くと、ITは情報技術でNWはネットワーク、クラウドは今から流行るとされるオンラインで何でもやってしまう仕組。NEC側はネットワークが強みですよと。
レノボ側は、PC本体の開発や世界市場での販売、グローバル(世界規模な)調達力。要するに中国で製造して中国で組立て中国から販売しているという特徴。
NECはサーバーなど大規模ネットワークの構築に強く、レノボは端末を安く製造出来るという、それぞれの良さや悪さを合わせ持つ、それが“NEC レノボ・ジャパン グループ”、「Lenovo NEC Holdings B. V.」(キリッ という事になります。
また横文字が出ましたが、強引に日本語に変換すると、レノボとNECの持株有限責任会社。業務は日本(東京)で、B.V.方式にするため本社がオランダとなっているのでしょう。
組織の変更はこちらの図が解り易い。
簡単にいうと、NECはパソコン事業を丸ごと切り離してレノボとのグループ会社に合わさり、若干のレノボ主導として運営して行くと。
NECのパソコン事業という事でニュースサイトが大騒ぎになっていますが、1月27日の18時頃に発表されたのみで、実際には6月中にやる予定となっております。
NECの経営状況や過去を掘り返してくれるニュース記事各種
最も速かったCNETより。
NECのQ3決算は減収減益--レノボとPC事業合弁で緊急会見 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/business/20425600/
ここでそれを出すかと思える2つ。
NECのQ3決算は減収減益
NECの2010年度第3四半期決算は、売上高が7207億円で、前年同期比12.7%減となった。
ITサービス:通期目標の達成が絶望的
国内IT投資の回復遅れに加え大型案件が減少したことを受け、前年同期比8.8%減
法人は知りませんが、個人の消費者視点で見てもNECは元からハデにはやらず上品。逆に言えば独占時代の殿様商売体質が続いているという妄想も出来ましょう。
クラウドウォッチでは会見内容の要点有り。
「日本1位、グローバル4位の力を生かす」~NECとレノボがPC事業で合弁会社を設立 - クラウド Watch
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20110128_423184.html
プレスリリースの図に2つは有った3つのポイント。
- 両社の開発連携による製品力強化
- スケールメリットを生かした価格競争力の強化
- NECのビジネスPCの海外展開拡大
3のNEC海外展開はやはり法人で、海外に出ている日本企業へPCを一括提供するなど一般個人には無関係。
では日本の個人用として両社のブランドはどうなるか。
- NEC、Lenovo双方のブランドについてはそのまま維持
- 現状のシリーズ名も、両社ともに継続
- 生産体制については、(中略)、短期的にはそのまま維持
- 100%Lenovo傘下に入ったりPC事業から撤退は一切ない
短期的がどの程度かは分かりませんが、年末からLenovoが製造したNECロゴのノートが並んだりはとりあえず無いでしょうな。
PCwatchは元麻布氏による若干の感想付き記事。
【元麻布春男の週刊PCホットライン】 PC-9801“ガリバー”のNECがレノボと合弁
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20110128_423389.html
NECがガリバーとは初耳でしたが私に言わせるとダークサイド。個人向けに、PC-9801本体86万円、14インチCRT36万円など、デススター並の破壊力だったセレブ価格。それでも売れたのでしょう。
ニュースサイトの記事としては淡々と事実のみ語る書き方が基本とされますが、元麻布氏の名がタイトルに有るように、オリジナルの解説以外に若干の感想らしき文も有り。
NECが単体でPC事業を維持できなくなったことの衝撃を少しでも緩和しようという内容だ。また、Lenovo側のNECに対する配慮も感じられた。
その 一方で、新会社の社長に就任する予定であるNECパーソナルプロダクツの高須社長は、どちらかというと表情が硬く、この提携が本社主導で進められていたことをうかがわせた。
やはりな。と解釈する私の脳みそがアンチNEC過ぎるのやも知れませんが、予想していた事をズバリ書かれており勝手に納得。
法人ではHPや富士通が強く、個人向けノートはソニーや東芝が強め。ガリバーNECは時代に取り残されつつ有り。
アスキーでは他のニュース記事に書かれていない詳細も。
ASCII.jp:レノボ×NEC提携を考える─国産の終焉? 世界へ日本の技術が?|大河原克行が斬る「日本のIT業界」
http://ascii.jp/elem/000/000/584/584567/
以前やった富士通はノートを国内生産(製造)では、国産はパナソニックと富士通だけとASCIIに書かれておりましたが、国産の終焉とはどういう意味でしょう。
気にしない事にして、全3ページの1つ目より。
その一方で、レノボには、5年後に合弁会社への出資比率を引き上げることができる条件がつく。
初めはレノボが51%(NEC49%)、どこまで引き上げて良いかは不明ですが、上手く行けば5年後にはレノボ主導でやって良い事になると見えます。仮にレノボ70%などなればレノボ側だけでも方針が決まってしまうかと。
NECがどのくらい苦しいか、世界市場で国内メーカーを比較すると。
NECの年間270万台(2010年度見込み)の出荷規模に対して、同じくフルラインナップ戦略をとる富士通は年間580万台と2倍規模の出荷台数を誇る。
さらに、ノートPCに特化している東芝は2010年度見込みで、2000万台以上の出荷計画を掲げており、NECと比較してざっと10倍の出荷規模。
東芝が多い事は何と無く判っていましたが、NECが富士通の半分以下。
昔ながらの日本電気信者なら結構ですが、規模が違うなど言うならNECは落ち過ぎでしょう。規模で選ぶ意味も分かりませんが、昔のNECとは違うようです。
最後におまけで富士通も驚いた。
NEC・レノボPC事業統合について「驚いた」 - 富士通 山本社長 | マイコミ
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/01/28/090/
富士通も似たような考えは過去に有ったらしいけれど、国内製造やユーザと近い事を重視して無しになったそうな。
合弁を驚異とチャンスと捉えた驚異は。
価格競争のさらなる激化
ノートや一体型など激高いソニーとNECの内、NECが富士通や東芝ラインまで落ちて来ると、東芝が反応するなら富士通も競合しなければならない、という事でしょうか。
どこにチャンスが書かれているかは有耶無耶ですが、レノボと富士通が組んでもパソコン以外は大した物が出来ないだろう、とは私の曲解。
レノボとNECの合弁会社でパソコンはどう変わる(まとめ)
個人的な考えで結論から言うと、(短期的の期間が過ぎると)NEC製品は安く中身も良くなるのでは無かろうかと。
NECの国産はPC9821のNX(10年以上前)辺りまでと思っており、現在はNECに限らずパソコンの品質が良いと感じた事は無し。
NEC信者には中身やパーツがLenovoになるとすると反対かも知れませんが、私の見方は中身が元IBMになるなら、今のNECやソニーより良くなるのでは無いかという推測。
メーカーやブランドのみでAppleは最高、DELLは最低と言うパソコン初心者も居られますが、中身は同じ中国の工場で作っていたり。
BTOのノートは壊れ易い、VAIO一択というソニー信者が居るやも知れませんが、同じメーカーのベアボーンを使っている事も有る為、中身は同等では無いけれど製造元が同じなど。
売り方としてLenovoを嫌っているものの、IBM設計のコストダウンによる劣化がなければ中身がLenovoになると良いかも知れません。
今後、いつかはLenovoが「グローバル調達」して、NECが組み立てたノートが出来るかも知れず。5年後にNECがどうっているか楽しみです。
>NECは何がしたいのか?
一行で
1位を守りたくてやった。反省はしていない(キリッ
>それぞれの良さや悪さを合わせ持つ
悪さは合わせなくていいからw まあ往々にしてそうなっちまうのですがw
>私に言わせるとダークサイド
>デススター並の破壊力だったセレブ価格
とりあえずNECにフォースの加護はなかったってことですね。わかります。
いや、NECの例えに使われるとか帝国軍やベイダー卿に失礼、抗議しますw
>レノボと富士通が組んでもパソコン以外は大した物が出来ないだろう
PC事業は始まりで、のちに全力で合併して中華に技術ダダ漏れになったら吹く
確かNECは安全保障関係でもかなりコアな部分に使われてますよ。
>今後、いつかはLenovoが「グローバル調達」して
どんだけ気に入ったんだ「グローバル調達」w もう許してやれw
どうも、最近忙しくてサイト訪問出来無いでいた私ですww
もう私なんか、NECとか記憶から薄れてましたよww
日本では本当にパソコンが普及するの遅いし、そのせいもあってか、買ってもノート止まりですからね。
企業側からすると厳しいですよね。