JEITAが2015年9月のデータを公開。
その9月から国内では大手PCメーカーの秋冬モデルが出荷開始。NEC、富士通、東芝などが年末に向け家電量販店へ在庫を出しまくる時期。しかし9月はまだ前年割れが続いております。
前年比から参りましょう。
国内パソコン出荷台数の前年比推移
ソースはこちら。
JEITA / 統計データ
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2015/
JEITAの9月分コメント。
第1四半期は前年の需要増の反動により前年割れ、また第2四半期も引き続き低調であったため、上期としては前年同期を大きく下回った。
翻訳すると、2015年4~6月は前年の需要増の反動で割れたが、7~9月も何故か低調なので、上半期となる4~9月としても前年同期を超割れてしまった感じ。
台数全体の前年比推移がこちら。
相変わらず100%を下回っているものの、9月の出荷台数は前年比92.4%、マイナス7.6%なので最近にしては良い方。祭り終了後の割れ方の中では最もマシと言える下回り方となっております。
カテゴリ別。
なぜか一体型デスクトップPCが100%超え。
何故かはこれは売れた台数では無く集計参加メーカーが出した数なので、NECなどの秋冬モデルで一体型が売れると予想したか、前年よりは台数が多いのでしょう。
ノートも大小いずれも復活の兆し。デスクトップ単体のみ登りきらない辺りは法人需要の低さでしょうな。
低調ながら復調の気配を感じる2015年9月分
前年比では無く出荷台数と金額の推移。
金額はパソコンそのものの価格が上がり続けているので前年に近いと言えどもアテにならないけれど、出荷台数は悪かった昨年のやや下まで近付いております。
2013~2014年が極端なので、この2年分を平均して混ぜたグラフ。
やはり金額はスルーしつつ台数を見ると、例年ほどでは無いとしても8月までよりはマシなレベルまで来そうな感じ。
10月から本気出すのか?国内メーカー(まとめ)
数値で見た方が解り易いかも知れない。出荷台数。
赤系のセルはXP祭り中、水色は過去最低、青は更に過去最低を更新した月で、青系が16ヶ月続いております。
過去の年の9月と10月を比較すると9月の方が数値が大きく10月が小さい。理由は秋冬モデルの発売が9月下旬頃から10月にかけてなので、それまでに店舗へ届いていなければ矛盾する為。
10月には既に出荷がほぼ終わり、12月の春モデル出荷までは少なめになるわけですな。おそらく。
大手メーカーの新製品が、本年度と前年までと違うと感じた事は、
- 夏モデルの機種数がやたら少なかった
- 夏のボーナス商戦に乗り気では無かった
- 夏頃まで10万円を切るセールを連発していた
これらを合わせると在庫調整していたのだろうと思われ、7月29日にリリース、8月から発売となったWindows 10に合わせたと見るが妥当かと。
過去の実績と同じならば9月に81.7万台なら10月は80万台を軽く切るはず。祭りの年は除外し他の年を見ると70~73%なので、合わせると2015年度の10月は60万台を切るくらい。
前月の私の予想。
2015年度9月は80万台行かないかも知れませんな。行かなければ10月以降も厳しいと思う。
80万台は何とかクリアしたので10月がどうなるか。
「軽く割れるだろ」と思うでしょう。私もそう思うけれど、今回の秋冬モデルから各社全てと言える勢いでWindows 10 Home仕様となっており、9月に出荷が間に合わず10月にずれた可能性が無いとは言えない。
また、秋冬はWindows 10仕様でどの程度売れるか様子見しており、好調ならば12月に増産分を出荷とかするやも知れず。
10月に60万台を切らなければ復調の可能性、80万台を超えるようなら10仕様にする為に遅れたと思われマイクロソフトのせい。
しかし、Windows 10は8ほど悪印象は持たれていないとは言え、当サイトのWindows内10シェアは全然伸びておらず、確実にPC市場復活の起爆剤にはなっていない不発弾。そもそも信管が入っていない恐れ。
PC出荷台数が伸びないなどと言われる原因は、最近のPCが
- 性能や容量が足りなくならない
- 昔ほど故障しまくらなくなった
- スマホやタブレットで足りる
これら以外に
- Windowsが10になるなら買い換えない
と判断している人も多いと思う。
タブレットでこけてPC版Windows 10も不人気炸裂、次はスマホでこけてWindowsアプリが一向に普及せず「なぜこんな事をしたのだろう?」とマイクロソフトが気付いてくれるなら良いけれど、無理でしょうな。
10は10で進めつつ、7の後継で9を出してくれるなら大有りだけれども、9を7風に見せかけておき、ある日突然「おめでとうございます!Windows 10へのアップグレードに成功しました!」とかやりそう。
7終了は2020年だけれども、1月なのでギリまでねばるわけには行かず実質2019年まで、とするなら寿命は4年程度。XPからの移行は7が有ったけれど、Windowsは10で終了なので逃げ場無し。
どうせ10になるならとっとと移行してあのフワフワ状態に慣れた方が良いか、ギリギリまでねばり7延長サポート延長に期待するが正解か。私は後者で。
Windows10は基本的にWindows7と操作感は変わらないため、ライトユーザならアップグレードしてもしなくとも良いですね。
ヘビーユーザは不満点を自分で改善できるでしょうから、やはりアップグレードしてもしなくとも良し。
問題は大多数を占めるビジネスユーザ。業務規程としてはレジストリをいじるような行為、またソフトの導入は不可でしょうから、ほぼデフォルト環境で使うことを強要される訳で。Windows Updateと称してインターフェイスを改変されるなら、ヘルプデスクが忙しくなりそう。
MS、「Windows 10」アップグレード提供計画の次段階を明らかに - ZDNet Japan
http://japan.zdnet.com/article/35072743/
>続いて「2016年初頭」には、Windows 10を「推奨される更新プログラム」のカテゴリに移す予定である。
MSは10にアップグレードさせたいみたいですねw
昔みたいにハードの性能が毎年バンバン向上する訳でも無く、5年前のPCでも平気で現役ですから、壊れる前に買い換えする人は少ないでしょうね。
まして7入ってるなら当然かと。
Windows 1.01リリースから30年経ち、MSのOSビジネスはあちこち綻んでいるのでWindows 10リリースから30年後にWindowsが存在するかどうかは怪しいと思います。「Windowsは10で終わり」はMS自ら終末を予言したんでしょうか。もし現状の迷走振りが続くなら、Windowsが無くなった場合にMSは困るメーカーやユーザーを無慈悲に切捨てるように思えてなりません。