マウスコンピューターより比較的安価なボードPCが発売。
シリーズ名は「Mouse Pro A」。昨年12月下旬発売で法人向けとされており、何がどう法人向けなのかは仕様の一部に特徴がございます。Windows8用タッチ操作対応の一体型パソコンとしては結構安い方。
適当に見て参りましょう。
タッチパネル搭載バッテリ内蔵一体型PCが約7万円
ニュースリリースはPC Watchより。
マウス、バッテリ内蔵マルチタッチ対応法人向け一体型PC-PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20121220_579623.html
画像はこちらの方が面白かったのでマウスの公式リリースページより拝借しております。普通にキーボードとマウスが付き、立っている画像も有り。
Mouse Proは2年前の2月にマウスコンピューターが法人用として専用ページを作っているブランド。
Aシリーズは一体型PCを指しており、今見て来ると全てWindows8でタッチパネル搭載PCになっておりました。
価格は約7~10万円で3機種。その内、最安の最下位モデル(MousePro-A210E)より標準構成を引かせてもらいます。
- OS:Windows8 Pro 64bit
- CPU:Celeron B830(1.8GHz、2コア、2MB)
- マザー:Intel HM76 Expressチップセット搭載
- グラフィック:インテルHDグラフィックス ※CPUに内蔵
- メモリ:4GB(PC3-12800) ※PC3-8500動作
- HDD:320GB(SATA2、5400rpm)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- 有線:USB3.0x1、USB 2.0x3、Gigabit Ethernet など
- 無線:IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE
- モニタ:21.5型(解像度:1920x1080) ※10点マルチタッチ対応
- バッテリ駆動:約1.2時間
CPUやチップセットから判るように中身は完全にノートですな。キーボードとマウスが外付で画面が21.5型へ巨大化したと思えばよろしいかと。
法人向けとされる点はWindows8がPro。用途は主に無印ではドメインに参加出来ない為で、そういう社内ネットワークが無ければProで無くとも良いでしょう。
CPUとチップセットの組み合わせは、4万円前後かそれ以下のノートPCで採用の多い性能低めの物。
メモリ4GBx1やHDD 320GBは今や最低限とも言える容量で、これら未満になると逆に高くなってしまうのでしょう。
DVDはスーパーマルチでもコンボドライブでも価格が変わらない為か標準搭載。今更CDは有り得ず、法人向けでブルーレイにする意味も無し。
インターフェイスは結構充実しており、USB3.0x1とギガLAN(1Gbps)は優秀。無線LANのn対応カードとBluetoothが標準も後付の必要無し。
肝心のタッチパネルモニタは、他社が解像度1600x900で出しているところ、比較的表示が小さくなるフルHDとはいい度胸をしております。しかし21.5インチも有ればフルHDでも良さそう。
そして最大の特徴かも知れない点が一体型PCの割にバッテリ搭載。でかいノートと思えば普通かも知れないけれど。
マウスに限らず国内のPCメーカーのバッテリ駆動時間測定方法は揃ってJEITAなので、通常使用で1.2時間はまずもたない。60分を切れると思われバッテリ駆動メインには使えないかと。
要するにこういう事ですな。
バッテリを内蔵し、停電時のデータ損失を防ぐことができる
小型でうるさくないUPS(無停電電源装置)が内蔵されていると思えば無いよりは良いと考えるべきでしょう。
関係無いけれど、デスクトップ用のATX電源でも10分駆動くらいで良いのでバッテリを載せて欲しい、と思ったものの、軽く1万円を超えると思うのでやはり要らない。
特徴をまとめると。
- OSが標準でWindows8 Pro
- 21.5型フルHDでタッチ操作可能
- 1時間くらいと思われるバッテリ搭載
- Celeronで良いなら7万円、i7なら10万円
HDD容量320GBが大き過ぎるならSSD推奨
おそらくHDDの320GBは在庫処分。仕様の違いはストレージのみ。
HDD搭載機は約5千円値引きになっておりますが、インテルSSD520シリーズの120GBは1月上旬現在で最安1.2万円、HDD 320GBは4千円くらいなので単品販売での差額は8千円。
同価格になるわけが無く、HDDを売りたいだけの上手い見せ方、悪く言えば騙し方なので、数年間利用しても120GBを超えないならSSDにしておきましょう。
業務用となれば効率重視。下手にCPU性能を上げたりメモリを盛るより、HDDをSSDにした方が時間短縮になるはず。
但し、Windows8という時点で生産性はWindows7より遥かに低下すると思われ、それが嫌なら冗談以外での導入はやめておきましょう。
社長のマインスイーパー専用PCとしてならお勧め。
他メーカーの一体型PCとの性能や価格を比較
冒頭からマウスの一体型PCが比較的安いと申しておりますが、現在の一体型PC、しかもWindows8タッチ対応がどのくらいの相場かご覧有れ。
価格コムのデスクトップPCより、条件をWindows8、更にWindows8のタッチ対応モニタとし、価格昇順(安い順)に並べ替えた上位いくつか。
source:価格.com - デスクトップパソコン スペック検索
最安は日本HPで約7万円。マウスPro Aの最下位機種とほぼ同じ。
しかし性能はHPの方がやや上。理由はマウスはモバイル用パーツで固めており、HPはデスクトップPC用パーツを搭載している為。モバイル用はデスクトップPC用と比較し、高額な割に性能が低めになるもの。
大きな違いは、HP側は定格3.3GHzとCore i3にしては性能高めなCPUが載っており、HDD容量が500GBな点。そしてモニタサイズが20型とマウスより微妙に小さく、解像度が1600x900。
HP直販サイトで更に詳細を見ると、地デジのダブルTVチューナまで載っておりました。これは凄い。必要なら。
マウス側は8がPro、そしてバッテリ搭載という利点。どちらが良いかと言えば、個人的にはマウスのSSDモデル。CPU性能はHPの方が高くとも、動作はマウスのSSDモデルの方が速いと予想。
どうしてもパソコンでテレビが見たいならHPも有りでしょうな。
最安2位以下はソニーが並び約8万円またはそれ以上。新しめな製品で取り扱いが1店舗の場合はメーカー直販の目印。ソニーなら標準で3年保証、送料無料なのでこれはこれで有りでしょう。
VAIOと言えば高級というかぼったくりなイメージが有ったけれど、最近は高級機と低価格で上手く分けられているご様子。
ベアボーン(PC本体部分)がQuanta、ASUS、Clevoとかの違いでしょうか。故障する時は何でもするので気にしなくて良いと思うけれど。
PC業界を助けるには7の終息が必要(まとめ)
今回は敢えてWindows7仕様と価格を比較しておりませんが、性能を合わせるとやはりWindows8 PCは3万円かそれ以上高額。
原因はタッチパネル代が3万円くらいと思われ、これが値下がらない限り、生産性が7に劣る8では無理が有りましょう。
PCメーカー視点で見ると、この差が埋まらない限り法人向けPCなら今後も7が有利。BTO PCメーカーは7を売り続けているけれど有名メーカーは8へ移行済。需要と供給のバランスが合っていない。
マイクロソフト視点で考えると、MSとしては7が売れようと8だろうと同じWindowsのライセンス販売。7の方が高いと仮定すると、どちらが売れても問題無し。8でタブレットPC市場も取るつもりなら増益になる、と勘違いしていそう。
MS的にはもう少し様子を見たいかも知れないけれど、8の影響でPCメーカーは決算(標準3月として)までの約1/3年分前年割れと予想出来、今年は丸ごとWindows8なら来年にはPC事業から撤退するメーカーも出て来るかと。
余計な世話や妄想だけれども、ここは思い切って7を年内に終息させて全部8にした方が救いがございましょう。パソコンの単価が3万円上がるなら、一体型PCは5年くらい、ノートPCは3年前の相場になりPCメーカーも潤うはず。
というわけで、本当にそんな事をしたら消費者視点として私ならWindows7(DSP版)をまとめ買いするのでVistaどころでは無い長い氷河期になりそう。
Windows2000~7までのUIに変更出来るような、Windows ClassicとかWindows Legacyなども出して、8以降と住み分けさせると良いと思うけれど、MSは顧客満足より自社満足だからやらないでしょうな。
法人PC導入担当の人へ:Windows8にリプレースするなら見た目や営業に惑わされず、必ず一度は触りましょう。可能なら自分用に8かServer2012を1台借りるか買うかして慣れるまで利用を推奨。
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