初のPC自作で失敗しそうなこと。
自作できる人に言わせると、パソコンの組立はプラモデルを完成させるよりも簡単だとはいうものの、それはパーツの組合せや組み立て方法を知っているからそう言えるのだと思う。
ありえそうな失敗を10種類。
パソコンを自作する初心者にありがちな失敗
いつもどおり価格コムを参考に。
【価格.com】パソコン | 通販・価格比較・製品情報
http://kakaku.com/pc/
以下、自作初心者ではない人も知らなかった情報があるかも知れない。
1.ケースに対しデカいマザーやグラボを選択
自作用として販売されているケースの主流は2種類、ATXとMicro ATXがございます。初自作でスリムやキューブは無茶なのでナシとして。
BTO風にいうとATXはミドルタワー、Micro ATXはミニタワーやマイクロタワーと呼ばれており、ATXはデカいので大は小を兼ねるけれど逆は兼ねないため、Micro ATXケースにATXマザーは入らない、逆は行けるという規格の違いを知らない場合。
下の例では、ATXケースならマイクロATXもミニITXも行けるが、キューブ型の方はマイクロさえ入らない例。
また、ATX(Advanced Technology eXtended)という呼び名は電源にも使われております。
- ATXケース・・・ATXとMicro ATXマザーどちらも入る
- ATXマザー・・・Micro ATXケースには入らない
- ATX電源・・・ATXとMicro ATXマザーどちらも入る
1995年にインテルが策定した、パーソナルコンピュータの構造規格(フォームファクタ)である。
source:ATX - Wikipedia
自作慣れしている人なら大きさや形を見ればわかるけれど、初自作なら全部の規格を見なければやらかしてしまうやも知れず。
グラボは高性能なものは基板がデカくなると長くなる機種もあり、シャドウベイ(内蔵ドライブのスロット)が取り外せず詰むとかありそう。
2.マザーボードに対してメモリやCPUが違う
2018年現在はDDR4が主流、とはいえまだDDR3も混在している上、このSODIMMのパッケージは初心者には割と凶悪かも知れない。上段、3位の方。
拡大してみるとわかりやすい、パッケージを流用しているのかパッと見の長さがSODIMMに見えない可能性。ラベルで基板が隠れているとも思える。
画像だけ見て買う自作PCユーザはまずいないとは思うものの、知識がなければ容量あたりの価格がなぜか安いなどという安易な判断をするやも知れず。
マザーボード側のスロットがDDR4なら3は物理的にスロットにハマらないし、主にノート用のSODIMMは長さが違うのでやはりハマらない。
CPUはピン(グリッド、LGA)の数値を見て買えばOKとは現状言えず、グリッド数が同じLGA1151でも以下の2つは互換性なし。
- Coffee Lake(第8世代)・・・Intel 300シリーズチップセット
- Kaby Lake(第7世代)・・・Intel 100/200シリーズチップセット
チップセットとの組合せになるため、これは現役の自作ユーザや久々に自作する経験者でもうっかりミスがありそう。CPUに対してチップセットを毎回確認する人、または情報を追っていなければ危ない。
3.M.2の規格を間違えてSSDなどを購入する
M.2は現在3種類の長さがございます。
Typeの4桁の内の左2桁は幅で22mm、右の2桁が長さで42、60、80mmとなっており、長さについてはデスクトップPCのマザーならば全対応しているモノが多いのでミスる事はないだろうし、だいたい42と60mmはトランセンドしかないので変だと気付くかと。
問題はここ。
価格コムの仕様一覧ではSATA 6GbpsとPCI-Express(PCIe)に分かれているけれど、PCIeのx2かx4かで接続部分の切り欠きが違う場合も。
以下、見分け方。2018年5月現在なので今後種類が増える可能性アリ。
- 切り欠き1つ・・・PCIe x2、SATA3
- 切り欠き2つ・・・PCIe x4
最近は2つならx4のNVMe、1つならSATAという見分け方で良さそうだけれども、マザーボード側のスロットがどうなのかはモノにより違う。
4.高性能にしてしまい電源の12Vが足りない
2系統に分かれている電源ユニットの例。
+12Vは1と2それぞれ18Aで 日本の通常のコンセントは100Vなので各180Wまで。180W以上 12x18=216Wなので高性能すぎるグラボを搭載するには無理がある。 関係ないけれどなぜ432Wまで上限設定されているのかは海外で240Vなら18Aが432Wになるため。 ※22時頃訂正、ミスった証拠は残す方針にて見づらくなり失礼。
1系統で36Aの 360W 432WだったとしてもCPU130W、グラボ 200W 280Wとかなら余裕がなさすぎる、のような計算をせずに価格コムで何か人気だし安いからと適当に買ってしまうと電源入らない、入っても一瞬で落ちるなどの不具合状態に。
5.どこから手を付けていいのかがわからない
どこからでも良いけれど、パーツ全部開封して何から始めたらいいのかの段階から説明している記事は割と少ない。以下、私の場合。
- マザーにCPUとメモリをセット
- CPUかヒートシンク面積の狭い方にグリスを塗り搭載
- 主電源(24pin)とCPUの補助、あるならグラボの補助電源接続
- キーボード接続
- PWのピンをドライバなどでショートさせてBIOS起動を確認
- 電源を落としてマザー一式と電源をケース内へ
- ケースのLEDや電源ボタンなど接続
- ストレージなどドライブを接続
5番はマザーボードにより変な場所をショートさせると火花出てそこで試合が終了してしまうため、ケースに入れて電源ボタン接続して押した方が安全。
6.I/Oパネルの取り付けを忘れてマザー装着
画像右の端子類の金属カバー。
ケースを内側から見ていると、うっかりマザーのネジ全部締めた後にパネル装着を忘れたことに気付くことも。
「そんなやつはいないだろ」と思ったならここにおります。
7.マザーに付属のメディアが何か分からない
下の画像のCDとかDVD各種。
6年前にパソコン工房から借りたPCなのでどれが何かわからないけれど、おそらくWindows、ドライバ、ユーティリティ、サイバーリンク(?)。
最初にWindowsを入れるのは良いとしても、その後にドライバと思ったら余計な機能が発動するユーティリティだったとか私あるある。
その他、グラボのドライバ、SSDのファームウェアなどほぼ英語表記。
8.AUDIOの排他仕様を理解せず初期不良扱い
今はどうなのかわからないけれど、昔のマザーボードはフロントパネル用のAUDIO端子をマザーに接続して使用すると、背面のマザーに付いているサウンドのアウト端子から音が出ない、その逆も音出ないモノもあった。
それはおそらく仕様でありマザーの初期不良ではない。
知らずに初期不良扱いで工場へPC一式丸ごと戻って来たことがございます。コールセンターまで知らなかったので無理もないけれど。
9.マニュアルが理解できずピンアサイン不明
初心者最大の難関だと思う。
最近はマザーのマニュアルが日本語で書かれていたりするので読めばわかるだろうけれども、英語のみでアレルギー反応起こす人にはハードル高そう。
- 配線の色はケースにより違う
- 印字表現はマザーにより違う
- ピンの配列もマザーにより違う
- LEDはプラスとマイナスがある
間違えると大爆発はしないけれど最悪何かと壊れる可能性ある。
10.CPUクーラーの選択や着脱時に何かと失敗
ピンアサインの次に難関、またはこちらの方が難しいと感じるかも知れない。適当にひらめいただけでも結構多い。
- プッシュピンの着脱方法が不明
- 取り付け方がわからず密着せず
- 保護シートを剥がさずに取付け
- グリスの厚塗りによるはみ出し
- グリスの使い方を知らず塗らず
- AMDでスッポンしピンを曲げる
- CPUの向きを間違えてぶっ壊す
- ケースの幅より高いCPUクーラー
- 簡易水冷のラジエーター搭載不能
- 指でヒートシンクのフィン曲げる
1と7は10年以上前に私がやらかした。3と5は勝手に改造したPCでやっているのを修理現場で見た。
分からないのが6番で、スッポン(ヒートシンクにCPUがくっついてソケットから抜ける)はグリスの固着によるものなのか、しかしRyzen発売直後にスッポンしていた人を2chまとめで見た。
1~9までどうすれば良いかここで書くと自作PCを楽しめないと思うのであえて説明はしない。というか説明すると1記事書けてしまうのでそうする。
書き出してみると自作PCは割と難しそうと思った
自動車いじりが好きなら、自力でオイルやタイヤ交換を簡単にやってしまう人もいるだろうけれども、私はパンクしたタイヤを一度だけ交換した程度で2時間くらいを要し、オイル交換はどこをどうしていいのか見当さえつかない。
自作PCはそこまで難しくはないとは思うものの、ここで失敗しそうとか、分からない可能性アリとして書き出してみると、初めて組み立てるなら自作PCはハードル高いのかと感じた。
どうすれば良いか最も安全な方法は、詳しい人に確認してもらいつつ自分でパーツを選び自分で作業する。一度でも自力でやってしまえば、2回め以降は迷う箇所が減り、3回目以降からは簡単だと思える、かも知れない。
周囲にPC変態が居ないなら、まずは国内メーカーのBTOパソコンを購入してバラして組み立てればOK。簡単にいうけれど元通りにできない、壊れる覚悟で。DELLやHPなど外資系は特殊なケースが多いので非推奨。
古くからの自作PCユーザがどうやって自作できるようになったかは、多くの人がパーツ選びに失敗したり、時にはぶっ壊し、ムダに散財しつつ最終的に自力で何でもできるようになったのだろうと予想。
ちなみに私は修理現場で自作PCする知識を得た。
なぜ失敗し散財してまで自作しているかは2種類と思われ、楽しいから、パーツの流用で組み換えると安いから、だと思う。
私は後者、今はPC自作しても全然楽しくない。
最初は最安値にこだわらず、リアル店舗で一式そろえるのが無難でしょうね。
相性保証なんかも付けて。
>ピンアサイン
マザーとケースにより違う場合がありますね。
例えばスピーカーやLEDなんかで、片方がが2ピン、他方が3ピンで真ん中不使用の2ピンとか。
バラの線を売ってるんで、一袋(5本で200円ぐらい?)買っておくといろいろ使えて便利ですね。
PCの自作初心者という表現はよく耳にしますけれど、ではPCの自作上級者とはどんな方を指すのか、は明確には分かりませんね。いわゆる自作初心者でもPCの自作はできますし。
不安なら安さは度外視し、店員に相談しながらひとつの店舗で自作パーツを全て揃えてしまえば、規格違いや容量・性能不足などを防げるため、そこまでして自作がしたいならおすすめの方法。
>ケースに対しデカいマザーやグラボを選択
基本的にATXマザーよりMicroATXマザーの方が安いですし、予算を自由に振り分けたくて、あわよくば低価格で必要なスペックを満たしたくて自作を選んだ場合、マザーやグラボがケースの大きさに合わない、という事態に遭遇する確率はそれほど高くないと思われます。
初自作でmini-ITXを選ぶのは猛者。
>グリッド数が同じLGA1151でも以下の2つは互換性なし。
ほか、CPUソケットが同じでもBIOSもしくはUEFIのバージョンが古く、マザーがCPUを認識しないというトラブルもあり。
>日本の通常のコンセントは100Vなので各180Wまで
それ計算ちがいますよ。WはV×Aですから、+12Vが18Aなら12×18で216W。18Aの+12Vが2系統で計432Wです。
>1系統で36Aの360WだったとしてもCPU130W、グラボ200Wとかなら
その場合は+12Vが432W。マイナス330Wで残りは102W。ピークで76%ならそこまでギリギリでは無さそう。マイニングでもして負荷を与え続けるなら、45A(540W)くらい欲しいやも。
>I/Oパネルの取り付けを忘れてマザー装着
私的には「安すぎるPCケースを買ったらI/Oパネルがしっかり取り付けられない」もあるある。
>ピンアサイン
とりあえず「Power」と「Reset」だけ正常に繋げれば問題ない。何なら「Power」だけでも可。
>プッシュピンの着脱方法が不明
「無理やり押し付けてプッシュピンが曲がる」も追加で。
>グリスの厚塗りによるはみ出し
基本的にシルバーグリスであっても通電性はほぼゼロですから、多少ははみ出しても問題ないですけれど、グリスのせいでマザーが錆びたりすると悲しい事態に。
>パンクしたタイヤを一度だけ交換した程度で2時間くらいを要し
とりあえずジャッキと車止めとレンチがあれば、タイヤ1つは5分くらいで交換できますね。前に交換した方が下手くそで、ナットを舐めて(ナットの角が丸まって)いると死ぬほど大変でしょうが。場合によってはソケットレンチに鉄パイプを取り付けて(テコの原理を利用)、力ずくで回す必要がある場合も。
本文内+12Vの計算間違いを訂正、ご指摘有難うございます。
>初自作は実店舗で一式
これが正解ですな。実店舗とか数年に一度しか行かないので思いつかなかった。問題はどうやって持って帰るかだけど、2~3回に分けて買って帰るなら何とかなりそう。
>無理やり押し付けてプッシュピンが曲がる
あるある。これは流れになっていると思いだした。
1.無理やり押し付けてプッシュピンが曲がる
2.曲がった先を元に戻して今度は正常に取付ける
3.タイマーのごとく曲がっていた足が折れて固定が外れる
4.その勢いなのか他のピンまで外れる
5.CPUが数分で100度達成へ
>パンクしたタイヤ
私の場合はジャッキアップの工具の使い方がわからず10分くらい悩み、車体のどこに固定して上げたらいいのか迷い「バキッ」とか言わせて30分くらい悩み、ホイールの外し方がわからず(以下略
老害らしく昔話をしてみると・・・
・パーツの相性問題というのが今はほとんど無いけども、昔は普通にあった気がする。
・IRQが足りないとか何番だと駄目だとか、拡張ボード(グラボとかサウンドカード等々)を刺す場所を試行錯誤で変更してた気がする。
・パーツを組み上げ無事にパソコンが起動したとしても、今度はautoexe.batやconfig.sysの中身をいじってコンベンショナルメモリをある程度?大きく確保しないとゲームによっては遊ぶことができない。
もうずいぶん昔の事なので他にもあったかもしれないし、間違ってるかもしれない。
昔と比べたら簡単になってはいますが、それでも考えたら今でも十分面倒臭いですね。
>自動車いじりが好きなら、自力でオイルやタイヤ交換を簡単にやってしまう人もいるだろうけれども、
好むと好まざるに関わらず、田舎の雪国では自分でタイヤ交換をします。
私が中学生の頃、実家の車のタイヤ交換の手伝いをした事があります。
ネジ?ボルト?を締める時は対角線上に締めるものだというのはその時に覚えました。