自作初心者向けシリーズ、パート3くらい。
パーツ選びと性能の見方に続き、端子の種類や接続方法について。デスクトップPC内部を見ると配線がのたうち回っており、接続は難しそうに見えるかも知れないけれど、一度覚えてしまえば簡単。
どこに何を繋ぐか画像入りで解説。
サンプルのマザーボードはこれにしましょう。私が今使用中のZ97で、ピンが見えやすくなるよう少し明るく加工。
source:ASRock > Z97 Extreme6
番号は後で書く説明と合わせている為、ガチで参考にされるなら上の画像は別窓で開くとか一時保存してビューワなどでお開きあれ。
電源も私が使用中の450W、コネクタ画像を拝借し、やはり明るめに加工。
source:RS450-ACAAB1-J1(GXII PRO 450W) |株式会社aiuto
これも必要に応じて別窓などで表示を。
電源ユニット<->各パーツ
基本的にパソコンのコネクタ類は一部例外を除き、挿さらない場所には挿さらない仕様になっており、上の画像左端のデカいコネクタ以外は力を入れる必要無いほどすんなり接続できるはず。
1.CPU(CPU 4+4pin)
上の画像左から2番目とマザーの1番を接続。
マザー側は8pin、電源側は4+4pinで、向きがあるけれど上記した通り挿す方向はコネクタの形状で決められているので端子同士の形を見てみましょう。正方形と角が欠けているピンがあるはず。
役割はCPU専用の電源端子となっており、CPUの消費電力がデカい場合に8pinコネクタが必要。TDPの低いCPUなら、8pin全部では無く4pinx1本でも動くので、CPU性能が高く無いなら電源側が4pinx1のみでもOK。
給電足りないなら電源入れても真っ暗で起動しない。
2.グラボの補助電源(PCI-E 6+2pin)
上の画像左から3番目はPCI-Express用の補助電源で、高性能というか消費電力のクソ高いビデオカードが補助を要求している場合がございます。
source:ASCII.jp:知ったかできるパーツ基礎知識【ビデオカード編】 (1/4)
グラボの側面または尻尾に上のような端子があるなら全て接続。これはCPUとは違い、8pinのみとか6pinのみで誤魔化すことはできないはず。
電源ユニットの端子はPCI-E 6pin+2 x2本なので足りているけれど、もし1本のみとか1本も無いなら後で出るペリフェラル4pin端子とアダプタで変換も可能。但し、変換しなければならないような電源ユニットならば、「そもそも電源容量足りていないのでは?」と疑いましょう。
性能がバカ高くないグラボは通常PCI-Express端子からの給電のみで足りるので、グラボに補助電源端子が無い仕様も多いので無いなら接続は不要。
3.主電源(MB 20+4pin)
上の画像左端のデカい端子とマザー側3番を接続。
20+4pinになっているのは、小型PCや安いマザーの場合は高性能パーツを盛れないなどで20pinでも行けるマザーがある為。
電源は20pinのみ、24pinのみの物もあるのでマザーに合わせた電源選びを。20->24、その逆へ変換するコネクタも存在。
変換は間違えた用でもあるけれど、マザーボードを交換した際に電源を流用する時に合わせる用でしょうな。私も24->20pin持っており、電源片手に他人のデスクトップPC修理に行く時用。
4.SATA用電源(SATA)
上の画像右から3番目、SSDやHDDやDVDドライブとマザーの接続。
下の画像は延長用ケーブルなのでオス/メスが逆になっており、このような形の端子がSSD側に付いているはず。
source:SMARTエラー検出のハードディスクからデータをコピー - BTOパソコン.jp
右のデカい方が電源で、良く見ると左端が 「 のように「く」の字になっており、上下左右を間違えると挿さらない。
※その他(peripherals 4pin、Floppy 4pin)
画像右から2番目のペリフェラル4pinは昔のHDDやDVDドライブの電源用として使われていたけれど、SATAになり使われなくなってしまった。
しかし、グラボの補助電源用に変換したり、ケースファンの電源端子が足りない時に変換するとか、ファンコントローラーなどのおもちゃを搭載した時に給電する際に余っているであろうペリフェラルが良く使われる。
画像右端のフロッピーは現在ではカードリーダー接続する程度。稀に私のPCに搭載しているような5インチベイ用LEDライト付き引き出しで使われたりも。
電源は以上。
マザーボード<->各パーツ
5.SATAケーブル
電源用のSATA端子と同時にデータ転送用のケーブルを接続。SSD、HDD、DVDドライブなど。
これも電源用と同じようにくの字になっているので向きは間違えようがございらない。時々、押して抜き差しするロックが付いている物があるので、無視して強引に抜き差ししないように。
6.CPUクーラー(4pin)
CPUクーラーはケースとは違い4pin、下の画像の黒赤白はファン側が3pinでマザー側は4pin。
source:CPUクーラー交換で静音化の注意点とPWM制御について - BTOパソコン.jp
このようなつなぎ方をしても問題は無く、4番目のピンはPWM制御というファンの回転数をコントロールする機能、CPUの温度が高くなるとファンの回転数を上げる用、なのでマザーの3pinへCPUクーラーの4pinを挿すのはおすすめしない。
マザー側の端子には片側に突起が付いているので、ファンの端子側の凹みに合わせて接続すればOK。逆にするとマザー側のプラスチックが邪魔して入らないと思うので無理やり入れないように。
7.ケースファン(3pin)
こちらは3pinでPWM制御無し。マザーの7番は右上、左中、右下の3ヶ所。
もちろんマザーにより端子の数や位置は違い、このZ97マザーはやや高級品なので3ヶ所あるのだと思う。足りない場合はペリフェラル4pinからの変換に頼るべし。
8.スイッチ/LED(2pinが3~4本)
自作PC最大の難関かも知れないスイッチ類。
source:自作PCで困った事の2chまとめへ勝手に返信 - BTOパソコン.jp
挿されている方がマザー、挿している方はケースから出ている配線。
色やプリントはケースやマザーにより違うのでアテにしないように。上の画像はコネクタ3つ、このケースはリセットスイッチが付いていないのでRESETは無し。
マザーを良く見ると小さく、PLED(電源LED)、PWBTN(電源ボタン)、HDLED(アクセスランプ)、RESET(リセット)と書かれております。
ケース側のコネクタに書かれている文字が意味不明ならば、実際にどこへつながっているかケースのスイッチやLED類の裏側を見て判断すると良いかも知れない。
電源とリセットには極性が無いのでプラマイどうでも良く、LEDは±あるけれど、逆に挿すと光らないだけだと思うのでビビらず作業しましょう。逆に挿して故障しても私は責任持たないけれど。
上の画像ならば、各配線に白が必ず付いているので白がマイナス、色分けされている方がプラス、とは限らないけれど大抵そう。マザー側のプラマイは端子の向こう側に書かれているのだと思う。
※9.USB 2.0/3.0(2x5pin/2x10pin)
ここからの※が付いた物は接続必須ではございません。USBとケースを繋がないならフロントのUSB端子が使えないだけなので、使わないならスルーしてOK。
さて、マザーとケースの接続で2.0と3.0は大きさが違う。画像は3.0。
20番のKEYと書かれたピンは無し。下の画像はUSB2.0と3.0の変換。
source:USB-010A | Ainex
USB2.0は、次のオーディオとの比較が判り易い。
※10.オーディオ(2x5pin)
オーディオも必須では無く、繋がなければフロントパネルのイヤホンジャックが使えないだけ。
source:マザーボードとCPU交換の手順を写真入りで解説 - BTOパソコン.jp
左上がAUDIO端子、右下はUSB2.0で潰されている穴が違う。
マザーボード側も同じ場所のピンが欠けており、上下左右を間違えると挿さらないので合わせましょう。
※11.ケーススピーカー(4pin)
ラスト、ビープ音を鳴らすスピーカーであり、音楽が流れたりするわけではございません。パソコンの電源を入れると「ピッ」とか「ピポ」とかいうあれ。
source:Amazon.co.jp: uxcell コンピューターブザー マザーボード ビープスピーカー
大抵はこのように赤と黒の配線となっており、赤がプラスで黒がマイナス。
マザーボードの付属品では無くケース側に付いており、無くても困らないので安いケースは付属していない場合も。付けるか付けないかは個人の趣味であり、私は付けておりません。
付ける利点としては、電源が入った感があり、メモリのエラー時などに長短の音でどこがおかしいのか教えてくれる事もあるので、初自作なら付けてみる方をおすすめ。
以上、何か抜けがあったならコメント欄で誰か補足してくれると思う。
自作PCは説明書、分解するなら写真撮影を(おまけ)
慣れると自作でさえマニュアルを全く読まずに組み立ては可能で、実際に私は自作PCでZ97マザー、先代のX58、別PCのH55は説明書を開いた記憶が無い。
なぜそういう事が可能かは、マザーボードに書かれている上に挿さららない物は挿さらないのだから間違えようが無いだけ。
しかし、初の自作ならば図解部分だけでも一読し、
- どこに何を挿すのか
- 向きはどこを見るか
この2つだけ確認しておきましょう。
完成品PCで説明書が無いならば分解前にしつこく色々な角度からデジカメやスマホで配線を撮影しておきましょう。
私もPCメーカーの修理現場入る前は初心者状態だったので、分解前にデジカメで写真を撮りまくっておりました。特にスイッチとLED。
以上。
パーツ選び、性能の見方、そして配線について。これら以外で自作や分解などの初心者向けシリーズが必要ならばいくらでも書くので、お便りをお待ちしております。ネタ切れ補完にちょうどよろしい。
>CPUの消費電力がデカい場合に8pinコネクタが必要
かなり以前に使っていたマザーボード、CPUの給電には8pinに加え、オーバークロック時の安定動作を図り、ペリフェラルの4ピンを挿せるコネクタまで付いていました。
ECS > P55H-A (V1.0)
http://www.ecs.com.tw/ECSWebSite/Product/Product_Detail.aspx?CategoryID=1&DetailID=1033&DetailName=Feature&MenuID=24&LanID=0
>グラボの補助電源
こちらの8pinにCPU用の8pinを無理やり突っ込んで、壊す方もいるらしいですね。
株式会社マイルストーン|よくある質問Q&A|【hec/COUGAR】電源
CPU用の12Vはどれですか?
http://www.milestone-net.co.jp/support/qa/hec/power_supply.html#4
公安9課:どれに接続すればいい?電源ユニットのコネクタの種類とそれぞれの使い方
PCI-E電源コネクタ → 4ピン/8ピン12V電源コネクタと間違えないように
http://pssection9.com/archives/power-supply-unit-connector-type-how-to-use.html#4812V-2
>スイッチ/LED
私は光るのが鬱陶しいため、LEDのケーブルは取り付けた事がありません。動いているかどうかはファン音で判断。
>ラスト、ビープ音を鳴らすスピーカーであり
「ビープスピーカー 音楽」辺りで検索すると、ビープ音で音楽を奏でる懐かしの光景が動画で垣間見えますね。