ドスパラよりBTOデスクトップPCの新製品。
ストレージとはSSDやHDDを指しており、起動用SSD1台、データ用HDD1台。ここまでは普通のパソコンと同じだけれども、作業用に8台のSSDをRAID0で構成しており全部で10ストレージという凄まじい仕様。
標準構成を見て参りましょう。
クリエイター向けRaytrek-V AR-Eは約59万円
ドスパラの販売ページより。
約54万円に見えるけれど、消費税や送料まで足して行くと約59万円。ポイント還元が税込価格の1%になっているので分かり易い。ちなみにカード決済するとポイント付かないはず。
特徴のストレージをカスタマイズページより。
明るい部分が標準構成で、普通と違う箇所は2つ目のSSD 128GBx8。
インテルSSD 240GBがWindowsの起動用、3TB HDDはデータ保存用。編集中のデータは128GBx8を使えとの提案なので、約1,024GBの容量でやる事となっております。
いつもの一覧形式にしてみましょうか。
- OS:Windows 7 Professional 64bit
- CPU:Core i7-5930K(3.5-3.7GHz、6コア/HT、15MB)
- マザー:インテル X99 Expressチップセット搭載 ※ASUS
- グラボ:NVIDIA GeForce GTX 980 4GB ※多分Palit~
- メモリ:32GB(8GBx4、PC4-17000)
- SSD1:240GB(Intel 530シリーズ)
- SSD2:1TB(128GBx8、東芝HG6シリーズ)
- HDD:3TB(SATA3)
- DVD:スーパーマルチ
- 電源:860W(80 PLUS PLATINUM) ※Seasonic
- ケース:ミドルタワー
- その他:RAIDカード(Adaptec ASR-8805)
価格を推測して行くと、Windowsは1.5万円くらいの価値として、CPUは安くとも現在7万円、マザーボードはASUS製らしいのでX99なら3~5万円。
GTX 980の相場は7万円以上だけれども、ドスパラはPalit Microsystemsのグラボを搭載するはずなので7万円くらい。多分これ。
GPU温度が60℃を超えるまでファンが回転しない「0-dB TECH」機能を搭載
DDR4メモリの相場は4GBで8千円くらいと相変わらず高めで、8GBが4枚なら6~7万円。面倒になって来たので省略すると、SSDは東芝が少し高いとして全部で10万円くらい、HDD約1万円、DVD2千円。
電源がSeasonic製品860Wという事は、Xseries XP2 SS-860XP2と思われ2.5万円。ストレージ10個入るケースが1万円切るとは考え難い。RAIDカードは約8万円。
合計すると、自作するなら50万円切れるくらい。
「(量産系)BTOの方が自作より安いはずでは?」と思ったなら、それは20万円を切れる構成での話で、このクラスになるとメーカーも量産が出来ず、生産や保守(修理用)在庫が厳しくなるので自作よりは高くなるという。
4万のマザーに7万のCPUを載せ、7万のグラボを挿して8万のRAIDカードで自作したいならやれば良いと思うけれど、私なら嫌。怖い。他人のPCなら尚更。
この仕様の特徴は高性能以外に静音性。
ストレージ10台とは言えども音の出る物はHDD1台のみなので、普通にHDD1台搭載しているPCと変わらない。GTX 980も低温ならファンレス状態になるので無音。
CPUも最近のインテルは静かなので、TDP140Wと言えども昔のPentium 4やCore 2の高性能な物ほどうるさくはならないはず。クーラーは標準で「静音パックまんぞくコース」になっている為、おそらくサイズやクーラーマスター辺りのデカいやつが載っているはず。
最大の特徴と言えるRAIDカードも少し見てみましょう。
「Adaptec ASR-8805 SGL」のRAID0で8台接続
アダプテックの公式より。
source:Adaptec by PMC | Adaptec RAID 8 シリーズ
価格コム最安は約8万円。
これが何をする物かは、通常のストレージはマザーボードのSATA端子へ接続するところ、こちらの基板に接続する事でRAIDという構成が可能となり、0はストライピング。
ストライピングはデータがぶっ壊れた際に復旧が困難になるけれど、接続すればするほど高速化出来るという利点有り。詳しくはWikipediaでどうぞ。
8本の128GB SSDが1TBの1ドライブになるので、こんな感じになるはず。
- C:SSD 240GB
- D:DVDドライブ
- E:SSD 1TB <-RAID0がこれ
- F:HDD 3TB
SATA接続のSSDでは、SATA3でさえ最高速度は600MB/s。東芝HG6の性能はシーケンシャル基準で読み書き500MB/sくらい。普通なら600も出ないところ、8本でRAID0にするとこんな感じに。
source:オリオリオリオ~ : 新章突入 12G SAS RAID カードを試す!
ASR-8805~では無く8885、SSDはサムスンの速いやつという違いは有るけれど、SSD 8台で計測している点は同じ。Seq(シーケンシャル)がRAMディスクの速度に近付いております。RAMディスクで3~8千MB/s。
ドスパラいわく3千MB/sを超えるとの事なので、おそらくシーケンシャルの値と思われ、だいたい上の画像と同じくらいになるのかと。
いくら速くともRAMディスクは現実的には数十GBが限度。SSD8本でRAID0、PCIe x8(ビデオカードなどを挿す方)へ接続する事で超高速になっているわけですな。
4K超え解像度の編集には必要なのかも知れない(まとめ)
私はクリエイターでは無いけれど、稀に当ブログ用として無駄に1080pの動画を撮影し、両端をカットしたりBGMを入れる程度の編集をする機会がございます。
解像度が640x480の頃より1920x1080の方が明らかに処理が遅くなっており、原因は主に動画編集ソフトとは思うけれど、SSDの書込寿命を無駄に使いたくないのでキャッシュ(編集中の作業用データ一時保存場所)をHDDにしている辺りも遅さに関わっているはず。
4Kどころか8Kや10Kまで開発されており、4Kは今年3月から商用放送も始まるとの事。※参考:スカパー! プレミアム光でも'15年4月以降に4K商用放送開始 - AV Watch
映像1本が最終的に1ファイルになるなら、再生時はシーケンシャルの速度が重要としてSSDはHDDの数倍。しかし編集中はランダムの読み書きも重要と思われSSDなら数十倍以上、ドスパラの例なら数百~数千倍。
個人的にSSDの速度は500MB/sを超えても体感では判らないと思っていたけれど、高解像度な映像編集用途ならRAMディスク並の速さと大容量が必要なのかも知れない。
いきなりRAIDカードとSSD複数本で10万円以上の投資をし、変化が無ければ無駄金になってしまうので、先に編集ソフトのキャッシュ設定をHDDとSSDで比較してみましょう、と、私が言うまでも無いとは思うけれど。
4K超えは制作費が高く付くなら鑑賞代も高額になりそうですな。
>約54万円
54万位? あれ、最近見たな… あ、あれだ
価格.com - MSI、2基のGeForce GTX 980Mを搭載した18.4型ゲーミングPC
http://news.kakaku.com/prdnews/cd=pc/ctcd=0020/id=45615/
>メモリ:32GB(8GBx4、PC4-17000)
自分用補足です
PC4-17000=DDR4-2133ですね
APU関連で見慣れてる(DDR3-2133等)自分も大きい方の数字になると、何だっけ?とよくナリマスw
目にする数が増えたら慣れるかなぁ
DDR4 SDRAM ‐ 通信用語の基礎知識
http://www.wdic.org/w/TECH/DDR4%20SDRAM
>GTX 980も低温ならファンレス状態になるので無音。
これホントすごいな~。ゲーム選べば最上位のGTX 980でも、プレイ中にファンが回らないとかスゴイ
>編集中のデータは128GBx8を使えとの提案
RAIDを信用していない私にとってはRAIDなしのSSDでもいいのではて思うw
>DVD2千円
映像編集用ならブルーレイのほうがいいのではw
>「(量産系)BTOの方が自作より安いはずでは?」
>20万円を切れる構成での話
Xeon+ECCメモリー+対応マザボ+グラボ無し(CPU内蔵)はどうなんですかねw
>この仕様の特徴は高性能以外に静音性。
音を扱うなら重要でしょうw
>ストライピングはデータがぶっ壊れた際に復旧が困難になる
だから信用していないんのですよw
>先に編集ソフトのキャッシュ設定をHDDとSSDで比較してみましょう
SSDの容量不足でゲームのインストール場所をHDDに変更したらSSDにインストールしていた時と比べてもたつくようになりましたw
>4K超えは制作費が高く付くなら鑑賞代も高額になりそうですな。
ゲームも4K化が進めば開発費高騰待ったなしだなw
レイトレックって、スタートレックと同種の意味ですかね。直訳だと「光への旅」的な。それだけ速いと。
>SSD2:1TB(128GBx8、東芝HG6シリーズ)
クリエイター向けを銘打つなら、この故障度8倍のストレージには、標準でバックアップ措置が必要でしょう。作業領域として使うなら尚更。
>自作したいならやれば良いと思うけれど、私なら嫌。怖い。
仮に自作機なら、初めて電源を入れる時は緊張しますね。何せ起動しないと原因を探るのが面倒ですし、相性問題だと詰みます。パーツ数の多い構成は完成品を買った方が楽。
>8本でRAID0にするとこんな感じに。
相変わらず雫エディションは人気。改めて見直すとこの雫さん、頭がデカすぎるような気がしないこともありませんが、反感を買いそうなので目の錯覚ということに。
>Seq(シーケンシャル)がRAMディスクの速度に近付いております。
RAID0でもランダム性能は大して変わらないのですね。普段使い用途にRAID0は不要という結果か。
ところでこのSSD8枚セット、売れ残った小容量SSDの在庫処分ではありませんよね。
言われて気付いた。そういう意味では在庫処分かも知れない。
RAID1の場合は、仮にストレージ1つの故障率が0.1%なら0.1^2で0.01%という理論が有るけれど、RAID0で8本の場合は0.1%が0.1x8で0.8になるのだから8倍危険。2本なら2倍なわけでストライピングは怖い。
東芝ならバルクの確率が高く早めに処分したいのか。在庫処分しているとするなら寿命問題でパーツ単品販売として売れ残った可能性。1本故障でRAID0が成り立たなくなる割に在庫処分は矛盾しているわけで、保守在庫へ移動するほど余らせているのか?と疑ってしまうところ。
パーティション分割で、
C:SSD 240GB(インテル530)
D:DVD
E:SSD 1TB(東芝RAID0)
F:HDD 1TB ※Eと同期バックアップ <パテ分割1
G:HDD 2TB ※データ用倉庫 <分割2
とした方が良いと思うものの、ドスパラのカスタマイズではデータ用(増設分)ストレージのパーティション分割が無い件。
RAID0のストレージをHG6の128GB以外へ変更出来ない辺りはやはり在庫処分なのか。他のSSDでRAID0を検証しておらずカスタマイズ出来ないのかが謎。