ツクモがウルトラブックを販売中。
パソコン工房のSSD+HDDデスクトップに続き、ツクモはノートでダブルストレージ可能なPC。可能としている理由は、HDDを標準で搭載せず増設可能という意味なので最初から付いてはおりません。
PC初心者向けで参ります。
ツクモのSSD+HDD(SSD)搭載可能ウルトラブック
レビューのような広告と思われる記事をアスキーより。
ツクモ初の薄型軽量ウルトラブックはSSD+HDD同時搭載も可能!
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/156/156918/
発売は4月頃。アスキーがベストセレクションと称した宣伝をやらないかとツクモへ問い合わせ、それを受けたと予想。
違うかも知れないけれど、ベストセレクションの割には4月から延々と台数限定の外付DVDドライブブレゼントをやっており、既に3ヶ月が経過しております。オマケが一体何台有るのか、または本体が売れていなさすぎるのか。
ツクモの公式より写真を拝借。
見た目は閉じるとHP(ヒューレット・パッカード)製品、開くとAcer(エイサー)のような印象。私には良く分からないけれど、BTOメーカーのノートにしてはデザインは良い方と感じております。
また、約7万円という安さのウルトラブック(無理に薄くした設計)の割に性能は悪くは無く、コスパ良好。
- OS:Windows 8 または Windows 7 Home Premium
- CPU:Core i5-3337U(1.8-2.7GHz、2コア/HT、3MB、TDP17W)
- グラフィック:インテル HD グラフィックス 4000 ※CPUに統合
- メモリ:4GBx1(PC3-12800 DDR3 SODIMM) ※空きスロット0
- SSD:128GB(mSATA)
- モニタ:14.1型ノングレア液晶(解像度:1366x768)
- 有線:USB2.0x1、3.0x1、ギガLAN対応 など
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
- バッテリ駆動:6時間 ※JEITA測定法
- 重量:1.6kg
- 厚さ:1.9mm
- その他:USB外付けDVDドライブ(ASUS SDRW-08D2S-U/LITE)
OSは今でもWindows 7が選択可能というか、ツクモのカスタマイズページでは7のHome~が標準構成。
CPUは省電力なIvy Bridge(第3世代Core iシリーズ、1世代前)で、ノートPCの中では中の上くらいの性能。グラフィック機能はCPUの中に入っております。
メモリ4GBはケチったのか、7万円では無理が有るのか今や少なめ。しかしウルトラブックという事を考えると、他社の製品も4GBが多いので比較的に悪いとは言えず。
SSDは128GBのmSATA。mの付くSATA接続SSDは、ノートに良く見られるSSDで、基板のみの小型で薄い物。性能は普通サイズとだいたい同じでやや高額になるもの。
現物の写真をアスキーより。
メーカーはhynix(ハイニックス)。韓国の有名なメモリ製造企業で、昔からソニーやNECなど以外、BTOパソコンメーカーや自作PCでも使われるメーカー。SSDも作っているとは知らなかった。
調べると現在128GBのmSATAは1種類のみ、仕様はこちらの右端の列。
source:SK hynix
シーケンシャル(連続)のReadは優秀、Writeがやや低めなものの充分な速さ。ランダムも読み書きはやや低いものの、体感では分からないレベルの速度差でしょう。
このような数値よりアスキーの実測の方が分り易い。
起動時間計測ソフト「BootRacer」で確認したところ、電源OFF状態からログイン画面表示までが7秒、ログインからデスクトップ表示までが6秒と、やはりその高速さが分かる結果となった(数値は3回計測の平均)。
Windows 7でこの速さはHDDでは不可能。具体的にはHDDの半分くらいの時間で起動しております。SSDはこのくらいにして次。
モニタは14.1型と大きくも小さくも無く、この大きさならHD解像度はバランスが良いと思う。また、ノングレア(非光沢)も反射しないので個人的に評価が高まるポイント。
USB3.0有り、有線LANのギガ対応はウルトラブックにしては上等。最近は無線のみとかなめた仕様も有る為。Bluetoothも必要なら最初から内蔵はスマート。
バッテリ駆動6時間は使えなくも無し。但しJEITA測定なので実際は5時間切れると思った方が良さそう。
重量1.6kgは重くも軽くも無く、厚み1.9mmは薄いけれどウルトラブックにしてはやや厚め。今ならというか3ヶ月前から数量限定のDVDドライブおまけ付きもコスパに貢献。
ケチの付け所が無く、価格が分からないノート本体部分(ベアボーン)以外の総額は私の脳内価格コム最安合計で5万円強。ベア2万円未満はおかしい程の安さ。逆に安すぎて怪しめるほど。
送料が約2千円かかるけれど、ツクモの2千ポイントが入るので相殺とするなら、実質7万円でこのウルトラブックが購入可能。
最大の特徴かも知れない、2ストレージにする方法を次で。
HDDやSSDを増設する方法とこのノートが妙な所
増設出来るストレージ(ここではHDDやSSDの事) は、SATA接続、2.5インチ、厚さは不明。仮に標準的な9.5mm厚で行けるとしましょう。
取付はアスキーが実際にSSDを突っ込んでいるので画像にて。
黒いSamsungと書かれた物がSSD。
そのSSD左奥にチラ見えしている緑の基板と黒のコネクタが接続部分で、そこに差し込むだけのはず。
ノートPCを分解して増設と言うとハードルが高そうに思えるけれど、ノートでは最も簡単と言えそうな増設がストレージ。
私は現物を見ず想像で書いている為、鵜呑みはしないように。
ツクモでこれに合いそうなHDDを探してみる
このノートを購入すると漏れ無く2千ポイントをゲットしてしまう為、せっかくなのでこれを使ってHDDを購入すると想定し探してみましょう。
ツクモのトップページに検索機能が有るので「検索オプション」をクリック。
タブを「PCパーツ」にしてカテゴリを「2.5 Serial ATA」とし、キーワードへ「sata」と入力。キーワード空白は駄目らしく2文字以上必要な為。で、「検索する」ボタンをクリック。
ツクモは5千円以上で送料無料。という事は、2千ポイントを足して7千円以上の物を探せば送料無料ラインを突破。
マニアからの評価が高いHGST製品がございました。何と1TBも増設出来るようで、ポイント値引きで5,170円。
ツクモはパソコンはやや高いけれどパーツは最安設定が多め。念のため価格コムで最安をチェック。
source:価格.com - HGST 0S03509 [1TB 9.5mm]
文句ございません。そして、 約7.5万円でこの構成は良いと思う。
- OS:Windows 7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i5-3337U(1.8-2.7GHz、2コア/HT、3MB、TDP17W)
- グラフィック:インテル HD グラフィックス 4000 ※CPUに統合
- メモリ:4GBx1(PC3-12800 DDR3 SODIMM) ※空きスロット0
- SSD:128GB(mSATA)
- HDD:1TB
- モニタ:14.1型ノングレア液晶(解像度:1366x768)
HDDは1TBも要らない、SSDの方が良いけれど安く、という事なら、TLCかつやや低速なもののSamsungの840シリーズが120GBで約8千円。
OSはバックアップしないとするなら、高速なHynixの128GB SSDを通常利用し、Samsungの840 SSDをバックアップ用とするなら、このウルトラブックは凄く良いと思う。いや、私がバックアップマニアなのでそういう評価。
ツクモのウルトラブック、N140シリーズの気になる所
気になる点がいくつかございます。
- 延長保証に対応していない
- 見た目やコスパなど良い割に売れていなさそう
- なぜツクモのカスタマイズに「ストレージ増設」が無いのか疑問
延長保証の非対応は故障し易いという意味では無く、おそらく修理費用が高額でツクモ側の割に合わない為と推測。まとめで書くけれど、ウルトラブックは修理費用が高くなりがち。または本体丸ごと交換なのかも知れない。
2つ目の疑問は、これだけ何の問題も無く良さそうなノートの割に、4月から延々と数量限定の謎。ASUSの外付ドライブが余っていて、Windows 8非対応だから限定と称して処分しているのかも知れないけれど。
そして最も気になる事はカスタマイズ。
項目が少ないという意味では無く、なぜストレージの増設が出来ないのか。挿せば良いだけで数千円の利益を出せる上、このノートの特長を生かしていないでしょう。
オンライン・カスタマイズのシステムとして、ノートPCで2ストレージが無いとかそういうオチかも知れないけれど、そうでは無いとするなら何故やらないのか。
もしかして出来ないのでは?と勘ぐってしまった理由はアスキーの写真。
この写真を見ると、SSDの高さがノートの底面とほぼ同じに見えてしまう。このSSDの厚みは7mm、2.5インチHDDは通常9.5mm。
まさか9.5mmにするとフタが閉まらないとか、そういうオチは無いとは思うけれど、ツクモのページでストレージ増設用の空きが有ると書かれていない事も気になる。私の見落としかも知れないけれど。
ちなみに増設は出来たとしても自己責任。改造になる為、修理依頼時は取り外して出しましょう。
ツクモが答えてくれるか分からないけれど、増設前提でもし購入するなら事前にメールで「2.5インチストレージの増設スペースは9.5mm厚に対応しているか」を確認した方が良さそう。電話は証拠が残らないので必ずメールで。
しかしこのノート、2ストレージにして79,800円でヤマダ電機の店頭で売れば、相当良い線行くと思う。Windows 7仕様で。
2013.07.20追記:当記事の公開翌日にSSD+HDD標準搭載、79,980円にて新発売とのニュースリリース。
TSUKUMO、SSD+HDD構成で約8万円の14.1型ノート - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130719_608227.html
ツクモの店頭以外に池袋のLABIでも販売するようで「プロジェクト・ホワイト!きさま!見ているなッ!」と思ったけれど偶然でしょうな。意味不明失礼。
ウルトラブック型ノートPCが微妙と思う理由(まとめ)
ツクモの今回の製品はメモリが外せそうとか、CPU違いの同じベアボーン(ノート本体部分)が有るのでCPUもオンボード(基板に溶接)では無さそうなものの、多くのウルトラブックは何かとくっついております。
ウルトラブックで良く有ると思う構成は、マザーボード+CPU+メモリ、これらが全部一体化している設計。
何がまずいかは、意外と故障し易いメモリが不具合を起こすと、メモリ交換出来ずマザーやCPUまで丸ごとセットでの交換修理になり、3千円程度のパーツが交換出来ず修理費用が3万円以上になってしまう事。
3万円以上はパーツ代のみで言っており作業費は別なので、BTOメーカーならプラス1~2万、NECなどならプラス2~3万は追加。
製造とPCメーカーの契約が分解修理不可なら本体丸ごと交換になり、1年以上経過後は買った方が安く高性能になるなど、使い捨てになる可能性大。
パソコン工房やマウスのような分厚いCLEVOのベアボーンなら、2台有れば私でも自宅の工具でマザーボードのみ交換とか出来るけれど、ウルトラブックは分解出来ない部分が多く、専門的な技術が必要になる事も修理費用が高くなりそう。
大して高額ではないし薄くてかっこいいから買ってみた、は良いけれど、修理する時の事まで考えてみましょう。
ツクモのウルトラブックは保証が1年で延長不可。ソニータイマー(保証が切れた直後に故障する仕掛けの都市伝説)のような壊れ方をすると、かえって高く付く事になるやも知れず。
ノートPCは薄いとか小さくなるほど内部の構造に無理が出る為、インテルのウルトラブック戦略に惑わされぬように。
深読みし過ぎと思うけれど、CPUがオンボードになった方がメモリやマザーの故障でCPUも一緒に故障扱いになり、販売数が増えるので、インテルはウルトラブックという規格を推しているのかも知れない。
違うかも知れないけれど、実際そうだと思う。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン