DELLのXPS14zやAlienwareが中途半端と思う理由

2011年12月 3日

DELLと言えば、安く有名で初心者でも安心。

私はそうは思わないけれど、知名度の高さからか昔から実際に数多く売れており、法人では役所や病院でもDELLのロゴを良く見かける程に人気。しかし3年くらい前からのDELLは何かおかしいので、何がどうなのか勝手に解説して参ります。

法人では無く個人向けパソコン二種類。

私が読み終えた数少ない本の中に世界最速経営の秘密という物が有り、その中にコモディティ化という言葉が出て参ります。

コモディティ化とは日本語に置き換えると標準化のような感じで、言い方を変えてDELLのやり方を説明すると、熟成された市場で薄利多売を行い、売れる物を数で勝負するから安く製造出来るという創業者、現CEOマイケル・デルの考え方。

具体的かつ簡単に言うと、このような流れ。例として。

  1. 1年後は5~7万円で中よりやや上程度の性能のノートが最も売れる
  2. 1年後にどのような構成で販売するか予定(ロードマップ)を作る
  3. 1年後、販促してDELLの製品が大量に売れて世に出回る

安過ぎる構成では大量販売しなければ利益を追えないので法人用。個人用には人気が出ると予測された構成で他社を圧倒。(2011年の感覚で言うと)15万円を超えるような物は単価利益は大きくとも数が出ないので力を入れない。

売れる物を沢山売る、沢山売れない物は適度に販売。

売れまくり利益が大きく取れると判っている価格帯で大量販売する為、事前の広告や宣伝は博打や税金対策では無く投資。儲かる所へ金を入れる仕組をDELLは内部で完成していたわけです。

おかしくなったのが超薄型アルミ製ノートのAdamo(アダモ)に続き、宇宙最強とか言い出し見た目勝負デスクトップなAlienware(エイリアンウェア)を出した辺りから。

 

(自称)デルの中では一番かっこいいPC「XPS14z」

DELL日本のマーケティング本部長様がイベントで仰せられたそうな。Adamoは失敗と過去に認めていたので、今度こそという感じでしょうか。

六本木ヒルズでXPS 14zの販促イベント - ITmedia +D PC USER
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1111/15/news087.html

dell-xps14z-hills.jpg

他にも写真が有るので興味が有るなら元記事のITmediaへ。私にはASUSやAcerが出しそうな普通のノートに見えたけれど、DELLの中では最も格好が良いらしい。

どこがカッコイイのか解らないけれど、強引にこれか?と思う所は、半グレアと思われる液晶モニタは反射を抑えており、普通のパネルよりはかっこいいかも知れない。液晶のベゼル(枠、縁)も細め。アイソレーションキーボードはケースと若干色を変えている辺りも見た目としては良いかも知れませんな。

やたら薄いわけでも無く、標準仕様は約8万円(79,980円)と安くも無し。13型の本体サイズで14型モニタは良いとしても、重量は1.98kgとなっており約2kgと重めなので移動はどうかと思うので、若干小型にした意味が不明に。

気にならないスタンダードモデルの構成は。

  • OS:Windows 7 Home Premium 64bit
  • CPU:Core i5-2430M(2.4GHz/TB最大3.0GHz、2コア/4スレ)
  • メモリ:4GB
  • グラフィック:Intel HD Graphics 3000(CPUに内蔵)
  • ストレージ:750GB 7200rpm
  • 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ(スロットイン方式)
  • I/F:USB 2.0 x1、USB 3.0 x1、HDMI出力、Mini DisplayPort
  • 無線:IEEE802.11a/g/n、Bluetooth 3.0
  • バッテリ:最大6時間42分

バッテリ駆動の数値が細かい所はDELLは実測している為。最大という表記が気になります。6時間42分以上はもたないという事でしょうか。

目を引く所は、HDD容量が大きめでノート用2.5インチと思われる割に7200rpmと高速回転な事。そして厚さの理由は光学メディアのスロットインで、キューブなどで良く有る仕様。

USB3.0は今時の高めなノートとしては普通で1本有れば何とかなりましょう。無線LANはb系nでは無くa系nな辺りはやや変わっておりますな。

私が何故これを高いと言っているかは、見た目を気にせずHDD容量が500GBに落ちて良いならLenovoが約47千円。無線はb/g/nなので汎用性は高め。

見た目を気にするならVAIOが57千円。HDD容量は更に落ちて320GB、バッテリ駆動はJEITA測定と思われ3時間と表記が有ったので実用は2時間とかでしょう。

同じ約8万円を出すなら、BTOメーカーで個人的に唯一お勧めしている日本HPが出しております。このロゴは確かオーディオブランドとのコラボ。

hp-envy14-2000tx-be.jpg

source:価格.com - HP ENVY14-2000TX Beats Edition オリジナルモデル

性能の違いをDELLの自称かっこいいらしいノートと比較。

  • OS:Windows 7 Home Premium 64bit
  • CPU:Core i5-2430M(2.4GHz/TB最大3.0GHz、2コア/4スレ)
  • メモリ:4GB
  • グラフィック:Mobility Radeon HD 6330(2782MB)
  • ストレージ:640GB 7200rpm
  • 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
  • I/F:USB 2.0 、USB 3.0有り、HDMI出力など
  • 無線:IEEE802.11b/g/n、Bluetooth 3.0
  • バッテリ:5時間

バッテリは計測方法の違いにより比較せず、無線LANも用途次第として同様に比較無し。DVDがスロットインか普通のEjectかなど細かい所の違いは有れど、大きい所は色を塗っている部分。

HDD容量は110GB減るけれど、グラフィックカードが載っておりVRAMは大容量と言える3GB弱。本当にノートかと思える大容量では有りますが、使わなければ意味の無い消費電力向上システム。

他のメーカーと比較してもDELLは高いので、どこが良いのかはやはりかっこいいのでしょう。私はVAIOさえどこが見た目が良いのか解らないセンスを持っているので、まあ、かっこいい代なのでしょうな。

 

やはり今回も宇宙最強らしいゲーム用PC「Alienware」

ニュース(宣伝)も頻繁に出ているけれど、相変わらず宇宙最強とか侵略などと意味不明なので、公式サイトの方が分り易い。

alienware-official-dell.jpg

source:http://alienware.jp/

ドメインを取っており本気かと思われるものの、どう見てもネタです。

alienware-dell-desktop-atk.jpg

冷却や電源力はまだ判るとしても、性能を示したかったのか攻撃力とは如何に。更にゲージが最大になっている項目が無く、煽りの割に自信が無さそう。

左のAuroraで最も安い機種は約14万円(139,980円)。カスタマイズページより、構成をほぼ全て引かせてもらいます。見易いよう一部編集し省略。

  • CPU:i5-2500K (オーバークロック ターボ・ブースト適用後 3.8GHz
  • OS:Windows7 Home Premium 64ビット
  • ケース/電源:マットステルスブラックシャーシ(875W電源)
  • グラフィック:Radeon HD 68701GB GDDR5)
  • メモリ:4GB (2GBx2) DDR3 SDRAM 1333MHz
  • ストレージ:[RAID 0]1TB (500GBx2) SATA HDD (7200回転)
  • 光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ
  • サウンド:HD7.1・チャネルオーディオコントローラ ※オンボード
  • キーボード:無し ※Alienware TactX ゲーミング~ [+ 9,450円]
  • マウス:無し ※Alienware TactX ゲーミングマウス [+ 9,450円]
  • ヘッドセット:無し ※Alienware TactX ゲーミング~ [+ 7,350円]
  • セキュリティ:マカフィー~30日間試用版

仕様で注目する箇所は太字の通り。

この価格でCPUはCore i5-2500Kとなっており、エイリアン代が乗っていなければi7-2700Kが載ってもおかしくないでしょう。メモリ2GBx2もケチり過ぎ。

一見すると意味不明、よく見ると情弱ホイホイな所が赤文字で、CPUはオーバークロックされているものの、定格のTB最大はインテル公式では3.7GHzとなっており、100MHzのOC。通常のクロックが書かれていない理由は数値を大きく見せたい為か。定格3.3GHzなので3.4GHzでしょうか。体感で違いを解る人が居たらエスパー並。

グラボも中途半端で、単品なら約1.5万円程度。ゲーム用に最強PCとは間違っても言えない性能。ちなみにCPU(i5-2500K)はボックスで約1.6万円なので、約14万円が如何に高額かが判るかと。

その高額さに対して専用キーボードとマウスは別売りで、付けるならプラス計約2万円という強引過ぎるアップセル。ヘッドセットは良いとしても、見た目で買うなら基本構成でも総額は約16万円という事に。普通のデスクトップなら8万円で釣りが来ます。

私が最も気に入らない情弱ホイホイがRAID0という無茶な仕様。SSDでやっているならまだ解るけれど、500GBという現在では小容量な低速ストレージをRAID0でくっつけた1TBに何の意味が有るのか。故障以前の問題、自作しない(出来ない)ならリビルドを失敗する事も有るでしょう。データは吹き飛び復旧も困難。

ストレージのカスタマイズは、500GBx2(RAID0)から2TBへはプラス約2万円。しかし基本がRAID構成の為か、2nd HDDは無しの一択。内蔵の別ストレージにバックアップ出来るデスクトップの良さを削ってどうするのかと。

alienware-2nd-hdd.jpg

どうしてもDELL曰くの宇宙最強ゲーミングPCが良く、LEDや簡易水冷、良く判らない875W電源が何故か良いと思うなら止めないけれど、カスタマイズを見て驚いた次第。

 

DELLは勘違いしている、または日本HPと同じく販促下手

まとめると、DELLの斜め上な思考を予想するに、海外でうけたから日本でそのまま使えると思っているのなら、日本人は乗ってくれないと思うので勘違い。

以前借りたdv6-6000(6b00ではない)で日本HPは販促が下手と書いたけれど、日本のDELLにもそれが当てはまるやも知れず。

一部の見た目志向やマニア受けしそうな物に金を掛けての販促は、DELLの売れる物を大量に投入し大量に売るという方針から外れており無理が有る。その理由は、DELLは安いからこそ選ばれるわけで、高いDELLは不要。高いならDELLで無くとも良し。

個人的におかしいと思う事は、某ハンバーガーチェーンのメニューと同じ妙なコピー。ロッテリアとモスバーガーの事で彼らの自画自賛。

  • とびきりハンバーグサンド(モス)
  • 極上チーズバーガー(ロッテリア)

とびきり美味い、極上な素材など言いたいのだろうけれど、とびきりや極上と言う表現は消費者が判断する事で、自称で命名されると白けてしまいハードルを上げていると言えましょう。

  • DELLの中で最もかっこいいPC
  • 宇宙最強のゲーミングPC

少なくとも私はそうは思わず、XPS14zは中国や台湾デザイン、中身を見て驚いたAlienwareはひど過ぎるぼったくり構成。

吸い込むDVDドライブ、ケースやLEDなど見た目に数万円の価値が有り、金が惜しくないなら結構かと思うけれど、知らずに購入すると新発売でNECや富士通ノートを買ってしまうような後悔をする可能性。

Alienwareが別の意味で衝撃的でどうまとめて良いか判らなくなっておりますが、一言でいうと安くないDELL製品は大抵何かおかしいので御注意有れ。

DELLのAdamo-XPSが2009年11月18日(水)発売

今見ると、これ(Adamo XPS)もどこが良いのか理解不能。タブレットPCが流行り初めた為に、キーボードの位置がおかしく見えるのでしょうか。

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BTOパソコンメーカー比較

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性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

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コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

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※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

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