Windows8発売後、初の1ヶ月単位の集計。
予想通り過ぎて「知ってた」と言いたくなる前年割れ。ここまでの減少はJEITA統計では7月以来の大幅な下落となっており、新Windowsの8が発売した翌月にも関わらずひどい結果と言えましょう。
8がどう駄目なのか感想文も書いて参ります。
11月はPC出荷台数減少、但しセパレート除く
JEITAへ直接行っても良いけれど、ITmediaにプレスリリースが掲載されており、解説が有るので読み易い。
10月よりも減少:Windows 8搭載PCは伸び悩み? - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1212/26/news092.html
前年比は右から3列目の91.2%が全体。マイナス8.8%。
昨年の今頃はタイ洪水の影響でHDDが高騰したくらい。特にPC出荷台数が異様に伸びたなどの事件はございません。
内訳を引かせて貰います。
デスクトップPCが前年同月比13.9%減の21万台、ノートPCが同6.5%減の50万7000台
デスクトップPCとは、BTOパソコンのようなセパレート(PC本体とモニタが分離)タイプ以外、ボード(一体型)PCも含まれており、分母となる生産数そのものが低かったのかも知れない。
となると、その分の生産はノートへ行っていると仮定しても6.5%減。生産数が関わると、デスクトップPCが落ちた、ノートも落ちたという単純なものでは無い気がしております。
このリリースの見所はここ。
個人向けWindows 8搭載PCの需要が低調だったことが要因としている。セパレート型のデスクトップPC以外は、2012年10月よりも出荷台数が減少した。
この統計には個人向けセパレート型が皆無なNECや富士通など以外、オンキヨー、セイコーエプソン(エプソンダイレクト)、ユニットコム(パソコン工房など)も入っており、要するにWindows7仕様のデスクトップPCは10月より出荷台数が増加したという事かと。
出荷台数のグラフも掲載されているので拝借。
前年比では2012年7月の83.8%(-16.2%)が最悪で、11月の-8.8%は2番めに悪かったものの、台数で見ると11月が4月以降の最低になっております。
iPad miniが出たから、タブレット端末に流れたとか強引にすり替えるより、Windows8仕様のパソコンが消費者から敬遠されたと見るが妥当でしょう。
ショップやメーカーは早く現実逃避から戻って来た方が良いと思う。
Windows 8の使用率増加ペース、Vistaを下回る | Computerworld
http://www.computerworld.jp/topics/634/206005
8はWindows互換の別OSと思った方が良い
先日購入した3万円ノートのWindows7を8へアップグレードし、約1週間(15時間くらい)使ってみた感想を100%難点で8つ。利点は「何となくかっこいい」くらいしか感じない。
1.基本操作が分からない
Windows8に触れる機会が有ったなら、これらをやってみましょう。
- Cドライブを開く
- シャットダウン
- ログオフ
CドライブはWindows7を使っているならエクスプローラーから行けると判るかも知れないけれど、デスクトップ上にマイコンピュータは表示出来ないご様子。
そして電源オフは分からないはず。私は検索した。まずはチャームの存在とその出し方を知るというハードルがございます。敢えてここではチャームの出し方を書かないので調べましょう。
シャットダウンが、チャーム>設定>電源、と分かったとしてもそこにはログオフがございません。これは私は未だに普通のやり方が分からないけれど、Alt+F4で選択窓を表示し、そこからサインアウトを選んでおります。
ちなみにモダンUIではAlt+F4は効かない為、どうやってサインアウト(ログオフ)するのか未だに不明。モダンUIから操作する必要性を感じない為、調べる気が失せております。
2.直感で動かすは困難
基本操作が分からないだけでは無く、Windows8はAndroid端末やiPadのように何となくで操作が分からない。
慣れと言われるかも知れないけれど、10年以上Windowsを使って来た私が8では何がどうなっているのか分からず、Android端末(GALAXY Tab)では解説本を購入するどころか一度も検索などせず使用しております。
Windows8は「こうすると多分こうなる>なった>自分凄い」が通用しない。例として、「モダンUIのアプリ起動後、なぜEscキーでスタート画面へ戻らないの?」。答:(おそらく)マイクロソフトがキーボードやマウス操作を軽視している。
3.やたらモダンUIへ戻る
例として、デスクトップ画面上からBMP画像をダブルクリックで開くと、モニタが全面青緑になり中央にシンプルなアイコン。放心状態で数秒待たされ画像が表示。エスケープキーで戻ろうとすると、モダンUIのフォトへ。意味が分からない。
基本がモダンUI、デスクトップ画面は既存Windowsユーザへの救済的オマケ機能。ユーザがやりたい事を出来るのでは無く、マイクロソフトがやりたい事をやらされるのがWindows8。
4.何をしているか不明に
これは慣れの問題かも知れないけれど、Windows7までは複数の窓がデスクトップ画面上に出る為、今何をしているか、何をしたいかが分かり易かったけれど、Windows8ではデスクトップ画面で作業をしていても無理矢理モダンUI(シングルウィンドウ)へ移動したがる仕様。
ただでさえ分かり難いモダンUIからの操作はWindows「s」にならず、慣れ以前に設計として明らかにおかしいと思う。
5.フリーソフトや改造必須
スタートボタン無しは想像以上にきつく、デスクトップ画面上へマイコンピュータやネットワークのアイコンなども表示出来ない為、そういう事が出来るようになるソフトウェアやカスタマイズが必要。
8が初めてのWindowsという人なら、これがWindowsなのかで終わるかも知れないけれど、既存のWindowsユーザ以外にMacユーザも使い難さに気付くレベル。
デスクトップ画面から起動したりスタートボタンを追加するならこちら。
窓の杜 - Windows 7以前の使い勝手を取り戻すソフト特集
http://www.forest.impress.co.jp/docs/special/20121026_568679.html
6.マルチディスプレイの罠
先日書いた、デスクトップPCでWindows8のタッチ操作は有りの記事で、何故有りかはこうすれば良いと思いついた為。
基本的にデュアルディスプレイ、モダンUIのタッチ操作は左のモニタを左手で。デュアル(マルチ)ディスプレイは全部繋がっている為、マウス(ポインタ)の移動がモニタ間で可能。
これが実は罠で、タッチ操作なら画面の隅を触れば良いけれど、デュアル以上のモニタの間はポインタが通過してしまい、チャームが凄く出し難い。
以前、Windows8の利点を紹介した記事のまとめで、チャームが凄く出し難い(フルHD、隅17x17ピクセル)と書いていたけれど、当時は一時的にデュアルにしていた為。ポインタが右の画面へ行ってしまう。
どうしたら良いか検索すると、メインとセカンドモニタの上下を数ピクセルずらしてポインタを引っ掛けろというネタ記事がございました。頭良いと思った。
7.パッドスクロールが無効
私のノートは先日パソコン工房で購入したWindows7仕様のノート。
それを8へアップグレードした直後から、8ではタッチパッドのスクロール(パッド右端を縦にこする)機能が使用不能。そう、ドライバが対応しておりません。
このような不具合がPC本体以外に周辺機器でも出るやも知れず、今後機器メーカーが対応すると思うけれど、7で使えていたものが全部8で使えるとは限らない例。
8.デスクトップ画面はレガシー
レガシーとは過去の物のような意味。過去のソフトウェア、資産を8へ引き継ごうとデスクトップ画面を使いたいけれど、スタートボタンが無いという不便さ、モダンUIへ飛ばされるストレス。
マイクロソフトが既存の膨大な数のWindowsユーザをタブレットPC用インターフェイスへ移行させつつWindowsも引き続き使えと言わんばかりの傲慢としか見えない。
見た目は7とそう変わらないけれど、使えば使うほど違う不便さを思い知る事になるので、使わずに8良さそうとか言っている人は是非お試し有れ。
私は「はあ?」を脳内で連呼したくらい。
おまけ:高速起動するとBIOS設定に行けない
8の起動が速い原因は完全にシャットダウンしておらず、スリープやスタンバイ状態の更に深い眠りに入っているだけの仕様。
高速起動をオンにした状態では、BIOS設定や起動ドライブ指定などのファンクションキーが効かない(飛ばされてWindowsが起動する)為、BIOS設定を変更したければ毎回高速起動をオフにするか常時切っておく必要がございます。私は切った。
ちなみに、高速起動を無効にしシャットダウンしコールドブートすると起動時間はWindows7と同じくらい。
何故切ったかも一応書いておくと、Windows8が起動途中で再起動するなど、起動失敗する壊れ方をした場合、BIOS設定を開けなくなると思った為。CDやDVD、USBブートが出来なくなると内蔵HDDを交換するはめになりましょう。
更におまけで、私のノートの性能が低い為かも知れないけれど、デスクトップ画面上での操作がやたらと引っかかる印象が有り、7より良くなっていると思えず。
処理中のアイコン(回転する矢印、XP以前は砂時計)が時々出ず、ごまかしているのかと思ってしまうほど引っ掛かる。
11月は序章、減少の本番はこれから(まとめ)
Windows8が発売されていなければ、7月のように何故か減少で片付くけれど、今回の11月はWindows8発売翌月。
更に11月から12月に掛けては年末のセール時期。ボーナスやクリスマスなどで散財する人が多く居られるはず。
それにも関わらず前年比約9%の減少、出荷台数は4月以来最低はひどすぎる。新OS発売なら、新しい物好きやPC買い替え需要も有りプラスで当然。本来は増加のところが減少したとするなら下落幅は見た目の数値より大きいと言えましょう。
また、10月下旬からWindows8の新製品PCが発売され、旧モデルの7仕様は在庫がほぼ無かったと推測すると、8は7より売れないWindowsという事に。
11月は8発売翌月なので話題性有り、12月は1年で最もパソコンが売れる時期と思われ、本当の減少幅は来年1月か遅くとも2月には出ると予想しております。
そして来年には早くも次期Windows(コードネーム9、噂では「Blue」という名前)が発売されるそうな。3つめの記事(TechCrunch)お勧め。
- Windows8総責任者辞任がWindows Blueにもたらすもの(2/2)-ITmedia
- Windows 9アルファ版の情報がリークWindows Blue?:ギズモード
- マイクロソフト、Windowsアップデートを低価格・毎年方式へ移行か
相変わらずのモダンUIメイン、マイクロソフトCEOが意地でも付けないらしいのでスタートボタンはおそらく無し。
Windowsは有料アップデートになる感が有り、対応しきれない為に8からはパッケージ版を廃止しマイクロソフトの直接サポートをやめたと思われても仕方無し。
8発売が1stインパクトなら、2ndインパクトはWindows7のOEM版(PCメーカー用)提供終了日。3rdインパクトはDSP版(BTOや自作用)Windows7が完売した時。
私はOEM版7終了告知を目処に、DSP版のPro~とHome~を購入予定、または遅くとも来年2月頃までには7へ移行。(XPのサポートが4月に終わる為)
7終息情報は必ず当ブログでネタにすると思うけれど、その時まで当ブログが続いている可能性が100%では無い為、同じ考えならとっとと買うか、情報を拾い続けましょう。
私のようなWindowsユーザが増えると、数年内に大手メーカーがPC事業撤退、BTO PCメーカーや自作代行ショップはいくつか潰れると思う。
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