HDDとSSDの世界市場実績と2016年の予測(by.TSR)

2016年2月25日

PC Watchで珍しいデータが公開。

2016年1月に日本HDD協会主催でHGSTや東芝の関係者が公演を行い、その中でテクノ・システム・リサーチがHDDとSSDを主とした世界市場でのPCやストレージの出荷実績と予測を発表。

今後のストレージ普及はどうなるのか見て参りましょう。

調査した企業はこちらだけれども、該当ページは無いのでトップへ。

テクノシステムリサーチ
http://www.t-s-r.co.jp/

日本HDD協会のトップページはここ。

IDEMA Japan(日本HDD協会)|ハードディスク業界の発展のために
http://www.idema.gr.jp/

以下、出典:テクノ・システム・リサーチ。

 

HDD/SSD世界市場2016年以降の予測(by.TSR)

元ネタはこちら。

貴重と思われる数値データが随所に有るのでメモ的に引用。

HDDの年間出荷台数(世界市場)は2010年に6億5,140万台でピークを迎えてから、減少傾向が続いてきた。2015年の出荷台数は前年比16.5%減の4億7,100万台と推定 

4億7千万台とか言われても良く分かりませんな。

しかもこの台数は一般的なパソコン以外にサーバなどのPCでは無い物も含まれるので余計にどう言えば良いのか不明。

なお、引用の最後に推測とあるように2015年分は確定していないけれど、実績に基づき出た数値として精度は高めかと。2016年はTSRの推測なので、ここではスルー気味にて。

比率を見るとやや判る。グラフ中央の積み上げ棒が2015年。

HDDのフォームファクタ別出荷台数推移

2014年と比較すると、2015年は2.5インチがマイナス18%、3.5インチは20%くらい落ちており、どのような計算かは不明ながら2016年は維持気味になるとの予想。

一般向けのパソコン用は2割くらいHDDが減っているわけですな、とは言え、HDD編では分母が分からないのでSSD編より。

2015年のデスクトップPCの出荷台数は前年比11.3%減の9,860万台と推定した。(中略)2015年のノートPCの出荷台数は前年比11%減の1億5,360万台と推定した。

グラフ化。

PC出荷台数2015年推定

おおよそ6:4くらい。

このようなグラフを見てノートPCを使っている人の方が多いという意見を時々見るけれど、これは出荷台数で有り普及数ではございません。

極端な例として、私は過去10年間でノートPC2台購入したけれどデスクトップPCは0台。しかし現在使っているパソコンはノート1台とデスクトップPC2台。デスクトップはパソコンとして買わない上に修理するものの、ノートは故障したなら捨てる為こうなる。※貰い物PCを除く

しかし、ノートPCが普及しているのは日本くらいと聞いていた話は過去の情報となったのか、世界的に見てもノートPCの出荷台数の方が多い。

MM総研のデータによると、国内PC出荷台数は2015年(1-12月)合計は1千万台くらいなので、世界市場の合計約2億5千万台規模と比較するとシェアは4%ほどなので影響力は極小。

もしかするとインドや中国などの格安ノートPCが増加し、米国などでのLED完備なBTOとか自作PCが入っていない為かも知れない。


HDD見ても面白く無いのでSSD行きましょう。HDDの出荷台数減少に関わっているはずなので、SSDも含めなければ全体が見えない。

パソコンの出荷台数の推移。こちらを先に出せば良かった。

PC出荷台数推移

デスクトップは元から低めなので台数の減少幅は狭いものの、2015年の場合はノートPCと同じく1割くらい出荷減。XP終了祭りは日本国内限定的だったのかと思えるほど2013-2014年の棒が長くなっていない。

日本の出遅れ感が有る箇所はノートPCのSSD搭載率で、世界的には25%、4台中1台にSSDが載っているそうな。

デスクトップPCのSSD率の低さは、国内に当てはめると、集計されるPCは法人向けばかりなので価格重視=今でもHDDが海外でも当てはまっているのか。しかも普通にSSDを載せる自作はスルーなのでSSD1%と低く出ているのでしょう。

SSDの出荷台数と金額の推移。

SSDの出荷台数と売上高の推移

2012年から2015年推定までの増加率は以下。

  • 2011-2012年・・・+90.2%
  • 2012-2013年・・・+78.7%
  • 2013-2014年・・・+37.1%
  • 2014-2015年・・・+14.3%

前年比にすると増加率は年々下がっており、この調子で行くと2016年は10%を切ると思われ、5%くらいとするなら2016年は85百万台にとどまるだろうと思うものの、TSRの予測は95百万台になるそうな。

台数は増えても金額が上がらない辺りは単価の低下でしょうな。少し前まで120GBクラスが1.2万円くらいしていたけれど、現在は1.2万有れば250GBを購入出来てしまうので120GB級で良い人が合計を下げている感じ。

また%の伸びの無さからして行き渡りつつ有るのやも知れず、やはり私を例にすると普段使わないノートまでSSDにする価値が有るか悩む程度で、デスクトップPCは搭載済、時々使うノートもSSD搭載。

ラストはHDDとSSDの価格の推移。

PC向けHDD製品とSSD製品の価格推移

SSDは1つだけなので、黄色(SSD)VSその他色(HDD)で見ましょう。

HDDもGBあたりの単価や価格は下がっているものの、SSDの2013-2015年の下落はそれどころでは無し。2015年推定の左グラフを見ると、1TBのHDDと128GB SSDの価格差が狭まっており、起動ドライブが128GBで良いならば乗り換え頃。

右グラフのコストを比較すると、SSDの低下は2013-2015年で半値まで下がっているけれどHDDはこれ以上安くはならない所まで来ている模様。それでも下がるのは大容量化が激しい為、物理的な材料費によりGBあたりでは微減し続けるのでしょう。プラッタやアーム、ヘッドの数が増える程度でケースやネジとかラベルは同じ1台分という意味。

TSR予測の2016年SSDはやや緩やかになっております。しかし私の憶測ではMCLからTLCへと主流が移るならば2014-2015並に原価下がると思う。

2015年を基準としてSSDとHDDの原価おおよそ。

  • SSD 128GB・・・50ドル
  • HDD 1TB・・・50ドル

1ドル120円とするならいずれも6千円くらい。輸送費などが乗るので若干高くなるとしても円高が来るならそれら全体に影響するでしょうな。

いつもの私ならば「~影響する事に期待。」と書くところ、特に期待していない理由を以下のまとめにて。

 

SSD普及はTB級登場と価格次第、HDDは2.5型化?(まとめ)

ここからは私がそう思っているだけかも知れない話。

SSDが一般向けの市販品として登場し数年が経過したものの、未だに1TB超えは少なく割高かつ高額なので普及へのハードルが高い。

以前聞いた話によると、2TBを超えるにはSSDのコントローラを32bitから64bit化する必要が有り時間を要し、現在出回っている2TB超えSSDはRAID0のような仕組で合体させている物ばかり。

データ用2TB未満で良い使い方をしている人も多いだろうけれども、現在主流のHDDは3~4TBなので大容量を必要とする人も多いはず。

となると、起動ドライブとしては500GB有れば良いとし、データ用は3TBを超えなければならない、逆に言うと500GB~3TBの間の容量は中途半端なわけで、需要が一旦減るのでは無かろうか。

容量あたりの価格、コスパ次第だろうけれども、仮にSSDの500GBが7千円、1TB1万円、2TBが1.3万円ならばどれを選ぶか。

私ならば500GBを選ぶと思う。

理由は起動ドライブに1000GBも要らない上、総容量が大きくなるとバックアップ用HDDも大容量化する可能性が高まり、使わない空き容量が無駄な割に単に高額化するだけな為。

というわけで、SSDの1~2TB級が普及価格帯になるまでには1TB以下のSSDが行き渡り、SSDの出荷台数はエアポケットの如く一時低迷し、3TB超えを待つ事になるのでは無かろうかと妄想しております。

おまけでHDDの話もすると、私が250GBのHDDを利用している理由は、「持っていたから」という単純な話。SSDが256GBなのでバックアップ用として問題無いわけですな。

では256GB SSDが故障したならどうするか。512GBは買わないと思う。なぜなら250GB HDDの容量を大きく超えるわけには行かず、250GB以下で使うだろうから再び256GBクラスを買うはず。

逆にバックアップ用250GB HDDが故障したならどうするか。今時、2016年現在で500GBを切るHDDは割高または500GBより高くなる可能性が有るので500GBを購入。するとSSDは512GBでも良いかも知れない。

それなら1TBでも良いのでは?と思うけれど、起動ドライブで1000GBも使わない話へと戻るので不要。(私の使い方では)行って500GB、こういう人は少なくないはず。Steamで50GBのゲーム10本とか入れる人は別として。

更に話をふくらませると、その500GB HDDは3.5インチで有る必要性が無い事に気付いた。マウンタは要るとしても、SATA接続では3.5も2.5インチもコネクタは同じなので2.5インチでも結構。今時HDDに速度は求めていないので問題無い。見た目を気にしなければマウンタも不要。

将来的に3.5インチHDDの最低容量が1TBとなり、2.5インチは500GBが残り、3.5の1TBより安いならば2.5インチにする可能性さえございます。

以上をまとめると、

  • SSD・・・500GBの次は3TB級が必要となる
  • HDD 3.5''・・・1TB以下がいずれ消滅、将来的に超大容量のみへ
  • HDD 2.5''・・・SSDの普及にともないノートPCで使われなくなり絶滅?

このような流れが今後数年以内に起こりそう。

但し、私は自作PC視点という小さな視界で語っている為、実際には完成品の特にノートPC次第でしょうな。

それがどうしたと言われても、私もこれがどうしたと思っているので困る。

コメント(2)

>パソコンの出荷台数の推移。

 2013年と2015年のところで落ちて段になっていますね。
前々回の記事「Windows 10の無償アップグレードは1年延長するか?」のMM総研のグラフの青い部分(個人向け出荷台数)も、XP終了祭りの外の立ち位置にいた為か、同じように2013年と2015年のところで落ちて段になっています。

 2013年は大手メーカーPCがwindows8販売一色になり、庶民が落胆した年、2015年はマイクロソフトがwindows10をばら撒き始めた年。一応見事に符合しておりますw。スミマセン、記事の本質から離れたところで感心してしまいました。

>容量あたりの価格、コスパ次第だろうけれども、仮にSSDの500GBが7千円、1TB1万円、2TBが1.3万円ならばどれを選ぶか。

SSDずいぶん安くなりましたね。500GBが2万円程度でしょうか? よく持ち歩いて不注意にHDDを壊しがちなノートPC用には、奮発して買ってしまう値段です。
私だったら 500GBが1万2千円を切ったら、バッテリーを気にするノートPCに入れて、8千円を切ったら、全てのPCの起動用にリプレースしようかと思っています(現行HDDが壊れたら、ですけど)。

もっと価格が下がったら、容量増によって高速化が期待できるのなら、1TB以上のを買って、300GB程度しか使わず残りを空けて使うかもしれない。

私が使用しているSSDは容量が120GBですけれど、動作速度にこだわらないソフトは全てHDDへインストールしているため、空き容量は60GB以上です。気兼ねなく使用するなら、250GBクラスはちょうど良いですね。

>HDD市場動向 フォームファクタ別
Enterpriseはサーバ、Near LineはNASでしょうか。個人的には、徐々にNASの出荷台数が増えている(36.9 → 37.4 → 39.0)点が興味深いです。

>ノートPCを使っている人の方が多いという意見
ノートPCのみ、デスクトップPCのみ、ノート&デスク、またそれぞれ何台か、といった集計を取らない限り実数は不明ですね。ただ、メーカも売れないモノを大量に出荷はしないでしょうから、出荷台数=普及数と見ても大きな差異は無いのでは。

>パソコンの出荷台数の推移
微増している2011年はWindows7のSP1が正式に配布された年。多少の影響はあったのでしょうか。

>HDDとSSDの価格の推移。
HDDはあまり値下がりしなくなりましたね。高値で出しても売れないため、値下げを考えず始めから安値で出している印象が強いです。8TBとか10TBとか大容量は例外ですが。

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