マウスのゲーミングノート実機評価その3。
その2はベンチマークとかBIOS設定について。今回は、あまりにも特徴あるゲーミングノートなのでマウスコンピュータの中の人、G-Tune担当者な人にいくつか質問をして答えてもらった。
全文の掲載はもちろんOKにて。
実機を借りるまでの経緯と返却までの流れ
まず先にこれを書いておかねば、マウスと私が談合とか裏で金のやり取りがあったのでは?とか思われると心外かつマウスに悪いので前置き。
今回のレビュー用実機は、私がブログ始めて過去10年少々の中で初めてこちらから実機を貸して欲しいと問い合わせた。過去のレビューは全部メーカー側からの依頼という意味。
通常はメーカー側から、「これ販促したいから記事書いてくれ」のような流れになるので個人サイトが貸してと言えどもムリだろうと思っていたところ、マウスから快諾の連絡があり、相当貸し慣れている印象ある同意書などに答えて返信。
そして実機が納品され開封の儀を行った結果、何と新品である。メーカーの生産担当者以外が一度でも中身出すと痕跡でわかる、私が元に戻しても生産工場の人のように上手くはできない、間違いなく新品。
そこから通常は約2週間少々で返却してレビューを書き始めるものが、私が多忙すぎて検証が進まず、ヤバいと感じたので返却を1週間延ばして欲しいと伝えたところ、いつでも都合の良いタイミングでOKと快きお返事。
といった感じで来るので調子に乗り、「もしかして個人ブログでもインタビュー答えてくれるか?」と予想し、気が向いたなら答えて、掲載するかも知れない、と送ればこれまた快諾、ぜひ掲載してという感じ。
過去10年で最も貸出の流れがわかりやすく迅速、かつ丁寧な上こちらの都合まで優先してくれるという、どこぞのパワハラ当たり前で逆に訴えるぞとか言って来るBTOメーカーとは違うなと思った。
そのような恩義的なことがあったとは言え、私は提灯記事とかゴマすり嫌いなのでマジメにレビューしております。以上、言い訳ここまで。
ゲーミングPCのこだわりをG-Tune担当者へ聞く
この形で参ります。
Qで始まる見出しは私からの質問
通常のテキストはG-Tuneの中の人からの回答で、重要とかポイントと思った箇所は太字化。
インデント(字下げ)は私が思ったツッコミなど。
Q1.メカニカルキーボードへのこだわりを自慢してください
全キー同時押しに対応しているキーボードということが自慢になります。
Nキーロールオーバーに対応しているキーボードを搭載したノートパソコンはいくつかありますが、限られた範囲のキー同時押しにしか対応していない事があります。
特にFPSやアクションゲームをキーボードで操作する場合は4キー以上を同時押しすることもあり、その場合、ユーザー考えているキー操作が行えない、という事がありますが、当モデルではすべてのキーを同時押ししても対応しているため、快適なプレイ環境を構築できます。
NキーのNは任意の数字が入るため、4キーまで同時押し可能ならば4キーロールオーバーであり、表現的には「Nキーロールオーバー対応※4キーまで」のように書かれていることがございます。
ゲームしない人はわからないかも知れないので少々説明すると、まずWASDで方向変換や移動、その右周辺のキーで武器を変更したりアクションすることがあり、Shiftと前と右を押しながら武器を変更していたら敵が目の前に、とかなると既に4キー、これ以上押しても反応しないか最初に押したキーが外れるはず。
全キーロールオーバーはキーボードを外付にするデスクトップPCならば対応したゲーミングキーボードなど買えば良いけれど、ノートPCは元々ゲーム用ではないならそこまでは対応していない。
ノートなのに全キーロールオーバー対応メカニカルキーボード、充分自慢できる設計。
Q2.モニタの144Hzは技術的or価格的どちらを重視した判断?
こちらは技術的な要素を重視した判断となります。
全キー同時押し対応のメカニカルキーボードを採用したことで、FPSやアクションにも対応できるモデルとなりましたが、上記ジャンルのゲームをPCでプレイする際のポイントは高フレームレート環境が構築できることにあります。
ノートパソコン1台で完結できる快適なゲーム環境を用意するためには144Hzモニタが必要と考え、採用を決めました。
なるほど、そういう流れかと知った、全キー対応ならばFPSにも対応できる、ならば最近ゲーム用として普及し始めた高いフレームレートにするべきという、この点では価格より機能を優先したという正しい方向性。
外付モニタへ出力とかするなら割高なノートPCでやる必要性は薄く、メカニカルキーボードを外付するならやはりデスクトップで良いだろうし、それらを全部載せにしてこそゲーミングノート。
なぜ120Hzでも240Hzでもなく間の144Hzにしたかはマウスへ聞かなくてもわかる、コスパ考えると144Hzが最良と言える理由は、市販単品と同じ理屈なら以下の通り。23~24型の最安相場基準。
- 120Hz・・・約2万円
- 144Hz・・・約2万円
- 240Hz・・・約4万円
ゲーミングモニタで走査線周波数高めたいなら時代は144Hzのようで、ノートとなると2万と4万のような2万円差ではない可能性もあるし、仮に2万円盛ると今回のレビュー機なら税別20万円突破してしまう。
Q3.GTX 1060採用の理由は技術的or価格的どちらを重視?
技術と価格どちらも重視した結果となります。
ハイスペックな部材を採用するとその分冷却性能が求められることになり、大型になりがちですが、せっかくの狭額縁のモデルですので、スマートさを出すためにもGTX1060を選択しています。
また、GTX1060ならばほとんどのゲームを快適にプレイでき、フルHD環境なら144FPSはキープできるスペックを保有しています。
価格を抑えつつ、FPSやアクション向けのゲーミングノートとして販売するにあたり最適なグラフィックスと考えています。
当たり前な質問にて失礼。
私がこのノートを決め打ちでレビューしたい衝動に駆られた箇所がキーボードのメカニカルに触れたい+意図してあえてGTX 1060採用で価格を抑えた上手い仕様と思ったため。
レビューその1で、「17型デカい」と書いたものの、確かにモニタのベゼル(フチ、枠)は狭めな設計だなと言われて気付いた。見た目気にしない人間なので仕方ない。
どこが上手い仕様かはGTX 1060採用の一点で、SSDがSATAかNVMeかなどは機種変更で選べるならOK、グラフィックだけはGTX 1060決め打ちであり1070や1050 Tiなどなし。
そう考えると、ノートのベアボーンがあるので1060や2070とか色々載せて選べるようにしてみよう、ではなく、逆にGTX 1060を搭載するために設計されたノートと解釈しても合う気がする。
ちなみにGTX 1060はSteamでは世界で最も利用者の多いグラボ、逆に提供側の開発者も利用者が多いグラボに合わせてゲーム作るだろうから、いくらRTX 20シリーズが出た今と言えども、まだ1060搭載で発射は遅くはないはず。
Q4.20万円切りはコスパの良さやシンプルさを追求?(と私は思った)
ゲーミングPCの価格として20万円は一つの区切りと考えていますので、コスパの良さを見せるためのスペックや価格を設定しています。
そう、ハードウェアだけではなく価格面でも見せる(魅せる)売り方がマウスだと昔から勝手に申し上げている通り、マウスならそうだろうなと思い聞いた答えは当たり前だろう的な回答になるは当たり前。
GeForce RTX 20シリーズでもMAX-Qデザインが解禁された今、MSIやDELLなどがこぞってRTX載せてオラオラしているけれど、アレはドヤりたいだけの作ってみた感しかしない。
現実的に考えるとわかる、ゲーム用パソコンに20万前後まで出せる人は居るとしても30万円とかになると一気にハードルが上がる。
なぜそういう感覚になるといえるかは、デスクトップPCで普通にゲームしようとすると15~25万円の範囲が2chや5chなどで人気ある構成の価格帯。そこへマウスはピタリとハメて来た印象。
NEXTGEAR-NOTE i7920シリーズは約17万か19万の機種がメイン、もっと金出せるならメモリ32GB+HDD 2TBへ盛れば良いとしても、主力は下位2機種でしょう。
キーボードやモニタにこだわったのだから最新鋭グラボ搭載とか言いたい気持ちはわかる、だが断る、は正しい。
Q5.ゲーミングPCやeSports全体の未来は明るいと思われる?
eSports業界は大きく発展していきゲーミングPC業界も未来は明るいと考えています。
2018年がe-sports元年として、多くのゲーム大会が開催され、ゲーミングチームも結成されました。そのことで今までは見られなかった、地上波でもプロゲーミング選手が出演するなど、ゲームを職業にすることへの認知度が上昇しています。
その際、最高の環境でゲームをプレイする場合はPCが必要となってまいりますので、ゲームの魅力を伝えられるようゲーミングPCの普及に努めたいと考えています。
元々、e-Sportsは海外の欧州とか米国や韓国で普及した形が日本でも広まって来た流れで、日本では昨年が元年らしいので覚えておきましょうか。
という理由が、いつまで経てども4KテレビやIoT、AR/VR元年が終わらず、いつまで元年?状態になっているためで、正直国内でもe-Sportsがこれ以上盛り上がるのか個人的には懐疑的。普及の進捗遅くないか?と。
プロ人口や知名度としてもまだ歴史は浅く、今後ももっと地上波に出たり職とする人が増えるならば未来は明るいけれど、果たして安定して伸びて行くか疑い中。
具体的には野球やサッカーとかテニスのようなスポーツはルールを知っていてこそ見ていて楽しめるもの。e-Sportsもルール覚えれば良いとしても、ややゲーマーな私でさえ「どのゲームの?」であり、ゲーム興味ない人にはわけがわからない、見ても楽しめないはず。
いくらBTOメーカーが競技場を作り、専門学校などが選手を育成してプロになれども、観客が居なければスポンサーがつかないわけで、つかなければ食っていけないわけで、そこをどうするのかがハードル。
マウス以外にDELL、パソコン工房、ドスパラなどBTOメーカーがスポンサーになっているのは当然。そこからどう拡げていくのかが課題。
Q6.ノートでのゲーミングPCは今後も力を入れる予定で?
最新スペックのモデルなどを積極的に採用していきたいと考えています。
スペースの問題でデスクトップPCを保有することが困難な場合もありますので、より多くの選択肢を出せるよう、最新スペックのゲーミングノートPCを販売していく予定です。
そう、選択肢は多い方が良いに決まっており、環境は人それぞれなのでその人や環境に合うような形を出して行く方向も正しいと感じる。
例として私が今これを書いているパソコンは、24型モニタが3枚横並びなので幅が約2m、全体を見るには奥行きも必要であり、キーボードをローデスクから引き出してタイピングしているので座椅子からデスク奥まで1m以上は要する。
そんな環境を1ルームなどでやらかすと、どこで寝るのか問題など発生すると思われ、MMO中毒者が出張でどうしても禁断症状が出てしまうようならネカフェとか行くより最初からホテルにゲーミングノート送りつけておいた方がよろしいかと。
個人的な印象ながら、ゲーミングPCと言えばBTOメーカー、その中でどこがゲーム用PCに力入れているかはDELLとマウスくらい。
なぜそういう印象になるかは簡単、DELLはArienwareでハデなノートやデスクトップPCを出しまくり、マウスはG-Tuneというブランドを押し出し、マウスの一部ながらもG-Tuneが独立しているイメージがあるため。
というわけで、当サイトで毎月やっているヒツジ先輩推奨PCもゲーム用のおすすめ探す際はマウスになることがかなり多い。DELLは価格表記がわかりにくく、いつまでその値段かわからないので除外。
Q7.G-Tuneの中の人としてマウス全体とG-Tune比率の将来的な展望を
幅広いパーツから自分好みのパーツを選択して購入できるのがBTOメーカーの魅力ですが、その中でも選択肢の多さやハイスペックな構成を組めるゲーミングPCがBTOの醍醐味と考えていますので、マウス全体の中核としてこれからも躍進をしていきます。
お忙しい中ありがとうございました>G-Tuneの中の人
以上、質問と回答ここまで。
マウスは的確さと知名度への投資が他社と違う
何年前からかはもう忘れたほど昔から、私はマウスの提案や売り方上手いと言っている、その中身を確認できて勝手に納得。逆にマウスが妙なバランスでプレスリリース撒くと不自然な、何を試しているのか気になるほど滅多に変な構成しない。
他社と比較するとマウスが一味違う大きな特徴は、昔からマーケティングが上手く多分リサーチも金かけている、そして知名度へ投資し始めた新フェーズが昨年から。
マウスべた褒め記事で他社を悪く言いたくはないけれど、弱点としてメモすると、同じMCJでもパソコン工房は提案が皆無なのでターゲットとなるPC初心者や詳しくない人が何かしたいと思っても全然わからない。
しかも標準構成の種類がハンパない、決定回避の法則が発動しっぱなしなので私くらいパソコンに詳しい変態なら選びやすいけれど、あの大量な機種かつ細かすぎる価格や性能・容量の刻み方は一般PCユーザにはムリゲーでしょう。
ドスパラは数年前からほんのり高め、そして提案の面でもやたらと小型なNUC、スティックPC、11.6型やタブレットという、誰に買って欲しいのか不明な新製品ばかりなプレスリリースが目につく。
挙句の果てには、追加保証やサポートでの月額商売に力を入れ始めており、ドスパラは一体何屋なのかわからなくなって来たとさえ思う。
そして東京都内にe-Sportsの会場を作り、高性能グラボ搭載GALLERIA数十台置くのは良いとしても、そういうのは既に高性能PC持っている人が利用するだろうから販促として何か違うと思う。
個人的にはマウスが突出して販促上手いのではなく、マウスが標準的なメーカーだと思う面もあるため、なぜ他社はパクらないのだろうかと不思議で仕方ない。
逆にいえばやはりマウスは何かと上手い。そして今回は良い機会だった、中の人から非常に真摯かつ丁寧な対応をされたため信頼度が更に高まった。
以前から気になっていた東証二部な6670 MCJ、NEXTGEAR-NOTE i7920GA1の表示価格と同じ約189,800円分の実弾をぶち込んでみましょう。これを書いている現在ちょうど800円なので237株にて約定。
お約束のリンク。
迫力の大画面をより広く魅せる「 Narrow Bezel (狭額縁) 」採用 17.3型 NEXTGEAR-NOTE i7920 シリーズ(GTX1060) ノートゲーミングPCの通販|G-Tune
https://www.g-tune.jp/note_model/i7920/
以上、最終回となる次回はいつものとおり総評で締め。難点が見つからないのでアラ探し状態になりそう。
ラストの記事が公開になると下へリンクが出現。
>そして実機が納品され開封の儀を行った結果、何と新品である
タダで宣伝してくれるなら新品を送ろう、という姿勢は理解できる範疇。最近はWeb記事を漁るほうも目が肥えているでしょうし、日頃から要らない中傷やらやっかみやらを受けないよう気をつけている方が担当なら、レビューに嘘があれば読者が分かる程度の完璧さで対応するのは正解っぽい。
>メカニカルキーボードへのこだわり
メカニカルの方がメンブレンより耐久性が高いでしょうから、修理費用も高額になるだろう高価なゲーミングPCに、高耐久なメカニカルキーボードを採用するメリットは大きそう。
>モニタの144Hz
60Hz以上のモニタは使ったことありませんけれど、30FPSを60FPSに補間した動画はけっこう滑らかに見えますから、144Hzの効果はけっこう高いのでしょうね。
>ゲーミングPCやeSports全体の未来
私的にそういった「オタクの趣味」はあまり表に出ない方が良かったと思います。光が強い場所って明るい反面、影の濃さも目立ちますから。