頻繁にどこかのニュースサイトが煽る電話のPC互換。
パソコンとして使えないどころか、過去の調査ではタブレットPCでさえパソコンの代用にはならないと結論が出ているけれど、否定するのみでは何も始まらない為、どうしたらPCで出来る事が電話で出来るようになるかなど考えて参ります。
本当に互換出来ると思っているならご一読有れ。
もうPCはいらなくなる?(2chまとめ経由JB Press)
元ネタはJB Pressで2chまとめが全文引用というより転載。タイトルの文字列がおかしいので一部省略。
もうPCは必要がなくなる : オレ的ゲーム速報@刃
http://jin115.com/archives/51830664.html
まともなレスが抽出されており、私が考えなくとも当然と言える意見が多数有るので、引用にて手抜きさせてもらいます。
- 4:オフィス系がほとんど無理だからまだPCは必要だよ。
- 12:スマホやタブレットでデスクワークしろと
- 15:3Dエロゲができるってか?
- 20:画面が小さすぎる
- 24:それなりにいろんな事ができてあのサイズに収まってるのは凄いけども それ以上にはなりようが無いかな
- 156:hdmi変換できるスマホならテレビに繋げればいけるんじゃね?
多くの方々が解釈を御誤りのようで、元記事では
今後、すべての業務がスマートフォンの中に凝縮され、PCを必要としない時代が来るかもしれない。ビジネスにおいて、スマートフォンがPCに代わるIT機器になるのだ。
source:東南アジアはスマホ天国だった
将来的にという話でいつかは不明。
多めに2千年以内とか考えるなら可能性としては大きく有りましょう。少なめに500年以内でも良いかも知れない。もちろん数年後や数秒後も含む。
2ページに割られている割に短文なので全部読むと、携帯電話の進化やAndroidの普及数にビビった筆者殿が書いたと思われる日記。JB Pressとは、もっと格の高いサイトと勝手に勘違いしておりました。失礼。
では、スマートフォンがどうなればPCになれるか妄想。
スマートフォンがPCの代用になれる為の7つの条件
下に行く程マニアックな用途のみになるやも知れないけれど、上4つは普通に必要な条件となっております。
書いている私の仕様としては、主にパソコンを使用しスマートフォンやタブレットPCの所有は無し。ドコモショップで30分くらい遊んで来た程度。
キーボードを使わない快適で高速な日本語入力
キーボードを電話に外付という手も有るけれど、キーボードは現在のスマートフォンには付属していないので無しとしましょう。
スマートフォンの入力は昔の携帯電話のようなボタンを何度も押して「かきくけこ」などはせず、スライド操作(フリック入力)にて一瞬で選択出来る方法になっております。iPhoneの特許かと思っていたらドコモにもございました。
知らない人はこれを見るとビビるかと。私はビビり申し上げました。
操作は慣れも有り人それぞれなので快適かという事には触れず。
旧携帯電話の入力はボタンを押す回数が多く同時押しも無理。全ての指を使えるキーボードには速度で勝てず。
しかしこのフリック入力は平仮名一文字を一瞬で選択出来ており動画の通り高速。キーボードでもカナ入力出来るなら結構なものの、私のように一般的なローマ字入力をすると、いくら使う指が多いとは言えタイピングする数では圧倒的に不利。
例として、「タイピングする数では圧倒的に不利」を数えると。
- スマートフォン:28回(おそらく)
- キーボード:38回(私の場合※変換と確定を各2回)
上のスマートフォンは単語区切りにしている為、連文節変換が優秀になると更に変換や確定する回数は減り、キーボードのローマ字入力の半分前後まで少なくなりそうです。
しかし所詮は1本指操作。キーボード入力の速い人なら電話如きに負けないかと思うものの、私程度(10分1000文字強くらい)なら負ける自信有り。
全ての人がキーボードを高速に打てるとは限らず、タッチタイピング出来ない人ならフリック入力の方が快適で速いかも知れない。
このような滑らせる入力なら問題は解決している気がするけれど、英数や記号はどうでしょう。正規表現なども使うプログラミングなど想像するだけで気持ち悪くなれます。
スマートフォンでは無いけれど、タブレットPCの強引なソフトウェアキーボードはどうにかならないでしょうか。
高解像度に比例し矛盾して行く有る画面サイズ
解像度が高ければドット数が多くなり表示出来る範囲が大きく、低いなら逆という単純な話。
例として固定設置のデスクトップPCなら、モニタは設置スペースに合わせて本体のインチ数(モニタ表示部分の対角線)はいくらでも巨大化可能。現在の主流は、23~27インチ程度のフルHD。
iPhoneは解像度が高く綺麗という特徴が有るものの、画面サイズが小さいなら限度が有り、例として5インチでフルHD(1920x1080)は実現出来たとしても目視するに無理が有りましょう。
そこでお得意な拡大機能を使うなら結構では有りますが非効率。上で紹介した2chまとめの156が書いている通り、HDMI出力が出来るなら可能。しかしそれには高いグラフィック機能が必要。
どこまで行けるかは物理的な画面サイズ以外に性能も必要となり、更に動画も再生となれば現状では限界が低い。
あまりにも大きくなるならノートPCに電話機能を付属。またはノートPCと携帯電話を両方持ち歩けという事。
高画質動画や大容量データも入る保存容量
スマートフォンの保存容量は行っても二桁GB。パソコンは3~4桁GB。DVDをリッピングしてしまうと画質を犠牲にした圧縮でも4GBとか。現状ではPCの代用になるとは世辞にも言えず。
しかしSSDなどで採用されるNANDフラッシュは高速化と並行し、微速ながらも大容量化しており、NANDフラッシュは小型で発熱はかなり低め。衝撃に強い事も携帯端末にはよろしいかと。
価格が下がり大容量化するなら、必要かは知らないけれどスマートフォンに搭載も夢ではございません。
搭載と考えず、通信機能が標準な利点を活かすとオンラインストレージに直結という考え方も有り、画像や音楽ファイルの補完には既に活躍している御様子。
速度の問題は残るけれど、回線の話は後ほど。
PC互換端子の種類や対応周辺機器の増加
スマートフォンでプリンタを使えるかまでは考えられておらず、そんな事をする需要が低い為でしょう。
接続方法としてはドコモならUSBが有り、端末によりBluetoothも標準。拡大してくれるならいずれはThunderboltもiPhoneやiPadから載ったりするやも知れず。
先にPCの代用としてスマートフォンが普及し需要が高まり始めるなら、プリンタに限らず多くの周辺機器が主に無線接続に対応せざるを得ないかと。
昔のパソコンのようにドライバどころか相性まで有るような博打の時代は終わっており、汎用性の高さから対応するメーカーが増えるなら問題無くなると言えましょう。
但し、映像関係やゲームなど限られたユーザ用のマニアックな物は難しいかも知れませんな。時間が解決するか否か。
精細な操作が可能なポインティングデバイス
文字入力問題が終わったと思いきや、PC代用なら最大の難点。
指先のタッチ操作は確かに簡単で分り易いけれど、あれで例としてフォトショップなど画像編集する気が起きるでしょうか。こればかりはマウスの外付け。
しかし一般人の誰もが画像編集やドット単位でゲームをしているわけでは無く、完全なPCの代用と言わないなら、ペン操作までなら有りかも知れませんな。
マルチタスクや3D用のCPUやグラフィック性能
パソコンで使われるOSのWindowsは、DOS(真っ暗画面に白文字、カラーも16~256色)時代の人間から言わせると凄まじい高効率になったわけですが、これがスマートフォンに出来るかと言えば現状は無理が有りましょう。
その為には、マルチコアで高い動作周波数のCPUが必要になり、解像度は低くとも3Dグラフィックをぬるぬる動かすならGPUも同様、高クロックと大容量VRAMが必要。
これらをやると発熱問題が比例し、長時間持ち続けると低温やけど、ならまだしも素手では触る事が出来ないので可燃性の物に置かず手で操作しないとか。そんなわけは有りませんな。
水冷にすると巨大化、ファンを付けると飛んで行くかも知れないので、ラジコンに出来るよう付加機能が必要に。人が居ない安全な所でご使用下さい。
これらは屁理屈で、PCの代用と考える属性が一般人か、マニアやオタクか。後者なら無理が有るけれど、前者ならそこまで高性能にしなくてよろしいかと。
高性能になるとバッテリ駆動時間が減るという問題も有り。
下りのみでは無く上りも高速な通信回線環境
高性能になるともう一つの問題が回線速度で、現在は数十Mbps(実測一桁の可能性有り)で高速とか言っておりますが、PCの固定光回線は凄い場所では本気で下り100Mbpsまで出ており、上りも軽く70Mbpsを超えるなども実在。
やはりマニアックな用途になるけれど、オンラインゲームをやるなら回線速度が命。ラグって死んでも言い訳にはなりません。
私がやっている例として、PC版モンスターハンターはエリアホストという先にエリアに入ったキャラクタの回線の太さ次第で他のメンバーに影響する為、上下ともに現在の速度ではお話にならないかと。
上から順にまとめると。
- フリック入力可能ならワープロ検定1級以上の速さも可
- 画面の物理的なサイズと解像度の高さが矛盾
- 保存容量はNANDフラッシュやオンラインストレージ次第
- 周辺機器の対応は、スマートフォンPC化の需要による
- 文字入力以上にポインティングデバイスに難有り
- 高性能PCの代用としては数年か数十年先になりそう
- 回線速度はNTTやNEC、富士通が頑張っているらしい
下3つは狭い範囲のマニア用な限られた用途。しかしそれらを含めてPCの代用と言うならやはり現状は無理というか嘘。
PCを使わない人間がスマートフォンで出来ると騒ぐ
なぜこのような話題が頻繁に上がるかは
- 簡易用途限定で書かれており、筆者がPCのライトユーザ
- 端末の普及数やOS普及率の伸びをPCと比較している
- 筆者が情弱、または目立ちたがり
メールやインターネット、携帯電話で撮影した画像の整理なら確かにPCの代用と言えるかも知れないけれど、画像や動画の編集とか3Dゲームやデザイン、高解像度デジカメで撮影の画像整理はネットブックでさえ現状では無理が有り、PCの代用とは言えますまい。
個人的に感じる違和感は2番目の普及数や普及率で大騒ぎしている一部のメディアで、なぜパソコンと比較したがるのか意図が不明。
乗り物に例えると、仮にスクーターが爆発的に売れているから車は要らないと言っているようなもので、用途は似ていても別物。誰もスクーターに車のような乗車人数や風雨よけを期待はしておらず、それなら初めから車にするでしょう。原付なのに1200CCエンジンとか牽引荷車を付けるようなもの。
3番目が多くのPCユーザから見た解釈で、執筆の勘違いによる情報の拡散。専門サイトや著名人が言っているから間違い無いと思い込む人間が更に拡散している様子が見るに耐えない。
私が年に数回この手の記事で電話のPC化を否定したり反論する理由は、過去にネットブックをノートPCと同格に見て購入した属性の人用。
彼ら全てが情弱とは限らず、モバイルPCが(当時)激安3万円台で買える、という煽りに騙されて購入した人も少なくは無いでしょう。
DELLなどがやっていた、イーモバイル100円セットもひどい物で、電波範囲が狭く無線を使えないネットブックを2年縛りで6万円以上支払っている人も居りましょう。
2011年現在でスマートフォンがパソコンの代用になると言っている人間は上に書いた3種類以外、ソフトバンクの社長やIDCくらいなので騙されぬよう御注意有れ。知っていてPCの代用になっているならもちろん結構というか正解。
スマートフォンがPCになれるとMacが無くなる(まとめ)
Appleがそのような下策をするわけが無く、現状はMacとiPadとiPhoneが上手く住み分けられており今後も続くでしょう。知らないけれど。
私はスマートフォンやタブレットPC初心者では有りますが、パソコンは初心者では無いと思う為、PC初心者な人用に段階を書くと以下の通り。
- スマートフォン
- タブレットPC
- ネットブック(ミニノート)
- ノートPC
- デスクトップPC
タブレットPCは大きくなったスマートフォンで電話機能が無い物も有り。ネットブックはOSがWindowsになりPCユーザにも違和感無く使える低性能なキーボード付の簡易PC。
ノートはネットブックより解像度が高く画面サイズも比較的大きく、キーボードが更に打ち易く、最近はテンキー付も有り。デスクトップは画面サイズが更に大きくキーボードも基本は外付なので予算次第の自由選択。
私を含め、スマートフォンがパソコンの代用にならないと言っている人間は、デスクトップPCの利点に最も遠く、私が煽りや嘘としているPC代用論ではネットブックに近付いているという感覚の違い。
私の携帯電話(ドコモFOMA)を極端な例にすると、休日は着信の一部を除き拒否している為メールが来なければアラーム専用機となっており、「目覚まし時計は携帯電話の代用になる」とも言えましょう。メールや通話機能を使わず、アラームやデジカメとしてなら誤りでは無し。
PCの代用という意味を理解して選ぶなら結構。しかし詳しい人が言っているからという理由で鵜呑みすると後悔する可能性が高く御注意有れ。
繰り返しになるけれど、JB Pressの筆者殿は「今後」と言っており3億年くらい先の今後かも知れない為、それに対して暴れているわけではございません。
スマートフォンやタブレットPCの利点は、携帯電話のキャリアと契約する前提なら屋外でも利用可能な場所を問わない通信環境。
オフィスソフトやグラフィック編集、プログラミング、高画質オンラインゲーム、アダルト系の何かを外でやらねばならない理由が無い為、それらがパソコンの代用になる必要は無し。
持ち運べるからという理由でノートを購入し、実際には部屋やコタツ間移動程度しかしていない人が多い事と同様。
パソコンを外へ出す需要は低く、携帯端末の良さを殺してまでPCの代用をする価値は無いわけです。
余談。
JB Pressに表示されていたフェイスブックのコメントが面白かったので引かせてもらいます。御本人がマジかネタかは不明なものの、私はネタとして解釈。
味噌汁や牛乳を口に入れてどうぞ。ソースは敢えて書かない。
スマートフォンがそろそろアーリーアダプター層からアーリーマジョリティを越えてレイトマジョリティ層に浸透していってるという事なのかな?
んで、フィーチャーフォンはラガード層か、「わかってて敢えて選んでいる」人達の使うモノとなりつつあるのかもしれない。
意訳すると
スマートフォンの購入層がマニアから新しい物好きを超え、様子見していた人にも売れているという事なのだろうか。そして特徴的な機能を有する機種は、普通の人か理解して購入している人たちが使う物になる気がする。
当たり前の事を原文のようなネタにする事で、何か凄い事を言っていそうに見える良い例。文才以上の何かを感じさせるハイセンスにジェラシーなシープ先輩です。
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