パソコン工房の新製品、Lesance(レサンセ)のデスクトップ版。
2万円台と書くとまぎらわしいので約3万円としておりますが、それにしても激安。29,980円と言えば先日出たレサンセ シリーズのノートも同価格。モニタが別になる分、ノートの方が割安という考え方も有りでしょうな。
どのような物か簡単に見て参りましょう。
1月1日発売で既に完売「Lesance DT 2534-SP」
ノートが一部縮小され、デスクトップが右へ追加。
よく見ると全国で販売開始と書かれており、画像上部の文字には新聞広告まで入れたという気合の入り方。店舗在庫をしているという意味でしょうか。
パソコンという不良在庫化し易い物をそれは無いとするなら売り切れ中。
12/30の時点で予約完売と書かれており、次回分の出荷は1/10から。この価格のデスクトップでは他社が競合出来ず、正月休みで時期的にもぶつけられない上手いやり方。
この手の売り方を見ると本当かよと思ってしまう所では有りますが、確認出来るわけがない為スルーし主な仕様を一覧。
- OS:Windows7 Home Premium(セレクタブル)※出荷時は64bit
- CPU:Celeron G530(2.4GHz、2コア/2スレ、2MB)
- マザー:インテル H61 Express チップセット
- メモリ:4GBx1(DDR3 PC3-10600)※空きスロットx1
- グラフィック:インテル HD グラフィックス(CPU統合)
- HDD:500GB
- DVD:スーパーマルチドライブ
- 電源:300W
- サイズ:幅96×奥365×高330 mm
ノートと同じくOEMの予感がするセレクタブルなWindows7。簡単にいうと、32/64bit版がセットになっており切り替える予定が有るならDSP版より得。
CPUは皆様の予想通りでしょうか、普通にセレロン。しかし最近はCeleronとは言えクロック2.4GHzや2コアなど性能が低いとは言えず。Pentium以上と比較すると低いけれど、旧製品と比較すると高め。
マザーは安物かつ拡張性の低いH61。しかもケースが薄いのでATXのような事は出来ず更に拡張性は低め。増設などほぼやらない前提ですな。
メモリは2GBかと思いきや、さすがにDDR3全体が値下がりし過ぎている為か4GB但し1枚。2GB1枚との差額は単品購入しても数百円。空きx1なので4GBで不満ならここは載せられそうでは有ります。
グラフィックはCPUに込なので飛ばし、HDD500GBとスーパーマルチと300Wは軽めな用途向け。事務用PCと思えば分り易いでしょうか。オフィスとかインターネット、デジカメ画像の整理など。動画編集や3Dゲームなどは困難かと。
個人的な疑問はケースの寸法で、一般的なスリムケースより数cm小さめな事。幅約10cmではCPUクーラー変更などの変態行為は無理と思った方が良さそう。
もう少し詳細も見てみましょう。一部省略。
- 拡張:PCI Express x16×1(空き1)、PCI Express x1×3(3)
- ベイ:5.25インチ×1(空き0)、3.5インチ×1(1) 、3.5シャドウ×2(1)
- 端子:USB3.0×2 ,USB2.0×10、GigaBitLAN、DVI、D-Sub15Pin
- 付属:キーボード、マウス
- 添付:ソフトウェアドライバー、マザーボードドライバー
ロープロファイルという限られた大きさでは有りますが、勝手に増設するならグラボや地デジチューナなど一応搭載可能。
5インチはDVDで塞がっており空き無し、カードリーダーが無いので前面3.5インチは空き1、HDDやSSDは2台搭載出来るようですが、筐体内部が狭いので色々な意味でやめておいた方が無難。
USB3.0x2はH61な安物にしては優秀、USB2.0の多さはデスクトップならでは。現在最高速なギガLAN搭載。映像はHDMIが無いようなので、モニタ側にDVIが無ければ変換が必要ですな。千円くらい。
パソコン工房にしては珍しくキーボードとマウスがセット。仕入れはいずれも数百円の超安物と思われる為、別売の物を用意しておき付属品は予備として押入れに突っ込んでおきましょう。どちらか分からないけれど、キーボードかマウスのいずれかの端子はPS/2なのでUSBならやはり変換が必要。300円くらい。
良く分からない所が添付品で、WindowsがOEMと仮定すると何故マザーのドライバが付くのか。別機種の仕様をコピペしたと想像すると誤記でしょうか。ソフトウェアドライバーが何かは不明。
一応突っ込んでおくと、プラス1万円の約4万円で18.5インチ液晶がセットになっておりますが、最近はモニタも安くなっており、21型なら1万円台、23型でも2万円を切れるくらいなので無理に小型モニタをセットにしなくてもよろしいかと。但し上で書いたHDMIとDVI端子にご注意有れ。
新レサンセの価格を市販品や他メーカーと比較
先に市販パーツの最安と比較。
上で使った仕様一覧を一部省略や変更。いつも通りBTOメーカー(今回の場合はパソコン工房)が不利になるよう厳しめに。
- OS:Windows7 Home Premium(DSP版換算)・・12千円
- CPU:Celeron G530(2.4GHz、2C/2T、2MB)・・3千円
- マザー:インテル H61 Express チップセット・・4千円
- メモリ:4GBx1(DDR3 PC3-10600)・・1千円
- グラフィック:インテル HD グラフィックス・・0
- HDD:500GB・・7千円
- DVD:スーパーマルチドライブ・・2千円
- 電源:300W・・3千円
- ケース:スリム・・3千円
- その他:キーボードとマウス・・計1千円
相当厳しくやったつもりでも市販パーツの合計は約36千円。パソコン工房の価格設定は意味が分からない。
OSはセレクタブルなので機能でいうなら本来はパッケージ版と比較するべきかも知れないけれど、それをやるとOSだけで最安でも約22千円になり話にならず。
いつもはキーボードとマウスを各1千円にしている所を計1千円へ。更にまともなスリムケースとTFX電源が市販で各3千円は無理が有る。
これで利益が出ているとしたらOEMの威力か。ベアボーンとしてOS以外を丸ごと組立で仕入れているのか、妄想が広がりましょう。
他のBTOメーカーと価格を比較
パソコン工房に対抗出来る価格を出せそうなメーカーは、DELL、マウス、ドスパラ辺り。DELLはCeleronが無く除外。
余談、今見るとDELLは本気で安くなかったので安いという過去の思い込みが有るならリセット推奨。
マウスを見ると同じ構成。Windows7が出荷時に32bitという違い程度。
価格は37,800円。
追い打ちをかけると、私の知る限り(過去3年くらい)ではマウスは送料無料キャンペーンなどやった事が無い為、3150円が自動的に加算され約41千円。
ドスパラはスリムは無し。下は最も安いシリーズ。
左端はメモリ2GBx1なのでスルー。1つ右が4GB、但し2GBx2。
ケースがマイクロになっている辺りは個人的にこちらが良いと思うものの、2GBx2枚挿しているなら空きスロットはおそらく0。2GBの処分でしょうな。
ドスパラは年中送料無料キャンペーンなので価格は見たまんまの約38千円。パソコン工房のレサンセ デスクトップがおかしい程に安い事がお解りになったかと。
使い捨てデスクトップとしてならレサンセは有り(まとめ)
何度でも書くけれど、スリムケースは拡張性が乏しい代わりに省スペースなど言われておりますが、私がそれらはどうでも良いと思う程の別の難点と見ている事は。
- CPUクーラーが側板に近過ぎる
- ケースファンが小さく回転数が高くなる
- ケースファンをケチると内部のエアフローに問題
- 無理矢理と思える程に圧縮した設計なので内部が狭い
1と2は、騒音の原因になり、ケースの厚さが10cmを切るならCPUクーラーのファンは側板にかなり近いと推測。ケースファンは小さくなると羽も小さくなり枚数が増え高回転になるもの。いずれもケースの外側ぎりぎりに付いているので、普通のデスクトップより静音とは言えない構造。
2と3は、放熱(排熱)するべき空気がケース内部に溜まり易く、温度が上昇して有利になるパーツは無し。小さいケースはファンを省略し、排気を電源ファンに頼る事も有る為、冷却すべき電源ユニットを温める事になりましょう。
1,2,4は、ホコリを溜め易くクリーニングを難しくしている原因。ケース外に近いほどホコリを巻き込む量が多くなり、実際に私が修理場で出会ったスリムケースはCPUクーラーがほとんど詰まっておりました。分解しなければホコリを取り切れない設計も問題。
というわけで、3万円は確かに安い。しかしマイクロやミドルタワーと比較すると故障する確率が高くなると考えるなら使い捨てと考えましょう。それ以前にパソコンは全て故障し易い物では有りますが。
使い捨てが嫌ならパソコン工房の利点、延長保証が安め。
本体と合計すると約35千円。それでもマウスやドスパラより安価。
以上、パソコン工房の宣伝のようになってしまったけれど安い物は安い。但し、私はスリムケースを嫌っているという個人的な評価もあわせてどうぞ。
スリムケースでもDELLのDimentionを使っていた人は7年以上故障無し。ユーザの運要素がかなり高いとして、気にしなくとも良いかも知れませんな。個人的には気にした方が(もういい
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