サイコムが英語ページを作成。
サイト全体では無くゲームPCの一部、そして正確にはサイコムでは無く別の企業の通販サイトの国内限定配送となっており、在日外国人の中でも英語が判る人限定という何かとピンポイントな作戦。
適当に見て参りましょう。
サイコムのゲーミングPCを英語ページで販売
サイコムのトップページ。
プレスリリースによると2015年10月からのサービス開始。右下に有る英語のみのバナーからリンクされております。サイコムのロゴが無ければハッキングでもされたのかと思われそうな印象。
リンク先はサイコムのサイト内では無く、別会社のページ。
source:Sycom Gaming Machine | EMU CORPORATION
エム・コーポレーションという、サイコムと同じ埼玉県内の企業。
当然ながら全体的に英語まみれとなっており、サイコムで使われている画像の日本語部分を英語へと変更し流用している御様子。
取り扱い機種は現在5種類でG-Masterシリーズのみ。
パーツの内容なら英語でも何と無く判るけれど、説明文が英語になるとさすがに違和感が有りますな。
右上の太いミニタワーを選択し、ページ下部へ。
何とカスタマイズにも対応。価格などが英語にならない理由は後で。
カスタマイズを開いてみると、パーツの種類は限定されているものの、それなりに自由度の有る中身。
サイコムの同じ機種をカスタマイズし、英語ページと合わせた物がこれ。
何故か英語の方が870円安い件。コピー後にサイコム側がパーツの価格を変更したのかと思ったけれど、英語版は送料が別のようなのでサイコム側が630円安いとするならだいたい同じくらい。
通販のシステムはサイコムとは別に用意されており、エム・コーポレーション(以下、エム)内で決済まで行ける模様。会員登録が面倒なので試しておりません。
エム・コーポレーションという会社は何屋?
公式はこちら。ゲームPC販売ページのHomeボタンでもジャンプ可能。
株式会社エムコーポレーション
http://www.emu-corp.com/
何をしている会社か見て来た。
- 外国人向け通信販売
- 産業用筐体の設計や製造
- スチールやアクリルなどの加工
- InWinの国内正規代理店でPC関連商品販売
メインはおそらく産業用PCの製造、ついでにパーツを通販、そして英語力を活かしてPCパーツや今回はサイコムの代理店のようになり営業されているのでしょう。
リンク先やブログには動画が結構多めに上がっており、解説されている男性の感じからして真摯的な商売をされている印象。
ゲーミングPC販売サイトはどうなっているのか?
カートへ入れた後は途中からサイコムのページヘ飛ばされるのだろうと思っていたけれど、エムのサイト内で最後まで買い物出来るようで。
気になったのでどうなっているのか調べてみると、こちらのカートシステムを御利用。ちなみにエムのPC販売以外のネット通販もこれ。
ネットショップ開業・ショッピングカートなら【MakeShop】
https://www.makeshop.jp/
エム公式ページはWord Pressという無料ブログのシステムで作られている為、WPへ貼り付けられるカートなのでしょう。そして「価格」や「商品コード」などは変更出来ないのだと思う。
カスタマイズ有りで手動更新は厳しい(まとめ)
完成品PC5種類とかなら在庫が切れる前にサイコムがエムへ連絡するだけで良いところ、BTOパソコンはカスタマイズが有るので部品単位での管理となり、このサービスを維持するのは厳しいと思う。
サイコム側のパーツが在庫切れや終息、単価変更、部品変更するなら同時にやらねばならず、一時的な販促企画がサイコム本家だけでというなら英訳する意味が薄れそう。
レンタルカートを自力で編集するという事はサイコム側からの連絡も頻繁かつリアルタイムにする必要性。てっきりサイコムのデータベースを参照し、API(外部から引き出すプログラム)などの利用で自動表示しているのだろうと思っておりました。
国内、英語スピーカー、ゲーミング・デスクトップPC限定。需要が有るとも思えず、手間の割に合わないやり方と言えそう。
そして、英語圏のゲーミングPCはサイコムのような大人しい感じでは無い事を知らないのか。DELLのAlienwareが良い例。
日本へそのまんま持って来てしまっているので国内での販売は厳しい。しかし、丸ごと買収してまでこれをやりたかった米DELLには勝算有りなのかと。
もう一つの例として、海外のゲーミングなBTOパソコン。
source:Custom Gaming Computers and Laptops: iBUYPOWER
この画像は製品のラインナップではございません。ケースのカスタマイズで、ミドルタワーが写真入り18種類、のみならずフルタワーも6種類有り。
いずれも光っておりましょう。その光のカスタマイズも可能。
これらファンの下にはケース内のイルミネーションのカスタマイズも有り、標準構成は色が自動で切り替わるレインボーLEDを採用。日本人から見るとどん引き出来るところ、米国では普通に存在。
ではサイコムもエム(英語スピーカー)用にこのようなLEDまみれのBTOを出すかと言えばやはり割に合わないと思われ、エム側もページ制作の手間が増大するので難しいはず。
もう少しケチを付けると、デスクトップPCを国内で買おうとするほど長期滞在する在日外国人が日本語を読めない可能性は低いと想像出来る上、多少なり滞在日数が長いならば日本人の友達が居ると思われ、安い買い物では無いなら友人に頼むはず。
また、逆に私が海外サイトのBTOパソコンをカスタマイズして買うのは大して苦にならない。ゲーム用として10~30万円クラスのPCをBTOにするようなPCの知識有る外国人なら、日本語のサイコムでもそう困らないのでは、という意味で、決済時の個人情報入力フォームと決済時の「有効期限」などが英語になっているだけで良さそうという意味。
直球で言うとビジネスモデルとして間違っていると思う。
エム・コーポレーションが何らかの販路を既に持っており、ゲーミングPCが売れると確信しているならサイコムも協力するだろうけれど、1年もたない気がする。
以上。私にしては文章が柔らかい原因はサイコム好きな為。単にメーカーとして好きとかでは無く、今見た限りでも凄く良心的感が大有り。
- 総額の税込表記・・・凄くとても大変エクセレントに分かり易い
- 納期は7日以内・・・最短3日とか意味不明な表現では無い
- 長期保証・・・未だに5%から値上がりしていない
サイコムもエム・コーポレーションも良い企業なのだろうけれど、それは別として今回の企画は的外れと感じております。
>取り扱い機種は現在5種類でG-Masterシリーズのみ。
4/5機種が簡易水冷CPUクーラーな点、ハイエンド向けを物語っていますね。モデルによっては簡易水冷の水枕(CPUにくっ付けるパーツ)に「Sycom」のロゴが入っていますから、こちらは本家サイコムにも採用されているオリジナルモデルですね。
《CPUファン LGA1150》|BTO パソコン(PC)の【@Sycom】
https://www.sycom.co.jp/parts_detail/1156cpu_fan2.htm
※ページタイトルに「LGA1150」とあるものの、ページ最上の簡易水冷「Asetek 550LC + Enermax UCTB12P」はCore i 6000系でも同じ型番で採用中。
>通販のシステムはサイコムとは別に用意
関係としては「Corsairと仲の良いSycomと、IN WINと仲の良いEMuがコラボして、在日外国人向けの英語オンリーサイトを開設」という体でしょうか。
OSも英語版しか選べませんし、日本国内にあって英語圏の場所、例えば米軍基地内の家庭なんぞには便利なのでは。サイトを見つけられるかどうかは不明ですが。