Haswell発売から約1周間が経過。
新CPU、コードネームHaswell(ハズウェル)はインテルの第4世代Core iシリーズで、省電力に優れグラフィック性能が向上したとインテル談。BTO PCメーカーの中の人が殻割りしたり消費電力を比較していたので紹介。
手短に参ります。
ツクモの中の人が「i7-4770K」を自腹で殻割り
海外の勇者待ちかと思っていたけれど、秋葉原へ降臨。
Haswellの“殻割り”にショップが挑戦
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20130604_602188.html
2013年6月現在、最安でも3.7万円くらいするCPUを分解。そして、今回もIvy Bridge(第3世代Core~)同様、Haswellもダブルグリスバーガーと判明。
※ダブルグリス(バーガー)とは・・通常、サーマルグリスはヒートスプレッダ上部に塗るけれど、内側にも塗られているためダブルグリスと呼ばれております。私はGIGAZINEで初見。
写真左がCPUの基板側、マザーボードへ取り付ける方。右はヒートスプレッダで、CPUクーラーと密着させ放熱する金属の裏(内)側。
いずれも灰色のグリスが盛られており、色や質感から想像すると、リテール(BOX、箱入りのクーラーセットCPU)のCPUクーラーに使われる固く熱伝導が比較的よろしくないグリスと思われる、私に言わせると手抜き設計。
CPUは分解するものでは無くハンダなどで溶接して良く、熱伝導率はグリスとは段違いの性能でしょう。なぜ3万円以上するCPUで手を抜くのか意味が判らない。安ければ構わないというものでも無いけれど。
Ivy Bridgeのi7-3770KはTDP 77W。Haswell、i7-4770Kは84W。
Ivy~発売当時「Ivy~はCPUクーラーを選ぶ際にTDPを高めに見積もってくれ」と言っていたと記憶しているけれど、Haswellではその高めを最初から公式の数値と表示をしているのか。
以前、Haswellの特徴を調べつつ書いた際、従来のCPUと比較し省電力という割にIvy~よりTDPが高めになっており違和感が有ったけれど、そういう事なのかも知れませんな。
省電力はモバイルの話?ドスパラが性能など比較
ドスパラの公式ブログより。
第4世代Core i7/i5(Haswell)速報レビュー | ドスパラ
http://review.dospara.co.jp/archives/52065867.html?waad=Q0lvf1FC
Haswell最上段と、最下段のIvy Bridgeで比較しましょう。いずれも動作周波数、キャッシュ容量、コア数/HT対応など数値見た目の性能は同じくらい。
画像の数値はドスパラがワットチェッカーで測ったものらしく、アイドル時は確かにHaswell(最上段の4770K)の方が3770Kより低め。約1割程度の差。
しかし最大負荷時は1割までは行かないとしても、Haswellの方が消費電力は高くなっており、どこが省電力なのかと疑問に思える数値。
実際にはCPUやグラフィック性能のスコアがHaswellの方が高く、それを含めると比較的省電力と言えるかも知れないものの、劇的な差が有るとは言えず。
CPU性能、CINEBENCHのスコアを引かせてもらいます。
- i7 4770K 8.25(9%)
- i7 3770K 7.56 (8.9%)
- i7 2700K 6.94
括弧内は1世代前との比較で、HaswellはIvy~より9.1%スコアが高く、Ivy~はSandy~(2700K)より8.9%高い、と。
以前、レノボが貸してくれたゲーミングPC、i7-3820搭載のCPUを4.3GHzへオーバークロックしスコア8.20なので明らかに動作周波数が関連しているものの、性能の数値は同じでもHaswellが9.1%Ivy~より優れております。
ドスパラの総評を引用。
- 3D性能は、CPUスコアの影響が大きい大討伐を除き、30~39%の大幅アップ
- 消費電力はあくまで参考値ですが、ほぼ同等~微増
- 温度に関しては、i7 4770K用クーラーの方が冷却に優れている
- 全体的な感想として、CPU性能は微増(中略)内蔵ビデオ機能は大幅増
というわけで、過去のCore iシリーズと比較して悪くなっているわけでは無いけれど、CPU性能の向上率は第2世代から第3世代へ上がった程度。
BTOパソコンや完成品は今後Haswell以外の選択肢が無くなる
Haswell発売以降、メーカー各社は順次移行しており、Ivy Bridgeは在庫限りになっている可能性大。
性能で見ると今更Ivy~を選ぶ理由は無いけれど、Haswellは円安の影響も有りIvy~より価格が高め。
価格重視なら新CPUが出たばかりの今は時期が悪いと思われ、急がないなら2~3ヶ月様子見でしょうな。
また、デスクトップ用のインテルCPUはダブルグリスが標準になっているようなので、今後OC遊びをする人は殻割り+グリス塗り直しまで楽しめそうですな。
私を含め一般PCユーザはCPUの中身を気にする必要は無く、普通に使い普通にケース内を掃除しましょう。
ダブルグリスはIvy~特有の手抜きと思っていたけれど、これが標準、当然、インテル仕様ならあきらめるしかございません。
コメントする ※要ユーザ登録&ログイン