パソコン工房より安めなウルトラブックが発売。
ウルトラブックはインテルがハードルを設定しており、本体の厚み制限やバッテリの長時間駆動、休止状態から早く復帰、WiFi必須などが存在。それらの為に高額になるかと言えば価格は10万円以内を推奨する上手い縛り。
レサンセの新ウルトラブックを適当に見て、後で安物ノートと比較。
ユニットコムのウルトラブック新製品は約6万円
リリース記事は簡潔で見易いPC Watchより。
【PC Watch】 ユニットコム、Ivy Bridgeになった59,980円14型Ultrabook
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120827_555591.html
14型の薄型ノートで約6万円。
見た目は黒一色でこれが良いと思うか否かは個人の趣味と思うけれど、LCDのベゼル(枠、ふち)が細めな辺りはBTOメーカーのノートにしては良い方かと。
パソコン工房は以前も似たようなウルトラブックを出しておりますが、発売は3月頃なのでCPUはSandy Bridge搭載。今回のウルトラブックとの大きな違いはCPUやチップセット以外にUSB3.0が無かった事。
パソコン工房のLesanceウルトラブックSSD搭載で約6万円
https://bto-pc.jp/select/lesance-ultrabook-ssd-6.html
見た目や価格は同じでも中身は違い、新ウルトラブックの主な仕様は
- OS:Windows7 Home Premium SP1 32bit/64bitセレクタブル
- モニタ:14型ワイド非光沢液晶(解像度:1366x768)
- CPU:Core i5-3317U(1.70-2.60GHz、2コア/HT対応、3MB)
- マザー:インテル HM76 Expressチップセット搭載
- メモリ:4GBx1(PC3-10600) ※空きスロット0、最大4GB
- グラフィック:インテル HD グラフィックス 4000 ※CPUに内蔵
- SSD:64GB ※起動ドライブ
- HDD:500GB
- 光学式ドライブ:無し
- LAN:無線 IEEE802.11b/g/n、有線 1000BASE-T対応
- その他:USB3.0x1、USB2.0x2 など
- バッテリー駆動:約5時間20分 ※JEITA測定
- 厚み:19mm ※突起物含まず
- 重量:約1.67kg ※バッテリ含む
OSのWindows7は普通にHome~なものの、セレクタブルになっており再インストール時は32bitも選択可能。今回もDSP版では無くOEMという事でしょう。
予想になるけれど、マイクロソフトとのOEM契約なら大量生産が前提。ユーザは32/64bitいずれも手に入り、メーカー側はDSPより安く仕入れられる利点有り。
旧ウルトラブックと比較する為に、違う箇所のみ書き出すと。
- CPU:Core i5 2467M(1.6-2.3GHz、2コア/HT対応、3MB)
- グラフィック:インテルHD Graphics 3000 ※CPUに内蔵
- モニタ:14型ワイド光沢液晶(解像度:1366x768)
- その他:USB2.0x3
- 重量:約1.64kg ※バッテリ含む
CPUとグラフィック性能は微妙に向上。液晶は旧製品は光沢に対し新製品は非光沢。重量は30グラムくらい重くなっているけれど誤差のようなもの。
安い割に利点が多め、但し難点ももちろん有る
私が個人的にそう感じるというだけで誰もがそう思うものでは無し、として利点から参りましょう。
1.ウルトラブックとしてバランスが良い
具体的にどこを指すかは
- 省電力CPUなものの性能が低くは無い
- 14型液晶でバッテリ込約1.6kgは軽い方
- 14型でHD解像度は文字が見易い、広い
- 標準搭載の有線と無線LANは現在最速
パソコン工房に限らずウルトラブックならではの特長になってしまうけれど、重量の約1.6kgは比較的軽め。
インテルのウルトラブックの定義がモバイル利用前提とするなら、軽さは大きな利点と言えましょう。
2.ISRTでは無く、独立したストレージ
個人的にISRTを嫌っており、理由はHDDやSSDが故障した際にデータがどうなるか判らない為。
おそらく通常は標準モードになっていると思うけれど、高速モードは読み書き両対応でSSDキャッシュにするので、HDDのデータがどう扱われているか心配。
パソコン工房のウルトラブックは敢えてISRTでは無く別ドライブになっているので、単純にSSD64GBとHDD500GBが搭載。OS、アプリケーション、キャッシュの転送が速ければ全体的に速いと感じるでしょう。
3.長時間利用が前提なら非光沢推奨
店頭展示機のように現物の見た目なら光沢の方がきれいに見えるけれど、仕事や趣味などで長時間モニタを見続けるなら非光沢をお勧め。
非光沢は目が疲れ難く、私のように肩こりを持っているなら肩以外に頭痛の防止にも効果が有り。
4.BTOメーカーのベアボーンにしては良い
BTOメーカーのノート(のベアボーン)は安さと性能を優先で重量やデザインは無視される事が多いけれど、このウルトラブックは軽めで見た目も悪くは無し。
パーツを小型かつ薄型化して行くと軽くなっただけかも知れないけれど、いつもなら2kgを超えても驚かないレベル。
5.USB3.0は1本でも有れば大きな差
最大の利点と思う高速なUSB端子。4月まではIvy Bridgeが発売されておらず、USB3.0は付かないノートが多かったけれど現在は普通に搭載。
SSDとHDDが有れどSSDは64GBなのでデータの保存はHDD1つだけ。という事はバックアップに別のストレージが必要となり、USB2.0と3.0では転送速度が大違い。
以上、やや強引な箇所も有ったけれど、難点も強引に5つ。
1.メモリの搭載数が少なく速度が低い
薄型ノートの宿命かメモリは1枚のみ。という事はデュアルチャネルは出来ず、増設も不可能。万一 、VAIOのようなオンボードなら交換も不可、かつメモリ故障=マザー故障。
そして体感では判らないレベルと思うけれど、速度が1ランク下。私の勘違いかと思いインテル公式で調べるとPC3-12800まで対応しておりますが、このウルトラブックは10600。
source:ARK | Intel Core i5-3317U Processor (3M Cache, up to 2.60 GHz)
2.バッテリ駆動の5時間はおそらく無理
国内のPCメーカーがバッテリ駆動時間の測定に使う悪しき習慣。JEITA測定はデタラメなので、表記の最大駆動時間まで行くとは思えず。
全体的に消費電力が少ないので、有線LANで接続し負荷の高い処理をしなければ5時間に近付くと思うけれど期待は出来ない。
3.ISRTでは無い=HDDは遅いまんま
ストレージの分離は良いけれど、SSDが低容量過ぎてデータを保存出来ず、大量にファイルを所有するなら大容量SSD単品のノートより低速。
SSD価格は6月頃から値崩れして来ているので、64GB SSDと500GB SSDを載せる金が有るなら120GB SSDが余裕で載ると思うけれど、SSDがオンボードだったり簡単に分解出来なかったりするのでしょうか。
4.液晶は光沢派ならノングレアが難点
私は非光沢派なものの、映像が趣味の人は光沢を好んで使うようで、そうなら鮮やかでは無い液晶画面という事に。
Blu-rayどころか光学ドライブそのものが無く、これで地デジ録画しようとする人が居るとは思えないけれど、動画ファイルやオンライン動画を中心に楽しむならノングレアは難点かも知れない。
5.SSDが今回はmSATAかも知れない
以前のウルトラブックは「SSDは2.5インチ」とパソコン工房から回答が有ったけれど、今回も気になり問い合わせると不明との事。出たばかりだからとか言い訳をしていたけれど、事前に情報が無いのはおかしい。
コールセンターの担当者の予想では、おそらく交換不可の小型SSD(mSATA、オンボードの事と思われる)との事。勘で答えられても意味が無いので、購入しSSDをどうにかしようと思うなら、店頭やメールで問い合わせて確認しましょう。
2012.09.07 22時頃追記訂正:パソコン工房へメールでも問い合わせを送ったところ、旧モデル共にSSDはHalf-Slim SATAとの事。検索するとmSATAより大き目な基板丸出しのSSDでオンボードの模様。普通の市販SSDとの換装は無理だと思うのでご注意有れ。
2012.09.10 12時頃追記訂正:パソコン工房へ「これで合ってる?」メールを送信したところ、旧モデルはHalf-Slim SATA、新モデルはmSATAとの事。いずれにしても分解必至、やると無保証。2.5インチとは違うのでご注意有れ。
本当にウルトラブックで良いのか判断も(まとめ)
ウルトラブックはインテルが製造元へ支援金を出しているらしく、通常のノートより安めになっているけれど、それでもCore iシリーズが載ったり、チップセットの機能が必要になるなど高額になるもの。
私は現在、14~15.6型クラスのノート購入を検討しているけれど、ウルトラブックの定義内容に興味が無く、dynabookの購入を検討しております。
source:価格.com - 東芝 dynabook Satellite B252/F PB25221FSGB 価格比較
半値とまでは行かないけれど、性能が低いのでかなり安め。主にブログ用ネタの検証用として使うので高性能は必要無し。インターネット利用が中心になるライトユーザもこの程度で良いのでは。
以下が良いと思えなければウルトラブックの価値観は低いと推測。
- Core iシリーズの性能が必要か
- メモリ容量は4GB程度で良いか
- 休止状態(ハイバネーション)を使うか
- ノート本体は薄い方が良いのか
- バッテリ駆動は必要なのか
私にあてはめると
- Celeronで充分
- メモリは後々盛りたい
- 休止は使わず電源を落とす
- 薄さや見た目には全く興味が無い
- バッテリは動作確認後、外して押入れ直行
但し、メモリの追加やSSDへ交換など改造前提にすると、三桁容量SSD搭載のウルトラブックが買えてしまう価格に近付く為、どちらを良しとするかは慎重に。
ウルトラブックは普通のユーザ向けに考えられた定義なので、私のような人間には合わないだけかも知れませんな。
ちなみに、普通のノートと併せてウルトラブックもこの夏はかなり値下がりしているので、メーカーにこだわらないならAcer、ASUS、ソニー(VAIO)なども選択肢に入れてみましょう。
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