円安で値上っているパソコン製品全般。
その中でも今なお3万円という、昔の人が見るとパソコンらしからぬ激安品も存在しており、2016年1月現在、3万円ならばどのような仕様になるのか、BTOと価格コムを見ると6機種発見したので紹介。
先にパソコンとする定義から。
パソコンとタブレットの境界線を勝手に作る
タブレットにキーボードを付け、「ノートPC(キリッ」は違うと思うので、先にどのような形態を指しノートPCと言うかを決めましょう。
- OSがWindows
- 画面サイズ10インチ以上
- キーボードとタッチパッドが標準装備
というわけで、CPUは自動的にインテルかAMD入ってるとなり、メモリは今時1GBは無いと思うので2GB以上でしょう。キーボードは外れる仕様でも良いとしても、別売りの場合はタブレット扱い。
比較対象は約2万円の棒PCで
安物ノートと性能が似ている、私が所有するスティック型PCと比較するので仕様の一部を貼付け。ポイントを太字化。
- OS:Windows 8.1 with Bing 32bit
- CPU:Atom Z3735F(1.33-1.83GHz、4コア、2MB、SDP2.2W)
- グラフィック:Intel HD Graphics ※CPUに内蔵
- メモリ:2GB(DDR3L、1333MHz)
- SSD:eMMC 32GB
- 有線:USB2.0x1、microSDx1
- 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
税別表記が主流なので、ここでの3万円以内は税別にて。
最近の3万円以内な激安ノート6種類(2016年1月)
BTOパソコンから参りましょう。3メーカーで発見。
安さ勝負の定番メーカー、期待を裏切らないマウスコンピューター。
CPUはAtom系Celeron N3050を搭載しており、デュアルコアなものの最大2.16GHz出るかも知れないという代物。
聞き慣れないIBTの3文字が気になったので調べるも不明。インテル公式を見るも不明。最大はバースト時の事なので、おそらくインテル・バースト・テクノロジーをマウスが勝手に省略しているのでしょう。
メモリ2GB、SSD 32GBはあるある。但し、マウスのこのノートのSSDはeMMCでは無くマジでSSD。しかし性能はSSDとは言えないデカいeMMCレベルなので期待してはいけない。(過去記事参照:マウスコンピューターSSD搭載3万円台のノート発売)
利点は14型HD解像度という大きさはバランスが良く、画面も程良く大きめなので実用的な辺りか。性能の低さが残念だけれども、これで3万円なら有りかと。
次はドスパラ。
価格が妙に細切れな理由は、税込にすると29,999円になる逆算。
性能はマウスの3万円ノートとほぼ同じで、CPUの最大クロックが80MHz低い程度。SSDがeMMCの32GBになる為、実際どの程度の差かは不明。
仕様一覧を見て不思議に感じた点はマザーボードの欄。チップセットさえ書くのが面倒だったのか、CPU内蔵マザーボードという妙な表記になっており一瞬何の事か解らなかった。内蔵はしていないだろう、と。
CPUはマザーボードにハンダで溶接されているので交換不可を表現したかったのだろうと思われ、それならばFCBGAタイプとかFCBGA1170で良かったのでは無かろうか。いや、そうするとCPUの事になってしまう。ノートでチップセットとか気にするな、と。
インテルの公式でCPUを調べると、Celeron N3150とマウスのN3050はいずれもトレイ(メーカーのバルク大人買い)価格107ドルになっていた為、これがマジならメーカーが相当薄利なのか、液晶など他の部品がかなり安くなったのか。
次はフロンティア。
10.1型のキーボードが外れてタブレットにもなるWindows PC。
CPUはAtom Z3735F、冒頭で貼り付けたスティック型PCと中身はほぼ同じで、液晶モニタとキーボード+タッチパッドが付いてプラス1万円と思えば安い。
3万なのだから性能が低い、容量も低い辺りはスルー。上手いと思った点は液晶のサイズに対する解像度で、10型ならば1,280x800な辺りはバランス良いと感じております。
液晶がIPS方式なので、タブレットやスマホの普及でIPS液晶パネルの原価が昔と比較しかなり安くなったと見るが妥当でしょうな。
10インチで重量はキーボードを含めても余裕で1kgを切る為、14型ではデカくてモバイルには向かないと思うなら、これはこれで有りだと思う。
ラストは価格コムより4機種まとめて紹介。
3位のASUSは低価格ノートとして価格コムでは売れ筋上位の定番と化しており、中身は棒PCやフロンティアとほぼ同じ。違いはモニタの仕様で、11.6型HD解像度なので、フロンティアよりやや大きめで解像度高め。
11位のHPノートは公式と全く同じ物が価格コムに出ていたのでこちらで。特徴は本体色が青な以外、CPUがやや古め、しかし2コアなものの2.16~2.58GHzなのでクロックはドスパラやマウスよりやや上。モニタはASUSと同じ仕様。
16位のDELLは直販より価格コムの方が安いという訳の解らない状態なのでやはりこちらで。仕様はドスパラと全くと言えるほど同じ。価格コムは税込表記、ドスパラは税込3万円なのでDELLに軍配ですな。
17位Lenovoは税別30,369円なのでオーバーしております。計算間違えて入れてしまったけれどついでに書くと、他メーカーとの大きな違いは、eMMC 32GBとかでは無くHDD 500GB、メモリも2GBでは無く4GBな辺りが実用的。7月までWindows 8.1は無償で10になるので気にする所では無さそう。
以上。どのメーカーも似たような仕様。レノボは別として、画面サイズと解像度、そして価格差やメーカーの好みとかで選ぶ状態だと思う。
個人的にはメーカー不問の価格重視、13型未満は使い物にならないと考えている為、今どれにするかと問われたならばDELLの14型。
しかしリンク先へ飛ぶと何故か価格が上がり税込29,980円へと変化。ならばドスパラでも良いかと言えば、DELLは送料込なのでやはりDELLが最安。
円安、税別、便乗値上げで3万円のノートとか希少かと思っていたけれど、6機種有るとは結構多いと思った。
Atom系CPUの性能の低さが気になる(まとめ)
Atom系とは、Atom Zシリーズ以外にCeleron Nシリーズも含む最近の仕様としては性能高めに見えるCPUの事。
やたらと省電力な割に2~4コアでクロック2GHz超える物も珍しく無く、CPUのベンチマークスコアを見ると昔のCore 2 Duoシリーズ並の数値を叩き出しており、インテル様の技術力が世界一かも知れないと思えるところ。
しかし、高負荷時には自動で(勝手にともいう)クロックを下げて発熱を抑える新機能も付いている為か、私の脳みそが暴走しているのか、以下の仕様のノートと比較すると大差無いどころかこちらの方が速く感じる。
- CPU:Celeron 847(1.1GHz、2コア、2MB)
- RAM:4GB(4GBx1、PC3-12800 ※動作はPC3-8500)
- VGA:Intel HD Graphics ※CPUに内蔵
- HDD:320GB(東芝 型番忘却)
- ODD:DVDスーパーマルチドライブ
- LAN:無線IEEE802.11b/g/n、有線10/100BASE-T対応
- LCD:15.6型ワイド光沢(解像度:1366×768)
引用元の記事ではSSDへ換装しているけれど、現在はHDDへ戻しております。最近の3万円ノートとの大きな違いは、CPUがとんでも無いクソ性能、但しメモリは4GBへ増量済。
メモリが多い為、体感では上記約3年前の3万円ノートの方が快適と思うのか、またはAtom側の高負荷時クロックダウンや4コアも使わない事が原因なのか。
メモリを2GBへ落として比較も考えたけれど、3年前とはいえWindows 7の64bit版なので、私が所有する棒PCの32bit版8.1とでは比較にならないと思う。
スコアは確かに最近のAtom系の方が上。しかし、Core 2 Duoほどの性能が有るとは思えず、体感的には昔のCeleron(上記847)と同等以下。
メモリ不足かCPUの逆チートが原因か、現在進行形で謎。いずれにせよ、どれもクソ性能な事には違い無い為、3万円を切るようなパソコンにはご注意有れ。
格安が本性ムキ出してきたからね正月早々
ある程度は企業思想まで読み取らないといけなくなったと思う
結局は中の人の熱意や愛なんだけど
製品の場合は実際手に取ったときの「おっ!」という印象
イメージは結局その印象が降り積もった結果が良いか悪いかにしか過ぎない
PCは最低3年はつきあうと仮定すると多少無理してでも価格より性能を重視するが吉
あっリンゴが・・・
>マウスコンピューター
>CPUはAtom系Celeron N3050
Atomに対するCeleronシリーズの利点としては「メモリがデュアルチャネル対応」「メモリの最大容量が8GB程度」「SATA3.0対応」「USB3.0対応」辺りでしょうかね。ベンクマーク上の性能比較では結構な差が見られますが、実感できるのかは不明。
cpuboss:Intel Celeron N3050 vs Atom Z3735F
http://cpuboss.com/cpus/Intel-Celeron-N3050-vs-Intel-Atom-Z3735F
>聞き慣れないIBTの3文字が気になったので調べるも不明
マウスコンピューターのサイト内に「IBT=インテル バースト・テクノロジー」との記述がありましたよ。この略称はマウスコンピューターでしか使われていない模様。AiO=オールインワン(一体型)のPC、くらい聞き慣れない略称やも。
LuvBook B シリーズ
http://www.mouse-jp.co.jp/m-book/luvbookb42/series.html
http://www.mouse-jp.co.jp/m-book/luvbookb52/series.html
『状況に応じたオーバークロックを行なうインテル® バースト・テクノロジー(略: IBT) に対応したノートPC向けCPU』
ターボブーストの方は「TB」が略称として広まりましたけれど、いつの間にか登場したバーストテクノロジーの方はもともとの印象が薄く、略称を付けてもピンと来ませんね。
>CPU内蔵マザーボード
私なら「CPU一体型マザーボード」とか「CPU搭載マザーボード」とか「オンボードCPUマザーボード」とか書いておき、注意書きとして「※CPUの交換不可」とでも書いておきます。
>フロンティア
ロゴが背面の「Intel inside」だけで、FRONTIERの文字が何もない点に驚き。
>10型ならば1,280x800な辺りはバランス良い
動画視聴が主用途なら遠慮したい大きさと画面解像度ですが、10.1インチならサブ用途でしょうし、細かすぎず粗すぎずでちょうど良さそうですね。なぜIPS液晶を採用したのか不思議な印象。個人的には「10型でWindows10」のベストマッチさがツボ。
>Atom系とは、Atom Zシリーズ以外にCeleron Nシリーズも含む最近の仕様
いつぞやの「Pentium J」「Pentium N」もAtom系でしたね。「Core i」以外はよくよく仕様を確認した方が良さそうです。
CPU World:Intel Pentium J2900(Bay Trail-D)
http://www.cpu-world.com/CPUs/Pentium/Intel-Pentium%20J2900.html
CPU World:Intel Pentium N3540 Mobile processor(Bay Trail-M)
http://www.cpu-world.com/CPUs/Pentium/Intel-Pentium%20N3540.html
Intel:製品 (開発コード名 Braswell)
http://ark.intel.com/products/codename/66094/Braswell