正確には、Microsoft Office(マイクロソフト・オフィス)付PC。
なぜ一般的に Microsoft が MS と略されるかは知らないけれど、私は気にせず長いのでMSオフィスと省略。、BTOパソコンに限らずMSオフィス標準インストールは、NECや富士通などのナショナルブランドでも良く見られる売り方。
PC初心者向けに解説して参ります。
先に以下3つの価格を覚えておきましょう。2012年5月現在、私が価格を比較する際に使う目安。
- Windows7 Home Premium(32/64bit不問)・・1.2万円
- Microsoft Office Personal 2010・・2万円
- Microsoft Office Home and Business 2010・・2.5万円
Windows7はHome~がプリインストールされている事が多く、MSオフィス2010は安いPCにはPersonal、高額な機種はHome and~が載る事も有り。
これら3種類の価格の目安を覚えておけば、Windows7無しが標準のサイコムなど自作代行系BTOパソコンや、オフィスの有無で比較しづらいナショナルブランド vs BTOやAcer、Lenovoの在庫品が分り易くなるかと。
ちなみに、Win7 Home~は自作PCで良く使われるDSP版。MSオフィスはBTOメーカーのカスタマイズ価格のおおよそを当てはめております。
MSオフィス標準インストールで激安になるPC本体
今回ネタにしようと思ったきっかけは、フロンティアが安く中々良い構成で売り出している為。4月末からの限定数なので完売しているやも知れず、例として。
今私がこれを書いている日時は、5月4日の午前3時頃。ニュースリリースによると4月27日より前から販売している御様子。
source:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000001540.html
下から3行目に配信日時が掲載され、本文は「販売中」の為。
発売から約1週間が経過しており、限定各20台なので売り切れているかと思いきや、いずれも在庫有り。
- デスクトップ・・在庫3
- ノート・・在庫15
限定20が本当なら販売数はデスクトップが17台、ノートは5台が7日以上掛けて売れた事になる計算。
私に言わせると、ノートはともかくデスクトップはおかしい安さで、なぜ売れ残っているのか不思議。宣伝が足りないのか、オフィスは要らない人が多いのか。
オフィス代を引き算してPC本体の価格を算出
いずれもMSオフィスのPersonal付。という事は、当記事初めに書いた私が使っている目安によると各2万円引きがオフィス無しの価格という事に。
- デスクトップ・・約4.6万円->2.6万円
- ノート・・約5.2万円->3.2万円
デスクトップはWindows付で家庭用ゲーム機レベルの価格。ノートは15.6インチでCeleronながらデュアルコアで悪くない低価格構成でしょう。
これらがどの程度安いのか、仕様が比較出来なければ難しいけれど、私が先日パソコン工房に借りてレビューしたレサンセのデスクトップと、同じくレサンセのノートと似たような構成。
デスクトップはカードリーダーが標準な分、フロンティアPCの方が得。ノートはCPU性能、メモリとHDD容量でフロンティアPCの方が若干上。
当時のレサンセはそれぞれ約3万円(29,980円)で販売され、総評でいずれも有り得ない安さと私は書いておりますが、今回のフロンティアPCではデスクトップはレサンセより4千円安く、ノートは2千円高いけれど性能や容量が上。
Windows代を引き算してOS無しの本体価格を出す
まだWindows7が載っているので、更に引きPC本体の価格。
- デスクトップ・・2.6万円->1.4万円
- ノート・・3.2万円->2万円
デスクトップがファミコンレベルへ。ノートも2万円はひどい安さ。
デスクトップの1.4万円は、市販最安でCPU+マザーボード+メモリ+HDDを合計した時点で余裕で超える価格。ケースや電源、光学ドライブ、カードリーダー、キーボード・マウス代が出ない。
ノートは市販との比較が難しいけれど、CPUとHDDとメモリで1万円強くらいとするなら、液晶モニタ含む本体部分の価格が1万円を切れるという事に。
以上。フロンティアの今回の20台限定PCは私が見ても本当に安いけれど、ここまでは目くらまし。
PCメーカーはマイクロソフト製品で利益を出している
上の計算ではどう見ても赤字。フロンティアが原価割れで出しているなら、1週間以上経過し在庫が余る程度の販促や広報では意味が薄く、通常本気で赤字ならそれはエサとして他の利益が厚い機種へ誘導するもの。
フロンティアのマーケティングがしょぼいというなら別なものの、ヤマダ電機の子会社、老舗BTOメーカーが損をする為に売るとは不自然。
どういう事かはマイクロソフト製品、Windows7とMSオフィスで利益が出ているわけですな。立場上、そう言い切れないけれど。
私の目安価格と、メーカーが仕入れているOEM価格の予想を比較すると
- Windows7 Home~・・12千円->6~8千円
- Office Personal~・・20千円->10~12千円
上の数値に根拠は無く、噂レベルとして。
OEM版はメーカーとマイクロソフトとの契約で、インストール台数(販売計画数)により仕入単価が変わる仕組。
予想価格の安い方でOSとオフィス合計は16千円。差額も合計16千円。16千円引き過ぎているとすると、前述のOS無しPC本体のみは
- デスクトップ・・1.4万円->3.0万円
- ノート・・2.0万円->3.6万円
これなら原価としておかしくないレベル。
マイクロソフトWindows以外に、マイクロソフト・オフィスが付くと更に安く見えると。それでも馬鹿高いナショナルブランドは更にぼったくっているという事になりましょう。
判断基準はMSオフィスの価値と「本当に必要か?」
MSオフィスのPersonalは、WordとExcelとOutlookのセット。これに1~1.2万円くらいの価値が有ると思えるならMSオフィス付PCは後でMSオフィスを買うより割安、コストパフォーマンス良好。
しかし私のようにオフィス2003や2007を持っていたり、今後オフィスを使う予定が無い、またはExcel以外は使わないなど限られるなら割高。
元から表計算やワープロソフト如きに2万の価値が有るとは思えず、メールソフトはセキュリティがより強固なフリーソフトが有るので、アウトルックは探さない人用。
「2万円で販売(有料カスタマイズ)のソフトウェアが標準」、と言うと本体がやたら安いと思えるけれど、使わない物の価値は0円なので金以外にHDD容量の無駄。
マイクロソフトが何故そのような販促をするか推測すると
- マイクロソフトのオフィスユーザを増やし環境を独占したい
- プリインストールの原価は紙代程度なので多く売るほど利益
- MSオフィス2012が出るかも知れないのでラベルの在庫処分
古いニュース記事で、Windows8発売日の予想は大きく外れているけれど、この中にオフィス2012の文字が有り。
source:せかにゅ:「Windows 8は2011年7月リリース」のうわさ - ITmedia ニュース
私の目安価格を鵜呑みし引き算せず、そのMSオフィスは本当に自分に必要か、1万円くらいの価値がPersonalに有ると思えるか、を良く考えてみましょう。
MSオフィスに限らず、ブルーレイや地デジ、3D対応モニタ、抱き合わせプリンタやイーモバイルなど、パソコンは目くらましが多いのでご注意有れ。
これらを判断するだけで、特価で無くとも数万円予算が浮く可能性有り。
但し、ナショナルブランドのノートの型落ちはオフィス有りでもオフィス代が0円かと思えるほど安くなるので、全てに言える事ではございません。
先にも書いたけれど、フロンティアのPC2機種が売れ残っている原因がKOUZIROの広告不足では無いなら、MSオフィスの価値を判断した冷静な消費者が多いとも考えられるわけですな。
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