株式会社KOUZIROが2013年7月15日に解散。
KOUZIROは、FRONTIERブランドでBTOパソコンを販売していたヤマダ電機の子会社で、現在もフロンティア・ブランドやPC販売は残っているものの会社としては消滅。メールにてタレコミ頂戴、有難う御座います。
どうなったのか適当に見て参りましょう。
FRONTIERはインバースネットが継承
フロンティアのトップページを見ると、重要と書かれたリンクが目立つ位置に出ておりました。リンク先ページのスクリーンショット。
要点を引用。
インバースネット株式会社は、株式会社KOUZIROの解散に伴い(平成25年7月15日 親会社 ヤマダ電機に簡易吸収合併の為)、平成25年7月16日より、そのPC事業を引き継ぐ
組織の再編でKOUZIROは解散し会社としては消滅。ヤマダ電機はKOUZIROと比較し規模が大き過ぎるので簡易吸収合併。事業としては、ヤマダ電機の子会社であるインバースネットがやるという。
KOUZIROは元から100%ヤマダ電機が出資していた子会社で、会社としての存続が難しい、要するに経営状況が悪かったので、やめたという意味でしょう。
会社概要もKOUZIROの社名は消えており、インバースネット株式会社へ。
インバースネットの公式サイトはこちら。
パソコン買取|PC買取|中古パソコン販売|インバースネット株式会社
http://www.inversenet.co.jp/
インバースと言えば秋葉原のショップインバース。個人的には中古PC販売というよりジャンクのイメージが強いイメージ。
会社概要を見ると2003年にヤマダ電機と業務提携、同時期に資本提携しており、役員(平取)はヤマダ電機の関係者がずらり。
KOUZIRO解散後のフロンティアの通販は以前との変化は特に見られず、普通に販売しているご様子。
細かい所なものの、フロンティアの通販サイトのドメインも変わっております。
- 旧:frontier-k.co.jp
- 新:frontier-direct.jp
~co.jpドメインは企業用なので変更したのでしょう。
なぜKOUZIROは解散したのか?
私の主観なので推測や予想というより憶測に近いけれど、当サイトを始めて4年以上BTO PCメーカーを眺めていた者として5つ。
1.競合他社より価格が高かった
昨年からは以前と比較し安くなり、マウスやドスパラなどに近い価格まで安くなっていたけれど、それまでは異様に高く、エプソンダイレクトほどでは無いとしても2割くらい高額に設定されていた印象。
KOUZIRO(神代)はBTOパソコンとしての歴史が古く、昔はNECなどと比較すると激安だったのかも知れないけれど、ドスパラなどの競合他社が大きくなり、ヤマダ電機の子会社になった辺りからは経営状況がよろしくなかったのでしょう。知らないけれど。
2.販促活動が少なく宣伝不足
私が当サイトでBTOパソコンをネタにする際、各メーカーやブランドの通販サイトを見て来ているわけでは無く、主にプレス(ニュース)リリースを経由しております。PC WatchやITmediaなど。
リリースが比較的多いメーカーやブランドは、2013年現在はユニットコム(パソコン工房やフェイスの会社)がダントツ。次いでドスパラ、マウスの順。フロンティアもリリースは撒いていたけれどサイコム並に少なく、あの規模(2~3年前の決算で確か売上60億くらい)としては宣伝不足。
3.相対的な知名度の低下
私はNEC信者(98奴隷)だったので昔の神代時代のDOS/Vパソコンを知らないけれど、山口県から全国へカスタマイズPCを販売していた頃は有名だったのでしょう。
当時はインターネットが一般に普及しておらず、販路は主に雑誌や新聞広告からになるはず。インターネットが普及し、簡単にオンラインで通販が出来る時代になり、更に自作が趣味になりBTOパソコンというジャンルが確立した辺りまでの努力が足りなかったのかと。
4.営業利益の時点で赤字
ヤマダ電機の告知より。KOUZIROの今年2月、最後の決算。
source:http://www.yamada-denki.jp/ir/pdf/press/2013/130613.pdf
資産は飛ばし、売上高と下2つを御覧有れ。
売上42億円は昨年5月に破産したクレバリーと同じかやや多めなくらい。上で書いたけれど、数年前に約60億が42億は3割もの減少。
営業利益は、売上からパーツ代や輸送費、その他人件費や宣伝費などの経費を引いた後の儲けの事で、この時点で既に3億7千5百万円の赤字。月にするとおおよそで、3億6千万円売り上げ、3千万円の赤字を出しており、利益率-16.7%というわけのわからなさ。
更にわけが解らないところは経常利益で、6億8千万の赤字。仕入れが米ドル決済とするなら円安による為替予約の影響での損失か。または銀行から億単位の長期借入でも有ったのか。
いずれにしても、毎月3千万円もの赤字を出し続けてまで存続させる意味は無いでしょう。ヤマダ電機の利益率を仮に10%とするなら、毎月3億の売り上げを潰しているようなもの。
5.経営者のやり方に問題?
以前の経営者がどうなったかは知らない為、クビになった(引退した)と考えて個人名は出さないけれど、フルネームで検索すると、KOUZIRO最終の元社長は以前ソーテックの社長もやっていたようで、その当時のインタビュー記事が某所に残っておりました。
ソーテックは現在オンキヨーが吸収しておりブランドは消滅。KOUZIRO元社長がソーテックを潰した、経営に問題が有ったと考えても不自然では無いでしょう。
今後の改善に期待するも事業縮小か?(予想)
運営会社が変わった事で、今後は価格をパソコン工房やマウス並に引き下げたり、宣伝にも力を入れるかも、と思ったけれど事業を縮小し最終的にはフロンティアブランドが完全に消滅すると予想。
現在はパーツの在庫をBTOパソコン販売で現金化、またはツクモの通販へ移管中と考えるが妥当かと。
量産系(大規模)BTOパソコン屋の破産や解散はこれで3社目。
- 2008年10月・・ツクモが破産>翌年1月ヤマダ電機の子会社へ
- 2012年5月・・クレバリーが破産>消滅
- 2013年7月・・KOUZIROが解散>同時にヤマダ電機が吸収
KOUZIROが無くなり、今後フロンティアが無くなったとしても、修理はインバースネットやツクモがやると思われ、そういう意味では神代PCユーザは安心かも知れない。
但し、3年保証は依然として消えた状態。完全に潰す前提なら、今更フロンティアを選ぶ理由も無いでしょうな。
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