iPadでは無いから。
で終わりそうなタイトルとなっておりますが、必死に発売へとこぎつけるPCメーカーの板PC。しかし多くは普及する事無く消滅しており、その仲間入りしそうな端末がユニットコム(パソコン工房など)から新発売。
これもダメだと思う。
パソコン工房より約1.2万円のタブレットPC発売
安い方と思われるAndroid仕様の板PCが発売へ。
【PC Watch】 ユニットコム、11,980円の7型Android 4.0タブレット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120924_561897.html
Apple製品ユーザには見た目だけで否定されそうなデザインでは有りますが、そこを重視するならiPadで良いので置いておき。
個人的には、ここでもLesance(レサンセ)ブランドを使うのかと驚いた。私は「レサンセ」は安く大量に売る用に構成した勝負PCのブランド名と勘違いしていた為。
それも良いとして、主な仕様をパソコン風に書き出すと。
- OS:Android 4.0
- CPU:ARM Cortex-A9(1.0GHz)
- メモリ:1GB(DDR3、最大1GB)
- ストレージ:8GB NANDフラッシュ
- 無線LAN:IEEE802.11b/g/n
- 液晶:7型(解像度:1024x600、5点マルチタッチ対応、静電容量式)
- バッテリ駆動:4.5~5時間くらい
- 重量:約390g
ハードウェアの仕様としては普通。バッテリ駆動時間が比較的短いから安いのだろうとも思えましょう。私が所有しているドコモのGALAXY Tabと比較しても同じくらいの性能。
問題はここからで、ハードウェア以外の仕様が戴けない。
- アプリ:Tapnowマーケット
- 日本語入力:Simeji
- 写真編集:PhotoWonder
リリース文やパソコン工房の販売ページでGoogle Playの文字が出ておらず、非対応なのでしょう。
TapnowマーケットはGoogle Playと似たようなもので、マイクロソフトオフィスかキングソフトオフィスかのような感じ。
日本語入力は敢えてBaiduを使う理由が無くGoogleで良し。フリーソフトとして有名過ぎるPhotoWonderを標準で入れる理由も無いでしょう。
ユニットコムのプレスリリースより、特徴とされる箇所を引用。
- Android 4.0採用
- 最大5点のマルチタッチに対応
- MP4やH.264など多数のビデオ/オーディオフォーマットに対応
- MicroUSB2.0、microSDスロット、IEEE802.11b/g/n標準搭載
下2つは余程の安物タブレットPCで無ければ付いている事が多め。最大5点のマルチタッチは凄いけれど、何に使えば良いのか不明。
Android4.0は良いとしても問題はその後で、アップデートしてくれるのか不安。しても4.1からはFlash非対応なのでどうかとは思うけれど。
というわけで、全体を見るにこの内容で1.2万円なら妥当。Amazonなどで販売している1万円以下の物よりは、ユニットコム全体で気合を入れ売るという安心感が有る程度かと。
出てすぐ消えるPCメーカーの板PCの黒歴史
私の記憶が確かなら、BTOパソコンメーカーではマウスコンピューターとオンキヨーが板PC市場へ真っ先に飛びついておりました。
が、オンキヨーはWindows7をメインにして失敗し今も継続中。マウスのAndoriod板PCは発売が数ヶ月延期され、出たかと思いきやすぐに終了。
その後、フロンティアが約3万円台で発売したものの、すぐに1万円前後で叩き売り始め、やはり数ヶ月で終息。現在は21.5型タブレットPCという、わけの解らない事をやっておりますが売れるとは思えず短命に終わるかと。
ドスパラも今年の5月頃に1.4万円くらいで出していたけれど、今見るとお取り扱いしておりませんという表示になっております。
BTOパソコンメーカーがやらかしているAndroid仕様タブレットPCで有りがちな難点は、Google Play(旧ストア)に対応していない割に価格が高め。そして、売れないと簡単に予想出来るのでアップデートを期待出来ず使い捨てへ。
BTOメーカー以外、国内有名メーカーのタブレットPCは一例としてレグザタブレットとか有るけれど、本体が現在の実売最安でさえ約3万円と高額。しかしこれはテレビや録画機の周辺機器と考えるべきでしょうな。
なぜマウス、ドスパラ、PC工房が板PCを出すか
話をBTO PCメーカーの黒歴史へと戻し、なぜ各社が売れなかったり損を承知でタブレットPCをリリースしてしまうのか、推測すると。
- 本当に売れないかテストしている
- 話題作り、自社ブランドの広告用
- ほぼ受注発注なので懐が痛く無い
1は、実は売れる物ならPC市場が縮小という噂も有りとっとと参入しなければ勿体無い。結果はマウスやドスパラ、フロンティアなどの素早い終息の通り。
2は、BTOパソコンという物が宣伝しづらくプレスリリースのネタとしてやっているのでは無かろうかと。
3がメーカー側には重要。流れを具体的にいうと、予約販売して受注が有った数だけ仕入れて販売。販売計画を作り、数百程度の単位を細切れで入荷など。
どこのメーカーも製造は中国や台湾で、それを購入し型番を付けて宣伝しているだけなのでネットブック並の他社製品状態。
ユーザは用途、価格、特長を求めていると思う
私がお勧めしているパソコンの買い方は、一般PCユーザなら、用途>予算>性能。マニアな人は自ら、性能>(超えられない壁)>用途や予算、のような流れ。
タブレットPCの場合は、用途の中に使用環境が入っており、予算には分割払い標準も有り、特長はハードウェアの性能やアプリなどでは無く使用感の良さが求められておりましょう。
何が言いたいかは、タブレットPCはドコモやソフトバンクなどの広大な範囲が有利。月額で支払えば本体価格が気にならなくなるもの。
施設に設置されるWiFiは有れどアクセスポイントが少なすぎる上にパケット漏れ放題な甘すぎるセキュリティ。
タブレットPCを家で使うくらいならパソコンで良く、電車や待ち合わせの暇つぶしなど外で簡易パソコンのような使い方が出来る為に板PCやスマホが求められているわけですな。一部のガジェットマニアを除き。
そして、AndroidのWiFi用板PCはこれで詰みと思う。
速報:Google Nexus 7 国内発売、16GB 1万9800円 - Engadget
http://japanese.engadget.com/2012/09/24/google-nexus-7-16gb-1-9800/
source:http://www.google.co.jp/nexus/
主な仕様を3行だけ。
- CPU:NVIDIA Tegra 3 プロセッサ
- 液晶:7型IPS(解像度:1280x800)ゴリラガラス採用
- 重量:340g
ユニットコムの新製品タブレットPCと比較すると、ほぼ全ての性能や機能で上。これが約2万円で、Google Playの2千円クーポン付は他社が競合出来ないレベル。
今、WiFiで比較的人気が有ると思うAcerのタブレットPCより良く、CPUはレグザタブレットと同じ。現在16GB版しか無いけれど、もし8GB版や何か機能を削り価格を落とせば対抗出来ないかと。
PCメーカーが販売するタブレットPCは何故ダメか。ハードウェア屋(PCメーカー)が用途を提案するには無理が有る為。
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