XPサポート終了まで8ヶ月くらい。
以前も移行方法に関する記事はやったけれど、今回は余裕を持ってという事で、数日や数ヶ月のように時間を掛けつつ移行する方法を紹介。連日で一気にやらず1日の時間を短く分割して移行するなら。
方法は4種類あると思うのでそれぞれ解説。
Windows XPから7や8へ時間をかけて移行する方法
移行はデータの移動や同期というよりコピーになる人が多いと思うけれど、ミスってデータが消えないとは限らない為、自己責任にて。
難しい順で参ります。
パーティション分割で一時的にデュアルブート
自称PC初心者ならお勧め出来ないインストール方法。必要なものは、新しいWindows(7や8)以外に以下の1点。
- パーティション分割ソフト
パーティション分割は昔は結構値が張る製品が多かったけれど、最近はフリーソフトが出回っており無料。
私が利用しているフリーソフトは、MiniTool Partition Wizard。
source:パーティション変更が簡単に出来るフリーソフト - BTOパソコン.jp
パーティション分割を知っている人に解説は要らないと思うけれど、リンク先で一応説明したので知らないならざーっとお読み有れ。
上の図のようにWindows上から操作が可能で、数値を打つ以外にマウスでドラッグして視覚的にも分り易い操作が可能。
パーティションを半々にし、空き領域へWindows 7や8をインストールし、一時的にXPと7をデュアルブート。やり方はマイクロソフトの説明が分かり難いけれどこちら。
複数のオペレーティング システムをインストールする (マルチブート)
http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows7/install-more-than-one-operating-system-multiboot
パソコンの電源を入れてWindowsが起動開始するタイミングでXPか新Windowsの選択になる為、移行時間が取れないなら延々とXPで使い続ける事も。
但し、Windows 8を追加しデュアルブートにするなら、嫌がらせの如く8を起動させたがる上、何故か8では無い方(この場合XP)を選択すると再起動が掛かるという駄目さ加減に耐えましょう。
思いつく限りで注意する事は以下。
- ストレージ(SSDやHDD)の空き容量が50%くらい無ければ面倒
- 分割の実行は再起動後のWindows起動前なので結構怖い
- 再インストール先を間違えるとデータが消える可能性有り
1は、XPが70%くらいストレージ容量を占めているなら、新Windows用のパーティションは20%くらいになる為、データをコピーでは無く移動しつつ、パーティションサイズを変更するとか良く分からない事に。XPの領域をそのまんまデータドライブとして使っても良いけれど。
2は、やってみると判るけれど、パーティション操作はWindows上で設定するけれど、変更時の動作はPC再起動後のWindows起動前(中)なので、万一こけるとXPが起動しなくなるやも知れず。
3は初心者に有りがちなミスで、データを飛ばして上書きインストールしてしまったり、同じバージョンのWindowsが複数入ってしまったり。
パーティションの操作とWindowsのインストールに慣れている、比較的Windowsパソコンに詳しい人用のやり方なので、自信が無いならやめておきましょう。
ストレージを増設して新規でOSインストール
私もやる予定のこの方法は、ストレージ2台でXPと7を使用。新しいWindows以外で必要なものは以下。
- 追加のストレージ1台
- SATAケーブル(必要なら電源コネクタの変換も)
新規でSSDなどを購入し、そこへ新しいWindowsをインストール。PC電源オンの後に起動するHDDを選択する事でXPも起動可能。
私の場合はバックアップ変態仕様のパソコンなので、新ストレージは不要。このようになっている為。
右の黒いやつは無視で。
「起動ドライブ(青)」は、随時「起動バックアップ(緑)」へデータがコピーされており、中身はだいたい同じ状態。
Dドライブをフォーマット(全消去)して新Windowsをインストールするだけで終わり。移行作業時はDドライブから起動、それどころでは無い時はCドライブからXPを起動。
普通の人は、旧ストレージがHDD、新ストレージはSSDかHDDになると思われ、XPがHDD、新WindowsはSSDかHDDになる為、上の図は逆になるでしょうな。
ちなみに私は上の説明通りでは無く、こうする予定。
- CドライブをDドライブへデュプリケート(丸ごとクローン化)
- CドライブをフォーマットしWindows 7をクリーンインストール
- XPから7へデータを移行したりアプリケーションをインストール
- 移行完了後、DドライブをフォーマットしCドライブをDへデュプリケート
同じライセンスの7が2つ存在する為どうかと思うけれど、こうしておけばCドライブが故障してもDドライブから起動可能。
CとDドライブを全く同じストレージにしておけば双方デュプリケート可能になる為、Windowsが起動しないという事態に陥る可能性が皆無に。
この方法の利点は
- デュアルブートでOSを選択する手間が無い
- バックアップ用ストレージが増設されるようなもの
- パーティションいじったり再インストールを間違え難い
Windowsの新規インストールに自信が無い、やった事が無いなら、XPのストレージはSATAケーブルを抜いておきましょう。
私も修理現場で依頼品のPCが2ストレージ構成の際は、増設ドライブのケーブルを抜いておりました。
買い替え前のPCのストレージを新PCへ取り付け
OSの単品(DSPでのセット)購入では無く、パソコンを丸ごと買い替える場合。新しいPC以外に準備するものは以下。
- SATAケーブル
- XPパソコンからHDDを外し新PCへ取り付ける技術
SATAケーブルはXPパソコンの物を流用すれば良く、技術とは言えケーブル1本を接続し電源コネクタを挿してストレージのネジを外し固定する程度。
HDDは一般的にPC前面の中~下段付近に付いております。
このパソコンは、右下に搭載。丸まっている赤い線がSATAケーブルで、右下で繋がっている黒と銀の金属製パーツがHDD。
新しいPCにも同じように付いているはずなので、外して付けるだけ。
ミニタワーやミドルタワーのデスクトップなら、だいたい1台分以上のシャドウベイ(外から見えないHDDなどの搭載場所)が有るものなので増設しましょう。
この方法で考えられる問題点は以下の通り。
- ストレージの取外しと取付作業の知識や技術が必要
- 新PCの仕様により、増設ドライブから起動しようとするかも
- XPパソコンのHDDがPATA(IDE)接続なら増設できない
1は、出来る人にはメモリを抜き差しする次くらいに簡単な作業といえるけれど、パソコンの中身を見た事さえ無い人には不安でしょう。コネクタの向きに注意し、力を入れてバキっとやらなければ大丈夫。
抜き差しで不具合が出る可能性はCPUやメモリ、グラボほど高くは無い為、ビビらずやってみると、今後SSDを増設したり交換するなどスキルアップに。
2は稀にあると感じており、マザーボードにより新しいSATA接続機器(SSDやHDD)を検出すると、そちらからブート(起動)するものもございます。
その場合はブートの順番を入れ替える事になりBIOS設定の変更が必要。自信が無ければやめておきましょう。諦めるなら増設HDDを取り外すだけ。
3が厄介で、XPパソコンが売られ始め5~6年は接続がSATAでは無くIDE接続の物も有り、あまりにも古いXPパソコンなら内蔵は諦めましょう。
内臓でIDEからSATA変換も出来ない事は無いけれど、やった者から言わせてもらうと、変換アダプタとの相性により認識しなかったり、転送時にデータが壊れる事もございます。
IDEだけど何か?という人は、次の外付けしかございません。
USB3.0接続で買い替え前PCのストレージを外付け
新PCならUSB3.0コネクタが標準で1本以上有ると思われ、必要なものは、
- USB3.0対応ストレージ外付け用アダプタ(場合によりIDE対応も)
USB3.0は2.0の10倍以上とか言われているけれど、実際は5Gbpsも出るわけが無し。かと言って2.0よりは2~4倍早い為、大量のデータを移行するなら是非3.0対応の物で。
問題はIDE。参考になりそうな写真が過去記事に有ったので再掲。
この写真はSATA用デュプリケータへ無理やりIDE接続を試みている図で、HDDのコネクタ部分にご注目有れ。パソコンにはSATAより大きく幅の広い薄いケーブルで接続されているはず。
違いはこちら。
左の6個有るものがSATA、右の幅広くピンの有る方がIDE。IDEは上下左右が決まっており、ピンが折れると詰むので作業は慎重に。
SATAとIDEに対応するUSB3.0接続のアダプタは例としてこのような物。
source:http://www.donya.jp/item/23034.html
両対応で3.0対応となると価格は高くなり、この商品は約4千円。SATAのみで良いならケース付で常用出来る製品も有る為、どうするかは自分の判断にて。
難点は、
- 遅い
- 高い
- 面倒
以上、移行先がノートPCなら問答無用で外付になるはずなので、どうしてもノートが良いという人以外はストレージを複数搭載出来るミニタワーやミドルタワーの新PCを推奨。
コピーするデータの場所とインストールし直すもの
移行するフォルダは1箇所。適当にフォルダを開き、アドレスバーに以下の一行をコピペしてEnter。
- C:\Documents and Settings
この中にユーザ毎のフォルダが有り、そのフォルダの中にマイドキュメントやデスクトップのフォルダが入っているはず。
それを新Windowsの似たような場所へコピーしましょう。
Windows7なら「ライブラリ」フォルダを開くと、左に「デスクトップ」とか「ドキュメント」などが表示されるはず。8は知らない。
XPの「デスクトップ」から新Windowsのデスクトップへコピー。マイドキュメント内で音楽とか動画を分けているならそれぞれ好きに振り分けましょう。デスクトップはフォルダでは無くデスクトップ画面へばら撒いてもよろしいかと。
これでユーザデータは全部移るはず。私のようにCドライブ直下へフォルダを作って利用とかしていなければ。
但し、アプリケーションは改めてのインストールが必要。XPに何が入っていたかは、コントロールパネルからアプリケーションの追加と削除を開く。
上は私のメインPCで、分り易い場所を撮影したもの。上から何が入っているかテキストファイルに書くとかスクリーンショットを撮ってもよろしいかと。
見ても分からない場合はパソコンオタクの友人に聞くか、金を出して業者を呼ぶか。業者は1インストール数千円とか結構高いので、家族や親戚など詳しい人の巻き添えをお勧め。
移行作業は早めの開始をおすすめ(まとめ)
データを移行するだけならコピー時間が長い程度なのでまだ良いけれど、問題は大量にアプリケーションを突っ込んでいる場合の再インストール。
私はこれが嫌で、いまだにWindows 7(DSP版)のパッケージさえ開けておらず絶賛放置中。しかし移行の開始は早いに越した事は無く、今やっても後でも結果が同じなら早い方が安全。
1~2日とか短期間で一気にやろうとすると移行作業は気が重くなるもの。まだやっていない私が言うと説得力が無いけれど、業務用ソフトウェアの動作確認が必要になる企業などならとっとと(7へ)移行しましょう。
Windows XPサポート終了は2014年4月9日。MSオフィス2003も同時に終了する為、ご注意有れ。
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