NECが2013年夏モデルを発表。
NECは春モデルまではWindows 8 PCでタッチパネルに対応しておらず、原価や売価が高くなる上、Windows8がアレだからいう理由で出し控えていたのかと思っていたけれど、手のひらを返すようにタッチ推しへ。
今後、Windows8やタッチ操作PCはどうなるのか。
NECが夏モデル発表と同時にタッチ操作推奨へ
新製品発表会の様子をITmediaより。
2013年PC夏モデル:Windows 8+タッチを再訴求「“標準搭載”にすれば、タッチは普及する」─NEC新PC発表会 - ITmedia PC USER
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1305/14/news093.html
「(Windows8の不発が怖く)タッチパネルを搭載しない」のでは無く、「(パネルの供給不足が続き)搭載出来なかった」という事でしょう。
ITmediaのタイトルには再訴求と有り、一度目の訴求をいつどこでやったのか知らないけれど、自社製品をタッチ対応にしたのだからタッチパネル搭載PCの標準化訴求は当然でしょうな。
最上位のLavie L、2機種の特徴。
- 第4世代Core プロセッサ(Haswell)搭載
- 無線LAN「802.11ac(Draft)」対応
- タッチパネル対応、IPS液晶
第4世代のCoreプロセッサはCore iシリーズ4千番台になる新製品で、春モデルからのマイナーチェンジでは無く本当の新製品。
無線LANの「ac」とは、最高6.93Gbpsという超高速な無線LANの規格で、ドラフトとはまだ規格として正式に決まっていない状態の事。
タッチパネル製品はAndroidやiPadがIPS(簡単にいうと現在最もきれいな液晶表示)方式なので、一般的なTNでは何かと厳しいのでしょう。
価格は約10~20万円とNECらしくぶっ飛んでおり、BTOパソコン慣れしている人にはぼったくり設定。しかし3ヶ月程度で半値程度になるとするなら、その頃には適正価格または安いとさえ言えるかも知れない。
そしてタッチ操作に関する興味深い情報。
Windows 8とタッチについて。Windows 8がうまく立ち上がっていないという話があるが、製品購入者3000人ほどに聞いたとところ、タッチ操作スタイルはおおむね満足していただいている。
タッチ操作は3000人中の大部分が満足。実際に使えばタッチパネル搭載は標準が正解、と言いたいのでしょう。
大部分がタッチ操作PCでは無いと思う方々の意見はこちら。
私の勘では「必須」と「有った方が良い」を合わせて5~6割は行くだろうと予想しておりましたがハズレ、要ると思う派は合計約3割。
要る派が約3割、要らない派4割強。
NECは「実際に使ってみろ」という意味と思うけれど、私は某家電量販店で富士通のタッチ操作ノートを触ってみたけれど、デスクトップ画面の操作方法が判らなかった。 モダンUIから操作する用途が無い為、今でも不要と思っております。
話を戻し、ITmediaより引用。
NECは主力・売れ筋シリーズにタッチパネルをしっかり搭載、ゆくゆくはすべて“標準搭載”まで持ってきたい。
するしか無いでしょうな。Windows8なのだから。
現在、夏モデルではパナソニックがレッツノートでWindows7へのダウングレードを付けて販売しており、新製品のレッツは全てタッチパネル非搭載。
Windows8用ならタッチパネル有り、7へダウングレードするユーザが多いとするなら原価が上がるだけなのでタッチパネル無し。ここでも矛盾しておりPCメーカーも買う側も悩みどころ。
タブレットとパソコンの今後について、NECいわく
どちらかが優れる/廃れるではなく、シーン別に最適化した機器を複数を所有し、コンテンツはシームレスに連携させるのが自然。
日本語が不自由なようなので「シーン別」の所から意訳すると、「目的別に最適化した機器を複数所有し、用途の境目を感じさせず連携するのが自然」。
しかしこれも矛盾しており、言っている事とやっている事が違う。
私を例にすると、パソコンは固定設置という縛りは有るものの、作業効率は最高。移動が必要な際、仕方なくパソコンから離れ携帯端末(iPod Touch + GALAXY Tab)を利用。
ではWindows8 + タッチパネルはどうか。パソコンとタブレットを強引にくっつけた発展途上機器で、移動出来ない(しづらい)上に操作がプラス1され作業効率が低下し煩雑になった機器。
マイクロソフトはWindows 8やRT端末が有ればパソコンにもタブレットにもなる、という方針と思うけれど、それはAndroidやiOSに流されるなと言っているようなもので、分かれておらず共存も何もございません。
タッチパネルが標準になると今後ますますノートPCが主流となりデスクトップは時代遅れに。
それを加速させそうな技術、シャープが本気を出しております。
Windows PCの液晶パネルはシャープが鍵か?
東芝に続く、アップルRetina並の高解像度液晶の提供。
シャープ、11.6/14/15.6型のノートPC向けIGZO液晶パネル ~11.6型WQHDや14型WQHD+ - PC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20130515_599311.html
経営悪化、関西弁でしゃべる高級掃除機とか遊び過ぎだろうと思っていたけれど、やれば出来るようで。
サイズや解像度など見づらいので勝手にリスト化。
- 13.3型・・2,560×1,440ドット(WQHD)
- 11.6型・・同上
- 14.0型・・3,200×1,800ドット(WQHD+)
- 15.6型・・同上
密度は235~262ppiとなっており、従来の一般的なパソコン用液晶モニタと比較すると2倍以上。
2013年5月現在、東芝のデスノート(dynabook KIRA V832)は東芝が宣伝しまくっているのか、大手メディアで頻繁にレビューされており、いずれも高評価。
問題はやはり価格で、タッチパネル搭載で3万円以上高額になる上、更に現状では用途がほぼ無い超高解像度でおいくら万円値上がってしまうのか。
Windows8 PCでタッチパネル搭載が標準になり、このような高解像度が標準化して行くと仮定すると、今後数年間のノートPCは5年以上前のような高級品まで戻ってしまうやも知れず。
デスノートが気になり価格コムを見ると、やや不自然な価格推移。
source:価格.com - 東芝 dynabook KIRA V832 価格推移グラフ
発売から1ヶ月程度で3割引きまで値下がり。
東芝のノートはNECや富士通ほど値下がりはしない傾向が有るけれど、このノートはいきなりここまで落ちております。
価格コムのノートPC売筋5位、レビューは3人で星は平均4.33。大量に売れるから値下げ合戦しているのか、売れないから値下げしたのか。
レビューより、現状で唯一の利点と思う用途はこれ。
デジタル一眼で写真を撮るのが趣味ですが、画像は本当に紙に印刷されたかのような画質です。
文字(フォント)やアイコンなどは1ドット単位で描かれている為、いくら密集度が2倍以上になろうとそれらのドットの大きさは変わらないけれど、デジカメの高解像度な画像なら充分な恩恵が有りましょう。
しかし難点も有り、「そうか」と納得。
内蔵グラフィックで高解像度ですから、多少無理があります。
東芝デスノートはCPUが第4世代、Ivy BridgeのCore i5。
第4世代、Haswellの内蔵GPU性能はかなり上がったとどこかで見た記憶が有るけれど、もしビデオカードが必要になると、タッチパネル、IGZO液晶、グラボ追加、胸が熱くなりますな。
タッチ操作以外にこのような高解像度化でもデスクトップPCは時代遅れになる可能性が有り、単純に画面がでかくなるとパネルの価格も上がり、需要が低いなら更に価格設定も上がると思われ、23~27型でやったとしても購入するのは映像マニアくらいになるかと。
スマホ対応と従来のPC画面、どちらが見易いか
Windows8とは直接関連しないけれど、タッチ操作繋がりにて。
IMJ | IMJ調査レポート、「タブレット端末でのサイトユーザビリティ調査」を発表 - リリース情報 - Press Room
http://www.imjp.co.jp/press/release/20130515_000959.html
業界関係者やメディアがしきりに「今後、ウェブサイトはスマホ対応しなければやばい」と騒いでおりますが、個人的にはピンと来ず。
これと
これ。どちらが見易く操作し易いか。
いずれも楽天のトップページで、下の画像はPCから撮っておりますが、スマホなどでも下のような表示は可能。
私は7型のタブレットPCを使用していた際、「情報量の少ないスマホ対応ページへ飛ばされるのは迷惑、小さくともPCサイトを表示しろ」と感じていたけれど、どうやら私だけでは無く大半がそういう考え方という結果が以下。
回答者が見たサンプルは2通り、左がPC用、右がスマホ対応のデザイン。
2通り、2種類のデザインの結果はこちら。
リリース文の見出しには
7インチタブレットユーザーの最大34%がスマートフォンサイトを支持
このように書かれておりますが、要するにスマホ対応サイトの支持率は34%以下という意味で、全体でいうと4~5人に1人しかスマホ対応を歓迎しておりません。
私は自分が少数派と思っていた為、正直驚いた。
それは良いとして、本題がこちら。タブレットPCの利用時、画面を縦にするか横にして見るか。
半数以上が縦向き、しかし画面サイズが大きくなると横。
タブレットPCを持ってみるとわかるけれど、私が所有する7型で軽量と言われる物でさえ345グラムも有り、これ以上大きくなると持って操作では無く置いて操作になるのでしょう。
片手で持ち横向きにすると、重量感は縦より大きくなり7型でも置きたくなるほど。というわけで持って使うなら縦、置くなら横になり、画面が大きいほど横向きでも縦の解像度が高い為、PCサイトのデザインでも支障は減る、と。
そこで、マイクロソフトは10型のSurface(自社製ノート兼タブレット)の7インチ版を出すと言っているけれど、縦画面に対応するつもりなのか。
縦横切替を自動にするなら加速度センサーの搭載が必要。
ノートPCという固定された形なら要らないけれど、切り離し出来るタブレット兼ノートのWindows8 PCタブレットは更に高額になって行くという。
トレーラーで田んぼのあぜ道を走ろうとしているような。
ちなみに、このIMJという企業の調査結果は「これで無料なのか?」と疑うほどの濃度、かつ他のモバイル調査も素晴らしい内容なので、興味が有るならこちらからご覧あれ。
IMJ | リリース情報 - Press Room
http://www.imjp.co.jp/press/release/
Windows 8.1が有料から無料アップデートへ(まとめ)
Windows8だからとタッチ操作に対応したり、他のタブレットPCと差別化または追い付く為に高解像度や加速度センサーとか入れるとノートPCはいつまでも高額化。
逆にタブレットPCは低価格化が進んでおり、先日ドコモの新作発表をチラ見したけれど、スマホも上手くごまかして端末代が5千円などと(一応見た目は)低価格化。
パソコンの価値はWindows7時代の段階でノートは6~7万円という感覚。タブレットが2万前後ならそのくらいが妥当でしょう。それを10万、20万、あるいはそれ以上を目指してしまうと需要が供給を満たさないと思う。※2012年国内PC平均単価は約6.6万円(MM総研調べ)
ハードウェア以外、マイクロソフト様のアプリ収益やオフィス月額化以外にWindowsのアップデートまで有料に、という話が有ったけれど、さすがに無料になったご様子。
Windows 8.1は有償サービスパックではなく無料アップデートでの提供に - GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20130515-windows-blue-free-update/
Windowsの良さは私のようなケチな貧乏人でも安く入手出来、優秀なフリーソフトや多数有る周辺機器のおかげ。
タッチ操作標準になると、生粋のWindows(デスクトップ)ユーザはWindows離れするかも知れない。
また、Windows8 + タッチ標準 -> 高解像度、タブレット機能搭載、とかやって行くと、金持ちにしか買えない端末になり、金が有るならMacとiPadとiPhone買うと思う。
Windows 8 PCがタッチ操作標準ならタッチ操作は普及する?
すると思うなら家電店などの店頭で適当にFMVとかLavie Lを触ってみましょう。個人的には「これはやはり無い」と感じております。
別の物に置き換えると
- 本の整理が必要 -> 本棚を購入
これが普通と思うけれど、NECやマイクロソフトの考え方は
- 棚を作ってみた -> 何を入れるか未定
タッチ操作用のOSとPC作ってみた -> 何に使うかは自分らも考えるけれど、開発者や消費者も考えてみろ。きっと便利なはずだから、という。
本当にPC+タッチ操作が良いなら、アップルがMacのタッチ対応Macin Padとか、Mac OS入りのiPad Proを出しているはず。
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