SSDの耐久力を計測し寿命を比較するサイトとTLCについて

2013年2月19日

個人でSSDの耐久力を調べているページを発見。

と同時に某TakaQさんより非常に興味深いインテルSSDに関するお便りも頂戴しており、今回は年に数回有るかどうか、久々に書きたくて書いております。情報の共有が目的、必ず役に立つと思うのでぜひお読み有れ。

可能な限りPC初心者の方でも解るように参ります。

SSD耐久テストをされている個人サイトはこちら。

SSD耐久テスト - BotchyWorld
http://botchyworld.iinaa.net/ssd.htm

メールに書かれていた上田新聞の記事は私も当日に見ており、強引に他のネタへ引っ掛けて持ち出そうと思っていたけれど、メールの内容だけで1記事行けると確信。

TakaQさんを知らなくても問題無く、内輪ネタはほぼございません。

 

TLCのSSDの耐久力は公称と実績いずれも低め

私は今回のSSD耐久テストのページを見て初めて知ったけれど、現在市販されているSSDはSLCとMLC以外にTLCが有るとの事。

違いはこちらの解説が分り易い。

SLC、 MLC、TLC方式のフラッシュカードで何が起きているのか
http://sdkj.mem911.com/nand.htm

難しいなら太字部分だけでもどうぞ。

  • SLC: 標準 , 高速で読み書きが可能。
  • MLC: 1.5 倍の情報をSLCと比較して記録可能。半分の電気を貯めて、その電位差を利用する。演算などが必要となるため、動作速度はSLCより落ちる。電位差を利用するため製品としての寿命はSLCの半分程度となる。
  • TLC: 1つのセルを3当分して記録を行うため、SLCと比較して2倍の情報を記録可能となる。電位差の測定がシビアとなるため、処理速度が低下する。また製品としての寿命は、MLCよりもさらに大幅に減少している。(2年?) 

機種により違うけれど、具体的な数値も参考に。

  • SLC NAND 書込可能サイクル 10万回 (Samsung OneNAND KFW4G16Q2M) 。サーバ用高速SSD、高性能ワークステーション用。
  • MLC NAND 書込可能サイクル 5千~1万回 (Samsung K9G8G08U0M) 。高性能パソコン用SSD、200倍速の高速フラッシュカード、高速型USBメモリ。
  • TLC NAND 書込可能サイクル 1千~5千回。Class 10までの低速度フラッシュカード全種類。低価格USBメモリ。

読み方を補足。

  • SLC:シングル・レベル・セル
  • MLC:マルチ・レベル・セル
  • TLC:トリプル・レベル・セル

SSDが出た当初、個人的には高速長寿なSLCが主流になると思っていたけれど、価格がやたらと高く、普及したのはMLC。

2013年1月現在、市販されている安いSSDは全てMLCと思っていたけれど、TLCが混在していると今回教えられた次第。

BotchyWorldでのテスト方法はリンク先の仕様に詳細が有るけれど、簡単に言うと対象のSSDへ書込を続けて3種類の容量で割り算し、故障までの推定寿命を出すというもの。

さすがにSLCを壊して遊ぼうとはされておらず、MLCとTLCなものの機種は結構揃えられており分り易い。

寿命一覧の「書込4GB/1日」より引用。容量はいずれも120GB。

  • intel X25-V&X25-M・・127年10ヶ月
  • Samsung 840・・16年10ヶ月

インテルは昨年夏頃まで普及していた旧機種で、私もOEM品の80GBを所有しサブPCで利用しております。これも引かせてもらいましょう。

  • 80GB・・85年3ヶ月

内輪ネタになるけれど、いつもの調子をお伝えしたくメールより無断で引用。TakaQさんなら問題ない(キリッ と言ってくれるはずと信じて。

私のサブPC内蔵のSSDを指し、

ソレ、1日の書き込み量 4GBで85年だってw

8 5 年 だ っ て w w w

要らないからw 耐久性能下げていいからもっと安くしろw もう生きてないわw

吹いた焼酎返せ。


話を戻すと、テスト用SSDのインテルはMLC、サムスンはTLC。

引用の数値は4GB/1日。私のパソコンの使い方なら4GBも行かず46億年くらいもちそうな気がするけれど、毎日大量のデータを書き込んでいるならTLCに要注意。

書込量25GB/1日より。

  • intel X25-V&X25-M・・20年5ヶ月
  • Samsung 840・・2年8ヶ月

寿命半分どころでは無し。

機種や中身の違いも有り単純には比較出来ないと思うけれど、他の容量の結果も見ると(サムスンの)TLCの寿命は他のMLCより下は確定。

 

インテルのSSD 335シリーズも実はTLC?

久々の自爆ネタが来たと思ったけれど、先にこちらの記事をどうぞ。

【平澤寿康の周辺機器レビュー】 インテル「Intel 335」 ~20nm NANDフラッシュ採用の普及価格帯SSD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hirasawa/20121109_571713.html

容量は240GBと記載が有るので私が今これを書いているメインPCと同じ物。仕様を引かせてもらいます。

利用されているコントローラは、従来モデル同様、SandForce製の「SF-2281」で、NANDフラッシュメモリチップも、インテル製のMLC仕様のNANDフラッシュメモリチップを採用

どう見てもMLCです本当にありが(略)と思い、TalaQさんの勘違いと思ったけれど、彼は2ch情報に強く、私よりパソコン変態度は上。

読み方を思い出すと、MLCはマルチ~、TLCはトリプル~。強引過ぎるけれどトリプルもマルチに含まれるとするなら疑えてしまう。いや、違うと思うけれど。

更に調べると、価格コムで同じように考えている人を発見。

MLCのMがMultiだから、TLCもMLCに含まれると思っていたけど。

TLCの寿命は、最低で千回ほど。335に使われていると仮定して、(以下略)

source:価格.com - 『OSインストール後のSSD延命対策について』 インテル 335 Series SSDSC2CT240A4K5 のクチコミ掲示板

しかしPC Watchの記事では、

335は、基本仕様は従来モデルの330とほぼ同等となっている。(中略) ただし、このNANDフラッシュメモリチップは、従来モデルでは製造プロセス25nmのものを採用していたのに対し、335では製造プロセス20nmの最新チップが採用されている。

330からの変更点は製造プロセスのみ。

深読みし妄想すると330もTLCの可能性、は無いと思うけれどこれ以上は考えても無駄ですな。

ソースが有るなど補足してくれる方が居られるなら、TakaQさんに限らずお便りをお待ちしております。返信はしない方針なのであしからず。btopc.com@gmail.com

有用な情報の場合はここへ追記する予定。


当日14時頃追記:TakaQさんよりメールを受信。

25→20プロセスルール変更で335は多少の短命化を犠牲にした廉価版のイメージを持ってましたので、

「例の耐久テストでTLC疑惑のソレもはっきりすることになるなw」

という主旨の煽りメールだったつもりなのですが、まさかの一本釣りでしっかり調べて1記事お書きにまでなるとは思ってなかったw

というわけで私が釣られたというオチへ。

しかし改めて考えると、(インテルSSDの影響と思われる)SSD全体がやたらと安くなった時期昨年4月から。330シリーズは4月に発売。その330より安くなった335シリーズ。

仮にインテルがTLCをMLCと表現しているなら有り得なくもなさそう。BotchyWorldで計測が始まっているので結果待ちですな。私としては、とっととぶっ壊れてTLC疑惑としてもう1本書ける方が助かる。

私信:TakaQさんへ。ネタ切れ補完有難うございます。


 

頻繁にバックアップしているなら問題無し(まとめ)

MLCよりTLCの方が短期間で故障する事は証明されているけれど、考え方の違い。いくら実績とは言えストレージなのだから故障する時は寿命を待たずするもの。

私が実際にやっているストレージ構成が以下。

main-pc-backup-new.gif

source:フォルダやドライブを簡単に差分バックアップする方法 - BTOパソコン.jp

良く解らなければ右の黒い奴は無視で。

SSDの内容は全てHDDへコピー(バックアップ)し、データ用HDDも同じようにコピー。SSDがいつぶっ壊れてもバックアップした時まで戻る事が可能。

私の場合はシャットダウンする前に差分バックアップ用のフリーソフトを実行し放置して寝る為、次の電源オン時に壊れても別ストレージにデータが残り、PCを使用中に突然故障しても前回シャットダウン時までのロールバックで被害は最小限。

というわけで、消えると困るデータはバックアップしておきましょう。

おまけ:フロンティアがまたおかしい

最近のフロンティアは結構安くなって来ており、この機種もゲームするなら有りかも、但し耐久力は低そうとして強引にBotchyWorldへ接続しようと考えておりました。

KOUZIRO、Samsung製840シリーズSSD搭載デスクトップ発売-GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20130215_587916.html

引用。

Samsung製840シリーズSSDは、リーズナブルかつ高速起動、低消費電力といった特徴を持つSSD。

リーズナブルと記載あるので840 Proでは無いでしょう。

一応突っ込んで置くと、リーズナブルで嬉しいのは売る側の都合。デスクトップPCで消費電力は重要ではない上に、SSDは元から1W程度のものなので、それが0.1Wくらいになったからどうしたのかと。

確かに起動は高速なはず。840無印のベンチマークはこちら。 

samsung-840-cdm.jpg

source:価格.comマガジン コスパ抜群の新世代SSD「Samsung SSD 840」レビュー

読込は速いけれど書込はそうでも無いかと。

プレスリリース記事のリンク先、フロンティアの販売ページより拝借。

mainvisual_intel_samsung.jpg

高耐性ならサムスンSSDのイメージは外すべきでしょう。

フロンティアは昔はマニア御用達(とは私の個人的な印象)の企業。今は嘘を嘘と見抜けなければ利用するのは難しいようなので、自称PC初心者なら注意しましょう。

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