VAIO修理は前回の強制的に再起動するTypeRで書きました。
私は良く記事内で「ナショナルブランド」という書き方をしますが、パソコンメーカーが商品に付けた名前の事で多の人間に知られている意味で書いています。
簡単に言えば誰でも知っている物を有名メーカーのPC、BTOのようにややマニアックでガレリアやラディアントと言っても知る人の少ない商品と対義的に使っています。
ナショナルブランド
レッツノート(パナソニック)、VAIO(ソニー)、BIBLO(富士通)など
BTO
プライム(ドスパラ)他、マウスコンピュータのように型番メインが多い
ナショナルブランド(有名メーカー)は高額で質が良いと思われ、BTOは自作やマニア向けの安いパーツが使われていると思われそうですが、今回バラしたVAIOから中の部品を見て行きましょう。ポイントはBTOとの違いでよろしいかと。
VAIO(VGC-RA51)とBTOパソコンのパーツを比較
先日の分解より、ケースやファンなどの構造はソニーのオリジナルという事は判りましたが、主要パーツを比較して行きます。ソニーのパソコンだからソニーが全て作っているわけでは無く、どこまでオリジナルかを見ましょう。
マザーボード
メイン基板です。DELLなどは自社(下請)が製造しオリジナルですが。
メモリとCPUの間に型番「PTGD-VX」と有ります。文字の右下(REV 1.04)はリビジョンと呼ばれるバージョンの事で数値が大きい程新しいとかそういう意味です。
Asus PTGD-VX OEM SONY VGC-RA51,RA52 775 send by EMS - eBay Socket 775, Motherboards, Components, Computers. (end time 21-Dec-09 20:49:49 AEDST)
http://cgi.ebay.com.au/Asus-PTGD-VX-OEM-SONY-VGC-RA51-RA52-775-send-by-EMS_W0QQitemZ250534333971QQihZ015QQcategoryZ111427QQcmdZViewItemQQ_trksidZp4340.m444QQ_trkparmsZalgo%3DCRX%26its%3DC%252BS%26itu%3DSI%252BUA%252BLM%252BLA%26otn%3D10%26ps%3D63
海外の通販(ebay)で中古が76オーストラリアドルで売られていました。
メーカーはASUS。OEM用にDDR2のPTGD2-VXのメモリスロットをDDRに変更した基板らしいです。ASUSはBTOのカスタマイズでは有名所で、GIGABYTEやMSIと並び良く採用されます。
マザーボードはBTOパソコンと同様。
OEMではありますが、特にソニーが独自でという物では有りませんでした。
メモリ
黒いチップの載った緑や青の細長い基板。この時代はデュアルチャンネルのため2枚差しが主流。このVAIOには256MBが2枚挿さっていました。写真中央と、隠れていますが右下。
SAMUSUNGのロゴが見えますが取り外してチップも見ましょうか。
チップもSAMUSUNGでした。
当時のメモリ市場占有は確かSAMUSUNGが世界1位で約30%弱、次いでHynixが25%程度でBTOパソコンも同じメモリを採用しています。その他、カスタマイズではNanyaなども有名ですが、以前修理したVAIOのノートにはNanyaのメモリが載っていました。
VAIOの標準搭載メモリも自作やBTOメーカーと全く同じ物でした。
ハードディスク
データを保存している重要なパーツ。私は個人的にWesternDigitalが嫌いです。
WesternDigitalでした。
バーコードの下にMDL-WD2000JDと有り型番の事。WDはウェスタンデジタル、2000は200GBを表し、最後のJDはSATA(JSはSATA2)を意味します。当時のHDD容量としては結構大きめですが、現在は10倍の容量が同価格かそれ以下まで安くなっています。
BTOパソコンや自作、Buffaloの外付HDD同様、安く保証が長いため人気が有ります。壊れにくいから保証が長いという意味とは限りません。
当然ながら、特にVAIO用のハードディスクではありませんでした。
グラボ(ビデオカード)
GRC-RA51にはグラボが標準搭載。上から見た図。
ヒートシンク側に型番が載っています。
写真中央のシール、判りづらいですが「EAX300LE-A334C」と書かれています。
検索すると、ぱそこん倶楽部という通販で中古が販売されていました。
ボードの製造メーカーはASUS、GPUはRadeonです。
一般的なグラボはNVIDIA(GeForceシリーズ)またはAMD(Radeonシリーズ)の2択と言って良い程で、自作やBTOと同じ物。VAIO用という物でもありませんでした。
電源ユニット
自作マニアが最もこだわると思われる電源装置。
普通にDELTAの400ワット。
特に変わったところは無く、どう見ても普通のDELTA電源です。
電源はピンキリ、DELTAも悪くは有りませんが、本体価格よりもう少し捻りの利いたメーカーでも採用しているかと勝手に妄想していました。BTOメーカーでも良く採用されるパーツです。
テレビチューナー
自作マニアにはSKNETが熱いかも知れませんが何を使っているでしょう。
ENX-30で検索するもVAIO(SONY)オリジナルのようです。
銀色の大きい缶のようなオブジェは、一般的には安物で高性能なものは構造が違うらしいですが良く解りません。この機種はType-R最下位のためアナログ専用。後1年半でこのボードは電源を食うだけのゴミになる予定です。
アプリケーションには触れませんが、このTVチューナと連動してVAIOメニューから自動録画などが出来るようで、これは流石ソニーと言えましょう。
BTOや自作のパーツと有名メーカーの違い
基板や電源、チップなどをメーカーが独自で作っている事は皆無。昔のNECは平気で50万や100万していたため自社で国内製造していましたが、現状は書き流した通りです。
今回はVAIOのType-Rでしたが、ケースとTVチューナー以外はBTOや自作と同じメーカー、同程度のパーツが入っていました。光学ドライブやカードリーダーまでは調べていませんが、自社製造という事はまず無いかと。CPUは調べるまでも無くインテルです。
同時期に購入した私のBTOを同じ仕様まで持って行けば10~12万、VAIOはケースやTVチューナーが違うのみで20万円。ハードウェアとして比較すれば、軽く5万円以上はブランドという安心税が載っています。
BTOメーカーと有名メーカーの売り方と買い方の違い
VAIO修理でソニーのページへ頻繁にアクセスし気付きました。
- 普通の人間がパソコンを買うには用途から
- 知識有るマニアは性能から入る
私はこの2点かと思っていましたがもう1種類有り、こだわりの無い何気なくパソコンを買おうと思った時、TVが自動で録画出来たり使い易そうなナビゲーションソフトが付いている。デザインも良く何と言っても世界のソニーが作ったパソコンだからという導線で購入されるのでしょう。
最近はスーパーやコンビニ、100均でも良く有りますが、中身が同じ物でもパッケージが違えば価格が2倍前後まで変わるというアレに似ています。
結論としては、中身は同じ、デザインやブランドが違う。
そのために数万円載せても構わないなら結構ですが、私のブログを読まれているという事はBTOパソコンに変更され、浮いた金でバックアップ用のHDDを好きなだけ購入されるとよろしいかと思う次第。
フロントパネルの配線