パソコン工房のLesance(レサンセ)ノートの実機評価その2。
前回の記事では見ただけで終わっておりますが、今回も電源を入れるまでとし延々と分解して参ります。一応パソコン工房へは分解すると伝えておりますが、やり過ぎツメを折って買取とか嫌なので軽めに。
3日間連続レビュー、2日目は分解編。
一応前置くと、私は元では有るもののBTOパソコンメーカーの修理工場に勤務しており、ノートPCの分解には多少慣れております。
今回のノートは簡単なものの、バラすとパソコン工房に限らずメーカー修理対象外や出来ても有料になるなど、詰んでしまう可能性も有るので自己責任にて。
ここからの画像は前回同様、リサイズとぼかし以外の加工はしておらず、色や明るさは撮ったまんまで上げております。
「Lesance NB S3112/T」を軽めに分解してみる
キーボード面に外れそうな箇所が見当たらない事を確認し、ノートPC本体を裏返しネジを外す作業。
ネジの種類は2つ有り、赤丸は長さ2~3mmで6本、青は5mmくらいの物が4本。
長い方のネジ穴へ短いネジを入れると閉まらなかったり、短いネジ穴へ長いネジをねじ込むとぶっ壊れるかも知れない為やるならご注意有れ。
私がノートPC修理で初めて分解した際は、コピー用紙などへノートの輪郭を書き、その上へネジの場所や長さを書きつつネジ現物を載せて行っておりました。フタを空けてマザーボードや電源パネルなどを外す時も同じ。
上の写真で嫌な予感がした事は2つ
- ゴム足(丸いクッションx4)の中に隠しネジが有りそう
- 内側から爪が掛かっているなら断念するしかない
ネジが丸見え、しかも10本も有るのだからゴム足の中には無いと思ったものの、ネジが見当たらないならゴムを剥がすと中にネジが隠されている事がございます。
また、小型のノートで良く有る設計はネジ以外にプラスチックの爪が内から掛かっている事。ASUSのベアボーンで良く見られる構造で、知らずに開けるとバキっと行ってしまう。
今回は2点とも当てはまらず、ネジを外しフタを持ち上げるとパカっと開いております。分解としてはかなり簡単な方。
開いた写真の前に、昨日載せたLAN端子部分を思い出しましょう。
左端の開いているやつがそれで、引っ掛けるとぶっ壊れそうなほど妙な形になっており、それを裏側から見た写真が下。
完全にプラスチックのみとなっております。
力を掛けると折れると思われる為、左側面には注意するか、常時閉じておき無線LAN接続にした方が無難。壊れても大して支障は無いと思うけれど。
最近はウルトラブックと称し薄型ノートが出まくっており、薄い為に有線LANを捨てている機種が多くなっております。モバイルなら基本的に無線LANかも知れないけれど、まだ有線の方が実測では速い為、速度有線の人には有るだけ有難い仕様。
話を戻し、フタを取った状態が下の写真。
ほぼ全部のパーツが見えております。
これならパーツの換装は楽。やると改造になるので、パソコン工房へ修理に出さないとか、修理時は元に戻すなら。
ノートでCPU交換するのは一部のマニアくらいとして、HDDとメモリが交換出来るのは有難い設計。
右を拡大。メモリスロットは1つで4GBが1枚挿さっております。
レビューなのだからメモリのメーカーやチップの製造元も掲載した方が良いと思い、メモリをスロットから取り外し裏返してみたところが下の写真。
片面8チップなので両面で16チップ。256MBが16個付いているわけですな。
「tigo」で検索するもヒットせず、「PE929」でも出ず。
動けば良いとして気にしない事にし、次はバッテリを外そうとした所。
バッテリは黒いカバーで覆われており、両面テープで接着されている為、元に戻せなくなる可能性を考え中身は見ておりません。
トップケース(キーボード面)は両側にスピーカーが各1、中央にタッチパッドが付いている良くある構造。
バッテリを元に戻し、HDDを拝見。
HGST(日立)の「HTS545050A7E380」、5400回転/分、SATA2、500GB。
価格コムで最安を探すと送料込で4500円くらいのHDD。個人的にはHDDの製造メーカーにこだわるのは数年前からやめたけれど、HGST製品はマニアに好まれており、東芝と並ぶ人気商品。価格コムのHDD(2.5インチ)ランキングは現在4位。
問題は取り外せるか、可能な所までやってみた光景が下。
HDDは右上で裏返っている銀色の長方形。
ネジを4本外すと外れるものの、コネクタは銀色のシートで覆われ両面テープで接着されており、バッテリと同様に剥がすと元へ戻せなさそうなのでここまで。
メーカー修理しない前提なら、HDDの故障時や速度や容量に不満が出て来た際は剥がしてSSDや大容量HDDへの交換も有りでしょう。
目に付いたのでCMOSバッテリ(BIOS設定保存用電池)も撮影。
型番はCR1620。100円ショップなどで売っております。
もちろん破っていないけれど、黄色いカバーの中ではおそらく配線が電池に接着されており、交換には接着剤やハンダ付するレベルになると思うので電池が切れたら諦めましょう。
バッテリを抜いた状態でコンセントから電源プラグを抜いて放置すると数年で切れるはず。エコや省エネは良いけれど、メーカー修理時は電池交換では無くマザーボード交換になる可能性が高く、100円の電池の為に修理代が3~4万円かかると思われる為ご注意有れ。
気になった箇所はヒートシンクと排気口。
ノート本体の側面に排気らしき穴が有ったけれど、そこにはヒートシンク(CPU放熱用金属)は来ておらず、位置はノートの奥側。
排気口が無い。
と思いきや、モニタを開き、隙間を見るとございました。
という事は、電源を入れた状態でモニタを閉じると排気出来なくなりましょう。
しかし使っていると判るけれど、このノートは室温16度なら普段はファンが回っておらず、高負荷時のみ回転する仕組。放置しているとCPUの温度は40~50度。この温度ではファンは回転せず普通にWindowsが起動している状態。
なぜファンが回っていないか判るかは、この状態で検証した為。
室温にもよると思うけれど、Windows8が初めて使う準備から8が起動するまでファンは回らず。壊れているのかと思い、YouTubeのHD解像度を2つ立ち上げると、しばらくして回り始めたほど静音設計。
「Lesance NB S3112/T」評価・分解編(まとめ)
前回の見た目編ではケチが多く付いたけれど、今回の分解で判った事は利点が比較的多めと感じております。
難点または心配な点は2つ。
- 有線LANのカバーが壊れそう
- 高負荷状態でモニタを閉じて使う用途なら無理が有る
利点を3つ。
- 分解作業が誰にでもできそうなほど簡単
- ストレージ(HDD)、特にメモリ交換が楽
- 静音 ※但し検証時の室温は15度くらい
個人的に感心した点はベアボーンのメーカーが判らなかった所。
開いた瞬間に「CLEVO(クレボ)か」と思ったけれど、Made in Chinaとしか判らず、ラベルの表記は UNITCOM や S3112 などの型番のみ。
要するにソニーのようにどこのベアを使っているとは記載させないOEM製品と思われ、LesanceブランドでノートPCを本気で製造し売ろうという方針と想像、または妄想。
BTOパソコンメーカーは国内大手PCメーカーと比較すると弱小。ノートPCの仕入は通常数千台単位、それを型遅れになる前に売り切る必要が有る為、パソコン工房(ユニットコム)レベルではノート販売は難しいはず。
逆に考えると、難しくはない規模になったとも考えられ、DELLやHPとまでは行かないまでも、マウスコンピューターやエプソンダイレクトのクラスまで来たという事でしょう。おそらく。
今回の分解でパーツの詳細が一部判った為、仕様を一覧。とは言え、本当に判ったのはHDDくらいのもの。
- OS:Windows 8 64bit
- CPU:Core i3-3217U(1.8GHz、2コア/HT対応、3MB、TDP17W)
- マザー:インテル HM76 チップセット搭載
- メモリ:4GBx1(DDR3-1333)※1スロット、最大4GB(?)
- グラフィック:インテルHDグラフィックス4000 ※CPUに内蔵
- HDD:500GB(SATA2、5400rpm)※HTS545050A7E380
- 光学ドライブ:※無し
- モニタ:11.6インチ(解像度:1366x768)※光沢液晶パネル
- LAN:ギガビットイーサネット対応
- 無線LAN:IEEE802.11b/g/n
- 他:USB3.0x1、USB2.0x2、130万画素Webカメラ、mini-HDMI出力 など
- バッテリ駆動:約5時間
- 重量:約1.25kg ※バッテリ含む
なお、量産系BTOメーカーが型番などを記載しない理由は、良くある噂「しょぼいパーツを使っているから」では無く随時変更になる為で、このノートが必ずHGST製HDDとは限らないのでご注意有れ。私が借りたノートがこれだった、というだけ。
リンク切れすると嫌なので、詳細を見るなら レサンセシリーズのトップページからお探し有れ。49,800円のこれ。
次回はいつもの流れならベンチマーク編になるけれど、モバイルノートで性能を測り1ページやる意味は薄いと思うので明日でまとめとし完結しましょう。デスクトップPCも借りているので、ベンチ比較はそこで。
私がWindows8の光沢液晶ノートをどこまで叩くか見たいなら、最終回の公開は明朝8時なのでトップページからどうぞ。
公開済になるとこの下へリンクが出現する仕掛。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン