マウスコンピューターよりウルトラブックが新発売。
パソコン工房、ドスパラに続く国内の量産系BTOメーカーでは3番目と記憶している、ノートのBTOパソコンでは定番のマウスから。オンキヨーもウルトラ~は出しているけれど、相変わらず意味不明に高額なので見なかった事にしております。
中々上手い仕様なので適当に見て参りましょう。
ウルトラブック「Luvbook L」は約6、7、10万円の3種類
マウスは見せ方、提案が上手いと以前書いた気がするけれど今回も上手い。この辺りはオンキヨーやフロンティア(KOUZIRO)と対照的。
マウスコンピューター、約6万円からのUltrabook「Luvbook L」-ITmedia
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1208/03/news051.html
見た目は良く有るBTOパソコンらしい、デザインに特徴の無いウルトラブック。
デスクトップほどダサくはないように見えるけれど、実は背面にロゴ入り。これを入れなければまだ良かったと思うけれど如何に。
見た目を気にすると負けなので見なかった事にして、価格(機種)別で性能の違いを挙げるとストレージ部分のみ。
- 約6万円(59,850円)・・SSD 60GB + HDD 500GB
- 約7万円(69,960円)・・SSD 256GB
- 約10万円(99,750円)・・SSD 512GB
単純にSSDやHDDの差額が売価に反映されると仮定し計算すると、60GBのSSDが約5千円、2.5インチHDDの500GBが約5千円で計1万円くらい。
SSDの256GBが1.6~2.1万円、512GBが3~4.5万円くらいなので、ストレージを抜いたPC本体価格を約5万円とすると、10万円ウルトラブックがやや割高、7万円は割安になる計算。
ストレージ以外の主な構成も書き出すと
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i5-3317U(1.70G-2.60GHz、2コア/HT対応、3MB)
- マザー:インテル HM77 Expressチップセット搭載
- グラフィック:インテルHDグラフィックス4000 ※CPUに内蔵
- メモリ:8GB(4GBx2、PC3-12800)※空きスロット0、最大8GB
- 光学ドライブ:無し
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
- 有線:1000BASE-T、USB3.0x1、USB2.0x2 など
- モニタ:14型ワイド光沢(解像度:1366x768)
- バッテリ駆動:最大約5時間 ※全機種
- 厚み:21mm
- 重量:約1.76kg
他社のウルトラブックと比較し目立つ所だけ解説すると、まずはメモリ。他社ウルトラブックは通常4GBで増設は出来ない物が多い割にマウスは計8GB、4GBが2枚搭載。ケチらすPC3-12800が挿さっておりますな。
Bluetoothは4.0が安くなったのか標準、2012年夏の現状なら対応機器は大抵何でも高速に接続出来る仕様。
妙な箇所がバッテリ駆動時間で、6万円ノートが5時間とするなら、SSDのみ1ストレージの7万と10万円ノートは数時間延びるはずが、全て5時間になっており表記ミスでしょうか。
どちらにしてもJEITA測定なので、SSDのみでも5時間は超えるだろうという程度かと。SSD+HDDは実用での実測は5時間は無理と予想。
バッテリ5時間と合わせて厚み21mmはウルトラブックの要件としてギリギリ。とりあえず薄くすれば重量はどうでも良いのでしょう。2kg行かなかいだけマシと思うべきかと。しかし、これもSSD+HDDの重量ならSSDのみの機種は100グラムくらい減るはず。
どの辺りでマウスの提案が上手いと言っているのか
まず6万円ウルトラブックはパソコン工房やドスパラに競合しており、PC工房のウルトラブックは発売が春頃と早かったので1世代前のCPU。そしてメモリ4GB、USB3.0無し。価格は約6万円で、その他仕様は同程度。
ドスパラの約6万円ウルトラブックは、HDDが320GBで他はマウスと同等の性能や容量。同じくドスパラで約7万円の物は、マウスの6万円の構成でメモリが4GBに下がった場合と同じくらい。
更にドスパラの約7.5万円の機種はSSDが120GBでメモリ4GB。マウスは約7万円でSSDが256GBのメモリ8GBとなっております。
マウスが最近、新製品をパーツの解禁と同時に出さないのは、後出しジャンケン状態でドスパラや工房に勝とうとしているのでは、と思えるほど。
ちなみに512GBという大容量SSDを標準搭載しているウルトラブックは8月上旬現在、他のメーカーからは出ていないはず。有っても10万では利かないでしょう。10万円の価格帯もマウスは押さえているわけですな。
なぜ割安で高性能で大容量なウルトラブックが出せるのか
今回のマウスPC、ウルトラブックが安く高性能になっている原因は主に3つと思われ、CPU、メモリ、SSD、おまけでHDDが関連。
CPUのi5-3317Uは2012年Q2発売の新製品
PCパーツは後から出た方が旧製品より性能が高い、または安い、もしくは両方になるもので、ドスパラやマウスが載せているCore i5-3317Uは2012年4~6月発売の省電力CPU。
TDP17Wは省電力とは言えやや高い気がするけれど、これで通常1.7GHz、ターボブースト時2.6GHzは優秀と言えましょう。
また、このようなCPUが発売され載せるからこそバッテリ駆動時間がウルトラブックの条件すれすれに入る事が出来、発売出来るわけですな。さすが無慈悲なインテル様、商売が上手い。
メモリ価格は8GBのPC3-12800も順調に値下がり
数ヶ月前まで8GBx1枚は馬鹿高かったものの、現在は4GBx1と比較してもコストパフォーマンスは悪くは無し。更にIvy Bridgeが発売になり、インテル7シリーズに合わせてメモリの速度がPC3-12800標準になった事で、数ヶ月掛けてこれも値下がり。
同時に4GBx1(PC3-12800)の価格も下がる為、メモリ容量の見栄えで言えば2スロットのマウスやドスパラは賢い。
ちなみにVAIO(Tシリーズ11※SVT1111AJ)とかはメモリがオンボード(マザーボード直付)なのでマザーの故障率がアップし修理見積もり金額もアップ。オンボードメモリ故障=マザーボード故障の為。
SSDは7~8月を境に大幅値下がり、HDD価格も復旧気味
7月末頃から120~128GBが9千円、メーカーにより7千円を切っており、8月に入ると256GBが16千円を切れるなど、ニュースになっておりました。
マウスのSSDがどこのメーカーかは仕様を見ても判らないけれど、速度にこだわらず容量のみ見るとするなら、市販のSSD値下がりがマウスのウルトラブックにも影響しておりましょう。
HDDもタイ洪水から約10ヶ月で以前の価格に戻りそうな所まで来ており、現在は最安(2011年10月)当時より2割高い程度なので、余裕の500GBを載せたのでしょう。
マウスが後出しだから有利というわけでも無い
メーカーは後に発売、ユーザは後に買えば安く高性能が普通としても、これだけで終わるわけでは無く今後も続くイタチごっこは続くので、マウスが今回のウルトラブックを出したならパソコン工房やドスパラ、ダークホースとしてフロンティアなどが更に後出しジャンケンして来るもの。
マウスより安く高性能なウルトラブックが出る可能性は普通に有るので、マウスが上手いとかずるいと考えるのは違うかも知れませんな。今回だけの話でしょう。
ウルトラブック「LB-L400」の注意と利点と期待(まとめ)
注意する点は2つ。メモリは最大8GBなので、いくらスロットが2つ有りWindowsが64bitでも8GBx2とかは無理なので4GBx2で打ち止め。
ウルトラブック(薄いだけの使い捨てノート)なのだから気にする箇所でも無いと思うけれど、将来性として万一大容量メモリの時代が来るとするなら考えもの。
もう一つは、SSDが一般的な市販パーツのような2.5インチでは無くmSATA仕様になっている事。
保証が切れSSDが故障した際の自力交換は結構難しいと思われ、高確率で分解になるはずなので、交換前提ならご注意有れ。出来ないとは言わないけれど2.5インチより作業や入手が困難。
更にSSDのメーカーが判らず、型番も書かれていないので性能が不明。ランダムはHDDより遥かに速いとしても、シーケンシャルにもこだわるなら性能に納得出来ないやも知れず。
利点は、マウス以外にAcerやASUSが256GBのSSD搭載で6~7万円のウルトラブックを出しているけれど、難点が修理やサポート。サポートは要らなくとも修理は運悪く発生するもの。
いずれも日本代理店や日本支社が有れど、修理のパーツ交換は台湾まで里帰りさせられる可能性が有り、そうなると納期は1ヶ月以上とか当たり前。
マウスなら国内で修理可能なので比較的短納期、サポートも一応有り、保証も3年まで延長出来るので、アフターの面はマウスの利点と言えましょう。
最後に期待と書いた理由は6万円ウルトラブック(LB-L400B)と同じ並びに7万円(LB-L400S)や(LB-L400X)が載っている事。
これは同じベアボーン(ノート本体部分)を意味しており、後者2つはSSDがmSATA1台なら2.5インチが空になっている可能性大。SSDが簡単に増設出来るかも、というわけですな。
実際に出来るかはマウスに聞くか分解しなければ判らないけれど、もしこれが出来るなら、SSDは大容量かつ低価格になって来ているので時期を見て増設。延長の3年保証が切れた後にmSATAのSSDが故障しても2.5インチ側で生き残るなど。
パソコン工房やドスパラ、VAIOなどが小容量SSD+大容量HDDで出しており、東芝などはSSD1つの大きめ容量でもオフィスが抱き合わせで高額なので、マウスはバランスの良い上手い仕様と感じております。
但し、マウスはオプションが高め。保証の2年延長が約1万円、送料が約3千円なので、ドスパラは同じくらいとしてもパソコン工房と比較すると2倍くらい違うのでご注意有れ。
総額で考えると、やはり最近はパソコン工房の本気レサンセ待ちと考えてしまう。送料や延長保証の値上げが無い限りは。
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