久々にBTO PCメーカーから特徴有るノートの新製品。
マウスコンピューター、パソコン工房、ドスパラの3メーカーが揃って12月に高性能ノートPCを発売、または発表。この3社の新製品は似たような構成になる事が多いけれど、今回はかぶっておりません。
冬のボーナスやお年玉狙いか。
ドスパラより、デスクトップPCパーツ搭載ノート
ドスパラとフェイスより、同じベアボーンの高性能ノートが発表。
超弩級スペックのノートPCが近日発売、LGA2011、ACアダプタ2個…
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20121223_580001.html
フェイスの方は構成がやけくそ過ぎて面白く無い為、実用的かも知れないドスパラの祭り用ノート(GALLERIA GM680D)より主な仕様。
- OS:不明 ※イメージではWindows7
- CPU:Core i7-3820(3.6-3.8GHz、4コア/HT対応、10MB、TDP130W)
- マザー:Intel X79 Expressチップセット搭載 ※LGA2011
- グラフィック:GeForce GTX 680Mx2 ※SLI
- メモリ:16GB(4GBx4枚) ※SODIMM
- ストレージ:SSD 128GB + HDD 1GB
- モニタ:17.3型(解像度:1920x1080)
- 電源:300W ACアダプタx2個 ※ファンレス
- バッテリ駆動:不明 ※有るには有るらしい
- 重量:不明 ※軽く3kgは超えると思う
価格も不明なものの、フェイスのHDD搭載モデルが約30万円なのでプラス数万円という所でしょう。
普通のノートと明らかに違う所は、CPUとマザーボード(正確にはチップセット)がデスクトップPC用となっており、どうやって放熱しているのか不思議なノート。
その他の特徴は300ワットというノート用としては常識はずれな容量のACアダプタが2本も必要となっており、CPU以外にグラフィックカードに必要なのでしょう。
Clevoのくせにやたらとベアボーン(ノート本体部分)の価格が高い気がするのは、デスクトップPC用CPUが載る以外にこれらのせいかと。
GeForceシリーズのSLI構成、最大3基の2.5インチSSD/HDDによるRAID 0/1/5構成も可能というハイスペックが売り
中身の写真が有ったので拝借。ベアボーンの状態。
左の2つがビデオカード2枚のファン。右のファンはCPU用で、別の写真ではCPUの直上にもファンが1つ載っておりました。
奥の空間は、右が2.5インチストレージ(SSDやHDD)1本。左の深い方へ2.5インチを2本重ねて入れるのでしょう。高さ(厚み)約6cmに納得。
どうしてもPC本体サイズが小さく、画面やキーボードも小さい方が良いゲーマー向けのノートもどき。普通はデスクトップでやれば良いと思う、コンセプトモデルのようなPC。
関係無いけれど、ACアダプタで300Wしかも2本でファンレスとか出来るのなら、デスクトップPCでも使えないのか気になる。
マウスより、クリエイター向けのノートPC発売
マウスはデスクトップPCでもクリエイター向けに力を入れているけれど、今回はノートにQuadroを載せて発射。
マウス、Quadro K3000M搭載の15.6型フルHDノートPC - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121214_578807.html
約17万円でも下位モデルという方より主な仕様。
- OS:Windows 7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i5-3210M(2.5-3.1GHz、2コア/HT対応、3MB)
- マザー:Intel HM77 Expressチップセット搭載
- グラフィック:Quadro K3000M(メモリ2GB)
- メモリ:8GB
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth4.0
- 有線:USB3.0x3、ギガLAN など
- モニタ:15.6型(解像度:1920x1080) ※NTSCカバー率95%
- バッテリ駆動:約3.5時間 ※JEITA測定法
- 重量:約3.16kg
Quadroを外すとレノボやAcerが5万円くらいで販売しているノートとそう変わらない構成なので、グラボ代が10万円くらいと見てよろしいかと。
もう一つの特徴は液晶パネルがNTSCカバー率95%を謳っており、紙デザインや印刷に優れると思われる仕様。
バッテリ駆動の短さと重量がモバイルという数値では無い為、どうしても画面が小さいけれど高解像度が良く、Windows仕様のノートPCでデザインをしたい人でしょうな。
パソコン工房より、ゲーマー向けノートPC発売
ここまでの3つの中では控えめに見えてしまう高性能ノート。
パソコン工房、HDD+SSD、GeForce GTX 670Mも搭載 - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121217_579080.html
私は見出しでゲーマー向けと書いておりますが、パソコン工房に言わせるとクリエイター向けとの事。
クリエイター向けノートPCと同社が位置付ける製品で、
主な仕様を一覧。
- OS:Windows 7 Home Professional 64bit
- CPU:Core i7-3630QM(2.4-3.4GHz、4コア/HT対応、6MB)
- マザー:Intel HM77 Expressチップセット搭載
- グラフィック:GeForce GTX 670M(メモリ1.5GB)
- メモリ:32GB
- SSD:120GB(Intel 330シリーズ)
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチ
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth
- 有線:USB3.0、ギガLAN など
- モニタ:17.3型(解像度:1920x1080) ※光沢液晶
- バッテリ駆動:約3時間 ※JEITA測定法
- 重量:約3.9kg
- 同梱品:USB 3.0対応HDD/SSD外付クレードル
最近のパソコン工房らしい上手い提案は、最下行に突っ込んでいる同梱品、そして2ストレージ構成な点が個人的に好感度アップ。
バックアップやストレージ容量の増設を前提で販売しているわけですな。他のメーカーもこのくらい押し付けて良いと思う。
戴けない点は、クリエイター向けと称する割に性能高めなDirect X用のグラフィックカード。なぜゲーマー向けにしなかったのか不明。
CPUが省電力(この性能でTDP45W)な割にバッテリ駆動が短く、重量もデスクトップのスリムPC本体並の重さ。
そして私が最も気に入らない点が光沢液晶。本当にクリエイター向けならここはノングレア一択。やはりゲーマー向けとした方が合うかと。
クリエイター用とは言えないと思う為、どうしてもコタツトップで3Dグラフィックぬるぬるのゲームをしたいなら有りかも知れない。
性能知らず予算のみでPC購入は危険(まとめ)
さすがにドスパラの30万円近いノートもどきを購入しようと思う人は居ないと思うけれど、マウスは約17万円、パソコン工房は約13万円と現実的な価格。
有名メーカーのノートの価格や、7年前くらいのBTOパソコンのノート感覚なら、15万円前後でも普通、20万円を超えてもおかしくは無い印象が有るやも知れず。しかし、最近の普通のノートなら高性能な物でも余裕の10万円割れ。
先月ボーナスが出たという知人よりPC購入の相談が有った際の会話。
- 知「予算12万円でノートを購入したい」
- 私「用途は?」
- 知「インターネット、主にニコニコ動画観る」
- 私「他には?」
- 知「特に無し」
- 私「それなら6万円前後か以下で探せば良いと思う」
- 知「高性能な方が良い(キリッ」
- 私「・・・・・」
用途から、12万円でも6万円のノートでも違いが判らないはず。
性能が高くともその性能を使う事が無いと思われ無駄なものの、高額なら高性能=正解と思い込まれておりました。
大は小を兼ねる如く、確かに高性能な方が良いけれど、故障した時の事も考えましょう。高性能PCは不具合を起こしたパーツにもよるけれど修理代も高額。
性能の高い方が発熱やホコリの吸い込みが多いとし、低性能より故障率が高いとするなら買い換えるまでの期間も短くなりましょう。
パソコンを購入する際は、なぜこの価格なのかを知ると安く無駄がございません。ドスパラは冗談のようなデモ用、マウスは3D処理が必要なデザイナ用、パソコン工房は3D処理が必要なゲーム用。
これらを主にインターネットとか、年賀状作成などに使えど意味無し。私が購入したような3万円のノートでも充分なわけですな。
今回挙げた3種類の新製品はなぜ高額なのかが分り易いけれど、普通のノートなら本当にその性能は必要なのか検討を。
無駄に万単位で出せる金が有るのなら、HDDをSSDへカスタマイズしたり、バックアップ用ストレージを増設したり、焼肉でも食う方がお勧め。
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