サイコムよりゲームPCの新製品。
特徴はマイクロタワーながらゲーミングPC、そしてCPUのみでは無くビデオカード(以下、グラボ)も簡易水冷となっており、これから出るであろうGTX 1080 TiのOC版には最適な予感。
プレスリリースから参りましょう
デュアル水冷ゲーミング「G-Master Hydro Z270-Mini」
ITmediaより。画像はサイコム公式からパクって来た。
サイコム、ミニタワー筐体採用デュアル水冷ゲーミングPC - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1703/09/news086.html
CPUの水冷クーラーは普通にBTOや自作でもあるけれど、グラボの水冷化は自作ユーザでも手が出しづらい、その理由は改造に技術が必要とか、完成品が日本では滅多に売られていなかったり。
なぜマイクロATXケースにしたか憶測すると、空冷の場合はケース内にヒートシンクやファンがあり風を吸い出すに対し、水冷のラジエーターは基本的にケースに取り付けるのでデカいケース使う必要性が無い為かと。
また、自作ユーザに言わせるとマザーがマイクロATXでは拡張性が、と思うところ、完成品は基本中身あまりいじらない人向けなので問題無いと見たか。
気に入らないなら普通にATX(ミドルタワー)でもダブル水冷あるので、そちらでよろしいかと。
特徴を引用。
グラフィックスカードはGeForce GTX 1070を内蔵。メモリはDDR4 8GB、ストレージは480GB SSDを標準で装備。OSはBTOカスタマイズによりWindows 10の導入が可能だ。
量産系BTOならば、標準構成のグラボGTX1070なのかよと思われるやも知れず。しかしサイコムはパーツ変更前提、変えてもコスパ変わらないところが量産系とは違う。言い換えると量産系でそれやるとボッタクリ価格化してしまう。
ダブル水冷と言えばマウスにも。GTX 1080搭載の最安。
1080仕様のPCは全モデル「入荷待ち」の表記。
これが1080 Ti発売に備えて意図して在庫を切らせたならばフォーキャスト(仕入れ数の予測)相当上手い。
なぜ切らせる必要性があるかは、GTX 1080 Ti発売と同時に無印の1080が値下がりした、するのは予測出来た可能性が高いので1080無印PCは本体価格も下げざるをえない、逆にいうと下げなければドスパラなど競合に値段で負けてしまう。
更に逆にいうと、マウスがマジで在庫ピタリで切らせたならば、ドスパラなどの競合が苦しい、利益を削ってでもマウスに合わせなければならなくなるという。
ところで、GTX 1080 Tiはサイコムかマウスでなければ本来の力を発揮出来ないのでは?という話を次で。
GTX 1080 Tiのオリジナル版は水冷が必要だと思う
1080 Tiと言えばGP102、という表現では10人中5~6人が「?」だと思うので言い換えると、1080 TiはTitan Xの亜種、無印1080の仲間が1070や1060。
1080 TiはTitan Xのクロックアップ版かつメモリやや削り版。しかしそれはファウンダーズエディション(昔の言い方ならリファレンス)であり、3月11日に解禁された1080 TiはNVIDIAの標準設計のまんま。
いずれOC版やファン特盛りバージョンが出ると思われ、冷却が超強化されているならば良いとしても、以前ネタにさせてもらったTitan Xのサーマルスロットリング(高熱になると性能落とす)が気になる。
40度まで冷やした状態でもタイタンさんは1分も負荷をかけるとサーマルスロットリングが発生しています。(中略)
タイタンさんは水冷化前提じゃないと買うのはお勧めできません。熱がヤバい。あとSLI時は終盤ファン回転数が3000RPMを超えましためっちゃ煩いです。
source:真の王爆誕! The Ultimate King 「TITAN X Pascal SLI 水冷化&OC」 レビュー : 自作とゲームと趣味の日々
こちらの筆者殿が水冷並に冷える空冷クーラーを試していないのでは?リファレンスなので冷却しょぼいのでは?SLIだから?などとも考えられなくはないけれど、空冷で50度超えさせないようにするという考えは無茶すぎましょう。
サーマルスロットリング発生状況。y軸はクロック、xは時間で秒。
青の空冷では開始直後からクロックが低下し始め、せっかく1800MHz出るものが1400近くまで低下してしまうという。空冷は1分で85℃到達、水冷は最後まで40~50℃の範囲。
これでは何のために超の付く高性能グラボを搭載したのか解らなくなってしまい、クロック低くても良いなら最初からランク落とした1080以下でも良くなってしまいそう。恩恵はメモリ多いとかクロック以外の部分のみに。
高性能ゲームPCはマウスとサイコムが良さそうな件
ここ2~3年でBTOメーカーの方針など変わったのか、量産系ではマウス以外これと言えるようなプレスリリースが目立たず、元気があるメーカーもマウスくらいな印象。
自作代行はサイコム以外が比較的小さめなショップばかりなので、ニュースばら撒くほど人手や予算が足りないのか、または口コミだけでやって行けているのかな感じ。
ゲームPCはまず大抵が分離型デスクトップPC、自作しないならほぼ自動的にBTOパソコンになるはずなので、量産系BTO各社はもっと宣伝しても良さそう。
以下、私の主観。
- パソコン工房・・・元からゲームに力入れていない感
- マウス・・・全般的に構成が上手くゲームPCにも強い
- ドスパラ・・・ゲームタイトル推奨モデル垂れ流し程度
- DELL、HP・・・海外向けデザインな為国内でうけない
- ツクモ、フロンティア・・・プレスリリース滅多に見ない
- サイコム・・・上手くOEMを採用しており年々良くなる
2択ならば簡単、仕様とかカスタマイズが良く解らないならばマウスの標準構成、自作面倒とかでフルカスタマイズ前提の予算後回しならばサイコム。
なぜ予算後回しになるかはパーツ変更前提になる事が多く、盛って行くと予想外に高くなってしまうパターン。そこからメモリとHDDとDVDドライブは持っている物は全部外す、OSもあるので要らない、のように削る、半自作な辺りが量産系との違い。
また、サイコムが他の組立代行系BTOより有利な点は、おそらく規模が中途半端に大きくなっており、3~4年前からOEMと思われるパーツがちらほらと。
上の明るい部分のように、「サイコムオリジナル」とか「サイコム専用」など書かれていたならOEM(パーツのメーカーがサイコム用に量産)の可能性が高く、個人的にもおすすめ出来るものばかり。
サイコムの中の人はセンスが良く、安いながらも良いものを感がありのまま過ぎて感心するレベル。そのサイコムが選んだパーツ、OEMならば製造コストが比較的安いはずなので選ばなければ損、は言い過ぎか。
他にも、以前は電源がオウルテックかコルセアだったかのOEMな時期もあり、珍しくダサくないPCケースのフラクタルデザインとも提携している予感。いや、知らないけれど。
ノートPCはMSI、のように比較的小さなショップやメーカーには出来ないレベルが出来てしまう組立代行系がサイコムと見ております。
普段は、「パソコンはメーカーで選ぶものではない(キリッ」と書いているけれど、ゲーミングPCならばマウスのG-Tuneコーナーかサイコムおすすめ。
GTX 1080 Ti搭載のダブル水冷が出たならば、ゲーミングPC市場はこの2メーカー有利だと思う。
ちなみにマウスは違うけれど、私のサイコム贔屓は昔からなので話半分にしつつ眉に唾をつけてどうぞ。
>高性能ゲームPC
GTX 1080 Tiを主軸にしたハイエンドPCですと、25万円前後が相場ですかね。サイコムで他の構成をケチれば20万円を下回る事も可能ですが、ゲーミングPCとしてはイマイチな構成になりますし。
>ダブル水冷と言えばマウスにも。GTX 1080搭載の最安
GTX 1080搭載で電源容量が500Wとは、さすがPascal。画像の最安ながらi7の構成でも、恐らく最負荷時の消費電力は300W程度のはず。
>サーマルスロットリング
ベンチマークは実ゲームより負荷が非常に重いですから、実際のゲーム環境で排熱が追いつかない事態にはそうそう陥らないとは思うのですがね。実際のゲームをプレイすると、負荷が掛かる度にクロックが落ちてまともにゲームを遊べない、という不良品レベルのカードを、今のNVIDIAが出荷するとは思えませんし。
>ドスパラ・・・ゲームタイトル推奨モデル垂れ流し程度
少し驚いたのですが、軽さで有名な「ラグナロクオンライン」で、最高価格が「219,980円(税抜)」のPCがあるのですよね。
動作環境(公式の推奨環境は無し)
CPU:Pentium 4の3.0GHz以上、Athlon 64の3500+以上
RAM:1GB以上
GPU:128MB以上のVRAM搭載のグラボ
HDD:2GB以上の空き
219,980円の構成
CPU:Core i7 6700K
RAM:8GB
GPU:GeForce GTX 1080
SSD:500GB
HDD:2TB
ドスパラ:ラグナロクオンライン 推奨PC
http://www.dospara.co.jp/5shopping/search.php?cate=tg13&tc=159
推奨ってどういう意味の言葉だっけ、と思うハイスペック。