パソコン工房より3種類の新製品。
BTOパソコンメーカーは、無駄に高額化せず最初から値引きしたような状態で販売される以外、国内大手PCメーカーがスルーしているゲーミングPCを取り扱うという特徴もございます。
珍しく中途半端に高額なノートがリリース。
パソコン工房より3種類のノートPC新製品
普段使いから幅広い用途に?
余計な世話ながら、パソコン工房はキャッチコピーのセンスがどうかと思う。
普段使いから幅広い用途とか、一体何に使えば良いのか全く解らない意味不明なフレーズ。普段使いからと来たなら対となる、「強力なビジネスツールに。」など言い回しがあると思うのだけれども。
それは良いとして、標準構成は4機種。PC Watchの一覧が見易い。
ユニットコム、Windows Hello対応カメラ搭載13.3型ノート-PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1062225.html
けれど縦長なので共通する仕様、ストレージ以外をリスト化。
- OS:Windows 10 Home
- CPU:Core i7-7500U(2.7-3.5GHz、2コア/HT、4MB、TDP15W)
- GPU:Intel HD Graphics 620
- メモリ:DDR4-2133 8GB
- モニタ:13.3型非光沢(解像度:1,920×1,080)
- USB:USB 3.0 Type-C(Thunderbolt 3対応)、USB 3.0×2
- 無線LAN:IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.2
- 有線LAN:Gigabit Ethernet
- バッテリ駆動:約6.8時間
- サイズ:約330×226×19mm
- 重量:約1.53kg
文句無しの性能高め、かつ機能取り揃え状態。
個人的に好きな箇所は13.3型という大きさで、モバイルとして大きすぎず、作業効率として小さすぎない良いところ取り。
更に良いと思う箇所はストレージの構成。
- HDD 500GB
- SATA SSD 240GB
- SATA SSD 240GB、HDD 1TB
- NVMe SSD 250GB、HDD 1TB
1は今時HDDとかどうかと思うので無いとして、容量足りるなら2番おすすめ。バックアップする気があるなら3番が超おすすめ。金が余っており超の付く高速を目指すなら4という選びやすさ。
しかし価格は選びにくく、上から約で10万、11万、11.5万、13万円。PC Watchは律儀に税込表記しておりポッキリ価格、但しプラス送料。
差額としてはSSD高騰中なのでこんなものだろうとは思うものの、元の性能が高いためか全体的に高価。BTOメーカーのノートとは思えない空前絶後の5桁円。
CPUのみで393ドル、4万円を超えてしまうので仕方ないといえばそうとも言えるけれど、ストレージはカスタマイズにしてCore i3まで選べた方がよろしかったのでは。
普段使いから幅広い用途なのでこうなったのだろうか。グラボ非搭載でこのバランスはCPUがオーバースペックになる用途が多いはず。
と思えば、グラボ付もございます。
13.3型ノートに外付VGAボックス付属
ノート右の箱の中にはデスクトップPC用のグラボが内蔵。
仕様は1つ前の13.3型と同じ、ストレージは最高額の NVMe SSD 250GB+HDD 1TB が標準構成でグラボ違いの3種類。税込にて。
- GTX 1060(3GB)・・・215,978円
- GTX 1070(8GB)・・・244,058円
- GTX 1080(8GB)・・・269,978円
ノートPC本体が約13万円の構成なので差額はおおよそで、9万、11.5万、14万円くらい。なぜそこまで高くなってしまうかは、外付用のボックスが割と高い。
source:THUNDERBOLT3 eGFX enclosure:PowerColor | CFD販売
ツクモや楽天のショップなどで税込約6万円。最安はARKが値下げしており5.6万円の税込で送料無料。
約6万円とするとGTX 1060が3万、1070が5.5万、1080が8万円くらいの計算になるので、量産系BTOならばこのくらいのものかと。
気になるところはThunderbolt 3は最大40Gbps、PCI-Express x16(Gen3)は双方向32GB/sなので6倍くらい足りていない気がするのだけれども、グラボ側がGen3の速度出ていないと聞いた事があるので大丈夫なのか。
このセットの利点は見ての通りで、デカいグラボを取り外し可能なので使わない、ゲームしないなら外しておける点。
また、ボックス側は独自で電源取っているのでノート側にはほぼ影響せず、やろうと思えばグラボはコンセント直結、ノートPCはバッテリ駆動とか可能なはず。やる意味は知らない。
「普段使いから快適なゲーミングも」なのでしょう。
グラボ内蔵が良いならもう1機種。
GTX 1060搭載ゲーミングノートが約19万円
ゲーム用にしては厚みが抑えられていると感じた。
モニタを閉じた状態で約31mmらしいので、キーボード側は2cm前後か。高性能グラボを載せると平気で4cm超えてしまうものなので3cmは凄いと思う。
重量2.9kgもゲーム用としては軽い方、モバイルにはもちろん向かず、しかしバッテリ4時間もつのはやや長め。
こちらは画面サイズが15.6型とデカくなり、Thunderboltなどが無い以外は先に出た13.3型の最上位モデルと中身はだいたい同じくらい。但しCPUが省電力より性能優先なCore i7-7700HQ(2.8-3.8GHz、4コア/HT)、メモリ16GBとなっております。
グラボはモバイル用のGTX 1060だろうからデスクトップ版より少し性能が落ちるくらい。外付ボックスの1060と比較するとメモリが3GBでは無く6GB、だけれども大差無いはず。
13.3型最上位と比較するとCPUの価格は同じくらい、メモリが倍増したもののThunderboltなどが省略されているのでグラボ除き13万円くらい、とするならモバイル用のGTX 1060がやたらと高い、6万円くらいするのだろうか。
これらコスパ後回しなノートを買うなら、多少高くなろうとも保証は3年にするべきでしょうな。1年少々でグラボやマザーが故障すると修理代10万円以上とか平気で行きそうなので割とシャレにならない。
ゲーム用への舵取り?量販店向け市場狙い?
BTOメーカーのノートは安いかゲーム用かの両極端で良いと思っていたので、今回のThunderbolt 3対応は少々意外に感じた。
Thunderboltはグラボ外付するだけでは無く、データや映像の転送にも使えるインテルとアップル共同開発の高速な規格であり、むしろそちら用として使われる事が今後多くなると思われる端子。
USB Type-C端子として兼用される事が多く、表裏なしの薄型で小型なので今後これへと統一されて行くと予想出来るものの、BTOメーカーは高額化を避け、ゲーム用はグラボ内蔵するとしてまだ先の話と思っておりました。
今回のパソコン工房の製品は、今後の弱体化が予想される富士通や東芝の市場、家電量販店での購入ユーザを狙うものか、またはWindows 10と来たなら今はまだゲーム用のイメージが強めなのでそちら狙いか。
しかし、量販店で購入するような一般PCユーザがBTOメーカーのノートを選ぶものか、ゲーマーが20万円くらい突っ込みノートPCでゲームをするものか、そう考えるとやはりズレている気が。
今は違うのかも知れないけれど、私の知る時代の限りではノートPCのベアボーン仕入は数百台では割に合わず4桁からの購買、コンテナ単位で船で運ぶが一般的。
大量に入れるからには大量に販売しなければならないので小さなショップではノートを扱っていないはずだけれども、パソコン工房は10~20万円級のノートを数千台単位で売りさばく自信があるのだろうか。
ユニットコムの2015年売上高は300億円少々。PC300億として平均単価7万円なら年間43万台、月販3.6万台。ノートPC比率5割以下でも10~20万円ノート行けそうな気がするけれど、台数でいえば厳しいはず。
おそらく半年くらい前と思われる社長変更が裏目に出ていなければ良いのだけれども・・・
体育会系風にて嫌な予感。
>普段使いから幅広い用途に
私なら「ハイスペックを持ち歩こう」ですね。
>GPU:Intel HD Graphics 620
設定を中くらいにすれば、ある程度の3DCGゲームも遊べるようですね。
一昔前のデジタル世代 - intel HD Graphics 620 性能、特徴
http://matari23.blog.fc2.com/blog-entry-4850.html
>GTX 1060(3GB)・・・215,978円
コストパフォーマンスの良いGTX 1060を搭載しているとは思えないコスパの悪さ。外付けボックスなんぞ奇抜なパーツを追加とは恐れ入る。そこまでするなら、12万円でGTX 1060搭載のデスクトップ、10万円で持ち運び可能な13.3型のノートと、別々に買った方が得な気が。