おもしろ記事を発見。
ゲームに限らずHDDよりSSDの方がアクセス スピードが速い事は周知の事実。しかし、ゲームに限ると一部のタイトルはHDDでも起動時間の差が無いというSSDとの比較の検証結果が公開。
どこが面白いかは比較とは別の箇所。
PCゲーム用にはHDDよりSSDの方が速いという比較
釣りタイトルな元ネタはこちら。
PCゲームは意外とHDDでも速かった?「ゲームとHDD」最新事情をまとめてみた - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1050266.html
サブタイトルを引用。
SSDとの速度比較や「浮いた予算でビデオカード強化」の検討も
ここまでならば、「SSDでもHDDでもゲーム用としては速度差無さそう」とか、「容量単価の安いHDDにしてグラボ(ビデオカード)へ予算を回すべきなのか」と思ったかも知れない。
だがしかし。
なぜかHDDの方が速いファンタシースターは意味不明またはブレだろうとして、国内タイトルは大差ないものの洋ゲー(海外ゲーム)はあからさまに違いがあり、リンク先の動画を見たところスターウォーズはロードの待ちが異様に長かった。
起動では無くゲーム中と思われる読み込み時間がこれ。
HDDの方が速くなってしまっているストリートファイターは意味分からないのでスルーするとして、他は全てSSDの方が速い、快適ゲーミングになるという結果となっております。
なぜ比較の結果とタイトルが違う、またはサブタイトルが奥歯にアーモンドぎっしり挟まっていそうな書き方かは、これがSeagate(HDDメーカーの一つ)の提灯記事(宣伝、ごますり)であろう為かと。
Seagateの提灯が重そうなので叩き落としてみる
HDDでも大差無い、浮いた予算でグラボをアップグレード。そう言いたかったのは判る上、嘘を書かなかった、ごまかさなかったAkiba~のライターは偉い。
ガチな提灯ならば洋ゲーは見なかった事にして抜けば良いわけで、起動時間のみの比較にしておけば確かに差が無いと思わせる事は出来たであろうところ。
しかし、同じ検証を他のメディアにされてしまい差がバレた時には炎上案件となってしまうのでやらなくて正解。
記事の上から順に。突っ込みどころその1。
ついでにインタビューも行ってみた。
意図してSeagate製のHDDを検証用に入れており、「ついでに」インタビューはあまりにも不自然。インタビューが主であり、検証は後付であろう事は想像容易、嘘はいけない。
使われている画像に写っている物が全部Seagate。
Seagateまみれ、Seagateざんまい、圧倒的シーゲート。
「容量単価重視」のモデルを選択したため、スペックは回転数5,900rpm、キャッシュ64MBと「最高性能」のモデルではない(Barracudaシリーズは7,200rpmのモデルも多い)。そして、キャッシュ容量も旧モデル「ST4000DM001」の128MBより減少している。
華麗なる布石スタート。
HDDのキャッシュや回転数の違いが戦力の決定的差ではないということは、私レベルの知識があれば知っているはずながら、なぜかハードルを下げようとしておられる。
からの手のひら返し。
もっとも、最大転送速度は旧モデル(ST4000DM001)の160MB/sから190MB/sに向上しており、「容量単価重視」だからといって速度に期待できないわけではない。
回転数やキャッシュのくだりは何だったのか、新モデルの方が高速だとここでバラしてしまっては回転数でハードル下げた意味が無い。
内部はプラッタ容量が1TB(ST4000DM001)から1.3TBへと変わり、それに伴いプラッタ枚数/ヘッドの数も4/8(ST4000DM001)から、3/6になった
プラッタとはHDD内部のディスク、円盤の事で、ヘッドとはその円盤なディスクからデータを読み書きする部分。ヘッドの参考画像を貼っておきましょう。
source:価格.com - このHDDの故障率は半端ない. あやのうみさんのレビュー
source:Seagate製HDD「ST3000」の故障はヤバい壊れ方をする - BTOパソコン.jp
これはヘッドが3/6、3つの部品それぞれの間に円盤が挟まる感じで内蔵されており、4/8から3/6になった割に速度が上がったという事は、それだけヘッドに負担がかかるのでは?と思ってみたり。
SSDとHDD、起動時間差への感想文より。
一部、HDDのほうがSSDよりも速い逆転現象も見られるが、これは起動時間が計測ごとに変化するためだ。
ファンタシースターはなぜかHDDの方が速い件、これは意図してHDDの速い計測を採用したという意味だろうか。普通は何度か計測し平均を取るものだと思うけれど、良く見なくとも秒数は全部整数なので中央値なのか?それとも・・・
続いてゲーム読込時間。
今回テストした国内メーカーのゲームはHDDでも十分な速度が出るようだ。
画像をもう一度。
私ならば、「やはりHDDよりSSDの方が速く差は歴然のようだ」と書く。
確実なことは、SSDのほうが短時間で起動する傾向にある点と、もう一つ、HDDも案外健闘しており、一部のタイトルを除けばほとんど変わらない場合もあるということだ。
一部のタイトルでは無く、半数がHDD遅いのだけれども。
差が生じたものでもギリギリ許容範囲といったところで、ゲームを遊んでいて絶対にSSDでなければ耐えられないといった印象は無い。
30秒と16秒、20秒と11秒がギリギリ許容範囲とは。お前がそう思うんなら~であり、体感での差は全然違うと思う上、1回限りではないのだからプレイ時間や時間効率にも関わるレベルかと。
旧型で低速なHDDを使用した場合はSSDとの差が開く可能性もあるが、Seagate Barracudaの4TBモデル「ST4000DM005」であれば、今回のような性能が得られる。
この人はテクニカルライターだと思っていたけれど違うのか。
SSDとHDDでは差は開く、しかしHDDならば新型でシーケンシャルが速かろうと旧型含めランダムがクソなのでSSD>HDD、新型HDD>=旧型HDD、になるのでは。限りなく「=」に近い「>=」。
さらにSSDとの差を縮めたい場合、SeagateからはNANDフラッシュを搭載したHDD(SSHD)「FireCuda」が販売されているので、こちらを選ぶ手もある。
私が所有している富士通のFMVノートはSSHD搭載だけれども、どちらかと言えばHDDに限りなく近く、SSDとは比べ物にならなほど遅い。提灯すぎ、草が生えるとはこの事か。
そして流れはあらぬ方向へ。
全員のロードが完了するまで待つしかないので、ストレージの速さによる恩恵が無い。
この記事はストレージの速度比較と、コスパと容量を考えるとHDD有利な話のはずが、なぜかオンラインの待ち時間を含めて速度とか言っておられるという論点ずらし。
次のグラボの話は文句無いのでスルー。それにしてもここまで誤字の多いインプレス社の記事は初めて見て驚き中。
次、シーゲートの中の人のインタビューの締めを引用。
Seagateのファームウェア技術に注目していただければ、HDD選びが楽しくなるものと思います。
ファームウェアでは無いけれど。
- ST3000(HDD)「回復不能セクタ数が4桁行きそう」
- 私「保証期間内なのでRMA(修理交換依頼)しよう」
- Seagate「まずはこの検査ソフトでエラー番号を出せ」
- 私「やってみよう」
- SeaTool「回復不能セクタ0、正常です」
- 私「ファッ?」
- ST3000「もう大丈夫」
- 私「エッ?」
- ST3000その2「こちらでも回復不能セクt(略」
- 私「」
このような事をするメーカーを信じろと?
ラスト。
コストパフォーマンスを気にするならPCゲームにはHDD
HDDとSSDでPCゲームのロード時間の差は思いのほか小さい
お前がそう思うんなら~であり、ゲーム用のストレージにSSDは意外と重要かも知れないと思った、私は。
海外と国内ゲームで矛盾するSSDとHDDの立ち位置
話を戻すと、様々なゲームをお楽しんでいるゲーマー諸氏には今回の検証結果は悩ましい問題になったはず。
例として私のメインPCは起動ドライブがSSD 256GB、データドライブがHDD 4TBとなっており、容量の差は16倍でHDD側ならば余裕の空きあり。
ところが、SSD/HDDの起動時間差が無いとされる国内ゲーム、例としてモンスターハンターやドラクエ、FFシリーズの場合はProgramfiles系フォルダへインストールされる、という事は起動ドライブのSSD。
逆にストレージにより時間差があるとされた海外ゲーム、例としてSteamクライアントの場合はインストールフォルダを選択可能なので、多くのゲーマーがデータ用のHDDへ複数のゲームを入れるかと。
要するに逆の方がよろしそう。
ところが、Steamはクライアントソフトを入れた後にフォルダを選択出来るのでSSDのドライブ内へフォルダを作成すれば良いのだけれども、やはり例として私の所有ゲームで言えばWarGameの場合、全タイトル入れると80GB以上を占めてしまう。
SSD 256GBの内、Windowsが37GBくらい(今、実測した)なので残りは約220GB。ここへ80GB級のゲームを入れるだけならまだしも、他のゲームもあるならば数本でSSDが満タンになってしまうという。
過去に、SSDはWindowsの起動以外にエクセルなどのプログラムファイルの起動、そしてキャッシュが速くなるのでブラウザなども高速化するが、データ用には大容量な上に故障してもデータ復旧の可能性が高まるHDDが良い、と書いていたけれど、ゲーム用にはSSDが良さそう。
Akiba~の検証では、起動時間は国内ゲームの場合は差が無いとしているものの、重要なのはゲーム中の読み込み時間の方。
データを同期するゲーム、特にコンマ数秒で結果が変わるFPSのようなシビアなゲームならば、インストール用にもSSDを考えるべきかも知れない。
そこまで考えなくても良いかも知れない。
起動時間よりもアプデ日のファイルチェックが雲泥の差ですね…
pso2 やってますが、HDDで数時間クラスのアプデでもSSDだと30分で終わったりしますし
FO4はグラフ以上に差を感じますよ。
http://fallout4.blog.jp/archives/51251641.html
これ見ちゃうとHDDはありえない。
本当にHDDの方が速いなら、1TBのHDD×3でRAID0でも組めば良いんじゃないでしょうか。
一般人はゲームをプレイしている時間より、それ以外にPCを使っている時間の方が長い訳で。例えHDDの方が有利な場合があるにせよ、それが僅かな差であるなら、それ以外のどんな場面でも快適なSSDを選ぶ方が、よっぽど宜しいと思いますが。
ちなみに比較ならコチラでも似たような試みが。
HDD-Fan:WD BlackをGamePCに搭載して、「ストリートファイターV」を楽しもう!
http://www.hdd-fan.com/gamingpc/
>HDDの方が速くなってしまっているストリートファイター
スト5の動作環境は、グラボが「必須:GTX 470、推奨:GTX 960」とそこまで高くない一方、メモリは「必須:6GB、推奨:8GB」と大きいため、もしかするとメモリ上に大きめのキャッシュを確保して、あまりストレージへデータを読み込みに行かないタイプのゲームなのやも。
>ついでにインタビューも行ってみた。
これ、おそらく「ついでにインタビュー」ではなく「ついでインタビュー」の書き間違いでは。一文を正確に書くと
「そこで、現行のHDDとSSDを使い、PCゲームを遊ぶ上でどれだけ明確な性能差が出るのか検証、次いでインタビューも行ってみた」
ではないかと。仮にもライターが「ついでにインタビューしました」は不自然。
>Seagate(HDDメーカーの一つ)の提灯記事
ページ上部にある記事のカテゴリが「PCパーツ>HDD>Seagate」ですし、宣伝なのはこのカテゴリ分けと、記事タイトルを読んだだけで明白かと。
>FPS
とりあえず音が聞こえないと不利ですから、グラボとかSSDとかの前に、3,000~5,000円くらいのイヤホンやヘッドホンでも買った方が、FPSをやる上でコストパフォーマンスが良いと思われます。
サイトを見直して一部修正。
誤:スト5の動作環境は、グラボが「必須:GTX 470、推奨:GTX 960」
正:スト5の動作環境は、グラボが「必須:GTX 670、推奨:GTX 960」