Windows7のXPダウングレード期限延長、サポートは?

2010年7月15日

Windows XPは既に販売を終了し、現在庫は一部の売れ残りのみ。

稀に見るDSP版やパッケージはプレミア価格になる始末。そこまでしてXPを入手する人間が居るか不明ですが売るも買うも自由。単品以外、パソコンとセットでXPを手に入れるには、BTOパソコンのカスタマイズに有るダウングレードが有ります。

本来はWindows7のSP1が出るまで、またはWindows7の発売から18ヶ月(1年半後)までの早い方いずれかでしたが、マイクロソフトが何かを恐れたのか延長コースへお入りになられました。

当日、真っ先に入って来た情報元はEngadget。

Windows XPはビジネス用PCでシェア74%、2020年までダウングレード可能に
http://japanese.engadget.com/2010/07/13/windows-xp-pc-74-2020/

マイクロソフト社員いわく

ビジネス用PCではいまだにWindows XPが74%のシェアを占める

海外の話では有りますが、日本でも企業ではXPが多いでしょう。早速、マイクロソフトの公式にも書かれておりました。

Windows 7 のダウングレード権について
http://www.microsoft.com/japan/windows/windows-7/downgrade/default.mspx

2010 年 7 月 13 日に Window XP Professional へのダウングレード権についてポリシー変更がありました。従来の「Windows 7 出荷後 18 か月 もしくは Windows 7 SP1 の提供のどちらか早い期日まで Windows XP Professional へのダウングレードを有する」から、「Windows 7のライフサイクルが終わるまで Windows XP Professional へのダウングレード権を有する」に変更されました。Windows 7 ライフサイクルとは、PC メーカーから Windows 7 の出荷が終了する日を指し、通常 最新 OS 提供から 2 年間となります。

詳しくはEngadgetの本文がセンス有り面白いため一気読み戴くとして、タイトルに有る通りビジネス用の話。どういう事かはダウングレードの内容に関係。

Vistaはもういいと思うので無視します。

 

ダウングレードのXPはエディションがProfessionalな理由

Windows7からXPへのダウングレードとは?

多くの方はBTOパソコンのカスタマイズでWindows7を単体でプリインストールする事が普通と思いますが、プラス1万円前後でXPへのダウングレード権が付きます。

パソコン工房の例では、工場出荷する際のプリインストールをWin7にするかXPかを選ぶ事が出来、手元に届くと選択したWindowsが入っていますが、再インストールでWin7とXPを自由に選ぶ事が出来る。これがダウングレードです。

XPと7をセットで買える事になりますが、ライセンスは1つなのでどちらか1つのOSのみ使う事が出来、同時には使えません。

ダウングレード出来るWin7とダウングレード後のXP

XPのエディション(バージョン)を大分類で2種類、HomeEditionProfessionalとすると、後者のProにダウングレードは出来るもののHomeにはなりません。というかHomeは存在しません。

表向き購入するWindows7はUltimateProfessionalの2種類(正確にはEnterpriseも有りますが法人専用なので除外)、HomePremiumBasicなどではダウングレード権が付きません。

要するに、Win7の上位エディション2種類のみXPの上位エディションへダウングレード出来るという事で、上位というだけ有り価格はもちろん高額になります。

なぜ上位エディションやProfessionalなのか

私は個人でも選択肢として大有りと思っていますが、マイクロソフト様に言わせると元はビジネス、法人用として売られる物なのでしょう。

かなり昔コメント欄にて大変詳しい方に教えて戴いた知識、Windows7のUltimateよりProfessionalのライフサイクルが長いという矛盾のようなネタが有りました。

Ultimateの方が高額な割になぜ1ランク下のProが長いのか。

調べて行くと、Professionalは企業用として考えられており、そのために通常よりライフサイクルが長くなっているそうな。どの程度長いかは今回のWindows7で言うと通常は2015年までのところ2020年。プラス5年となっておりEngadgetのタイトルと合うわけです。

その他製品のライフサイクルはこちら。かなり分かり難いのでご注意有れ。

プロダクト サポート ライフサイクル - 製品一覧
http://support.microsoft.com/gp/lifeselect

 

XPのSP2サポート終了やWindows7のSP1ベータ公開など近況

 2010年7月14日(米国7/13)にXPのSP2が終了

Windows XPの正規品を使っているXPユーザなら既にSP3に上げていると思いますが、企業や海賊版を使っているならSP3になっていないかも知れず。SP2のサポートは終了しております。

XPは最新のSP(サービス・パック)3のみ、Vistaは確かSP1と2どちらもまだサポート有りと記憶しています。支障無ければ最新を維持しましょう。

Windows7のSP1(但しベータ)がダウンロード公開

一応ここに有りますが入れない方が良いでしょう。

Microsoft Windows 7 および(略)SP1 Beta | ダウンロード
http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/ff183870.aspx?ITPID=wtcfeed

ベータとはテスト版や未完成という意味も有り、評価版とされています。目立った新機能が付くわけでも無く一般向けに作られていません。

  • マイクロソフトはサポートしない
  • 評価するユーザとしてベータテストに参加の前提
  • デベロッパー(開発者)用に近い

何か支障が有っても誰も助けてくれません。

これら2つの発表と同時にダウングレードの延期発表。マイクロソフトとしては企業でXPユーザが多いという理由にしていますが、本当はもっとでかい理由では無かろうかと。

 

Windowsは所詮OS、パソコンなど端末無しでは動かない

WindowsをMicrosoftと置き換えても良いくらいと考えますが、OS(オペレーティング・システム)はパソコンというハードウェア上でアプリケーションなどのソフトウェアや周辺機器などを接続する役目で単体では意味が無く。

マイクロソフトとしては、PCメーカーがGoogleのAndroidやChrome、その他Linuxに置き換わる事が怖いでしょう。日本では特にWindowsが市場独占なので少しでも他のOSが入ると確実に食われます。

21社がタブレットPCを開発中、ウィンドウズ7を搭載 iPadに対抗 : AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/economy/2740624/5962303

マイクロソフトのバルマーCEOいわく

アップルのiPadと同様のタブレット型PCを21社が開発中だと述べた。いずれもマイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ7」に対応している。

海外の話なので21社の内、書かれていた社名を日本用に変換すると。

  • ASUS(マザーなどのパーツやネットブックで有名)
  • DELL(世界シェア2~3位)
  • SAMSUNG(ハードディスクやメモリ、家電も有名)
  • 東芝
  • ソニー
  • 富士通
  • HP(ヒューレット・パッカード、日本は日本HP)
  • レノボ(旧、IBM)
  • パナソニック
  • ペガトロン(ASUSの子会社)

10個しか掲載無かったものの結構な有名所が揃っております。

iPadはアップルの独占なので対抗するにはハードウェアメーカーにはOSが必要。Windows7搭載とは言うものの、もちろんPCメーカー各社は他のOSも考えている事でしょう。

マイクロソフトはパートナーという名前を使い広めなければ生きて行けず、周辺機器は優秀ですがPC本体になると頼らざるを得ないわけです。

Windows7のみではXPで残っている企業のPCを取り込めない可能性が考えられ、クラウドが流行ってしまうとそれにも乗らねばならず大忙しです。

 

Windows XPへのダウングレードが延長という事はサポートも?

要点が後になりましたが、Windows XPへのダウングレードが2020年(2015年)まで延長された(期限が無くなった)なら、XPのサポートも伸びるのかという疑問。

現状は延びに延びて2014年4月8日までXPのサポートは続きますが、ダウングレード期間の方が長くなってしまい、マイクロソフト様が気にしておられる企業ユーザへ提供する2020年まで6年近く有ります。

残念ながらこれについて書かれた記事は無く、という締まらない締めにしようと思えば灯台下暗し。マイコミジャーナルに書かれていました。

米MS、Windows XPへのダウングレード権を2020年まで延長 | マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/07/13/075/

最後付近より引かせてもらいます。

とはいえ、Windows XP自体の延長サポートは2014年4月8日で終了予定のため、この期間以降のアップデート提供は行われなくなる。ダウングレード権消失までにOS自体の実質的寿命が到来するわけで、2014年以降の利用は極めて限定的なものとなる。特にインターネット接続などセキュリティ面での問題に直面することになり、メインマシンとして利用する企業ユーザーは少なくともこの期間までに何らかの対応策を練らなければいけないだろう。

マイコミがどこからネタを仕入れたか不明、またはライターの考えやも知れませんが、サポートは延長無しでダウングレードは続くからセキュリティには気を付けろとなっております。

XP発売から来年で10周年。

これ以上は無いだろうとは思いますが、無料でサポートとしているなら延長はマイクロソフトの自由。まさかとは思いますが、更に6年延びる可能性が無いとは言えず。そうなるなら2015年という中途半端は無いでしょう。企業様の為に。

Windows XPにこだわる理由と要らない理由

余談ですが、このブログでは私がXP(Pro)ユーザという事も有り、度々Windows XPを使い続けWindows7を回避しているような表現が有りますが、XPにこだわる必要は無くSP1の近いWindows7で良いと思います。

なぜXPを使い続けようとしているかは。

  • 買い替えなくても現在のXPパソコンが使えている
  • OS移行のための再インストールは面倒
  • 古くから愛用のソフトがOSごときで使えなくなるのは嫌だ
  • Windows7パソコンをまだ買う必要性に迫られていない
  • (私の場合は)XPがDSP版のためOS(Win7)無しの選択肢も有り

迷うかも知れない余計な事を書くと。

  1. 32bitと64bit選択が未だ微妙、セレクタブルは再インストール面倒
  2. VRAM(グラボのメモリ)容量が上がると32bitでメインメモリが減る
  3. 待てば待つほどパソコンは高性能かつ安くなる

ゲーマーは2がネックかも知れませんな。

モンスターハンターはまだ32bitしか対応しておらず64bitという選択肢は無くなるものの、FF14もやりたいならVRAM容量のでかい、例えば1.5GBの場合32bitのWindowsではメインメモリの認識が2GBを切ってしまうという葛藤。

32bit OSはメモリ(3.2GB前後)やハードディスク(約2TB)の壁が有ります。Windows7で良いとしても、こちらの方が考え所かも知れません。

<16:30追記>

マイコミに訂正か補足かよくわからない記事が追加で上がりました。

XPへのダウングレード権延長、正確にはOEM版Win7提供終了まで | マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/07/15/029/

Engadgetに影響され2020年としたのでしょうか。詳しく書かれておりお勧めです。これにより

  • XPサポート無しでダウングレード版を販売する期間ができる
  • XPサポート終了までにダウングレード(Win7)が終わる可能性

という2つの考え方に。

今のところXPサポート終了は2014年4月です。どちらにしても面白くなって参りました。Win7とXPのダウングレード販売を心中させるという事です。

コメント(4)

はじめましてヒツジ先輩。
初心者にはありがたく興味深く読ませてもらっています。

今日、xpのライセンスの事を検索していると「あなたは騙されている…」から
始まる偽者の利用もお金次第のような記事が書かれています。

詳しくは下記に書かれています。
http://blog.pc-luck.shop-pro.jp/?eid=727338

不正品でも正規品になるのですか?
そんな事をマイクロソフトがしているとは思えません。

本来なら、記事を書いた本人に聞きたいのですが
以前にもコメントを消されて返答以前の様です。

それともこの人は以前、書かれていた自称の店長さんなのでしょうか?

以前はオークションなどで騙された方への救済措置があったんですね。
この前のリンク先の店長には悪いことをしてしまいました。

自称の店長の意味は以前書かれていたパソコンサポートや修理の悪徳業者を
見抜く方法に『一律に初心者を不安にさせた上、間違っていたり浅い知識を
公開して「そのような話は初耳だ、詳しいですね」などと評価されたがる。』というのを思い出して書いてしまいました。
判りづらい文章で申し訳ありませんでした。

参考にしたページへのリンクをしなければその人間の知識で有ったとされ、他の内容と比較しバランスが取れていなければ知ったかぶりと思われる事が有りましょう。そう感じられたのならそうかも知れず。

私も稀に、年数回ほどリンクを張り忘れますが、どこで知ったのかを示す事は書き手の信頼をバックアップしてくれる意味が有り、それを捨てる程自分に権威が有るという自信が有るなら知っていた事にすれば良く。

初心者を不安にさせる商売は霊感商法や詐欺に似ており、あまりにもひどいようなら予防線の意味として記事で叩き晒します。私はPC上級者や専門家でも有りませんが、金目当ての初心者騙し程度は判ります。そういうサイトが有ればタレコミお待ちしております。

コメントする ※要ユーザ登録&ログイン

BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

フロンティア

高性能: ★★★☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作したくない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。


※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

データ復旧のIUECを勝手に評価
あなたの街の~を勝手に評価
ESETセキュリティを勝手に評価

カテゴリと更新通知

プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。