自作かBTOか有名メーカー、または中古PCか。
予算や価値観次第で選択肢は多く、その中から滅多にやらない中古パソコン購入で注意する事。私がメーカーで修理をしていた頃は既に約3~4年前。どちらかと言えば新品PCネタより中古の方が合っているような気がするため10のアドバイスを申し上げます。
昔の中古パソコンと言えばOS無しでも当たり前。しかし現在はマイクロソフト様が中古用OEM版Windowsというわけの解らないものを出している為、中古も有りかも知れず。
中古パソコン購入で注意点する事
保証期間と初期不良の違いを知る
新品でパソコンを購入する際、必ずメーカー保証が付いております。保証と言えど種類が多い為書き出すと。
- メーカー修理保証・・通常1年間、メーカーにより最大5年間まで有料で延長
- メーカー部品保証・・エプソンなどメーカー修理と別に部品保証が3年など
- 災害補償(保険)・・落下、物損、自然災害などに対応する付加出来る保険
- 店舗の長期保証・・ショップや電器店独自の有料保証、2~5年の長期多し
これが中古PCになると、メーカー保証は1年未満、ショップや状態により6ヶ月や3ヶ月、中には1ヶ月や1週間も有ります。
更に新品PCでは初期不良という扱いが有り、購入30日以内に故障した、または初めから不具合有る場合に本体を丸ごと交換してくれるメーカー直販有り。
中古PCでは出荷より1週間以内やジャンクに近ければ無しなど条件が不利になる事が多い。更に中古パソコンの初期不良は交換品が無く返金という扱いも普通です。
ハードディスクと電源、マザーボードの経年劣化
パソコンは精密機器の固まりでパーツ単位で良く故障する物。その中でも故障し易い物はハードディスクや電源、マザーボード、グラフィックボード。 回転や発熱する物で使用する部材により経年(時間が経つと)劣化し易い物が有ります。
デスクトップとノートに共通して危ない物はハードディスク。新品でも壊れる時は突然故障しますが、稼働時間が長ければ運悪く当たりを引く確率は高くなるかも知れない。
デスクトップでは電源ユニットがハードディスクより危険で、発熱有り回転するファン有り、更に埃を吸う割に内部を掃除しづらいという難点。特にスリムやキューブの電源装置は種類が少なく、単品で買えるとしても高額になります。
4年以上前の高性能ノートでは、CPU付近とハードディスク周辺が高熱になり易く排熱に限度が有る為、マザーボードのコンデンサが劣化していたり、理屈は知りませんが熱によりメモリの故障が多く見られました。
旧WindowsやOS無しは罠が多い
2010年以降から売られている中古パソコンでは、中古専用のOEM版Windowsが有り、マイクロソフトが許可(契約)している業者は格安でOS有りとして販売可能となっております。種類は確かXP、Vista、7の3種類。
Windowsがプリインストールされているという事はドライバなども全てインストールされ適用されていると考えられ、購入してすぐに使う、または再インストールも楽に行けるでしょう。
OS無しは、Windowsのパッケージを購入しインストールするのみなら良いものの、ドライバがそのWindowsのバージョンに合っているかも問題。
旧Windowsとは2000以前の事で、現在サポート(アップデート)有る一般的なWindowsはXP、Vista、7の3種類で、2000以前は全てサポート終了。セキュリティホールなどが有れどマイクロソフトはもう知らないという意味です。
OS無しは基本的に知識の深いマニアがLinuxなどで遊んだり研究する用と考えた方が無難。Windows7が安くなったとは言え、パッケージならHomePremiumでも約2万円以上。DSP版を何とか入れるとしても1万円以上追加で必要です。
致命的な付属品の欠品を避ける
NECや富士通では何かの辞書ソフトが付いていたり、体験版CDやDVDが付いている物ですが、それは欠品でも結構。オフィスソフトが無いとか、その手もそれなりに安ければ不要。マニュアルも改造や増設しないなら不要かも知れず。
問題はドライバやWindowsのCD、コアラベル(コアシール)、ノートならACアダプター。コアラベルが無ければWindowsを入れて売る時点でライセンス違反ですが、個人間取引では注意しましょう。ショップではまず有り得ません。
ドライバは有名メーカーの場合、Windowsのイメージとセットになっている事がほとんどで、リカバリーディスクと呼ばれるWindowsの入ったCDやDVDになります。
DELLやショップブランドのBTOパソコンではWindowsが単体な事が良く有り、ドライバが無ければ自力で探す、最悪オンライン上に存在しない事も有り得ます。
ここまで致命的なら中古PCとは言えジャンク扱いになり、買い取り査定が下がり販売も激安とは思いますが、PC専門では無いリサイクル店などでは製造の新旧しか見ていない事も有る為注意が必要。
ノートPCのACアダプターは汎用の合う物を自力で判断出来れば3千円程度で入手出来るものの、メーカー純正品を別売りとして取り寄せると5千円以上、場合によっては万を超えても普通です。
リカバリ方式がHDDのみは要メーカー修理
リカバリーとはWindowsの再インストールの事ですが、先に書いたように有名メーカーではWindowsと同時にメーカーオリジナルのロゴや壁紙、ドライバがセットになっている状態。これをリカバリーとします。
通常はパソコン本体の箱にCDやDVDのメディアが入っているものですが、中には自分でリカバリディスクを作成出来るタイプが有り、メディアが付いていない事が有ります。NECでは3~4年前のVALUESTAR、BTOパソコンではマウスコンピューターで見た事が有り。
この場合、ハードディスク内にイメージが保存され普通には見る事が出来ない特殊な領域からリカバリを行う事が有り、万一メディア無しのハードディスクからのみリカバリするタイプならHDDが故障するとリカバリ出来なくなる事に。
リカバリメディアの付属や存在を確認し、無ければ真っ先に作る。作るツールさえ付属していなければ、Acronisなどでハードディスク丸ごとのイメージを作っておく、またはデュプリケータで別のHDDにクローンを作っておきましょう。
有名メーカーではユーザ登録が無ければ修理を受け付けなかったり、どこもそうですが最長でも7年以上経てば修理対応終了。修理としてリカバリ出来るとしても軽く万単位になるでしょう。
メモリの最大認識容量を要確認
最近のパソコンはデスクトップに限らず、メモリの最大搭載容量はGB単位。普通に4GBや大きい物では24GBでも一般的に売られております。
4年以内にPCに興味を持ったなら落とし穴かも知れない、昔とは言え7年程度前のノートPCでは最大196MBというなめたFMVが存在。富士通に限らず有名メーカーではNECやソニーなども。BTOメーカーもそれなりに古ければGB載らない事も有ります。
マイクロソフトが中古PC用OEMをやる前なら、基本的にOSが古ければパソコンも古く、Windows2000以前は要注意と言えたものの、最近は旧型にWindows7が入っている事も有り一見して見分けが付かず。
メモリが激安になった為、スロット数を確認し増設前提は結構ですが、それ以前に認識する最大容量にご注意有れ。現在売られているノートでも最大2GBという安い物も有り。
また、ノートではメモリがオンボード(マザーボードに溶接)になっていないかも仕様で確認。オンボード512MBでスロット数1、空き1なら現実的に考えて増設は1GBまでを1枚。デュアルチャネルにするなら512MBという足枷になります。
そしてオンボードのメモリが故障するという事はマザーボードが故障する意味になり、修理は諦めた方が良い金額になるでしょう。概算で3年以上前のノートマザー交換なら安くともメーカー修理は5万円以上。
ノートPCのバッテリーは無い物と思う事
身近な所で言えばバッテリーは携帯電話の充電用。携帯はリチウムイオン電池が使われており、最近のノートPCもリチウムイオンが使われている事有り、最新ではリチウムポリマーも採用されておりますが、昔のノートはニッケル水素が主流。
ニッケル水素電池は使用から数日や数ヶ月程度で劣化が目に見える事も有り、それが中古PCとなればバッテリーは無い物と思った方が良いでしょう。運が良ければ60~70%充電出来るやも知れませんが、ノートPCの省電力性も低いため駆動時間は短いものです。
モバイルや屋外で使えるなどとは思わず、AC電源は必須。まるっきり充電出来ない場合も有る為、その際は外して軽量化する、または詳しい人間が近くに居れば分解してセル(バッテリー内部の電池)を抜き軽くしましょう。お勧めはしません。
ちなみに全てでは無いと思いますが、メーカーでは新品のノートPC出荷の際にバッテリーは検査しない事が有ります。初期不良率が0.1%とすると1000台に1台はバッテリー不良をメーカーも知らず売ってしまう為、ノートPC購入時はバッテリーを使わずともチェックする事をお勧めします。
高性能PCは 発熱・回転物・騒音に注意
発熱の原因は主にCPU、次にグラフィックボード、そしてマザー、HDD、メモリ、電源など有りますが、高熱による高回転そして騒音の原因となるファンはCPUファン、グラボ、ケースファン、電源。
CPUファンは昔の高性能CPUでは特にうるさく、私が今これを書いているCPUは5年前に上から2~3番目に高性能であったPentium4の3.0GHz。冗談抜きで扇風機の中~強を回しっぱなしと変わらない程の騒音。
ケースがスリムのように小さければ、ケースの幅が狭い>ファン径が小さい、多い>回転数高い=騒音となりましょう。通常のミドルタワーやミニタワーと呼ばれるケースではケース幅が12cm以上有る為、12cmファンを多めにゆっくり回せば良い事に。
最近のPCではインテルが省電力を目指し発熱が下がり、CPUクーラーも進化している為、高性能でも騒音が気にならないかも知れませんが、4年以上前の高性能はナメない方がよろしいでしょう。ノートも同様、旧Pentiumの高熱は尋常ではございません。
また、中古PCでも展示品を購入する際は見静音と思えても店内は結構音が消されるもので、自宅で火を入れるとうるさいという事も有ります。
静音パーツは昔から有ったものの、最近は低価格化や静音趣向が広まっており静かになっております。中古PCの音問題は充分ご注意を。または静音は諦める。
新品と価格と性能を比較する
昨年のWindows7が出る前、LGA1156が出た頃からCPUやマザーボードの価格が下がり、更にメモリも値上がりと噂が有りつつ下がりっぱなし。HDDも2TBが9千円切るなど信じられない状態。
ノートでは液晶パネルがやはり値上がりの噂と並行して下がり続け、新品でも中古とそう変わらない価格になる事も。知識が古いなら再収集をお勧めします。
例として、私のサイコムPCは当時7万円でしたが、グラフィックボードとメモリ、HDD、光学ドライブは付けていない総額。当時の価格で行くと、グラボ(GeForce6600)24千円、HDD120GBでも15千円、DVDスーパーマルチ2万円、メモリ512MBx2枚で25千円。追記分84000円。全て購入すると154千円で最高スペックより2~3ランク落ちるパソコン。液晶モニタは19インチで3万円が安い方。
ノートPCはうろ覚えですが、10万円を切るA4ノートは中古以外に無く、B5サイズなどとハイカラなラップトップでは20~40万円。
現在はデスクトップでは12万円出せば余裕のハイスペック、AMDなら8万円でもゲームPCが購入出来、6万円有れば通常用途には充分。Celeronクラスなら5万円で釣りが来て、20インチ以上のフルHD液晶も2万円で釣りが来ます。
ノートも10万円を切るハイスペックが多く、デスクトップより性能は落ちるものの、価格差や率で言うとデスクトップより大幅に値下がりしています。
3万円の高性能中古PCか、5万円の低性能新品PCか。性能を一概に比較するは困難なものの、保証などの付加価値など総合して考えてみましょう。
自分の運を信じる、または自作や改造も考慮
中古も新品も故障する時はするし、しないなら10年以上何事も無い確率もゼロでは無く。中古PCの不利な点はメーカー修理が高額、または終了。部品を交換するにもマザーなどはジャンクしか無く、メモリがDDRとしても現在のDDR2と価格に大差無いなど。
使い捨てるという方も居られますが、故障する時期は1年後か5年後か、または明日か明後日か。安物買いの銭失いにならぬよう、博打要素も秘めております。
あえて中古のBTOメーカー品を購入し、故障箇所を交換したり派手に増設して行くなら教材として有りかも知れません。有名メーカーPCでは、マザー、電源、ケースは基本的に同型から部品取りなどオークションの腕や発掘スキルも必要になり、違う意味で上級者向け。
特にスリムケースの電源故障、メーカー品のマザー不良は致命的。部品が無ければどうにもならず。
中古PCを3万円で購入し保証が6ヶ月なら1日あたり164円。新品PCを7万円で購入し、プラス2年の延長保証なら1日あたり64円。故障しなければ中古PCの方が安くなって行きますが、確実に何とかするなら新品が良いのは言うまでも無く。
これを読んでも中古PCで良いと判断するなら有りでしょう。
ビビってしまったり計算したなら、私が個人的に新品パソコンを強くお勧めするワケがお解りになられたかと存じます。
やはり新製品情報より中古PCネタの方が書き易くすらすら出たものの、さすがに5000文字以上書くと酔いが回って気持ち悪くなり後悔しております。
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