ASRockのベアボーンDeskMini 310は何が良いか?

2018年5月 9日

2chまとめでネタにされていたベアボーン。

修理工場にいた私にはベアボーンといえばノートだけれども、ノートのベアは市販されていないので一般的にはデスクトップPCを指すことが多く、今回なぜかASRockのベアが良さそうという話があった。

どういうモノか適当に見て参りましょう。

ASRock「DeskMini 310 Series」公式より

英語ながら自作する人にはだいたい全部わかる程度。

ASRock > DeskMini 310 Series
https://www.asrock.com/nettop/Intel/DeskMini%20310%20Series/index.asp

DeskMini-310-Series

USB端子の大きさと比較すれば全体の大きさが何となくわかるかも知れない。

大きさは、高さ155x奥行155x幅80mmで横置きも可能なので厚さ8cmの正方形、Mac miniより少し厚いくらいの小型PC。

普通のパソコンとの違いを簡単に。

  • BTO・・・完成品、設置すればすぐ使える
  • ベアボーン・・・半完成品、動かすためには追加パーツ必要
  • 自作PC・・・未完成、全部自分でパーツを選びそろえる必要がある

ベアの定義は半完成品だけれども、どこまで完成しているかはベアにより違い、このDeskMini 310の場合は、ケース、マザー、電源、この3つだけ。

中にはCPUとクーラーまで搭載された状態でベアになっているモノもあり、どこまで最初から装備しているかで自由度が変わり価格ももちろん上下する仕組。

まだ価格の情報がないどころか日本で発売するかも未定ながら、これの後継とするなら近い将来発売される可能性が高い。

110シリーズ

source:ASCII.jp:新規格Mini-STX対応ASRock製小型ベアボーン

DeskMini 110は2016年8月に店頭に並び、現在は価格コムを見て来るとソフマップやドスパラが1.3万円台で販売中。税込で送料込なので自作PCでケースとマザーと電源を買うより安い。

おそらくDeskMini 310も似た価格帯、1.7万円くらいからのスタートになると予想しており、もしそうなら自作PCの一つとして選択肢になる、のだろうか。

 

DeskMini 310は何が良いのか?

主な仕様一覧。

  • Supports IntelR 8th Core / Pentium / Celeron LGA1151 processors
  • Dual DDR4 SO-DIMMs, up to 32GB
  • Triple Video outputs: DisplayPort, HDMI & D-Sub
  • 1 x Ultra M.2 PCIe Gen3 x4 Slot
  • 2 x 2.5” HDD/SSD Tray
  • 1 x M.2 (2230) Wi-Fi Slot
  • USB 3.1 Gen1 Type-C port
  • Micro SD Card Reader
  • RS232 (COM) port

意味不明なら後で説明ございます。

上のリストにはないチップセットはH310、なのでDeskMini 310という型番にしたのだろうと容易に妄想可能。

利点を5つで。

1.第8世代のCore iシリーズまで対応

このベアの凄いところは電源がACアダプタにも関わらずCore i7-8700まで搭載できてしまうところ。

DM310_BetterPerformance

Core i7-8700と決め打ちなのではなくTDP65Wまでなら何でもOK状態なのでギリで8700まで行ける、が、8700Kは95Wなのでムリ。

2万円しないであろう小型なベアに4万円くらいのCPUを載せる人がいるのかは謎ながら、やろうと思えば載るという自己満足とかロマンが存在。

通常はCore iではなく載せるならPentium、私ならデスクトップ版は高性能なのでCeleronを搭載するはず。

というわけで、TDP65W制限がありACアダプタでオーバークロックするマジキチはいないとするならH310が最適かつコスパもよろしくなるという。

2.メモリスロットx2だが32GBまで載る

小さいのでデスクトップ用ではなく主にノート、時々一体型PCでも使われるSO-DIMMスロットが2つだけ。

STX-Spec-DeskMini 310 Series

しかしup to 32GBとあるように最大32GBまで認識するやつなので、やろうと思えば16GBx2枚まで可能な仕様は小型ベアにしては頑張っている方。

小型が特徴+オーバークロックしない前提+最近のインテルCPU付属クーラーは静音、これら3つそろっているのでBOXのクーラーを(グリスは塗り直すとしても)そのまんま載せるが普通とするならメモリへの干渉もまずない設計なので安心。

3.小型な割にインターフェイスが豊富

自作ユーザなら上の画像を見て端子類の多さに感動できるやも知れず、といえるほど小型な割に色々装備。

上の英語のやつはマニア向けなので、マニアではない人でもわかるように書き直してみましょうか。抜けている部分も追加しつつで。

  • 映像出力端子は3種類(DP、HDMI、D-Sub)
  • 超高速な第3世代PCI-Express x4(倍)NVMe SSDスロットx1
  • ノートに標準で使われる2.5インチHDD/SSDx2搭載可能
  • 内蔵無線LANカードスロットx1(M.2 2230)
  • 第1世代USB 3.1 Type-C x1/Type-A x2、USB 2.0x1
  • Micro SDカードリーダーx1
  • RS232 (COM) port ※古い規格なので気にしなくてOK

上の一覧に掲載のない端子は音声入出力以外に有線LAN(RJ15)端子x1も備えており、一般的なRJ45ではない点がやや注意。

小型PCで2.5インチ2台は凄い。排他仕様でもなさそう。

DeskMini-310-if

なのでやろうと思えばカードリーダーはナシとしても3ストレージ内蔵可能で、構成は私ならこうするかな例。

  • M.2 NVMe SSDx1
  • SATA HDDx2

第1世代ながら最大5Gbps仕様のUSB3.1が3本ある点も素晴らしい。

4.無線LAN内蔵前提のアンテナ付

仕様詳細より。

  • 1 x M.2 (key E 2230) Slot for Wi-Fi + BT Module
  • Support Intel CNVi module, PCIe

これが何を意味しているかは、M.2スロット用、端子はKey-E、長さ2230、Wi-FiとBluetooth一体型カードに対応。

本体にはアンテナが2本搭載可能。付属なのか後付かは不明。

DeskMini-310-wifi

また、ベアとして日本に入って来た場合はWi-Fiカードは内蔵していない状態なので技適マークは付かないと思われ、違法になる可能性。

技適に対する考え方は以前書いたこちらも参考に。

簡単にいうと、「積極的に取り締まりはしないが被害者が訴えた場合は違法なので敗訴し賠償の可能性がある」な感じ。

中華Wi-Fiは半径数kmのマジキチなハイパワー無線LANもあるらしいので、インテルの部品取りカードなどなら大丈夫でしょう。もちろん自己責任。

5.ベアボーンとして割安な価格帯(予想)

ここまでの仕様を理解されたならどれほどコスパの良いベアなのかが(自作PCユーザなら)おわかりになられたかと。

M.2スロットなどは私が今これを書いているメインPCのマザー、Z97で当時2.3万円相当と同レベルであり、SATA2本内蔵OKはベアにしては珍しく、USB 3.1の多さとType-C完備は安いベアとしては充分な本数といえるはず。

おまけ:グラボは?

載せない前提。前機種DeskMini 110のACアダプタは120Wなので同じだとするならばCPUの消費電力以外にストレージ満載、Wi-Fiカード挿したしたならギリな容量。

おまけ2:完成させるとおいくら万円?

できるだけ安く、しかし妥協はせずエア見積もりしてみましょう。

  • CPU:CeleronかPentiumの3GHzくらいのやつ・・・0.5万円
  • メモリ:4GBx2・・・1万円
  • 無線LANカード・・・0.3万円 ※DELLの部品取り中古
  • NVMe対応SSD 120GB級・・・0.8万円
  • HDD 1TB・・・0.5万円 ※バックアップ用
  • Windows 10 Home DSP版・・・1.3万円 ※メモリとセットで

小計4.4万円。ベアが1.6万円とするなら約6万円ですな。

6万円でWindowsが付いてNVMeとの2ストレージ構成、しかも無線LANまで使えると思えば素晴らしいコスパ。

 

ベアボーンは昔も今もパソコン玄人志向

上でおまけ2のエア見積もりにWindowsを入れたけれど、これはメインPCとして使うモノではなく、主にサーバーとしての用途が多いだろうと予想。OSがFreeBSDとかLinux系な感じ。

しかしメインPCとして使えないわけではなく、どうしても小型PCをコスパよく自作したいなら上でエアして見積もりの構成でも充分使い物になり、私のメインPCよりも体感で高速な可能性は大いにある。

ところが自作PCとして見た場合の最大の難点は買い替えや故障時にパーツの流用が難しいところ。

致命的な故障としてマザーが逝ったとするとCPUも巻き添えになるのは普通。他にはこれらが流用のハードル高い。

  • メモリ・・・ノート用なので大型デスクトップ用マザーには流用ムリ
  • 電源・・・ACアダプタなのでまずムリ
  • Wi-Fiカード・・・高機能マザーでなければスロットないはず
  • CPUクーラー・・・流用しても良いけれどBOX付属品なら意味ない
  • ケース・・・問答無用でムリ

24時間運転なサーバ用として、しかしムリはさせず、できるだけ長く生き延びてくれるよう神様にお祈りや部屋の隅でガタガタ震えなくても良いとしても、故障したなら一式買い換えが一般的なのが小型PC、ベアボーン。

ノートで24hサーバは燃えそうなため。

次もベアならメモリやWi-Fiカードは使い回せるとしても、自作PCにコスパを求めるならベアや小型はないし、完成品で良いならノートPCも選べる方が選択肢広がる。

というわけで、自作の練習用に小型やベアはおすすめ不能。素直にケースや電源やマザーの単品から選びましょう。

面倒とかムリならばBTOパソコンおすすめ。

コメント(2)

なるべく安くって事で個人的に最低限かな?構成。

CPU:Core i5 7500 BOX 2,3000円位(リテールファン付き)
4コア、TBで単コアでもそこそこでTDP65W

RAM:CFD W4N2133PS-8G [SODIMM DDR4 PC4-17000 8GB 2枚組] 17,000円位
M/Bが高級品というわけでもないので、メモリもそれほど耐久性気にしなくていいだろうと言うことで安め。

SSD:WD Black PCIe WDS512G1X0C 17,000円位
特別早いわけでもないけど、ソフトの起動なんかは十分早くなると思う。
HDDからの乗り換えなら、自転車からレーシングマシンに乗り換えた感じでしょう。

Wifi:不要、ケーブル繋げ。

全部で74,000円位?
ゲーマーじゃなければ十分快適だと思う。

同じような形のミニPC、ドスパラが出していましたね。名前は「mini Magnate(ミニマグネイト)」のはず。価格はWin10Home、Celeron G3930、メモリ4GB、HDDが500GB、の最小構成で5万円くらい。

ドスパラ - mini Magnate KC(ミニ マグネイト KC)
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?mc=6858&sn=1672

>DeskMini 310の場合は、ケース、マザー、電源、この3つだけ。
CPUが巨大で入らないとか、メモリが長すぎて入らないとか基本的にありませんから、必要なパーツだけ用意して価格を抑える手は好みです。注意点はHDDが7mmもしくは9.5mm厚の2.5インチのみとか、あまり大きなCPUクーラーは搭載不可とか、PCIスロットは無いのでビデオカードの搭載は不可、とかでしょうか。

個人的にマザーボード裏側にSATAコネクタ配置とか、抜き差しが前提のMicroSDカードスロットもマザボ背面に配置とか、ASRockらしさが出ていて面白い点。

>小計4.4万円。ベアが1.6万円とするなら約6万円
前記のドスパラミニPCが5万円くらいですから、メモリが2倍、SSD搭載、HDDは1TB、でプラス1万円なら安い方。ドスパラモデルは無線LAN内蔵。

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BTOパソコンメーカー比較

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性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

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昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

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※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

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BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。