2011年3月現在、東日本では電力不足により計画停電を実施中。
該当の地域では3時間ほど電気が来なくなるわけですが、冷蔵庫などの生活必需機器以外にパソコンへの依存度が高い場合は不便になりましょう。通電中に余分に電気を食い、停電中にパソコンを使うとはけしからん、と思っているなら最後までどうぞ。
結論を先に言うと、計画停電に限らず東日本はノートをどうぞ。
デスクトップ派でBTOパソコンを勧めるブログとしては、ノートは圏外に近いものが有りますが、そうも言っていられず。
ノートはデスクトップと比較し消費電力が少なく、具体的には100W以内が普通。デスクトップは性能を抑えても軽く100W以上、私が使っている中くらい性能でも200W前後。廃Endゲーマーは常時500W以上使っているやも知れず。
やたらと無停電電源装置が売れているようですが、あれは一時的に数分から数十分程度使えるのみで、数時間使えるものでは無く。駆動すると警告音が鳴り響く物も有り、理由はサーバーダウンなどのまずい状況を知らせる為。
というわけで、普段は勧めませんが東日本ではノートの利用をご検討有れ。西日本は無関係。
停電中にパソコンやインターネットを普通に使う方法
可能な限り性能の低いノートを準備
今からノートを購入するなら性能をどこまで抑えるかが鍵。バッテリーの消費をどこまで低くするか、CPUの性能が大きく関わります。
左がインテルのシリーズ名、数値はMaxTDP(最大放熱量)。
- Atom Z系・・1~3W
- Atom N400、500番台・・6~9W
- 省電力Celeron(SU)・・10~20Wくらい
- 普通のCeleron・・30~35Wくらい
- Core i7-2000番台・・45Wくらい
性能が低いほど汎用性は無くなる為、用途に合わせて重くならないよう考えましょう。動作が遅くなるとCPUを長時間高負荷で使う事になり逆効果になる事も。
また、無駄にビデオカードなども載せず。ここでのポイントは、用途がまず停電中という条件で有り、欲を出すに比例してバッテリ駆動を軽視する事になります。
大容量の予備バッテリーを購入
ノートの性能を抑えたなら予算も抑えられているはずなので、内部電源の予備を持つ事も考えます。
一般的にはレッツノートやMacbook、閲覧のみならiPadでいずれも7時間以上など長時間動作可能で使う発想かと思いますが、奴らは本体が高額。
Macで良いならMacbook Proは一応お勧めです。但し、13インチで10万円以上、15インチでは15万以上。Proでなければ88,800円くらいで7時間
BTOメーカーや東芝製品の型落ちなら、Celeronクラスは6万円前後、Atom搭載のネットブックなら3~4万円で購入出来るので、Macを買ったつもりで予備バッテリーを追加。
最近のノートPC用バッテリーはリチウムイオンという、高性能の代償に原材料がセレブな仕様になっており、1本安くて7千円、1万円超えも普通。
80GBのSSDが買えそうな価格の割にバッテリは経年で劣化(消耗)して行く物なので財布と要相談。とりあえず今なら3時間以上を目安に。
注意する事は、国内PCメーカーはJEITA測定法を使っており、測定はHDDを止めても良く液晶も見えないレベルまで輝度を下げても可、のようになめた方法なのでアテにはせず。
バッテリの残量や劣化具合のチェックは、こちらのフリーソフトが評判良いようです。
Yuryu's Battery Informationのダウンロード : Vector ソフトを探す!
http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/util/se236396.html
試してはおらず、フリーソフトなので利用は自己責任。
HDDからSSDに換装
購入時に仕様をカスタマイズ出来るならHDDよりSSDの方が省電力。有志のまとめ(HDD消費電力)によると、2.5インチHDDはおおよそ10W未満、スピンアップ(回転し初め数秒)時は20W前後。
SSDはインテルのX25-M 80GBで0.1W前後と1/100くらいまで落ちます。CPUはMaxTDPという事を考えると、ストレージの方が重要かも知れない。
SATA2(3Gbps)で良いなら、60~80GBが14千円前後。120GBは2万円前後。性能低めなノートでバッテリ駆動を考えると大容量は要らないとして、1万円を余裕で切っている40GBでも良いかも知れません。
最近のノートPCはハードディスクの設置場所が裏ブタを開けて差し替える、簡単な構造になっている事が多い為、メモリの次に換装が楽な物としてチャレンジが粋。
新規で購入していなくとも、今持っているノートでバッテリが使えるなら消費電力を下げる効果は大きいと思われます。
節電する方法を実行
先日、パソコンで節電する方法を10個くらい書いた記事より、今回と重複している物を除き4つを実行しましょう。
- パソコンの設定を省電力へ
- ディスプレイの輝度を落とす
- スピーカーからヘッドホンへ
- CPUクーラーなどを掃除する
下から行くと、新品のノートならホコリが詰まっている事は無いとしても、展示品なら一度吸排気を確認。放熱が不足するとファンが高回転になるなど無駄に電気を食う事に。
スピーカーの電源をUSBのバスパワーから取っているなら、出力の低いヘッドホン、イヤホンに切替を。音は不要なら出さない方が良いでしょう。
ディスプレイの輝度は消費電力の低下には結構重要で、周囲が暗いなら液晶パネルの光でキーボードの存在が見える限界まで下げて見るなど。
更に重要な事が省電力の設定。モニタの電源を放置1分で切るなど厳しくすると、電話やトイレなどで数分パソコンを使わない際は有利かと。HDDの電源は切らない事をお勧め。
また、確認出来ないため節電する方法では書いておりませんが、ノート用液晶の多くはTN型(via:wikipedia)なので、壁紙を白にしたり、背景が白のアプリケーションの方が消費電力は少なめ。ブラウン管は黒。
無線LANを無効、無駄な認識パーツを外す
無線LANがどの程度電気を食っているか検索するも出ず。しかし個人ブログでは、無線LANを切る事でバッテリーが長く持ったなど書かれていたり、省電力無線LANの開発もされているようで無駄に消費電力が上がる事は間違い無さそうです。
無線LANは、Fnキーを押しながらファンクションキーでオンとオフを切り替えるなど設定が有るかと思うので切りましょう。無線LANルータの電源が入っていなければ無駄。
その他、PCI-ExpressカードやUSBメモリ棒、SDカードなど突っ込んでいるなら、認識させるだけ無駄なので取外しを。
光学ドライブ取外し、メモリを抜き1枚にしてみる
我が家の節約術並に無理が出てきましたが、分解する自信と知識が有るなら、メモリを抜いて1枚にしてみたり、光学ドライブを取外し。
これまたワット数までは不明ですが、接続されている=認識している事になり、メモリは若干の省電力が期待出来ましょう。動作が重くなるなら逆効果なので抜き過ぎず。
光学ドライブは外す必要は無いかも知れませんが、可能な限りCDやDVDを回さないよう御注意有れ。
ノートは知りませんが、デスクトップではスピンアップで20W前後、回転中も二桁は電気を食い続けます。
どうしてもCDやDVDが必要なら、外部電源接続中にImgBurnなどでイメージファイル化し、DAEMON Tools Liteで仮想ドライブを作りイメージファイルをマウントしましょう。
DAEMON~Liteは元から日本語、ImgBurnはページの下に有る一覧に日本語用の言語ファイルが有ります。どちらもフリーソフト。
公衆無線やWiMAXでインターネット接続
無線LANカードが有り公衆無線のスポットが近いなら移動して使う事で、月額を数百円~2千円程度に抑えて最大54Mbpsくらいの通信が可能。但しそこに電気が来ているならの話。
無ければ携帯回線などを利用するなど。イー・モバイルは計画停電中でも使えたという個人の日記が結構ヒットしました。UQ Wimaxは停止の案内有り。
計画停電に伴うWiMAX通信サービスの影響について
http://www.uqwimax.jp/cgi-bin/service/information/news/detail.cgi?disp_id=I3teiNewvAkhCMX
外部電源接続時にサイトを丸ごと保存し、停電中はインターネット接続をせず保存したhtmlをローカルで見る手も有ります。しかし、取得時にサーバーに負荷が掛かるため紹介はしません。
停電中、USBに端末を挿して通信をするなら、ページの取得が終わり次第すぐに切る、または取り外す事もバッテリの節電になるかと思います。
使った事は無いけれど、2chの専用ブラウザで面白そうなスレッドを片っ端から落としておけば、かなり暇つぶしになるかも知れません。
以上7つ、思い付く限りで提案しましたが、最も良い方法はパソコンを使わない事。しかしどうしても必要なら低電圧で楽しむ手も有るという事にて。
普段から省電力ノートを利用しているなら、バッテリー駆動時間分の電力を余計に使う事になりますが、これを機会にデスクトップユーザがノートに乗り換えるなら節電になりましょう。
デスクトップPCの消費電力は軽くノート2~3台分、またはそれ以上。
某汎用人型決戦兵器マニアなら、停電と同時に「ヤシマ作戦開始、内部電源に切替、活動限界まであと3時間!!!1!」とか大声を張り上げると周囲が寒くなり、今後暑くなった時に役立つかも知れません。取り返しの付かない事になるかも知れません。
経済活動の自粛は逆効果、良く考えた判断と行動を
被災地の方々を気遣い広告宣伝の自粛や、停電に伴ない都内でも各所で節電されておりますが、物(サービス)が売れなければ金の動きが悪くなり、暗くなれば気分も比例し犯罪も増えましょう。判断は正解ですが、やり過ぎは逆効果。
長期的に考えると東北の復興が遅くなる悪影響や、停電の地域は現在、首都周辺に留まっていますが、夏になると他県も計画停電の対象になったり、東日本が東京以外で機能しなくなる、は考え過ぎですが長引けば問題有り。
大企業ではイメージを重視し、DELLやHPはマーケティング活動を自粛すると広告会社から連絡。バナー広告などは外してくれと推奨のメールが来ました。両社とも億単位の義援金や機器を寄付しており、さすが大企業と言えましょう。
それらとは変わり、ドスパラやパソコン工房、マウスコンピューターなどは新製品を発売し、プレスリリースなどで普通に販促をしていますが、これも正解。必要以上にハデにやる事は無く、いつも通りで良いわけです。
今回のノート乗り換えネタを私個人では無くPCメーカーが宣伝すると仮定した場合、書き方次第で印象が変わります。
- 停電対策ノートが激安!春の大セール(今ならバッテリ1本おまけ)
- 節電用パソコンのご案内(東日本の電力不足にご協力を)
同じ内容でも前者と後者では印象が違い、叩かれたり炎上する可能性や、企業ブランドのイメージも変わりましょう。私に言わせるとどちらでも良いと思いますが、今どのようにしていつも通り、またはそれ以上に物やサービス=金を循環させるかが中身。
名と実のいずれを取るかは企業なら両方。名に寄り拡販を自粛するDELLやHPより、普通に物を売っている方が良いという考え方です。
心斎橋ではグリコの看板が消えているそうですが、西日本は節電は関係無く、暗くしてどうするのかと。しかしその電気代分をグリコが経費節減分とし、金を寄付するというならごもっともな判断。単なる節電なら逆効果。
極端な例。私がもし東日本の工場経営者で操業率が下がっているなら、社員と家族を連れて研修旅行、要するに遊びに行きます。西日本へ。
一見すると「こんな時に遊ぶとは何事か」と思われるかも知れませんが、工場を止め世帯丸ごと居なくなるなら節電効果は大きく、更に原発事故の不安から社員と家族を休ませられる上、西日本での経済活動に参加出来るという、一石三鳥くらいの名より実。但し自社工場が関わる流通は止まり、限度は有ります。
ナイター中止の話も有りましたが、万単位で観客が来るなら家の電気製品は使わず、観戦料を支払う金の流れも有り。政治家の自粛要請のような意見はどこまで考えているのか疑問。お前ら自粛しろと言いたいだけちゃうんかと。
長々と書きましたが、計画停電の期間や範囲は今後拡大するかも知れないので、東日本の住人は今からデスクトップからノート乗り換えを検討してみましょう。
PCメーカーは性能低めのノートで大容量バッテリー標準化、または追加バッテリーをセットにしてご提案有れ。
やったら当ブログで宣伝して差し上げますが内容は保証しません。
普段のPC使用のウエイトが、ローカルでの作業よりネットを使用した情報ツールとしての使用が多くを占めている場合、停電中にノートPCが使えてもネットワークが落ちている時点であんまり意味がないんですよね。
そういう点だとモバイル前提なスマフォとかタブレットは停電や災害時の情報ツールとしては有効かもしれないなと思いました。
>必要以上にハデにやる事は無く、いつも通りで良いわけです
このオマイらいつも通りにしろっていうのは実はすごーく大事だと思いますよ。
何も企業の営利活動の話だけじゃなくて一般の方の生活にも言えることとして。
物不足なんかの問題はみんなコレができないから起こるのでしょう。
見方によってはHPやDELLも世界企業なんで、日本以外では普通にやってると考えれば、わりと普通にやってるんじゃないですかねw
>心斎橋ではグリコの看板が消えているそうですが、西日本は節電は関係無く
ワロタ みんなしてそんなことしてたら関西電力倒産しちゃうよw
西日本から余剰分を東日本圏へ送電出来るとかなら素晴らしい話ですが、実際周波数違いでダメですもんね。意味ないわー
東日本は例え被災地でくとも計画停電や原発汚染の影響もあってまったくいつも通りというわけにはいかないところもありますので、西日本こそいつも通りにしてくれることがむしろ復興への助けになるのになぁ。
>ナイター中止の話も有りましたが
あれは経済活動自粛という意味合いより、単に大量に電気を使用するからというか、みんな停電で不便強いられてる中、なんでオマイらだけ好きに電気使ってんの?っていう不公平感があったからじゃないですかね。
実際西日本の球団はナイター止めてとか言われてなかった気がしますので。
要は昼にヤレという。もっとも東京ドームは昼でも全力で電気使うらしいですがw
>計画停電の期間や範囲は今後拡大するかも知れないので
夏は確実に計画停電来るでしょうからPCに限らず備えは要るでしょうな。
ただそこを煽って企業が営利活動を行えば、また要らぬ混乱や物不足を招くでしょうから、やはり「いつも通りにヤレ」は非常に重要ですね。
DAEMON Toolsは一時期スパイウェアが入っていたこともあるそうなので、一応注意を促されては如何でしょうか。
古いバージョンの話なので、今はまず問題ないですが、どこかしらで古いモノを拾ってくる人もいないとは限らないので……
ひつじ先輩のおっしゃる通り、関西各地でイベントなどの自粛が相次いでいますね。
あれ、本気で被災者のためを考えているわけではなく
「こんな時にイベントをやるとは不謹慎だ!」っていう非難を恐れているのでは?と感じています。
何かにつけ口実を見つけると大喜びして非難する人はどこにでもいるので。
>ナイター中止の話も有りましたが、万単位で観客が来るなら家の電気製品は使わず
どっちがマシなんでしょうね。
出かけていても電気を使いっぱなしの家電(冷蔵庫とか)があるわけですし。
電気使いっぱなしと言えば、自動販売機。
24時間、飲料を温め(冷やし)続けている自販機を全撤去すれば
相当量の電気が節約されるような気がします。
先週までは計画停電の影響で、パソコンは使用できるのに基地局が停電=インターネットに繋がらない、という状況が続いていました。最近はNO INTERNET,NO LIFEな生活でしたから、かなり不便でしたね。ウェブメール主体でしたから、携帯電話でメールチェックはできた点が救いです
>停電中にパソコンやインターネットを普通に使う
インターネットに繋がれば良い、というだけなら、タブレットPCでも良いですね。私はそこまでして停電中にパソコンを使いたいとは思いませんが
>経済活動の自粛は逆効果
私はつい先週、とある駅前のヨドバシカメラでPSP-3000を購入しましたが、客の入りは地震前と同じくらいに見えました。いつも通りは重要ですね。やたらと不謹慎不謹慎と声を張る方は、一時期に増えたメディアの言葉狩りのようで、あまり好感は持てませんね。言い方は乱暴ですが、生きている人間が死んでしまった人間に振り回されなければならない義務はありませんから
いつも楽しく拝読させていただいております。
もう20年以上も昔の話ですが,西日本と東日本の電気のやり取りはできると電気工学の授業で習いました。今現在はどうかわからないですけど。大規模な交直交の変換を通すんです。当然,熱損失で効率は落ちますし,対応できる太さも限られるんでしょうけど。今回はおそらく,変換のキャパを越えているのではないかと。