昨年よりMacだけに搭載されていたThunderbolt。
サンダーボルトはインテルとアップルが共同開発した高速なインターフェイスで、理論値でいうとUSB3.0の約2倍、USB2.0の約10倍。ニュースが無く全然話題にならなかったので知らなかったけれど、先月GIGABYTEより発売されておりました。
BTOパソコンもドスパラから出たので一通り見て参りましょう。
Thunderbolt搭載マザーがGIGABYTEより3機種発売
上位モデルから。
source:価格.com - GIGABYTE GA-Z77X-UP5 TH [Rev.1.0]
最上位のサンダーボルト搭載マザーは約25千円のATXサイズ。ちなみにAmazonでは22千円で売っておりました。
後で出るドスパラのBTOパソコンはこれが採用されており、何かと高機能なのでそれも後で見て行きましょう。価格はASUSの高級マザーよりやや安い程度。
次もATXマザーで約18千円。
source:価格.com - GIGABYTE GA-Z77X-UP4 TH [Rev.1.0]
上位との違いは、eSATAが無く無線LANやBluetoothの拡張カードが付属しない点で、他はほぼ同じ。
画像を見るとヒートシンクやヒートパイプの大きさや数が減っているようなので、上位は冷却性能が高いと見るべきでしょうな。
最も安い物はマイクロATXマザーで販売店の登録は無し。
source:価格.com - GIGABYTE GA-Z77MX-D3H TH [Rev.1.0]
3機種は同時に発売されたものの特徴がマニアックな為か、ショップ側も様子見をしているのでしょうか。
価格コム以外をショッピング検索して見ると、実売は約14千円最安でドスパラが販売。ATXの安い方と約4千円の差。
違いは主にPCI Express3.0が3本から2本、USB3.0の4~6が2本になった程度なので、グラボを複数挿したりUSB接続まみれでは無いならマイクロでも良さそう。
「GA-Z77X-UP5 TH」公式ページより特徴を確認
最上位モデルのマザーの公式ページより画像を拝借。
source:GIGABYTE - Motherboard - Socket 1155 - GA-Z77X-UP5 TH (rev. 1.0)
ASRockマザーのようなCMOSクリアやリセットボタン、電源ボタンが物理的に載っており、デバッグのデジタル表示も搭載。
自作PCでいきなり完成させる人も居るかも知れないけれど、私のような慎重派は一旦ケースの外で組立て動作を確認。この際、ボード上にボタンが有るとショートさせず安全安心。
リセットは要らないし電源もドライバーでショートさせれば良いけれど、CMOSクリアボタンは楽ですな。
気になる箇所はもちろんサンダーボルト。速度(理論値、最大)の比較が分かり易いので引かせてもらうと。
結構速いと言われているUSB3.0の2倍が2本。USB3.0は5Gbpsも出るわけが無いけれど、サンダーボルトも10Gbpsまでは出ず。
以前、Macでベンチマークされていたブログの結果の記憶では、サンダーボルトは(シーケンシャルリードで)250MB/sくらい。USB3.0は出て100Mbps前後なので相対で2倍以上。
Thunderboltの特長は、速度が速い以外にデイジーチェーンやモニタまで接続出来てしまう事。
USBからパソコンを使い出した人には何を言っているのか分からないかも知れないけれど、1本の端子から最大6つの機器と1つのモニタが接続出来、端子が2本有るので機器12個とモニタ2台が接続可能という事。
更にHDMIなどの出力でもモニタが接続出来る為、右にモニタが3つ描かれているわけですな。個人でここまでする人は居ないと思うけれど一応可能。
高速かつ大量の機器が接続出来るサンダーボルト。しかし未だGIGABYTEしか出しておらず、搭載PCもドスパラ程度。
ドスパラはコンセプトモデルと称しBTOパソコンを発売
発表と発売は8月10日。盆休み前の為かPC専門サイトでのニュースリリースが流れておらず、私が情報を受け取ったのはドスパラ公式のプレスリリース。
コンセプトモデルと書かれており、参考製品のような意味で本気で大量に売るつもりはないような感じの事。
標準構成価格は約16.5万円と中々高級。主な仕様は
- OS:Windows7 Home Premium 64bit
- CPU:Core i7-3770K(3.5-3.9GHz、4コア/HT対応、8MB)
- マザー:インテル Z77 Express(GIGABYTE GA-Z77X-UP5TH)
- メモリ:8GB(4GBx2、PC3-12800)※最大32GB
- グラフィック:GeForce GTX680 2GB(GIGABYTE GV-N680OC-2GD)
- HDD:1TB(SATA3)
- DVD:スーパーマルチドライブ
- ケース:ミドルタワー(SR598M ブラック)
- 電源:750W 80PLUS(DELTA製)
グラボが超高性能でCPUが高性能な以外は結構普通。
グラボが約6.8万円、CPUとマザーが各2.5万円くらいなので、これら3つだけで市販パーツの最安合計では約9.3万円。売る気が無い為か利益が若干盛られ気味。
サンダーボルトの普及に期待するゲーマーなら本当に買っても良いかも知れない程度で、普通の人には全体的にオーバースペック。
特にグラボが無駄になるので、このレベルのグラボが必要なら良いかもという感じで逆に考えましょう。
なぜ超高性能なサンダーボルトが話題にならないのか
まずサンダーボルトがどのくらい速いかSATA(最近のパソコンでHDDなどを内蔵する接続方式)も含めて規格値で比較すると、だいたい以下のような感じ。
- Thunderbolt・・10Gbps
- SATA3・・6Gbps
- USB3.0・・5Gbps
- SATA2・・3Gbps
- FireWire 800・・800Mbps ※Macで使われている(IEEE1394b-2002)
- USB2.0・・480Mbps
実際にはThunderboltよりSATA3、USB3.0よりSATA2の方が速いけれど、それでも外付け用コネクタにしては速度は優秀。
USB3.0端子が現状無いMacユーザは結構速かったFireWire800から一気にThunderboltまで上がったわけですな。WindowsでもUSB3.0より速い。
更にデイジーチェーンという数珠繋ぎが出来るので、端子の数は少なくても良く、1本有れば6個の端子が付いているようなもの。
これが何故話題にならないかは、対応機器がまだ少な過ぎる為。
source:HD-PATU3シリーズ | BUFFALO バッファロー
バッファローが7月頃に出したケース入りの外付けHDD。
発売当初はMacならThunderbolt、WindowsでもUSB3.0が使えるハイブリッドという売り文句で、上位の1TBは何と3万円。しかし現在の最安価格は1TBが約2.5万円、500GBは約2.1万円。それでも高い上、500GBはかなり割高。
この製品で気になった事はAmazonのレビュー。転送速度に関しては素晴らしく速いという人が多いものの、同じくらいの数でやたら熱いとの事。中にはコネクタの接続部分が3秒以上触る事が出来ないくらいとか。
もう一つはRAID仕様の4TBがWestern Digitalより出ております。
source:価格.com - WESTERN DIGITAL My Book Thunderbolt Duo WDBUPB0040JSL
これも一応Mac用として発売されており、画像を見ての通り売れていないご様子。上位機種は6TBで約5.8万円なので、容量単価は6TBが安いけれど本体価格が高すぎ。
6TBの方はAmazonのレビューで転送速度の実測有り。
raid 0: Write 217.6MB/s Read 225.0MB/s
raid 1: Write 112.8MB/s Read 118.8MB/s
大した事無いですな。SATA2くらい。
私が探して発見したThunderbolt対応機器は以上の2種類だけで、いずれもやたら高額で特長を生かし切っているとは言えず。
ストレージ以外ではMSIが何かやらかそうとしております。
source:ASCII.jp:Thunderbolt対応の外付けVGAボックスなど今年も豊漁なMSI
Graphics Upgrade Solution、略してGUS。2010年のノート用は商品化されなかったらしいけれど、VAIOが似た事を本気でやっておりました。
この中に基板が有りグラボが搭載されており、ノートなどでも外付けでデスクトップ用グラボが増設出来るという代物。
直接挿さない分、このケース一式の費用が掛かるので1万円では済まないでしょう。やはり高い。更に現在150Wまでなので超の付きそうな高性能ビデオカードは使えない。
以上、ゲーム機に置き換えると、ソフトウェアが2種類しか無いのに本体を買うのか、という段階なので、人柱が趣味なマニア以外にはThunderbolt搭載マザーにはまだ用が無いわけですな。
マザーボード選びで重視する物は機能と端子(まとめ)
Thunderbolt搭載マザーに関しては既にまとまった気がするので、BTOパソコンでマザーボードのメーカーや型番が分からないから駄目なのかと思っている人へ。
私を例にすると、個人的にGIGABYTEが嫌い、ASUSが好きという程度で、実際にはASRockを使っております。
GIGABYTEは良い製品を出しており、私は根拠無く何となく選びたくないだけ。理想はASUSだけれども高機能な物はやたら高額。理想と現実(予算)を合わせるとASRock。
メーカーで選んだわけでは無く、型番からも選択はしておらず、ASRock(X58 Extreme3)になった理由は
- インターフェイス(端子、コネクタ)の種類と数に満足出来る
- ブログのネタになりそうな機能が多い
- 安かった
マザーボードのメーカーで選ぶ人は個人的な趣味。型番が必要という人は端子の種類や数、機能や構造を知りたいわけで、メーカーにこだわりが無く、インターフェイスもこだわりが無ければ何でもよろしいかと。
何の事を言っているのかは、もちろん量産系のBTOパソコンの事で、彼らはOEM型番のマザーボードをコンテナ買いするので、メーカーや型番を表記する意味が無く表に出しておりません。
だから安いわけで、こだわりが無ければ何の支障も無いので私は(量産系)BTOパソコンを推奨しております。
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