自作PC初心者の失敗10選の続き。
というわけでもなく、作文している途中でCPUクーラーの着脱時に失敗しそうなことをを書き出して行くと10個になってしまったので、それをネタにもう1記事書けるとひらめいてしまった安定のHSPM。
ありえそうな失敗と対策を10種類。
CPUクーラーを取付や取外す時の失敗例と対策
価格コム参考にすると思うのでリンク。
【価格.com】パソコン | 通販・価格比較・製品情報
http://kakaku.com/pc/
1.ケースの幅より高いCPUクーラー
珍しいクーラーがあったのでこれを例として。
仕様より引用。
130(W )× 120(H) × 130(D) mm(搭載ファン含む)
source:株式会社サイズ | 商品詳細 |超天
高さはH、120mmなので高さ12cm。トップフローにしては背の高いCPUクーラーで、サイドフローになると12cmどころではない物もあり、私が見た最大は17cmの製品も存在。
私のメインPCの自作遊び画像。クーラーの向きがおかしい点はスルーで。
このようにマザーから垂直に設置、ケースから見ると向かって右から左に向けて伸びた状態になるため、ケースの幅が狭いならば取付けるとサイドパネル閉まらなくなるわけですな。
どうするかはCPUクーラーに合わせてケースの幅を選ぶ、またはケースに合わせてCPUクーラーを選ぶいずれか。一般的にはケースに合わせる方でしょう。
注意する事は、CPUクーラーが高さが15cmでケースの幅が20cmの場合、隙間は5cmではございません。ケース向かって右側板からマザー取付板まで、その板からマザーまでの隙間があるだろうから。
幅を細くしてケースの見た目にこだわるのはいいとしても、CPUクーラーの特にサイドフローが限られてしまうのでご注意。普通の自作用ケースならだいたい20cmくらいはあるはず。
2.簡易水冷のラジエーター搭載不能
簡易水冷とはこういうやつ。
source:H100i V2 | リンクスインターナショナル
ファンの裏にラジエーターが付いており、右のチューブ内で液体が循環し、コルセアロゴのある水冷ヘッド(水枕)部分でCPUを冷やす仕組。空冷よりよく冷えるので高性能CPU用として最適。
価格はやや高めなものの、1万円くらい出せばそれなりに良さそうな2連ファンの製品があるので手が出せないほどではなく、価格コムのクーラーランキングでも上位にいくつかランクイン。
注意することはケースが内部にラジエーターを搭載できる構造になっているかで、古いケースや安物、Micro ATX(ミニタワー)は簡易水冷搭載を前提としていないモノもございます。
ケースの外に出してしまえば?と思ったならもっと難しい。簡易水冷はメンテナンスフリー、冷却液の交換とか考えられていない設計なのでチューブは外れないため、外に出すならケースにデカい穴開けるとか、フロントの5インチオープンベイから出すとかになってしまう。
簡易水冷が普及し始めた当初はシングルファンだったので、ケースのリヤファンと交換で何とかなったが、対応ケースが増えて2連や3連ファン仕様も普及しております。
3.指でヒートシンクのフィンを曲げる
サイズのサイドフローを例に。
source:株式会社サイズ
画像の奥側、ヒートシンクのフィンはこの製品の場合は上に厚めな金属が付いており手づかみしても大丈夫と思われるけれど、その下のフィンは放熱の効率を良くするために薄くなっております。
この部分に力を入れると曲がってしまうほど薄い物もあり、一度曲がると元に戻すのは難しい。フィンには触れないように。
4.保護シートを剥がさずに取付け
保護シールの画像がないのでインテルCPU付属クーラーで。
灰色な3本の帯状のモノは最初から塗られているグリス。インテルの付属品の場合はこうなっているけれど、別売り単品で買うならグリスが最初から付いていたりはまずない。
グリスなしの状態、キズ防止なのか透明なフィルムが貼られている事があり、剥がさずグリス塗らずにそのまんまCPUの上に載せて一瞬で100度になり電源落ちる改造品を修理現場で見たことがございます。
最近のPCパーツは親切なので透明シートに文字が書かれているモノもあるけれど、保護シール付いていないか確認を。そこにグリス塗っても意味がない。
5.プッシュピンの着脱方法が不明
インテルCPUのオマケ品以外に当記事1番のサイズのクーラーや私が今使用しているクーラーマスターのサイドフローもプッシュピン。
拡大画像がこちら。
source:CPUクーラーの取り付け方、LGA775(1156,1366) - BTOパソコン.jp
リンク先には取付動画あり。取り外し動画はこの記事に。
上の静止画右上で持っている部分がプッシュピンのヘッドで、よく見ると矢印が書かれておりましょう。
この矢印は外す場合の方向を表しているので、取付ける場合は逆方向へ90度回しておく。それがロック可能な状態。矢印方向へ回した状態はロック解除なので、そのまんま押してもマザーに固定されない。
取付ける際は対角線の2本を真上から押してカチッと2回音がするまで押す。外す際は矢印方向へヘッドを回し、2本ずつ引けばロックが外れるので4本外したなら持ち上げるだけで取れる。
6.取り付け方がわからず密着せず
プッシュピンの押し方がわからず、3本だけロックされた状態で電源を入れると数分で電源落ちてしまったり、ピンではないバックプレートとネジの場合はどこまでネジを回せば良いのかわからなくなったり。
クーラーを固定する4本のピンやネジは均等に力がかかるように、かつ1本も抜けがないように。
7.グリスの使い方を知らず塗らず
私が始めてヒートシンクを外したのはサイコムのBTOパソコンで、「なぜこんなところに粘土が付いているのだろう?」と不思議に思い、汚れていると思い拭き取ってCPUクーラー元に戻した。
当然、密着できていないのでCPUの温度は上昇し数分で電源オフ。
塗り方はこちら。
CPU用グリスの性能と種類、リテールとの温度比較や塗り方
https://bto-pc.jp/repair/cpu-thermal-grease-kuma.html
8.グリスの厚塗りによるはみ出し
厚塗りも上のリンク先に絵を描いております。悪い例。
盛りすぎるとCPUのヒートスプレッダからはみ出してしまい、これはCPUクーラー側にグリスを塗っているのでこうなるけれど、CPU側の方が面積小さい場合はCPU側に塗ることになるので、全体に盛りすぎるとヒートスプレッダどころかCPUからもはみ出してしまうことも。
やや良い例。
もっと薄くできるはず。最も良い状態は金属部分が見えるか見えないか、ギリギリ見えないくらいまで薄く塗るのがプロの仕事。
CPU側に塗る場合はCPUを外して指で持ち支えた状態で塗ればOK。少しでもはみ出したなら慎重にキムワイプとか、ないならティッシュで拭き取る。
9.AMDでスッポンしピンを曲げる
インテルはSocketのピンからLGAになった頃からカバーで覆われているものの、AMDはいまだにピン+リテンションバー。昔の画像にて失礼、だいたい同じ。
画像下側のバーを上げるとCPUが取り外せて、CPUを載せてバーを締めると固定される仕組。スッポン画像は持っていないので価格コムより。
CPU裏返して載せているのではなく、CPUクーラーを取り外す際にCPUがヒートシンクにくっついて外れてしまった例。ピンなのでリテンション無視して抜けることがございます。
スッポンしないコツは、ヒートシンクの固定を解除した後、いきなりヒートシンクを持ち上げずに少しひねる、ねじる。するとCPUとヒートシンクが剥がれるので持ち上げればOK。
私が現役で修理していた頃は、AMDはもちろん、インテルでもSocket478は結構あったのでクーラー外す際は必ずひねってから取り外しが基本。
斜め方向にスッポンしてしまうと大量のピンが曲がってしまい、それを直すのはラジオペンチなどの先で1本ずつ垂直に、ピンをまっすぐに戻すという苦行が待っております。
10.CPUの向きを間違えてぶっ壊す
「そんなやつはいないだろう」と思ったなら私も思ったけれど、私。
人生の初BTOパソコン、初DOS/Vパソコンはサイコムで完成品を購入し、数年経過して何か調子悪いと思い分解してグリス塗らないどころかCPUの向きを間違えて強引にフタ閉めてクーラー搭載。
電源ボタンが自爆ボタンと化した。
CPUクーラーの着脱はYouTubeで検索しまくる
静止画で見てもなかなかわかりにくいのがCPUクーラーの着脱、しかも自作PCならば様々なクーラーがあるので、同じ方式の固定方法でも微妙にプッシュピンの押し方やバックプレートの取付手順が違うなどあるある。
しかし固定方法は大抵の場合はプッシュピンかバックプレートによるネジ固定の2種類。前回書いた初心者の失敗にありがちなやつの2大難関。
- 9.マニュアルが理解できずピンアサイン不明
- 10.CPUクーラーの選択や着脱時に何かと失敗
とは言えども、CPUクーラーはピンアサインほど多彩ではなく、最近は日本語の丁寧な説明書が付いていたりもするので昔ほど苦労はしないでしょうな。
プッシュピンは足先を折らないように、バックプレートは締めすぎてマザー割らないように。共通して、慎重に作業しましょう。
ピンアサインの解説はなくともCPUクーラーの着脱手順はYouTubeにたくさんあるので何度でも気が済むまで予習や復習を。
>スッポンしないコツ
PCを停止してすぐにやると、まだ暖かいためスッポンは起きにくいです。
リテールファンのグリスは、特に固いようで捻ってもなかなか捕れません。
ドライヤーで炙る人も居るようですが、私は怖い。
>ラジオペンチなどの先で
スッポンの経験は多々ありますが、私は曲がったことは無いです。
曲がった場合は
>シャープペンシルの先を利用して修正すると良い
と聞いたことがあります。
幸い私は試したこと無いですが。
先日組んだRyzen7 1700のリテールクーラーは従来のリテンションでは無く、ネジ止めとなっていました。
最初はどこまでネジを締めれば良いか不安でしたが、締めていくと止まるところがありました。
片締めにならないよう4本のネジを均等に、対角線方向で締める必要があると思います。
今回のリテールクーラーは結構静かでCPU自体もあまり熱くなりませんから、OCしてしばき倒すつもりが無いならこれで良いかと。
>ケースの幅より高いCPUクーラー
A. PCケースを買い換えれば良い。せっかくなので古いケースに中古のパーツを詰め込み、サブPCとして利用するのが理想。
>トップフローにしては背の高いCPUクーラー
パッと思いつくモデルですと「グランド鎌クロス」ですかね。ヒートシンクがV字型になっているクーラー。確か高さ14cmくらい。
ASCII.jp - 狂気! 『グランド鎌クロス3』をAura Sync化してビカビカ光らせる
http://ascii.jp/elem/000/001/499/1499472/
>ケースが内部にラジエーターを搭載できる構造になっているか
リアパネルが難しいなら天井パネル部にでも取り付けるか、空いている場所へ無理矢理にでも取り付けるしか無いですね。
>指でヒートシンクのフィンを曲げる
元に戻せるから問題ない。それよりヒートシンクで指を切る方が怖い。
>プッシュピンの着脱方法
私はプッシュピンと相性があまり良くないため、バックプレート型が好み。とはいえ大型でやや高いクーラーしかバックプレートを採用しないため、私の用途だと金と空間と風力の無駄遣いにしかならんという。
>どこまでネジを回せば良いのかわからなくなったり。
そしてマザーが曲がったり割れたりまでが形式美。
>CPU側に塗る場合はCPUを外して指で持ち支えた状態で塗ればOK
私は外すの面倒ですから、いつもマザーに取り付けた状態で塗布します。はみ出さなければどうということはない。