小中学生1人にPC1台施策の話。
それに合わせて日本MicrosoftがGIGAスクールパッケージなる予算や要点を明らかにしており、ITmediaのタイトルが中々あおってくれているので内容を確認しつつツッコミを入れて行こうかと。
適当に見て参りましょう。
GIGAスクール構想とGIGAスクールパッケージ
元ネタはこちら。
マイクロソフト、文科省“子ども1人にPC1台”パケ提供 (1/2) - ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/04/news089.html
1ページめを5行にするとこう。
- 文科省2019年12月「GIGAスクール構想」発表
- 23年までに全国の小中学生1人にPC1台を用意
- PCや校内LAN工事などの費用を補助する補正予算成立
- Microsoftは「Microsoft Intune」や教育向けクラウド環境、教員研修を自治体などに提供
- 教員研修は構想の予算に割り当てがないため無償提供
2023年末までと考えると今から4年弱、それまでに校内LANを入れてパソコン揃えるわけですな。
今のところ小中学校が対象らしく、授業に加えて部活がある上、更に研修時間は別腹ならば中学教員とか罰ゲーム職かも知れない。
IntuneはMicrosoftが持つクラウドサーバで生徒用PCを一括管理するサービスで、ビジネス向けは1ユーザ650~1,610円/月(年間契約)ながら、教育期間向けの~Educationも存在するようなのでもう少し安くなるのでしょう。
2ページめより。
- PC1台につき4万5000円の購入費用を補助
- Wi-Fiモデル11機種、LTEモデル6機種の計17機種
- CPUはIntel Celeronシリーズで、メモリが4GB、ストレージが64GB
ノート用のCeleronで容量がここまで小さめならば、4.5万円の補助で足りてしまいそうなクソ性能かつ容量少なすぎ状態。LTE対応は無駄に高くなるだけなので要らないのでは。
メモリ4GB・ストレージ64GBでも問題ない?
仕様詳細。全体を縮小すると見づらいので画像右上を切り取り。
一部の機種を除き仕様はだいたい同じ。
- メモリ:4GB
- eMMC:64GB
- モニタ:10.1型か11.6型のタッチパネル仕様
- CPU:Celeron N4000、4020、4100のいずれか
- 形態:2in1(画面外れるor裏返る)
CPUの性能差をIntel公式より。
source:インテル 製品の仕様情報 - 比較
まごうことなきクソ性能で、このクラスのCPUになるとコア数はアテにならず、全コア使用時に1.1GHzになると一体何ができるのかレベルな矛盾がございます。
なので私がこの3択をするなら、中央、左、右の順。普通は「1つだけ4コア」に飛びつくかも知れないけれど4コアも使うような使い方はしない、できないと思う。
「スペックが低すぎるのではないか」と記者団から質問が上がった
それなりにパソコン詳しいのでしょう。私もそう思うけれど、自分が記者なら聞き方が違い、「このスペックで足りるのか」になる。
なぜかはこれをやっているかどうかが問題なため。
日本マイクロソフトは標準仕様案を策定する段階でヒアリングを受けた。学校でOfficeアプリをインストールして通常の使い方をする分には全然問題ないと考えている
用途が判明しており、それに合わせてハードウェアを構成しているのだから正しい。Office中心で使うのならば、私もCeleron、4GB、64GBで全然足りると思う。
その根拠は、今回のパッケージの2in1を下回る棒PCを使用しているため。
- CPU:Intel Atom Z3735F(1.33-1.83GHz、4コア)
- メモリ:2GB(DDR3L、1333MHz)
- SSD:eMMC 32GB ※Samsung MBG4GC
- source:スティックPC、m-StickとPicorettaのベンチマークと比較
かなり本格的なクソ性能なので、これを下回るモノはまず無いであろう、謎の自慢ができてしまえる構成。2万円の超小型PCなので仕方ございません。
ブラウザがChromeでなければYouTubeのフルHD動画も普通に再生できるくらい。要するに一括管理でChrome入れさせなければ問題なく動画再生までできてしまえる性能ということ。しないだろうけれど。
メモリ2GBはかなり厳しいながら、メモリ2GBなら2GBでできることしかやらなくなるため、4GBでできることだけやればOK。
ストレージ32GBも相当厳しい。Windowsアップデートのデカいやつが来る都度、手動で一時ファイル削除して空けなければアップデートできなくなってしまうためで、64GBなら余裕かと。
しかもおそらくファイルはクラウドに保存することになり、入れるソフトウェアやアプリも制限されるだろうから。
1つだけケチを付けると、なぜ10.1とか11.6型のような使いこなすには上級者向けなサイズにしたのか。軽く小さい方が持ち運びやすいのはわかる、しかしタイピングも教えたいなら小さすぎる。
私は過去に11.6型を1台、現役でもう1台持っているけれど、使用時間はいずれも数時間か数十分というほど普通のパソコンとは操作性が違う。悪い。
高性能=正義の時代は10年以上も前に終了
このフレーズかっこいい。
文部科学省は学習用PCのスペックについて「高価で高性能な機種である必要はなく、むしろ不要な機能を全て削除した安価なもの」を推奨
文科省にしてはレベル高い発言すぎないか?と思ったものの、おそらく話が逆、Microsoftが決めた仕様を右から左したのだろうと憶測。
この言い分に私は全然賛成、どころか私が当サイトをスタートした理由の一つとかぶっておりましょう。
- 安く高性能なコスパ良いパソコンがBTO
- 修理現場の内情や症状から対応策を提案
ここでいう「高性能」とは、例として私がYouTube垂れ流しつつブログを書きながら時々画像を加工し、メールとLINEを随時受信する、このくらいの用途ならばCore i7要らない、Core i3でOK、今ならPentium GやCeleron Gでも行けそう。
ながら、あえてCore i5相当にしており、用途に対しては高性能、これ以下の性能でさえ家電量販店で買うと比較的高額、という意味で。
Celeron、4GB、64GBは用途に対してギリギリ極限まで無駄の無い削ぎ落とし方で、私ならCore i3、4GB、64GBにしてしまうであろうヘタレ。
10年以上前、Core iシリーズが出るまでは、メモリが個人で買える価格ではまだまだ足りず、CPUも世代が変わると明らかに性能差があり、HDD容量も余裕があるとは言い切れなかった。
しかし初代Core iシリーズがいきなり4コア/8スレッド+クロック3GHz台のまんま、メモリの単位がMBではなくGBとなりアホのように値下がり、HDDも320GBデカいと思っていたら500になり、あれよx2とTB級へ。
2020年からさかのぼること10年以内、パソコン選びはどこで性能と容量を止めるのかが賢い買い物になっております。
そう考えると、無駄のない性能と容量=情強、とにかく金出して盛る=情弱、とも言えましょう。安いからと無意味にメモリ32GB挿している人とかバカにしか見えない。
- Q. GIGAスクールパッケージは性能低くても問題ない?
- A. ない(多分)
しかしMicrosoftは本当に汚い。
せめてCore i3、8GB、SSD 128GB、にして7万円くらいを目指せばPCメーカーも潤ったであろうところ、低価格クソ性能に付き合わされて気の毒。
Microsoftとしては、OSもOfficeもライセンス激安かタダにしても、Microsoft Intuneの年間契約が金の卵を生み続けるわけで、できるだけ4.5万を目指せる低価格PCを提唱し、とっととIntuneビジネスを始めたいのだろうと妄想しております。
> しかしMicrosoftは本当に汚い。
> せめてCore i3、8GB、SSD 128GB、にして7万円くらいを目指せばPCメーカーも潤ったであろうところ、低価格クソ性能に付き合わされて気の毒。
逆に言えば、このレベルまで汚さを追求しないと教育市場に食い込めないのだろうと私は思います。
北米ではchromebookを、イギリスではraspberry piを相手に教育市場を争っているマイクロソフトだからかと。
実務経験どころかパソコン操作皆無の小学生にとっては、パソコンのソフト資産が動くかどころか、パソコンの操作感やパソコン用CPU命令セットすらどうでもいいわけで。
chromebookや教育向けLinuxディストリなどは
> CPUはIntel Celeronシリーズで、メモリが4GB、ストレージが64GB
これを下回る汚さを誇っているはずです。
同様にパソコン用操作感や命令セットや過去のソフト資産がどうでもいい、サーバー、スマートフォン、ゲーム機、スパコン市場の二の舞にならないためには、ナリフリ構わないのはマイクロソフトにとって最低要件なのでしょう。
個人的は、過去とは逆回しにパソコンは特殊な用途に追いやられUnix互換ワークステーションが復活すると10年くらい前に予想していたのですが、予想が当たったと確認できたのは個人的なマシンだけでした。
今の小学生が実務経験を重ねる10年くらい後には、パソコンはどうなっているでしょうね。
>> しかしMicrosoftは本当に汚い。
いやいや、要らないものは要らないわけで。
むしろ国内メーカーはこんな底辺スペックのPCでも、ぼったくり価格で出してくるんじゃ無いですかね。
そのための4.5万の補助じゃ無いかと妄想します。
国と国内メーカーとMSが、裏でつながってるんじゃ無いですか。
【目的】
個別最適化され
創造性を育む
【翻訳】
事務所に(office)特化され
将来客を育む
>GIGAスクールパッケージ
ここは GIGABYTE がなにか手を売ってコラボでもすべき。
無理だな。
>仕様詳細
ぜんぶネットブックとかキーボード付きタブレットの売れ残りが如きスペックですが、そういうコンセプトの元に選んだモデル集なら文句はありません。スペックが低いとか画面が小さいとかは的外れな意見。自転車レースに対してバイク乗りが「バイクの方が速い」と言うに似たり。
で、このPCで何やるんですかね。スタバで開いてドヤるのでしょうか。
>棒PC
私はコレでエクセルとワードを使ったことありますけれど、マクロが動かない(動いているが画面描写・画面転移・キー押下のタイミングが合わずバグる)くらい鈍足でしたから、仕事に使うのは無理でしたよ。エクセルを開いている時はエクスプローラもPDFもブラウザも開かず出来ればセキュリティソフトの常駐も切る、くらいの姿勢なら可能。
負荷が掛かるとクロックが上がる→サーマルスロットリングでクロックが700MHzくらいまで下がる→ノロノロ動作→本体が小さいから放熱性が悪くあまり温度が下がらない→少しでも温度が下がると1.33GHzに戻る→数秒でサーマルスロットリング→ノロノロ継続、の延々コンボ。
なお7~8型タブレットでやや重めのゲームをプレイしたときも同じ状況だったため、ノートPCという大きな筐体に期待したいところ。
「GIGAスクール構想」完全対応の11.6型コンパーチブルChromebookが日本エイサーから - エルミタージュ秋葉原
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/2020/0220/339123
Chromebookも対象ですよw