1年少々で持病を発症した高級トラックボール。
保証期間は2年間なので過ぎており、その保証期間内にも2回チャタリングを起こして交換してもらった最後の代のMX ERGOが1年くらいで故障。分解で検索したものの、最後までバラしている人は今のところ存在せず。
レア資料やも知れずご参考あれ。
MX ERGOの分解決意に至るまでの経緯
関連記事へはここから行けるので暇ならどうぞ。
2017年12月購入、2018年2月故障、2019年4月故障の流れで、今回の故障は2020年6月頃発症。故障するまでの期間は、2ヶ月、1年2ヶ月、1年2ヶ月
source:MX ERGOが約1年でチャタリングを発生し無事死亡
2ヶ月はスルーし、M570(t)が中央値4ヶ月くらいで左クリックが死んでいたため、MX ERGOは3倍も長持ちすると言えば聞こえは良いけれど、結局は1年少々の寿命ということに。
そのERGOのチャタリングがひどいためM570tへ出戻りしたのだけれども、空気感染でもするのか、その翌日にM570tも左クリックがチャタるという、ロジクールだから仕方ないね的な盆休みとなり、はんだ付けによるスイッチ交換を決意。※太字にした意味は本文最後でわかる(かも知れない)
MX ERGO分解(前編)開いて基板を摘出
MX ERGO本体と作業道具一式。
今回はフラックスクリーナーという、私も使い方よくわかっていないはんだ付けのプロおすすめの溶剤も準備しており、これがあるとハンダの吸い付きや盛りが良くなるらしい。
ハンダゴテはAmazonで購入の工作用セットな安物で、何ワットか忘れたので念の為PC部屋ではなくビングにて作業。冷蔵庫(ビール)近いので作業がはかどりそう(そんなわけはなかったと後で思い知る)。
本体裏側。
こんなバカ高いトラボ持っている人少ないだろうから参考まで。
左の鉄板が赤枠部分に内蔵されている強力な磁石にくっつくことで、水平以外に30度くらい斜めでの操作が可能。慣れると使いやすいけれど、慣れるとM570tでも全然良いという、どうでも良い設計。
M570tは足ゴムに隠しネジ状態だったけれど、こいつはネジ丸見え。
見える全6箇所で隠しネジはございません。
そしてプラスドライバーを持ちこれ見て固まる。
ヘクスローブ・レンチ(ドライバー)で回すやつ。
以前、任天堂DSを修理した時に購入していたレンチがここで役立つ。
サイズは今回もT6で、レンチは非常に回しづらいためドライバーを1本持っておくべきと痛感。
昔、TakaQさんという常連に「ドライバー買えよ」と煽られ「そんな使用頻度は無い」と反発したものの、普段こういうネジ回さない人間がレンチで作業するとネジ穴なめそうになり危険。ドライバー買う。
6本のネジを外し、適当に周囲を見て隙間をあけつつくぱぁ。
右のフタ側がフレキシブルケーブル(中央の白いペラい配線)でつながっているので、ツメを上げてケーブルを抜く。抜き方はまた後で。
バッテリはこちら。
文字起こししておきましょう。
500mAh、3.7V、1.85(1.65?)Wh。小さい。どうりで約2ヶ月でバッテリ切れると思った。コネクタは右から赤・黄・黒の3本線。
次にボール受け皿のセンサー基板との配線を抜く。
画像の赤丸とその左下にある端子は、黒い部分の左右の突起を両側持ち上げる、やりにくければ左右交互に上へズラして行き、とまるところまで行けたならケーブルがスポりと抜ける。戻す時は逆で、しっかり黒を上まで上げておくのがコツ。
内部で外すネジは4箇所。
中はヘクスローブではなくプラスドライバーの+0サイズ。
家にある精密ではないドライバーセットの一番小さいやつがこれなことが多い。精密なら+0と書かれているはず。私の愛用はベッセルの9900で凄く使いやすい。
最後の部品外しはホイール。
こいつはここ1箇所のみで固定されており、赤丸の中央部分で挟まれているため、小さいマイナスドライバーなどを突っ込みテコの原理で持ち上げるべし。パカっとホイールが外れる。割れるとアウトなので近くで見ながら慎重に。
そして基板外しラストは持ち上げる。
赤丸の基板の突起部分にやはり小さめなドライバーなどを突っ込んでテコの原理で上げるとカタっと外れる。
進む/戻るボタン。
この小さな基板は、ネジを外しておけばフレキシブルケーブルが下でバネのようになっているため、特に気にする必要はございません。メインの基板へ一緒についてくる。
omronスイッチのはんだ付けによる交換
基板を外してからが本番。
スイッチは2種類。但しMX ERGOに合うとはまだ誰も言っておらず、おそらくM570tと同じだろうとして。
- D2F-01F・・・耐久1千万回と言われている
- D2FC-F-7M(20M)・・・耐久2千万回らしい
画像の赤枠3点のハンダを溶かして吸い取りスイッチを取り外す。ここが最大の難関で、以前M570tでやった時は見事に壊してしまった。
おそらく熱では無く私が上記の作業中に手前のオプションボタンをぶっ壊してしまったのだろうと推測。全く利かなくなってしまった。
画像を良く見るとわかるだろうか、M570tにはこのような近くに他のハンダ付けは無かった。
はんだ吸い取り線をかぶせるとこうなる。
いや、無理。
缶ビール2リットル飲んでこの作業やれという条件も無理ゲーすぎて草。
悩んだ挙げ句コンタクトスプレーへ逃避
そこでMX ERGOのチャタリング修理としてヘタレな皆さんがやっている方法をパクることに。私もヘタレだからね仕方ないね。
手首がつりそうになりながらほんの少しだけぶっかける。ついでに右クリックにもぶっかけておいた。この理由は次のまとめにて。
いずれも3回ほど深く強めに押した後、10回ほどカタカタとクリックし、気が済んだのでキムワイプ(ティッシュでもOK)で拭き取る。
本体をもとに戻し、また分解するだろうからとネジは2本だけ戻した。
本当に汚れが原因ならば耐久性関係ない
コンタクトスプレー後に今これを書きつつMX ERGOを使用している感じでは完全に治ったようで、クリックの押した感覚も以前と全く同じ。
となると、もしこの方法が確実に有効な手段ならば、今まで言われて来たオムロンのスイッチは弱いとか、スイッチの型番により耐久性が違う説の以前に単にスイッチ内が汚れて接触不良が起きるなのではなかろうかと。
これ重要で、MX ERGOやM570tに限らず、ロジクールのマウスといえばチャタリングと言われるほど有名な機種を問わずチャタってしまう独特な症状。
タバコやらない人は私が何を言っているのかわからないやも知れず。またスイッチ内部が汚れるとか、どういう使い方?と疑問を感じることでしょう。
そう、タバコの煙やヤニというものは浸食度がハンパ無く、スイッチ程度の隙間ならば余裕で入り込める可能性大。冒頭で書いた私のM570tはPCデスク上にすっ転がしていたので当然ながら大量のタバコの煙にさらされていたと思えば辻褄が合う。
故障した人は「した」と掲示板やSNSやブログなどに書くとしても、しない人は「しない」とは書かないので目立たない。
というわけで、来週の月曜にアンケートでお聞きしてみたい。
「そんな無茶な」と思われるかも知れないけれど、当サイトのロジクール愛用率は確か5割を超えており・・・あった、これ。
source:クリック数とタイプ数のカウント結果発表後編(個人別)
今も同じくらいな率かは無保証ながら、過去にロジクール製品を使っていた人も含めば過半数は行けるはず。中身は以下の予定。
- ロジクールマウス(トラックボール)などでチャタリングに遭遇した?
- その時に同じ空間で喫煙していた?
- 過去何個くらいチャタった?
この3つだけで成り立つはず。2番の喫煙者/非喫煙者を分けて1と2へ紐付けすると、喫煙とチャタリングの関係が証明できる予定。
もし現在の仮定が本当になるならば、スイッチ交換ではなくコンタクトスプレーで良い、となれば手軽すぎる。多くの人が簡単に愛用や廃版マウスを復活させたり、タバコやめるきっかけになるやも知れず。
また来週の月曜にお会いしましょう。今これ書いているのは8/11(火)なので8/9(日)までに私のERGOがチャタったならやめるかも知れないけれど。
>分解修理
私はメイン部材がプラスチックの製品を分解すると、3回に1回くらいはどこか折れたり欠けたりと破損させるのですよね。ノートPCも「1回目:メモリ交換」「2回目:HDD→SSD換装」「3回目:DVD-RW→BD-RE換装」の3回目で、ドライブスロットのレールっぽい部分が欠けましたし。
>はんだ付けによるスイッチ交換を決意
それより前に「なぜヒツジ先輩のトラックボールは頻繁に故障するのか」を考えた方が良いかと。
会社デスクで使用しているマウスではそれほど頻度の高いチャタリングが起こっていないなら、職場と自宅とでPC作業を行う環境の違いにあります。筆頭として挙げるなら「酒」と「タバコ」でしょう。タバコについてはヒツジ先輩が後述されているため、酒が原因による故障があるとすれば、でも予想。
いつぞやの記事かゲストブックだかで、ヒツジ先輩は「カクテルや水割りを作る際は、マドラーを使わず指で混ぜている」と仰っていませんでしたっけ。それが事実なら、利き腕が右ですと混ぜる指は右手の人差し指でしょう。同じくマウスを左クリックするのも右手の人差し指なはず。
という訳で私の予想は「混ぜた後に指をよく拭いていないから内部に酒が入ってスイッチに悪影響を与えている」です。
>以前、任天堂DSを修理した時に購入していたレンチがここで役立つ。
T6ってインチサイズの5/64ですよね。ネジのサイズはインチなのでしょうか。T6は5/64インチ。1インチは25.4ミリ。つまり「25.4×5÷64」=1.984375ミリ。確かにほぼ2ミリですから代用はできますが、舐めやすいですしできればミリサイズのドライバーセットも揃えた方が良いのでは。
>「カクテルや水割りを作る際は、マドラーを使わず指で混ぜている」
>「混ぜた後に指をよく拭いていないから内部に酒が入ってスイッチに悪影響を与えている」
私が使っているM570tの左ボタンがチャタリングのもパソコンの前でお菓子やケーキや菓子パンなどを食べる習慣があり、内部に食べかすや油などが入って悪影響を与えているからでしょうか?
スイッチまで達する隙間は1mm未満ですから、食べかすは影響しないと思われます。
油は量によりそうです。
個人ベーカリーの焼き立てなカレーパンなんぞだと、滴るくらい油分が含まれていそうですから、その油が付いた手でマウスを触る → 内部に入った油が温度の低下とともに固まる、というコンボで悪影響を与える可能性が無いとも言い切れません。
汗をかく手で何年も握ったマウスであっても、内部は錆びていませんでした(会社デスクに置いてあった古い有線マウスを3個ほど分解して捨てたときに確認)から、濡れた手で触るくらいでは水分の影響は皆無だと私は考えます。
>マドラーを使わず指で混ぜている
ロックグラスに氷満載するのでマドラー入れるとあふれるので指で回しており、キーボードとマウスに触れる前は必ずおしぼりでお手拭きする習慣があるので考えにくく、今年1月からは自宅はビール限定になったので考えにくく。
それ以前に手が濡れた状態で何かに触ろうと思わないのだけれども。