NVM Express(以下、NVMe)について。
直訳すると速い不揮発性メモリだけれどもする必要は無く、SSD用として新たに策定された仕様。PC初心者向けと言いたいけれど、初心者が意識する必要は無いと思う為、詳しく知るのは面倒な人向けに解説。
2015年現在なので、未来から来た人は仕様変更に御注意有れ。
NVMe(NVM Express)とは?
公式はこちら。
NVM Express
http://www.nvmexpress.org/
行かなくても死なないので左上のロゴマークだけ覚えておきましょう。今後、NVMe対応SSDには、このマークが付くらしい為。
接続方式の違い
現状のストレージ(SSDやHDD)の接続方式を大きく分けると2種類。
- SATA・・・そのまんまで従来通り主にHDD用
- PCI Express※以下PCIe・・・(SATA Express、M.2、NVMe)
NVMe策定の理由としては、従来のHDD用と言えるSATA接続&AHCIではSSDの性能を活かし切れない為との事。SATAは3では600MB/sが限界にて頭打ちのところ、PCIeで軽く突破し、更に使用するレーン数を増やす事でGB/sの世界へ行こうというもの。
UEFI(BIOS)の対応とドライバが必要
対応するマザーボードが2015年1月頃にMSIから出たというニュースを見たものの、当時のNVMe仕様SSDは一般向けでは無く価格が桁違いにて多くの人が全力でスルーしていたはず。
しかし、最近はインテルやサムスンから一般PC向けとして現実的な価格で発売され始め、マニアな人は既に購入し、ベンチマーク遊びなどに興じられている模様。
当たり前のようにマザーボード側が対応するのは2016年頃からになると思われ、今は時期が悪いというやつでしょう。常に悪いとも言うけれど。
NVMeはコネクタの種類では無い
SATAとIDEのように端子の形状が違うというわけでは無く、M.2用、PCIe直挿し用など様々。
インテル 750シリーズはPCIeスロット用。
source:PCI-Express SSD「Intel SSD 750」の爆速を試す (1/3) - ITmedia
2015年4月発売、400GBで現在の最安は5万円強。
サムスンの950 Proは8cm長のM.2スロット用。
source:サムスン『950 PRO』、256GB版199.99ドルで10月発売 - Engadget
日本では未発売。256GBで約200ドル。
SATA用SSDは512GBが2万円前後まで値下がりしており、256GBは1万円前後なので2倍強くらいの価格ですな。
2.5インチSSDとの違いは接続方法以外、発熱したり消費電力が20Wを超えたりもするようなので、物理的にはHDD感覚で利用するべきか。
NVMeでSSDが本気出すのかも知れない
前出のインテル750シリーズのCDMベンチ結果。
source:価格.com - インテル 750 Series SSDPEDMW400G4R5 レビュー
さすがに速いですな。RAMかと思った。
比較用として、2.5インチSSDのSATA3接続はこのくらい。
source:Z97とXeonとSSD搭載の自作パソコンでベンチマーク - BTOパソコン.jp
SATA3ではRAID 0などの変態仕様で無ければ600MB/sは超えられない。
サムスンの950 Pro、256GBのCDMベンチ結果。
source:「950 Pro」を旧モデルと徹底比較 - GIGAZINE
4Kがインテルほどでは無いけれど中々の速さ。これは256GBの方で、512GBになるとSeq Q32T1のWriteが1,500くらいとなり全体的に高速化。
価格は2倍以上、しかし性能も2倍以上かと言えば、見た目はそうでも使ってみると違うかも知れない件が次。
体感では従来品と変わらない可能性
個人的には、ベンチマークの数値より実用での体感速度を重視するので気になった事がこちら。GIGAZINEの950 Pro記事より。
緑が素のベンチ、オレンジは実用時をシミュレートした数値らしく、従来の2.5インチSSD(850 Pro)と大差無し。
一般的なSATA接続の2.5インチタイプSSDと体感できる差が生じるのは、極めて高いIOロードが要求されるというような特別な環境に限られるだろうと結論づけています。
特別な環境とはどういう場所かの例がこちら。
NVMeはキュー(命令)数が最大32個のAHCIと比べ、最大64Kキューと多くなり、複数のデータアクセスがあるデータセンターなどでは効率よく処理できるようになります。一方で、コンシューマー向けのPCのような用途では実際そんなにキュー数が多くなることはないので、高速化はあまり期待できません。
らしいので、自宅にデータセンターが有るなら買ってみても良さそう。それはもはや自宅とは言わないだろうけれど。
SATA3超えストレージは万人向けなのか?(おまけ)
価格がまだ2.5インチのSATA用SSDと比較し一般向けでは無いと思うけれど、それ以外にシーケンシャル2千とか誰もが必要と言えるのか。
「この速さは体験しなければ分からない(キリ」と言われそうだけれども、私は数年前からNVMe SSDより速いRAMディスクという方式を利用。
しかし、SATA2でHDDからSSDへ起動用ストレージを交換した後に終了。SSDのキャッシュで充分速く、メモリに一時ファイルを作る価値が薄れてしまった為。
ベンチマーク遊びをする人や動画のエンコードを日課のようにこなす人なら価値は有るのだろうけれども、私のようなパソコンを普通に使っているだけの人には無駄に高額なだけでは無かろうかと。
これが主流になるなら徐々にNVMeのSSD価格が下がり、頭を打たれるように2.5インチSSDの値下がりが来ると思われ、そちらの方に期待しております。
>PCI Express
2.0x1でさえ転送速度は1,000MB/s(双方向)ですから、そら速いでしょうね。ちなみにAGPの4xは転送速度1,066MB/sと健闘。
>M.2スロット用
M.2規格でも接続がPCI-ExpressではなくSATAなせいで速度のメリットがゼロになるモデルがありましたから、NVMe表記の恩恵は大きいですね。とりあえずNVMeのロゴがついていれば、1GB/sを超える事は確実。
>比較用として、2.5インチSSDのSATA3接続はこのくらい
私的にはこれで必要十分。
>極めて高いIOロードが要求されるというような特別な環境に限られる
ピュアオーディオでどうぞ。
AV Watch:バッファロー、70万円超のオーディオ用NAS「N1Z」などハイレゾ新ブランド「DELA」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140221_636260.html
オリオリオリオ~ : NAS用HDD ネットワークオーディオ聴き比べイベント
http://oliospec.ldblog.jp/archives/44353213.html
>キュー数が多くなることはないので、高速化はあまり期待できません
こんなSSDを購入する方が実用上の恩恵を期待するはずも無いので、特に問題ないように思います。だいたい300MB/sのSSDから450MB/sのSSDに変えても、ベンチマークソフトを動かす以外に体感差は感じませんし。
先週のPC WatchにもNVMe M.2 SSDの記事があったけれど、速攻買うほどでも無さそうな感じですね。
液漏れトラブルで買ったマザボのコネクタが空いてて勿体ないと思ってたんですが、サウンドブラスター外す程でも無さそう(排他なんです)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hirasawa/20151107_729339.html
高いI/O負荷の状況なら効果があるのはわかるけど、個人のPCだとどんな状況がありうるんでしょう
MOD満載して起動が遅くなるようなゲームとか?
Torchlightに日本語MODやらいろいろと入れた時はSSDでも遅く感じたけれど
システムのイメージバックアップ先なら効果あるような気もするけど、M.2コネクタ2つ必要だし、バックアップ完了をじっと待つこともあまり無さそうなんで意味無いですね w
誰かココに効果があるって提案してくれないですかねぇ