レノボとマウスコンピューターから新製品。
レノボはノート型からタブレット型へ変形するなど画面が回転しまくるウルトラブック。マウスは27インチというやたらとでかい一体型PC。いずれもタッチ操作に対応しており、本気でWindows8に合わせた感満々。
てきとうに見てみましょう。
レノボは変形ウルトラブック、マウスは高性能ボードPC
レノボから参りましょう。
レノボ、タッチ対応のコンバーチブルUltrabook - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130219_588297.html
PC Watchがコンバーチブルと書いている意味はノートPCとしてもタブレットPCとしても、の意味。
ノートを閉じた状態からモニタ部分が奥へ裏返るほど開いたり、横方向は180度またはそれ以上かも知れないほど回転する設計。
主な仕様と価格を引用。
日本ではCore i3-3217U、メモリ4GB、320GB HDD+24GB SSD、OSにWindows 8(32bit)などの最小構成で、直販価格85,000円前後を予定
全体的に性能や容量は低め。
量産系BTOパソコンの標準構成は最小構成という意味も有るのでこんなものとは思うけれど。特徴はタッチパネル搭載以外、SSDキャッシュでのHDD高速化。
タッチパネル無しで変形もしない従来のWindows用ノートで同じ仕様にすると、レノボなら簡単に5万円を切るはず。要するにトランスフォーム&タッチパネル代として4万円くらい盛られてしまったわけですな。
そう考えると85千円という価格は高額に見えるけれど、かなりWindows8に対応していると思われ、他社の変形ノートと比較すると85千円は安い方。国内有名メーカーが同じような物を出すなら確実に10万円は超えるはず。
変形はノートとタブレット型以外に立てたり裏返したり、遊んでいるのかと思うほど提案されているので、詳細はリンク先のリリース記事をどうぞ。
マウスは一体型PC、しかも27インチという巨大サイズ。
マウス、27型モニター一体型ゲーミングPCを発売 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130214_587729.html
セパレート(PCとモニタ分離) 型なら27インチでも良いと思うけれど、手元で27型はデカすぎる。他社の例としてはHP(ヒューレット・パッカード)は20~21インチで抑えております。
しかしHPなどの一体型が、通常のデスクトップPCのようにモニタとして使いつつタッチ操作する前提に対し、マウスは完全に倒した状態で使う想定で敢えて大きいのかも知れない。
主な仕様を引かせてもらいます。
【NEXTGEAR-ONE io600BA1】
Core i7-3630QM / GeForce GTX 670MX
8GBメインメモリ / 500GB HDD / DVDスーパーマルチドライブ
27型フルHD液晶 (グレアガラス/LEDバックライト)
Windows 8 64ビット
価格:149,940円
NECなどではこれをデスクトップPCと言うけれど中身はノート。
普通のノートPCなら10万円もしない性能。画面サイズも原因と思うけれど、やはりタッチパネル搭載で5万円くらい盛られたのでしょう。
なぜゲーム用としてリリースしたのか、マウスコンピューターも良く分かっていないと思うけれど、私も解らない。
ゲームPCを一体型として性能を落とし、タッチ操作で何をさせたいのか全く解らない。マインスイーパー(Windowsに付属のミニゲーム)でもやれという事か。
この一体型PCは約15万円となっておりますが、これは上位モデルでは無く最下位機種で最上位は約25万円。
難点ばかりが目立って行くWindows8仕様パソコン
今回の新製品で感じた難点を5つほど。利点は1つも思いつかない。
万単位で価格が高い
以前からタッチパネルを搭載すると3~4万円高くなると書いたけれど、今回も御多分にもれずそのくらい上乗せ。
レノボの変形ノートは設計の原因としても高額になると思われ、ThinkPad Twistの場合はヒンジ(回転軸部分)を相当強化しなければ壊れそう。
修理代も高いはず
元からノートや一体型PCは修理代は通常のデスクトップPCより高いけれど、もし液晶を割ってしまうとえらい事になるはず。単純にタッチパネル搭載で3万円高くなっているとするなら液晶パネル交換は3万円以上。5万円は固いと思われ、NECなどなら10万円は取るかと。
また、PCメーカーとしてタッチ操作対応PCをやるならマウスのように自動的に一体型へ。セパレートではモニタの事になってしまう為。
在庫価格もやばい
マウス凄いと思った事は、売価が最低でも15万円もする一体型PCを用意している事。マウスは自社製造しておらず、台湾などへ本体丸ごと発注し仕入れて販売しているはずなので、万一売れ残り新製品が安く出ると不良在庫へ。
私ら消費者は関係無いけれど、もしかするとそれも考えて価格がやたら高めに設定されているのかも知れない。値下げ前提で利益が盛られていると妄想。
制限される画面サイズ
レノボの変形ノートは画面サイズ12.5型(解像度:1366x768)と小さめ、マウスは27型(1920x1080)と対称的に大きい。これが11.6型で1366x768を切れたり、将来的に30型でフルHDを超える解像度が主流になった場合、操作性は維持出来るのか。
具体的には、ギリギリ指でタッチ出来る大きさのボタンのサイズが、画面サイズや解像度で変わってしまう。開発者はそこまで考えなければならないでしょう。
タブレット形態との矛盾
レノボ製品がタブレットPC状態になると、
- ファンが有る
- 重すぎる
- デカすぎる
iPadにファンが搭載され重量が2倍以上になり12.5型になったとしましょうか。誰がそんな物を欲しがるのか。高熱になりファンが音を出して回り1.6kgくらいのモバイルに向かないタブレットPC。
固定設置、ノートPCとしてならWindows8の新機能やマルチタッチは今のところ不要でしょう。Apple CEOがSurfaceに対して言っていた「相当な妥協と混乱の産物」を思い出してしまう。
今回のマイクロソフトはパクり間違えている(まとめ)
過去に日本で主流となったマイクロソフトのMS-DOSはCP/Mのパクリ、WindowsはMac OSのパクリ。
今回もタブレッットPCやスマートフォン用のOSとしてAppleのiOSをパクれば良かったものをPC用OSのWindowsで置き換えてしまった。
携帯端末にPC市場を食われるとまずく、手持ちのWindowsユーザを巻き込むしか無かったのだろうと思うけれど、8仕様ではPC用OSとして矛盾まみれ。
PCとタッチ操作を合体した方が良いならiPadが出るまでにMacがそうなっていただろうし、ならなかった理由はAppleがこの形態を否定している為。
また、PC離れに対応したつもりかも知れないけれど、PCが要らない人にはWindows8がタッチ操作に対応しようと不要な物は不要なので意味が無い。
Windows8仕様を別の物に置き換えると、いずれも便利だからと冷蔵庫へ電子レンジを内蔵したり、どちらも美味いからとラーメンの中へチャーハンを入れたような。
今後Nexus7のようなまともなタブレットPCが1万円を切るとか、Appleが廉価版MacやGoogleがChromebookを本気でやるとそちらを選ぶ人が増えるやも知れず。
私のような結構古くからのWindowsユーザならハードとソフトがWindows用なので簡単には他のOSへは乗り換え出来ないけれど、Windows用を持たない人が増加する可能性。
従来型Windowsの延命は7の延長サポート終了(2020年まで)を更に延長すれば良いけれど、それまでに失ったユーザは簡単にはWindowsへ戻って来ない。
マイクロソフトが助かる道は、AppleがMacでタッチ操作対応。絶対にやらないだろうし、多くのユーザが求めておりません。
パクるなら「MacはタブレットPCへ変形しないしタッチパネルも搭載していない」をパクって欲しかった。
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