株式会社イードによる、タブレット利用の考察と調査。
当サイトでも総務省のデータを見て感想文は以前やったけれど、イードでは違う視点でグラフ化されていたり、独自でタブレットに関する調査結果も追加されており、中々面白かったので紹介。
先に総務省のデータ分析から。
ソースはこちら。2015年9月公開。
タブレット市場を読み解く(1) 利用率が高いのは意外な層 – U-Site
http://u-site.jp/survey/tablet-market-1
後編も有るらしいけれど、私が今これを書いている9月末の時点ではまだ出ていない為、前編のみで突っ込んで行く次第。
ちなみにリンク先ページに有る resemom.jp というサイトへのリンク。飛ぶと音の出る広告が自動再生されたので御注意有れ。
総務省のデータで見るネット端末利用推移
この発想は無かった。端末別で過去4年間の推移を出されております。
U-Siteより。
まだ自宅PC利用率の方が高いものの、逆転するのは時間の問題と言えそうです。よく言われているように、今後、スマートフォンがインターネット接続のメインツールとなっていくことは、このデータからも明らかでしょう。
グラフは素晴らしい割に馬鹿らしい感想文。
上の数値は100%を超えているのだから複数回答。PCとスマホとタブレットとゲーム機でネットを利用する人は全てに各1票入るわけで、PCのみ、スマホのみ、のように分けて考えるべき。
よって、相対的に「の方が」という表現はおかしい。しかし、メインツールという言い方は有りだと思う。実際にパソコンの減少はスマホなどで事足りる人が居るのだろうから減っているわけで。
素のグラフも良いけれど、もう一つの見どころは増減率の推移。24-23年度の「-」は、「~」では無く引き算。
パソコンは安定しているのかブレが出ているのか、4~6%の範囲で減少。スマホとタブレットは増加傾向には有るものの、その増加率は年々減っております。
アルティメット皮算用すると、平成27-26年度はスマホの増加率は5.8%より低くなり1%くらいの伸びと予想。タブレットはまだ伸びしろが有りそうだけれども、次の引き算では3.0%を切り1~2%くらいになるのでは無かろうか。
IDCなどに任せると、所有率や出荷台数が青天井に伸びて行くファンタジックなグラフが掲載されるけれど、需要が満たされて行けばいつかは飽和状態になるわけで。
出荷数がいくら伸びようとも、それは機種変更などでスマホ->スマホしている人が含まれており、ガラケー->スマホとは限らない、要するに普及率とは直結しない。タブレットも未所有->所有とは限らない。
スマホの出荷が減少というニュースは珍しくも無いので省略し、IDCが出した2015年度の第2四半期(4~6月)の国内タブレット出荷台数は、
- 前年同期比13.4%減の169万台
- 家庭市場向けは、前年同期比26.0%減の115万台
- ビジネス市場向けは、前年同期比35.0%増の54万台
source:2015年第2四半期 国内タブレット市場実績値を発表
U-Siteが元にしている総務省の調査結果グラフは家庭市場なので2行目の方。法人の増加を抑えるほど減少しており、全体を減少傾向へと導いております。
私の解説を信じつつU-Siteの本文を読むと、何言ってんの?感が凄くなり面白いと思う。こことか、本当に利用率伸びるのか?感。
徐々に利用率を伸ばしているのが「タブレット型端末」です。
話は変わり、年代別+経年推移のタブレット利用率。
リンク先より引用。
今や3割以上の小学生がタブレットを使っていることが分かります。この背景には、「学習用タブレット」の普及が考えられます。
これまた本当に?と思った理由は、ソースがここらしい為。
(文部科学省では、「2020年度までに児童・生徒1人1台の情報端末整備」を目標に掲げています)。この層がタブレット市場を牽引する存在であることは間違いないでしょう。
学校で使うタブレットは総務省の調査で所有しているとは言えないわけで、関係無いでしょう。ソースになっていない。
しかし、家庭教師屋だったかがタブレットを家庭へ配布し、子どもがそれを使いネットを介して教育しているという話は事実。それならば家庭で所有している、12歳以下の子どもが保有している、と言えるものの、そこまで普及しまくっているとは思えない。
ソースは私になるけれど、おそらく親が使わなくなったタブレットを子ども用にしたとか、スマホを持たせるわけにも行かないのでクソ安いAndroidタブレットを子ども用に購入したとか、そういう理由で数値が上がっているのでは。
家庭での教育用ならば13~19歳、中高生ももっと高くならねば不自然。なぜ高くならないかは、最近は中学生辺りからスマホを持つ子どもも居り、高校生になるとスマホ所有率は軽く5割を超えるという調査結果をどこかで見た。
学習用ならばスマホの所有は関係無し。中高生が小学生以下の年代よりタブレット保有率が低いならば、それはスマホが有るからだろうと。
というわけで、お前は何を言っているのか?状態になる箇所はここ。
学習用タブレットは通信教育事業者や学校・塾から付与・貸与(中略)
こういった意味で、学習用タブレットは「B to B to C 市場」であり、タブレット市場を読み解く場合、「B to C 市場」とは分けて考える必要がありそうです。
総務省の調査とは関係無い勘違い、または妄想。但し、調査される側の家庭が借りているタブレットを保有していると解釈しているなら合っております。
まさか、佐賀県立高校タブレット強制購入事件の事を言っているのか。
詳しくは知らないけれど、もし家庭教師屋のタブレットが3年契約のような借り物で、最後まで月謝を支払えば3年後に所有者が客になる、とかなら保有の定義が曖昧ですな。
タブレット利用者と非利用者の考え方の違い
ここからはイードによる独自調査。タブレット保有/非保有別で用途。
解り易い。ちなみに私はタブレット保有者。
タブレットを持っている人は自宅で使っている率が高め。しかし持っていない人は主に移動中に使おうとしており、自宅より外出や移動の数値が高め。
タブレットはモバイル端末と思っていたけれど、実は室内で使う物だったと、所有して初めて気付く人が結構多いわけですな。私がそう。
文字で見る7インチ、300~400グラムは小型で軽い印象が有るけれど、実際に携帯し移動しようと思うと結構重いしデカい。ポケットに入る大きさでは無く、入ったとしても重量が有るので移動中はかなり邪魔。
リンク先ページの下の円グラフを2行にすると、7割がキャリア回線無し、有りは3割を切っております。
- Wi-Fi専用・・・70.2%
- SIMカード入り・・・27.5%
ドコモの窓口で騙されてタブレットを契約し、2年縛りが解けて更新せずWi-Fi専用にしている人も居るでしょうな。
その回線別での用途の違い。
SIMフリーの知識が有る人は両刀、セルラーはWi-Fi専用とSIMフリーの中間。意味が判らない所は移動中のWi-Fi率が高過ぎ。この調査の回答者達は真面目に答えているのか疑えてしまう。
「ゲーム(または艦これ)」も入れてみて欲しかったけれど、IDCの調査ページに有るマイクロソフトの出荷シェアが全体の7.2%なので、
他のメーカーも多少はWindowsタブレットが有るとしても、提督率はそう高くは無さそうですな。
タブレットという端末は本当に必要か?(まとめ)
漠然と言えば、
- 人や環境による
- ネットの用途による
- 所有している端末による
で終わってしまうのだけれども、具体的にすると、
- スマホを持っていない
- スマホのプッシュ通知がウザい
- スマホの画面サイズでは小さ過ぎ
- パソコンでは大げさになる利用目的
- パソコンが手元に無い場所での室内利用
これらの条件がいくつか当てはまるなら、タブレットの必要性は上がると感じております。しかし、上記を逆にすると、
- スマホを持っている
- 通知は特に気にならない
- 画面サイズ4~6インチ上等
- パソコンが有るなら他の端末不要
- 室内ならパソコンは常に手元に有る
私を例にすると1以外は全て該当しており、もしSIMフリーのスマホを手に入れたなら再び7型タブレットはコールドスリープへと移行するはず。(現在はドコモSIMでほぼLINE専用)
タブレットの難点は、モバイルには向かず、パソコンほどの事は出来ず、但し他の端末と比較し格段に安く、手軽なところは利点。
Androidは以前から、今やWindows 10仕様のタブレットでも1万円で釣りが来る時代なのだから、冗談で1台購入して見ても良さそう。特に子どもが勝手にスマホを触るとか、ゲームをやらせろとうるさい家庭ならばお勧めかも知れない。
というわけで、12歳までのタブレット利用率がやたら高いのは、
- 大人:スマホとパソコンを所有するとタブレットが不要になった
- 子ども:不要なタブレットを与える、安いので割れても痛くない
今後、タブレット需要が頭打ちになると同時に、子どもなら画面を割ってくれる可能性が高く、大人のスマホ普及率が上がると白ロムが大量に余り始めると思われ、タブレット普及率は近い将来下がり始めると見ております。
スマホの普及も緩やかになって来た為、2017年頃が天井と予想。
まさにw
ウチではタブレットは完全に子供用になっております。
ペアレントコントロールソフトをインストールして、ゲームでもTV番組の再アップ鑑賞用でもようつべ実況も子供はタブレットで済まさている模様
(ウチにはTVがないので)
確かに、自分のパソコンを持つようになると、(無償譲渡ともいう)タブレットは使わなくなっていきました。
外ではスマホ、家の自室ではデスクトップPC&LaVie、リビングでは共用dynabookというスタイルになってしまいました。
iPad miniとiPad3が埃をかぶってるwwww
>私を例にすると1以外は全て該当しており
私は全て該当しているのでタブレットは不要ですw 使い分けはこんな感じですねw
デスクトップパソコン→自宅
ノートパソコン→職場、ホテル
スマホ→外出先(街中、電車内など)
ところで先日メトロに乗ったらJR東海の新幹線の広告映像が流れましたw 一瞬「他の鉄道会社の広告を流してもいいの?」って思いましたが、メトロと新幹線はすみ分けができているので問題ないですねw
メトロ→大都市内短距離移動用
新幹線→都市間長距離移動用
これと同じようにパソコンとスマホも向いている用途が違うw つまり「パソコンがあればスマホは不要」っていう考えは「メトロがあれば新幹線は不要」と同じw 「メトロがあれば新幹線は不要」って人は大都市内で短距離移動しかせず、長距離移動はしないんでしょうし、「パソコンがあればスマホは不要」って人はスマホで済んでしまう用途しかしないんでしょうw
私がタブレットを使う機会は、車に取り付けてカーナビ利用以外だと、
・電車で移動中
・就寝前に寝転がって
くらいですね。9割はブラウザで情報収集、1割はゲーム。ただし有料のゲームでも、2日あれば飽きる模様。
>出荷数がいくら伸びようとも
>普及率とは直結しない
出荷数と販売数(契約数)も直結しませんしね。書籍における、発行部数>販売部数の関係と似たようなもの。
>2020年度までに児童・生徒1人1台の情報端末整備
>この層がタブレット市場を牽引する存在であることは間違いない
風が吹けば桶屋が儲かる、的な見方をすれば
子供のうちからタブレットに触れる→タブレット端末への親和性が高くなる→後々タブレット端末を購入しやすくなる
という関連性も無いことは無いかと。「間違いない」と断言できないことは間違いない。
>クソ安いAndroidタブレットを子ども用に購入した
1万円以下だとかなりの低スペックなため、文句が多くなりそうです。1.2万円でギリギリ。個人的には2万円以下で買える、Google謹製 Nexus7(2013)のWi-Fiモデルが良さ気。ゲームをプレイするなら、Androidであってもメモリは2GB欲しいところ。
>タブレットはモバイル端末と思っていたけれど、実は室内で使う物
室内というよりは屋内、でしょうか。部屋の中、電車の中、車の中、オフィスの中。
>7割がキャリア回線無し、有りは3割を切っております
同じスペックのタブレットだと、SIMフリーとWi-Fi専用で1万円くらいは価格に差がでますからね。初めての1台ならともかく、自宅にPCなり携帯用にスマホなりがあれば、タブレットはWi-Fi専用機として使う方が多そう。ただし、特にスマホのテザリングでタブレットをネットへ繋いでいるなら、多くの方は「スマホで良いじゃん」になるでしょうが。
>回線別での用途の違い
SIMフリーのタブレット利用者………75人
Wi-Fiモデルのタブレット利用者……782人
この時点であまり意味のある比較とは思えず。
>タブレットの必要性
私は「スマホ=小さい、持ち歩く、出してすぐしまう」に対し「タブレット=大きい、出したらしばらく使う」ですから、入れるアプリを変えて住み分けしていますね。具体的には
スマホ…………メッセンジャー、スケジュール管理、メモなど主にビジネスと実用性
タブレット……ゲーム、動画系、ニュース系、読書系など主に娯楽目的
という分け。Windowsもそうですけれど、スマホというよりAndroid、AndroidというよりAndroidアプリを利用している感覚ですから、大きさの違いは用途の違いとして、使い分けるのが便利です。自宅のPCと同じレスポンスで動くなら、持ち運べるWindowsタブレット、Windowsスマホも便利そうですがね。