終わらないSSDの検証その3か4くらい。
私は終わりたいけれど、とあるSSD変態のTakaQさんよりメールにてSSD検証爆撃を頂戴した為、仕方なく掲載。本当はネタ切れ補完に有難いけれど、総容量約5MB、フルHD画像10枚はやり過ぎ。いいぞもっとやれとか言わない。
かなりマニアックな内容の為、自称PC初心者なら斜め読み推奨。
事の発端はこちら。
砂コン(SandForce)搭載SSDインテル520で速度低下 - BTOパソコン.jp
https://bto-pc.jp/etc/sandforce-ssd-intel-520.html
サンドフォースコントローラ(砂コン)搭載、インテル520シリーズは時間の経過で速度が落ちる、けれど体感では違いが分からない。また、Trimすると一時的に速度は低下するが元に戻る、との情報提供。
続いて私がTakaQさんのアドバイスで砂コン搭載インテル335シリーズの空き領域をデフラグすると、全体的に速度が落ちたという文字通りのオチへ。
TakaQさんは私へのお詫びとして、砂コンSSDを100台購入して片っ端からデフラグし画像をお送り有れ。※もちろん冗談なので買うのは止めないけれど送らないように
重要な箇所はここ
※もちろん冗談なので買うのは止めないけれど送らないように
当然のように送り付けて来られた上、説明で9,238バイトというヒツジ先輩真っ青の凄まじい長文も添えて。
メールより、TakaQ春のSSD祭り参ります。
[Win XP] インテルと砂コンSSDでTrimや空き領域デフラグ
画像は全て縮小しておりますが、横1200pxと大きめなのでご注意有れ。画像内にTakaQさんの解説が有るので併せてどうぞ。
なお、背景色が違う文章はTakaQさんのメールより引用。
XP + インテルコントローラSSD(トリムとデフラグ・前)

何もしていない状態のインテル320。
マニアックな人は全部見るものとして、良く解らない人は
- CDMの窓(黄緑の大きい棒、左上の数値が263.8)
- デフラグ状況の窓(赤青黄の小さい正方形が散乱)
だけでも御覧有れ。
ベンチソフトは以下の3つを使用しています。
- ATTO Disk Benchmark(傾向分析型)
- AS SSD Benchmark(SSD特化型)
- CrystalDiscMark(メジャーなの)
右下の方に検証環境、右上の方に検証の補足、QA、能書きその他
このSSDをインテルのToolBoxというソフトウェアでトリムを実行し、空き領域のデフラグをしたものが次。
XP + インテルコントローラSSD(トリムとデフラグ・後)

速度は微妙に回復しているご様子。
Trim後にしばらく時間を置くこと無く直後にやっておりますが、普通に回復しているようです。
Intel純正コントローラの320の場合、ToolBoxの効果は即時に現れると考えて良いかと。
先に空きDefragを行ったのはヒツジ先輩の記事にあった検証結果から以下の仮定をしたからです。
XPの場合、OSがTrim無効なのでOS上で動くDefragソフトで何をしようとSSDコントローラから先は制御されていないのではないか?
つまり、XPではOSはこう並べ替えましたよというのをSSDコントローラに伝えないとSSD上には反映されないので、空きデフラグした状態で ToolBoxから 強制Trimを発行してこれをSSDコントローラに実行させるという理屈。
ソースや根拠のない推測なので実際、因果関係は微妙ですな。
単にSSDコントローラ側のGC(ガベッジコレクション)が機能しただけという可能性もあり。
ただ、結論として、ToolBoxのTrimで速度回復にしばらく時間がかかるのは砂コン特有の症状のようで、Intel純正コントローラ仕様の SSDは Trim実行直後でも速度回復する。
当然の結果ながら、インテルコントローラならトリムは問題無し。砂コンで実行すると速度は低下。
次、砂コンでデフラグするとどうなるか。
XP + 砂コンSSD(空き領域デフラグ・前)
上の画像は実行前。Write(書込)のシーケンシャル(連続)がSSDらしからぬ低い速度となっております。ランダム4Kは優秀。
XPでTrim無効なうえ、Intel製でもないのでToolBoxも不可、さらにサウスブリッジがICH7なのでAHCIモードすらできないという およそSSDにとってはこれ以上無かろうという劣悪な環境です。
SSDそのものの性能の低さもありますが、されをさらに引き出せない環境だけあってヒドイものですw
インテルのツールボックスはインテルSSD専用なのでトリムは無し。砂コンで空き領域のデフラグのみやるとどうなるか。
XP + 砂コンSSD(空き領域デフラグ・後)
感想はTakaQさんと同じなので以下引用。
各項目によって上がっていたり下がっていたりと今ひとつ効果の程が不明です。
むしろ全体的には下がっている感じでしょうか、これはヒツジ先輩の検証で空きDefrag後に全ての値が下がった際と類似しているような・・・
おそらく「XPでTrim無効+ToolBoxも無し+AHCIですら無い」の環境ですから、OS上でいくら空き領域をデフラグしたところで SSDコントローラより先には全く反映されていないのでしょう。
こういった環境で速度回復の可能性として有り得るのは、SSDコントローラがベンダーのファームウェアに従って行うであろうGC(ガベッジコレク ション)がたまたま動作した後くらいなのではないでしょうか。
結論として、やはりXPで強制Trim無しの環境で使うSSDはどう考えても地雷です。本当にありg
元々有しているレスポンスを殺してしまうという点においても、もったいないことこの上ない使い方でしょう。
砂コンェ・・ XPェ・・ という事で、次へ行きましょう。
[Win 7] Plextor SSD2種類の空き領域デフラグ効果(Trim有効)
いずれもWindows 7環境、2種類のSSDはプレクスターの128GBと512GB。
Windows 7 + Plextor 128GB(デフラグ・前)

XP厨、インテル信者が暴れてもおかしくない優秀な数値。
デフラグ後なのかと見間違うほど断片化しておらず、再配置の必要が無さそうなきれいな状態。
Windows 7 + Plextor 128GB(デフラグ・後)

大差無し。
また、微妙な・・・w てか、どちらかというとスコア下がってないかコレ?といった印象。
元々PlextorのSSDには「Plextor True Speed Technology」なる速度回復というか転送速度を安定して維持し続ける機能(ベンダー独自のGCの一種?)が備わっているようで、ヘタに外部から手を加えるよりOSのTrimとSSDのGC機能に任せたほうがより最適化されるような気がします。
結論として、PlextorのSSDに空き領域Defragなどの小細工は不要、むしろ足かせになりかねない。
ではもう一つ、別機種の512GB。
Windows 7 + Plextor 512GB(デフラグ・前)

どう突っ込んで良いのか分からない為、引用で茶を濁しましょう。
使用時間がまだ21時間なうえ、総書込量的に考えて速度低下を起こすほど使われてない件w
しかも空き領域もほとんど揃ってるような・・・w 正直、検証する意味あんのかコレw
そもそもこの状態で充分速いだろうというか、まだ速度低下していない気がするんだがw
私もそう思う。
Windows 7 + Plextor 512GB(デフラグ・後)

デフラグの意味が有ったのか、と。
これもまた微妙だなヲイw 若干回復したかも・・・程度な印象。 いや、むしろ誤差の範囲な件w
もっとも、ほとんど使い込んでないSSDで検証しようという時点で設定に無理があるんですがw
とは言え結論として、PlextorのSSDをWindows7以降で使う場合、ユーザは一切何もしないでOK
逆に何か手を加えてしまうと、かえって元々持っている優れたレスポンスの足を引っ張ることになり、やらないほうがマシだったというか余計な お世話にしかならない件。
との事。
PC環境の違いによるRAMDISKベンチマークの速度差
おまけとして添付されていた、RAMディスクのベンチマーク。
せっかく環境用意したんだし、わたし的にもやってみたらどんなもんだろう?的な興味がありましてちょっと思いついてやってみた的なアレです。
RAMディスクとは、メインメモリをドライブと化し、超高速なドライブを作るもの。凄まじく速いけれど、RAMなのでPCの電源を切るとデータは消える上、中~上級者向けなので興味本位での利用はしないことを推奨。
2種類の内、先に古い構成のPCから。いずれもWindows XP 32bit版。OS管理外の4GBをRAMディスクに割り当て。
CPU:Q9650 + G41チップセット + メモリ8GB

古いながらも3.0GHzの4コアCPU。
さすがRAMディスクだけは有り、構成がどうだろうと現在の高性能SSDの10倍くらいの速度が出ております。
CPU:i7-875K + H55チップセット + メモリ8GB
2倍とまでは行かないものの、CDMのシーケンシャルライト(右上、8084)は2倍以上となっております。
なお、CPUのi7-875Kは定格2.93GHz、TB(ターボ・ブースト)時3.60GHzの物をTB機能無しのH55に載せてOC(オーバークロック)し、3.73GHzで動作しているとの事。
正直、こんなに違うものなのかと少しばかり驚きました。
確かにCore2系からCore i系へは、チップセット含めかなり大きなアーキテクチャ変更(メモリコントローラをCPUに統合したり、FSBが共有バスだったのをQPIで直結にしたり とか)が行われてましたが、単にCPUの性能が上がったというより、それを引き出すためのCPU、メモリ周りの伝送路の速度が劇的に速くなったと いうことなのでしょう。
CPU(またはチップセット)により、RAMディスクの速度が大幅に変わるという、私にはSSDのデフラグ遊びよりこちらの方が興味深かった件。
SSDのトリムや空き領域デフラグなどの検証(まとめ)
SSDの最適化検証をまとめると。
- 砂コンは下手にいじらない方が良い(かも知れない)
- プレクスターのSSDも下手にいじらない方が良い(と思われる)
- SSD性能を引き出すには、Windows XP では無く 7 が良い
- 空き領域のデフラグ効果は今回の実験では良く判らない
- TakaQさんがSSD変態過ぎて多くの人が付いてきていないと思う
3については、価格コムや個人ブログなどで検証されている数値を見る限りでは数値が向上しているものも有るけれど、個人的な感想としては微妙な差。
私は体感でどのくらい違うかで判断する為、シーケンシャルの数値が300から330になっても判らない。
時速に置き換えると、同じ30km/h差でも、5km/hと35/km、205km/hと235km/hでは後者の場合、違いが判らない感じ。(前者は徒歩と原付、後者は新幹線のカーブと直線のような)
HDD並に低下するとSSDとしての意味が薄れる為、おかしいと思ったならベンチマークソフトで検証した方が良いと思うけれど、数%の差を気にし過ぎると精神的によろしくない為、普通の人は「へー」程度にとどめておきましょう。
とりあえずプレクスター人気の理由、砂コン叩きの理由が良く分かったので、TakaQさんに限らずメールでの爆撃はご遠慮有れ。
いや、送るな=送って、という意味ではございません。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン