パソコン工房より約3万円のデスクトップ版レサンセ発売

2012年1月 4日

パソコン工房の新製品、Lesance(レサンセ)のデスクトップ版。

2万円台と書くとまぎらわしいので約3万円としておりますが、それにしても激安。29,980円と言えば先日出たレサンセ シリーズのノートも同価格。モニタが別になる分、ノートの方が割安という考え方も有りでしょうな。

どのような物か簡単に見て参りましょう。

1月1日発売で既に完売「Lesance DT 2534-SP」

ノートが一部縮小され、デスクトップが右へ追加。

lesance-pc-koubou-2012.jpg

よく見ると全国で販売開始と書かれており、画像上部の文字には新聞広告まで入れたという気合の入り方。店舗在庫をしているという意味でしょうか。

パソコンという不良在庫化し易い物をそれは無いとするなら売り切れ中。

lesance-dt-p2534-sp-1-1.jpg

12/30の時点で予約完売と書かれており、次回分の出荷は1/10から。この価格のデスクトップでは他社が競合出来ず、正月休みで時期的にもぶつけられない上手いやり方。

この手の売り方を見ると本当かよと思ってしまう所では有りますが、確認出来るわけがない為スルーし主な仕様を一覧。

  • OS:Windows7 Home Premium(セレクタブル)※出荷時は64bit
  • CPU:Celeron G530(2.4GHz、2コア/2スレ、2MB)
  • マザー:インテル H61 Express チップセット
  • メモリ:4GBx1(DDR3 PC3-10600)※空きスロットx1
  • グラフィック:インテル HD グラフィックス(CPU統合)
  • HDD:500GB
  • DVD:スーパーマルチドライブ
  • 電源:300W
  • サイズ:幅96×奥365×高330 mm

ノートと同じくOEMの予感がするセレクタブルなWindows7。簡単にいうと、32/64bit版がセットになっており切り替える予定が有るならDSP版より得。

CPUは皆様の予想通りでしょうか、普通にセレロン。しかし最近はCeleronとは言えクロック2.4GHzや2コアなど性能が低いとは言えず。Pentium以上と比較すると低いけれど、旧製品と比較すると高め。

マザーは安物かつ拡張性の低いH61。しかもケースが薄いのでATXのような事は出来ず更に拡張性は低め。増設などほぼやらない前提ですな。

メモリは2GBかと思いきや、さすがにDDR3全体が値下がりし過ぎている為か4GB但し1枚。2GB1枚との差額は単品購入しても数百円。空きx1なので4GBで不満ならここは載せられそうでは有ります。

グラフィックはCPUに込なので飛ばし、HDD500GBとスーパーマルチと300Wは軽めな用途向け。事務用PCと思えば分り易いでしょうか。オフィスとかインターネット、デジカメ画像の整理など。動画編集や3Dゲームなどは困難かと。

個人的な疑問はケースの寸法で、一般的なスリムケースより数cm小さめな事。幅約10cmではCPUクーラー変更などの変態行為は無理と思った方が良さそう。

もう少し詳細も見てみましょう。一部省略。

  • 拡張:PCI Express x16×1(空き1)、PCI Express x1×3(3)
  • ベイ:5.25インチ×1(空き0)、3.5インチ×1(1) 、3.5シャドウ×2(1)
  • 端子:USB3.0×2 ,USB2.0×10、GigaBitLAN、DVI、D-Sub15Pin
  • 付属:キーボード、マウス
  • 添付:ソフトウェアドライバー、マザーボードドライバー

ロープロファイルという限られた大きさでは有りますが、勝手に増設するならグラボや地デジチューナなど一応搭載可能。

5インチはDVDで塞がっており空き無し、カードリーダーが無いので前面3.5インチは空き1、HDDやSSDは2台搭載出来るようですが、筐体内部が狭いので色々な意味でやめておいた方が無難。

USB3.0x2はH61な安物にしては優秀、USB2.0の多さはデスクトップならでは。現在最高速なギガLAN搭載。映像はHDMIが無いようなので、モニタ側にDVIが無ければ変換が必要ですな。千円くらい。

パソコン工房にしては珍しくキーボードとマウスがセット。仕入れはいずれも数百円の超安物と思われる為、別売の物を用意しておき付属品は予備として押入れに突っ込んでおきましょう。どちらか分からないけれど、キーボードかマウスのいずれかの端子はPS/2なのでUSBならやはり変換が必要。300円くらい。

良く分からない所が添付品で、WindowsがOEMと仮定すると何故マザーのドライバが付くのか。別機種の仕様をコピペしたと想像すると誤記でしょうか。ソフトウェアドライバーが何かは不明。

一応突っ込んでおくと、プラス1万円の約4万円で18.5インチ液晶がセットになっておりますが、最近はモニタも安くなっており、21型なら1万円台、23型でも2万円を切れるくらいなので無理に小型モニタをセットにしなくてもよろしいかと。但し上で書いたHDMIとDVI端子にご注意有れ。

 

新レサンセの価格を市販品や他メーカーと比較

先に市販パーツの最安と比較。

上で使った仕様一覧を一部省略や変更。いつも通りBTOメーカー(今回の場合はパソコン工房)が不利になるよう厳しめに。

  • OS:Windows7 Home Premium(DSP版換算)・・12千円
  • CPU:Celeron G530(2.4GHz、2C/2T、2MB)・・3千円
  • マザー:インテル H61 Express チップセット・・4千円
  • メモリ:4GBx1(DDR3 PC3-10600)・・1千円
  • グラフィック:インテル HD グラフィックス・・0
  • HDD:500GB・・7千円
  • DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
  • 電源:300W・・3千円
  • ケース:スリム・・3千円
  • その他:キーボードとマウス・・計1千円

相当厳しくやったつもりでも市販パーツの合計は約36千円。パソコン工房の価格設定は意味が分からない。

OSはセレクタブルなので機能でいうなら本来はパッケージ版と比較するべきかも知れないけれど、それをやるとOSだけで最安でも約22千円になり話にならず。

いつもはキーボードとマウスを各1千円にしている所を計1千円へ。更にまともなスリムケースとTFX電源が市販で各3千円は無理が有る。

これで利益が出ているとしたらOEMの威力か。ベアボーンとしてOS以外を丸ごと組立で仕入れているのか、妄想が広がりましょう。

他のBTOメーカーと価格を比較

パソコン工房に対抗出来る価格を出せそうなメーカーは、DELL、マウス、ドスパラ辺り。DELLはCeleronが無く除外。

余談、今見るとDELLは本気で安くなかったので安いという過去の思い込みが有るならリセット推奨。

マウスを見ると同じ構成。Windows7が出荷時に32bitという違い程度。

mouse-celeron-g530.jpg

価格は37,800円。

追い打ちをかけると、私の知る限り(過去3年くらい)ではマウスは送料無料キャンペーンなどやった事が無い為、3150円が自動的に加算され約41千円。

ドスパラはスリムは無し。下は最も安いシリーズ。

dospara-celeron-g530.jpg

左端はメモリ2GBx1なのでスルー。1つ右が4GB、但し2GBx2。

ケースがマイクロになっている辺りは個人的にこちらが良いと思うものの、2GBx2枚挿しているなら空きスロットはおそらく0。2GBの処分でしょうな。

ドスパラは年中送料無料キャンペーンなので価格は見たまんまの約38千円。パソコン工房のレサンセ デスクトップがおかしい程に安い事がお解りになったかと。

 

使い捨てデスクトップとしてならレサンセは有り(まとめ)

何度でも書くけれど、スリムケースは拡張性が乏しい代わりに省スペースなど言われておりますが、私がそれらはどうでも良いと思う程の別の難点と見ている事は。

  1. CPUクーラーが側板に近過ぎる
  2. ケースファンが小さく回転数が高くなる
  3. ケースファンをケチると内部のエアフローに問題
  4. 無理矢理と思える程に圧縮した設計なので内部が狭い

1と2は、騒音の原因になり、ケースの厚さが10cmを切るならCPUクーラーのファンは側板にかなり近いと推測。ケースファンは小さくなると羽も小さくなり枚数が増え高回転になるもの。いずれもケースの外側ぎりぎりに付いているので、普通のデスクトップより静音とは言えない構造。

2と3は、放熱(排熱)するべき空気がケース内部に溜まり易く、温度が上昇して有利になるパーツは無し。小さいケースはファンを省略し、排気を電源ファンに頼る事も有る為、冷却すべき電源ユニットを温める事になりましょう。

1,2,4は、ホコリを溜め易くクリーニングを難しくしている原因。ケース外に近いほどホコリを巻き込む量が多くなり、実際に私が修理場で出会ったスリムケースはCPUクーラーがほとんど詰まっておりました。分解しなければホコリを取り切れない設計も問題。

というわけで、3万円は確かに安い。しかしマイクロやミドルタワーと比較すると故障する確率が高くなると考えるなら使い捨てと考えましょう。それ以前にパソコンは全て故障し易い物では有りますが。

使い捨てが嫌ならパソコン工房の利点、延長保証が安め。

koubou-3year-guarantee.jpg

本体と合計すると約35千円。それでもマウスやドスパラより安価。

以上、パソコン工房の宣伝のようになってしまったけれど安い物は安い。但し、私はスリムケースを嫌っているという個人的な評価もあわせてどうぞ。

スリムケースでもDELLのDimentionを使っていた人は7年以上故障無し。ユーザの運要素がかなり高いとして、気にしなくとも良いかも知れませんな。個人的には気にした方が(もういい

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向き。

ツクモ

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶ。ヤマダ電機の一部、または自作PCのパーツ屋さん。

フロンティア

高性能: ★★★☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作したくない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。


※ドスパラはパーツの偽装疑いを誤魔化したり取引先を勝手に切る信頼性暴落した事件があり掲載中止(2020.11.26)

※マウスコンピューターは高いぞと書きまくったからか遠回しにリンク削除しろと言って来たので削除(2021.03.28)

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

データ復旧のIUECを勝手に評価
あなたの街の~を勝手に評価
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プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。